妻が不倫して妊娠するというトラブルを乗り越える方法

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妻の不倫というだけでも相当なショックなうえに、さらに不倫相手との子を妊娠していたら、卒倒してしまいますね。

このような最悪のケースにおいても、暴力や暴言はやはり何の解決にも導きません。かえって状況を悪くしてしまいます。冷静にといっても、冷静になることが難しい状況でしょうが、できる限り心を落ち着かせて、必要な情報を収集したうえで、どのように対処すべきか判断しましょう

以下では、このような状況下において必要な情報を網羅的に説明します。この難局を乗り越える一助となれば幸いです。

1、妻が不倫して妊娠したらやはり別れるべき?

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妻が不倫して妊娠した場合は、まず離婚するか、許して婚姻を継続するかを決めなければなりません。許して婚姻を継続するとしても、不倫相手との離別やお腹の中の子をどうするかといったことについて検討すべきでしょう。お腹の中の子に罪はないが堕胎するのか生む場合は誰が育てるのか。このような難しい判断に対して著名人のケースとそれに対する世間の反応を紹介します。また、夫婦の間に子どもがいる場合は、子どもにとってはどうした方がよいのかという観点からも考えなければなりません。

(1)著名人のケース

著名人のケースでは、2016年、タレントの柴田英嗣さんの当時の妻が歌手のファンキー加藤と不倫して妊娠したということが報じられました。

柴田さんと当時の妻は不倫発覚後に離婚し、柴田さんの元妻は加藤さんとの子を出産しました。

加藤さんは既婚者であり離婚はしておらず、柴田さんの元妻との子を出産前に認知しています。なお、出産前の認知は子の母の同意が必要なので、ファンキー加藤さんは柴田さんの元妻の同意の下に認知したことになります(実際はむしろ求められて認知しているのでしょう)。

認知をされると法的に親子関係が認められ、子の監護者は子の父に養育費を請求することができます。柴田さんによると、柴田さんが加藤さんと元妻との子を育てているとのことなので、柴田さんは加藤さんに養育費を請求できます。

また、柴田さんは元妻との間の子も併せて育てているとのことなので、元妻にも養育費を請求することができます

加藤さんが柴田さんの元妻が既婚者だと分かっていて不倫をしていたような場合は、柴田さんは加藤さんに慰謝料を請求することもできます

(2)世間の反応

この件に関する世間の反応をみてみましょう。

まず、柴田さんに対しては同情と子を育てていることに対する称賛が多いようです。

対して元妻と加藤さんに対してはやはり批判一色ですね。

柴田さんの離婚の判断に対しては、当然という反応が多く、離婚すべきではないという反応はほぼ皆無でした。このケースだけで断定はできませんが、妻が不倫して妊娠した場合の世間の感情としては、離婚してしかるべしということのようです。

(3)子どもがいるのであれば・・・

子がいる場合は当然、子のことも考えて結論を出さなければなりません。

妻が猛省して、良き母、良き妻になるというのであれば、離婚しない方が子にとっては良いでしょう

また、別れるかどうかの判断の子どもに委ねることは避けましょう子ども気付けるおそれがあります。

2、離婚する場合にやるべきこと

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離婚する場合にやるべきことは、不倫相手と妻への慰謝料の請求と、通常の離婚の場合と同様に妻との間で決めるべきことがあります。

不倫相手と妻には慰謝料が請求できます。慰謝料は不倫された結果として受けた精神的な苦痛等の損害に対する賠償です。

不倫は妻と不倫相手が共同で行ったことなので、どちらに対してでも慰謝料を請求することができます。不倫相手の方がより憎いので、妻に対しては請求せず、不倫相手に対してのみ請求する方もいますが、基本的には両方に請求することをお勧めします。なぜなら、妻が既婚であることを隠していた場合等のように、妻により責任がある場合に不倫相手にだけ請求していると、慰謝料が全く認められなかったり、認められたとしても少額のしか認められないこと起こりうるからです。

不合理のような気もしますが、実際、そのような例もありますので、やはり両方に請求することをお勧めします。

このほか、妻とは通常の離婚と同様に財産分与や子がいる場合はどちらが親権をもつかと養育費はいくら払うかということも決めます

また、住んでいる家をどうするかという点も決めなければなりませんが、子の環境をなるべく変えないように、子を引き取る方が住み続ける方が一般的です。

(1)不倫相手と妻への慰謝料請求

①請求できる場合

不倫相手が、妻が既婚者であることを知ったうえで、不倫していた場合は、不倫相手にも慰謝料を請求できます。不倫関係になった時点では知らなくても、知った後に関係を続けていたら請求できます。また、知らないことに過失がある場合も請求できます。薄々気付いていたとか、普通なら気付くような場合です。なお、夫婦関係が破綻した後に不倫に至った場合は、不倫相手にも妻にも請求できません。

②相手や事実を明確にする

慰謝料を請求するためには、相手がどこの誰なのかをはっきりさせる必要があります。妻から聞き出しましょう。また、後から不倫の事実を否認されないように、証拠を押さたり、言質を取っておくことも重要です。

③慰謝料の相場

そして、いくら請求するかを決めましょう。不倫の慰謝料の相場は200万円といわれますが、裁判例では事情によって100万円~500万円と開きがあります。妊娠は慰謝料の増額材料になります。慰謝料はどのような場合に増減するのかについて、詳しくは「慰謝料の金額はどのような事情によって決まる?」をご参照ください。

④脅迫にならないように気を付ける

また、直接請求する場合は脅迫にならないように気を付けてください。妻を寝取った男に対する怒りから、つい語気が強まり脅迫めいたことを口走ってしまったというケースもあります。不倫相手と直接交渉するストレスは尋常でないでしょうから、弁護士に依頼した方が無難です。その方が、交渉も優位かつスムーズに進められるでしょう。

⑤内容証明郵便で送る

自分で請求する場合は、内容証明郵便で行うとよいでしょう。内容証明で送ると、いつ誰にどういう内容の手紙を送ったのかを郵便局が証明してくれるので、請求されていない等ととぼけることを予防できます。また、普段は受け取らない形式なので、相手に「ちゃんと対応しなくては」というようなプレッシャーを与えることが期待できます。内容証明郵便について、詳しくは「内容証明郵便の書き方と出し方【雛型無料ダウンロード可】」をご参照ください。

⑥相手が応じない場合

相手が慰謝料の支払いに応じない可能性もあります。応じない理由(言い逃れ)は、「慰謝料の金額に納得がいかない」、「誘われて断り切れなかっただけで自分は悪くない」、「既婚者だと知らなかった」、「行為には及んでいない」等、様々なものが考えられます。相手の主張に対して根拠や証拠に基づいて反論をして交渉を重ねるといったことを自分で行うのは大変です。相手が支払いに応じない場合は、弁護士に相談しましょう。最初から相談するとなお良いですが、この時点からでも相談すべきです。なお、話し合いでは解決しない場合、最終的には裁判で解決することになります。

(2)不倫した妻との間に子どもがいる場合に!親権を渡したくない。養育費も請求したい。対処方法は?

不倫して妊娠までした妻に大切な我が子を任せられるかという気持ちは痛いほどよくわかります。ですが、裁判所が親権者を決める際、子が健やかな成長を遂げるためにどちらがより良いかという観点が最重要視され、夫婦関係を破綻させたのがどちらかという点は基本的には関係ありません。そして、調停等で実際に父が親権を得るケースは全体の1割ほしかありません。それでは、どのようにすれば親権を獲得できるのでしょうか。

①話し合いで妻を合意させる

夫婦や弁護士で話し合って離婚の条件を決める協議離婚では、裁判所は介在しないため、妻が親権を譲ることに同意すれば、親権を獲得できます。妻に親権を諦めさせることは相当骨が折れるとは思いますが、妻には不倫して妊娠したという負い目があります。その点をうまく突いて、交渉を有利に進めましょう

また、妻が不倫相手との子を産むつもりであれば、さらに自分との子も引き取った場合に、いわゆる複雑な家庭の子になってしまいますし、その他経済的な点等、子どものためを思えばこそ親権を諦めるべきだということを粘り強く切々と訴えて理解させることが重要です。

②裁判所が親権者を選定するにあたり重視する基準

どうしても妻が譲らない場合は、調停で親権を争うことになります。裁判所(調停委員)はどのような基準でどちらが子の親権者として相応しいか判断しているのでしょうか。以下の表をご覧ください。

父母の事情

  • 監護に対する意欲
  • 監護に対する現在および将来の能力(親の年齢、心身の健康状態、時間的余裕、経済力、実家の援助等)
  • 生活環境(住宅事情、居住地域、学校関係)

子の事情

  • 子の年齢
  • 性別
  • 子の意思
  • 子の身心の発育状況
  • 兄弟姉妹の関係
  • 環境変化による影響の度合い
  • 親や親族との情緒的結びつき

継続性の原則

これまで子を監護してきた方に継続して監護させるという原則

子の意思の尊重

子自身がどちらと一緒に暮らしたいかという意志は尊重されます。

兄弟姉妹不分離の原則

これまで一緒に育ってきた兄弟姉妹は分離させないという原則

母性優先の基準

乳幼児については特段の事情がない限り母に監護させること優先するという基準。

しかし、最近はこの基準に囚われず個別具体的に父母のどちらが親権者として適格か慎重に検討する傾向が強まっている。

③裁判所に親権者にふさわしいと認めてもらうには

上表を見て親権者としてふさわしいと裁判所に認めてもらえるような状況を作っていくことが重要です。そうすると、おのずから子にとっても健全に成長していける環境になっていくでしょうから、一石二鳥といえます。

裁判所は特に継続性の原則を重視します。ですので、なるべく子育てに主体的に関与してください。裁判所から見て、母がいなくても子が大丈夫だと、むしろ父がいないと子の健やかな健康は阻害されてしまうと思える状況になれば、親権者にふさわしいと判断されるでしょう。

妻と別居する場合は、なるだけその時点から子と同居してください。ですが、妻と同居している子を無理矢理連れてくるようなことは避けてください。裁判所からも親権者としての適格性を疑われてしまいます。別居中に子の同居が叶わなかったとしても諦めず、子との面会を継続し、子の学費等を負担してください。子のためになることや子との絆を深めることを行えば、必然的に裁判所へのアピールにもつながるでしょう。

なお、調停で父親が真剣を獲得する方法について詳しくは「離婚時に調停で親権を獲得するために知っておくと有利な7つのこと」の記事をご参照下さい。

③無収入の妻に養育費を請求できる?

親権が得られた場合に、次は妻から養育費を得られるかという点を説明します。養育費は妻との間で合意があれば、その額で決まります。調停で決める場合は、裁判所作成の養育費算定表を基に決められます。無収入の場合は月額0~1万円となっており、まともな養育費を得ることは難しいでしょう。ただ、元妻が再婚して経済的に余裕が出た場合は、養育費の増額を求めることは可能です。

(3)妻と不倫相手の子は法的には誰の子?

①放っておくと自分の子にされてしまう

不倫相手と妻との間の子でも、婚姻中や離婚後300日以内に生まれた場合は、自分の子として戸籍に入ってしまいます。このことを嫡出推定といいます。

②嫡出否認調停で否認できる

この嫡出推定は、家庭裁判所に嫡出否認調停を申し立てることによって否認できます。親子鑑定を行うこともあり、その場合の費用は申立人が負担します。血液型で判定できれば容易ですが、血液型で判定できない場合はDNA鑑定が必要になります。

なお、この申立ては、出生を知ってから1年以内に行わなければなりません。1年を過ぎてしまうと申し立てることはできません。なお、1年を過ぎても申し立てられる親子確認不存在の訴えという制度もありますが、2014年に却下する判決が下りましたので、これを当てにせず、確実に1年以内に嫡出否認を申し立てるべきです。

3、離婚したくない場合にやるべきこと

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(1)お腹の子をどうするか決める

離婚したくない場合にまず、お腹の中の子をどうするか決めなければなりません。不倫相手に引き取ってもらうというのは現実的ではないので、生んで自分と妻とで育てるか、人工中絶するかという選択になります。なお、妊娠22週以降は人工中絶をすることができません母体保護の観点からも早めに決断する必要があります。もっとも、人工中絶するかどうかについては最終的には妻が決めることです。

また、生む場合には、自分と妻とで育てるとして、法律上の父をどうするかということを決めなければなりません。自分がなるか、不倫相手に認知させるかです。

自分が父になる場合は、特にアクションは不要です。生まれたら通常通りに出生届を提出すれば事足ります。この場合、不倫相手に養育費を請求するのは基本的に難しいでしょう。

不倫相手に認知させる場合は、併せて自分が嫡出否認を申し立てる必要があります。この場合は養育費を請求することができます。子の成長過程における精神衛生のことを考えると、法律上も自分の子として育てる(前者)覚悟を決める方がよいといえます。

(2)不倫相手との離別を約束させる

離婚しない場合でも、二度と同じトラブルを繰り返さないためにも、不倫相手との離別を約束させましょう。書面にしておくとよいでしょう。また、不倫相手にも二度と連絡を取らず、近づかないことを約束させましょう

(3)不倫相手に慰謝料を請求する

離婚しない場合は妻に慰謝料を請求しても同じ家計の中でもお金が移動するだけなので無意味ですが、不倫相手には慰謝料を請求すべきでしょう。なお、不倫相手の妻も同様に自分の妻に対しても慰謝料を請求することができます。その場合、夫婦単位でみると、とんとんになってしまったり、向こうから請求される慰謝料の方が多くマイナスになってしまうおそれもあるので気を付けましょう。ただ、本件はこちらは妊娠までしてしまっていることを考えると、おそらくこちらから請求する慰謝料の高くなる可能性が高いでしょう。

妻が不倫して妊娠するというトラブルを乗り越える方法まとめ

精神的に大変辛い状況化と思いますが、以上の記事が手助けになれば幸いです。無料法律相談も行っていますので、不明な点はどうぞお尋ねください。

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