弁護士が転職を成功させるために知っておくべき11の知識とノウハウ

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転職したいが頼れる人脈がない

ひまわり求人を見ても、どの事務所も大差がないように見えてしまう

どのようなキャリアを辿るべきか悩んでいる

このような理由で、転職したくても二の足を踏んでしまうことがあります。

そのような弁護士の方に向けて、弁護士が転職を成功させるために知っておくべき11の知識とノウハウをお伝えします。

ベリーベスト法律事務所にも移籍してきた弁護士が多数在籍していますが、それぞれ、転職したいのに進まないという時期を経験しました。

以下では、どのようにして悩みを克服し転職を成功させたかについて分かりやすく説明します。

この記事をお読みの方が、転職を成功させるための参考になれば幸いです。

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1、弁護士の転職の流れと期間の目安

弁護士の転職活動は次のような流れで進めます。

  • 転職までの目標期間を設定する
  • スキルとキャリアの棚卸しをする
  • 転職によって実現したいことは何か、目的をはっきりさせる
  • 業界の動向を押さえる
  • キャリアプランについて考える
  • さらなる情報収集を行う
  • 並行して応募先を選定する
  • 応募書類を作成して応募する
  • 面接の対策を十分に行い、面接に臨む
  • 内定後、オファー面談・条件交渉
  • 退職手続き・入所準備

転職活動を始めてから、実際に転職するまでに、平均すると3〜4か月ほど、また、半年以上かかることもあります。

2、弁護士の転職市場の動向

弁護士の転職市場は、一頃に比べて景気が上向いたこともあり、売り手市場の様相を呈しています。

しかしながら、事務所の種類や規模によって、状況はことなりますので、以下では、それぞれの状況を説明します。

(1)大手渉外事務所

不況時は渉外事務所も採用を控えていましたが、ここ数年は積極的に採用を行っています

案件やクライアントの開拓能力の高い弁護士のニーズが高いほか、アジア進出のため、現地に駐在して活躍できる弁護士も重宝されます。

採用方法としては、大型のプロジェクトで一緒になった別事務所の優秀な弁護士に声を掛けたり、ヘッドハンターやエージェントによる一本釣りもありますが、広く一般に公開して募集しているケースもあります。

いずれにせよ、求められるのは即戦力の人材です。

(2)外資系事務所

数年前は震災の影響もあり、クロスボーダー案件が減り、外資系事務所の求人は減っていましたが、最近は、景気の回復もあり、案件が増えてきました

採用方法としては、渉外事務所と近いでしょう。

(3)ブティック型事務所

ブティック型事務所は、ご存知の通り、金融法務や特許、労働、倒産などの特定の分野に特化した法律事務所です。

アメリカでは既に当たり前になっていますが、日本にも弁護士の専門特化の波は押し寄せており、ブティック型の人材ニーズは今後益々高まるでしょう。

(4)新興系事務所

2000年代の半ば以降に設立された事務所の中で、弁護士や支店の数を大きく伸ばしている事務所を新興系事務所と総称することがあるようです。

新興系と一括りに出来るものではありませんが、総論として、このような事務所では、受任数の増加、取扱分野の拡充、支店開設等が継続的に行われ、人材ニーズを高く保ち続けている傾向があります

このような事務所では、設立当初は債務整理等の個人向け一般民事を軸に受任を伸ばしてきましたが、多様なバックボーンにもつ優秀な弁護士をパートナーとして迎え入れる等し、企業法務の比率が伸びてきています

また、徹底した顧客志向によって、弁護士に必要なマーケティング能力やオリジネーション能力を効率良く身につけることにも向いているでしょう。

(5)準大手・中堅事務所

準大手・中堅事務所は、大きく2つに分かれます。

老舗ではあるものの、前述の新興系と同様に時代に即して市場のリーガルニーズの変化を汲み取り、近年、さらに規模を拡大することに成功したグループと、徐々に規模を縮小しつつあるグループです。

前者については、積極的に採用活動を展開している事務所が多いようです。

(6)小規模事務所

いわゆる街弁といわれる存在です。

このような事務所は、弁護士が辞めて空きがでた場合等に募集を行うケースが多いようです。

(7)インハウス

弁護士の人件費が下がっていることから、需要が伸びています。

これまでであれば、弁護士資格のない法務スタッフを募集していたようなケースでも、弁護士を募集するようになってきました。

弁護士資格の有無に限らず、募集をかけるケースも目立つようになりました。

年収については、その会社の年収ベースに多少の資格手当が付くようなかたちになります。

一般の会社員の平均年収は、アソシエイトの平均年収よりも低いので、インハウスへの転職を考える場合は、年収がダウンする可能性もあります。

しかし、労働時間は、アソシエイトよりもインハウスのほうが短い傾向にあります。

3、弁護士のキャリアプランの立て方

転職市場の全体の動向を把握したところで、次に、どのようにキャリアップを図るべきかということに目を向けなければなりません。

キャリアップを図るには、そのためのプランを立てる必要があります。

キャリアプランの立て方が分からないという人のために、キャリアプランを立てる際の一般的な手順をご紹介します。

まず、弁護士として最終的に成し遂げたいことや自分の将来像、そして、それをいつまでに成し遂げたいのかについて考えます

何も、耳障りのよい夢や目標を掲げる必要はありません。

自分が本当にどうなりたいのかということ突き詰めて考えるべきでしょう。

例えば、次のような将来像が考えられます。

  • 全国紙の1面を飾るようなビッグディールで中心的な役割を担えるようになりたい
  • 独立して事務所を大きくしていきたい
  • ファイナンスの分野で専門性を身に付け第一人者になりたい
  • できるだけ高収入を得たい
  • ワークライフバランスを重視したい

次に自分の現在のキャリアやスキルの棚卸しを行い、最終目標に到達するために必要なキャリアやスキルと現在のそれとのギャップを確認します。

そして、その差を埋めるために必要なキャリアとスキルを洗い出します

そのキャリアとスキルを身につけるためにはどうすればよいのかについて考えます。

転職も選択肢に入ってくるかと思いますが、それだけに限りません。

目標とする将来像によっては、仕事を離れて、人脈作り、委員会等の活動が有益なこともあるでしょう。

自分のキャリア・スキルのKPIを設定し、必要なアクションを期限付きで洗い出します。

4、転職先の探し方・選び方

専門性の高いキャリアプランを考えている場合は、自ずと転職先も絞られていて、行きたい事務所が頭に浮かぶような状態になっているでしょうから、そのような場合は、その事務所の採用ページ等を閲覧し、採用を行っているかどうかを確認すればよいのですが、例えば、首都圏で一般民事の小規模事務所志望の場合等、転職先の候補が多数あるような場合は、探し方や選び方の問題が生じます

以下、探し方と選び方について、それぞれ説明します。

(1)転職エージェント

①特徴・受けられるサービスの内容

転職エージェントとは、求職者と求人企業・事務所との間に入って、転職活動や採用活動をサポートするサービスで、求職者は無料で利用することができます。

転職エージェントの主なサービス内容は次のとおりです。

  • 弁護士業界の転職市場動向等の情報提供
  • キャリアプランの相談
  • 条件に合った求人情報の紹介
  • 応募書類の作成サポート
  • 応募、面接日程の仲介
  • 面接対策
  • 条件交渉
  • 退職手続き、入所準備のサポート

なお、次のような弁護士に特化した転職エージェントは小規模なものも含めると多数ありますが、主なものとして次の3つがあります。

以下、それぞれの特徴についてご説明します。

なお、転職エージェントは複数登録して構いません。

転職エージェントごとに紹介できる求人は異なるため、むしろ、複数登録して、選択肢を増やしたほうがよいでしょう。

ア)弁護士ドットコムキャリア

弁護士探しのサイト、弁護士ドットコムの運営する転職エージェントです。

弁護士ドットコムのもつネットワークによって多数の事務所が登録しています。

また、創業以来弁護士に特化した事業を展開しており、自社でもインハウスロイヤーを複数名抱えているため、弁護士業界に非常に精通しています

新規登録弁護士よりも経験弁護士の転職に力を入れていているようです。

弁護士ドットコムキャリア

イ)MS-JAPAN

管理部門に特化した転職エージェントです。

経験弁護士や新規登録弁護士についても取扱っています。

職務経歴書の書き方など、転職に役立つ情報がサイトに掲載されているので、参考にするとよいでしょう。

MS-JAPAN

ウ)C&Rリーガル・エージェンシー社

C&Rリーガル・エージェンシー社は、クリエーターのエージェント事業を手掛けるクリーク・アンド・リバー社の子会社で、経験弁護士、新規登録弁護士のほか、パラリーガルや法務スタッフ、弁理士や知財スタッフについても取扱っています

20179月現在、8月中旬から続くサーバーの不具合で登録がうまく出来ない状況が続いているようなので、電話で登録するとよいでしょう。

弁護士専門情報誌の「アトニーズマガジン」を発行しており、エージェント登録すると無償で送ってもらうことができます。

C&Rリーガル・エージェンシー社

②利用がオススメされるケース

以下のような場合は、転職エージェントの利用がオススメです。

  • 多忙で転職活動の時間があまりとれない
  • キャリアプランに迷いがある
  • 事務所の雰囲気やボスとの相性を重視したい
  • 転職サイトを見ても、応募先を決められない
  • 応募書類や面接に不安がある
  • 応募したが落ちた
  • 条件交渉に不安がある

反対に、転職エージェントの利用が向いていないケースはあまりなく、官公庁や自治体のみを対象として考えている場合ぐらいです。

官公庁や自治体の紹介は、転職エージェントではほとんど取扱いがないものと思われます。

また、インハウス志望の場合は総合転職エージェントも検討するとよいでしょう。

なお、自分自身でも選考に応募している場合でも、エージェント登録して、並行してエージェント経由で他の事務所・企業に応募することも可能です。

(2)転職サイト

①特徴・受けられるサービスの内容

転職サイトとは、Webサイトを通じて、求人情報の閲覧や求人への応募ができたり、匿名で求職情報を登録してスカウト受けたりすることができるサービスです。

エージェントとの違いは人が介在しないことです。

転職サイトではシステムを通じて求職者と求人企業が直接遣り取りを行います

弁護士に特化した転職サイトはほぼ存在しないといってもよいでしょう。

あるにはあるのですが、パラリーガルが中心で、経験弁護士の求人は数件程度に留まるようです。

転職エージェントがWeb上で求人情報を公開しているケースはありますが、システムを通じて求人事務所と直接やり取りできるわけではなく、あくまでエージェントの利用につなげるためのフックとなっていることが多いようです。

②利用がオススメされるケース

前述の通り、事務所への転職を希望する場合は、有用な転職サイトは存在しないため、転職サイトを利用することが有用ではありません

しかし、インハウス志望の場合は、総合転職サイトでも法務人材の求人を掲載している転職サイトがあるので、閲覧してみるとよいでしょう。

求人企業から掲載料をとって求職者は無料で利用できるものが多いですが、求職者も利用料がかかるものもあります。

(3)ひまわり求人求職ナビ

①特徴・受けられるサービスの内容

ひまわり求人求職ナビは、日弁連の提供しているサービスで、弁護士と司法修習生向けの求人情報が掲載されていて自由に閲覧できるほか、弁護士と司法修習生は求職情報を登録(匿名可)してスカウトを受けることもできます

転職サイトに近い仕組みですが、サイト上で応募できるシステムはないので、11件、指定された方法で応募しなければなりません。

また、想定年収の記載欄がないので、気になる場合は(通常気になるかとは思いますが)、これの点も11件連絡して確認する必要があります。

そして、求人票の情報はどうしても画一的になりがちで、求人ごとの違いを見出しにくいという難点があります。

しかし、求人事務所・企業から掲載料をとっていないので、多くの事務所・企業が利用しており、掲載数が豊富という優れた点もあります。

日弁連「ひまわり求人求職ナビ」

②利用がオススメされるケース

ひまわり求人求職ナビを利用すべき場合は、主に次の3つの場合です。

  • 複数の転職エージェントに登録しても応募したい求人の紹介が受けられなかった場合
  • 官公庁・自治体のみを志望している場合
  • 希望転職先がいくつかに絞られていて、そこが求人を出しているか知りたい場合

反対に、以下のような場合は、ひまわり求人求職ナビの利用が向いていないかもしれません。

  • 業務が忙しく、ひとつひとつ求人を比較して問い合わせする時間が十分に取れない場合
  • キャリアプランと転職先に求める条件が明確でない場合
  • 雰囲気や代表者との相性を重視する場合
  • どこに応募すべきか決められない場合
  • 応募書類や面接が不安な場合

(4)人脈

①特徴

人づてに転職先の紹介を受けている弁護士も少なくありません。

例えば、次のような人脈で転職が実現するケースがあるようです。

  • 修習時の人脈(修習先のボスや兄弁、修習所の教官、修習同期)
  • 法科大学院時代の人脈(実務家教員、同期)
  • 委員会
  • 異業種交流会 ※インハウス志望の場合

人づてに転職した場合は、お互いのことをよく分かった上で転職できるというメリットがあるのですが、逆に、経済条件等を詰めて話しにくかったり、条件が合わない場合にこちらから断りにくかったりということもあるようです。

なお、人脈は転職だけではなく、弁護士としてキャリアップしていくに当たり重要ですので、そういった意味でも、日頃から人脈形成に勤しむことはよいことです。

②利用がオススメされるケース

人脈だけに頼って転職活動を行うことは、得策ではありません。

いつになったら紹介があるのか、自分ではどうすることもできず、主体的にキャリアプランと転職までのスケジュールを組み立てることができなくなってしまうためです。

首尾よく紹介の話が舞い込んだ場合は、折角なので、検討すべきですが、ベースは、自分で転職先を探したり、エージェントに登録したりするなど、主体的に転職活動を行いましょう

5、事務所選びの参考になる法律事務所ランキング

所属弁護士数のランキングを、毎年、ジュリナビが集計して発表しています。

前年からの増減数も併記されているので、大規模事務所や拡大中の事務所への転職を考えている場合は参考にすると良いでしょう。

ジュリナビ 法律事務所ランキング

なお、都道府県別の集計も掲載されています。

また、所属弁護士数の多い企業ランキングもありますので、インハウス志望の場合は参考にするとよいでしょう。

ジュリナビ 企業内弁護士ランキング

企業法務の分野で専門性を高めたい場合は、週刊エコノミストや日本経済新聞が毎年行っているランキングが参考になるでしょう。

6、転職志望先から内定を得るための必要な準備

志望する事務所・企業が決まったら、内定を得られるように準備を進めます。

(1)情報収集・分析・対策

志望先の情報を収集し、分析し、対策を講じます。

その際のポイントを紹介します。

  • 志望先の取扱分野は何か、その中でも特に力を入れているもの、これから注力したい分野は何か
  • 志望先がどのような人材を求めているのか
  • 志望先が求める人材と自分のキャリア・スキル・人物像にギャップがないか
  • それは先方にとって許容されうるものなのか、許容されないものなのか
  • ギャップをフォローする方法はあるか
  • 書類選考はあるのか、どういう点を確認するのか
  • 自分の魅力を伝える書類を作成するにはどうすればよいか
  • 面接は何回行うのか
  • 面接を行うのはどういう立場の何が専門の弁護士で、どのような点を確認するのか
  • 面接で自分の魅力を伝えるにはどうすればよいか

Web等の公開されている情報を収集することは勿論ですが、クローズドな生の情報も重要です。

ここでも、でもやはり人脈が物を言います。

志望先のことをよく知っていそうな知人に当たりをつけて、情報を収集するとよいでしょう。

伝手がない場合は、転職エージェントを利用するのも手でしょう。

エージェントは、志望先が定まってからでも登録することができるので、志望先の情報収集や選考対策に利用するとよいでしょう。

もっとも、志望先がエージェントと契約をしていなければ、エージェント経由で申し込むことはできません。

(2)職務経歴書の書き方と雛形ダンロード

前述のとおり、応募書類で魅力を伝えることは、とても重要です。

応募書類は、書類選考時だけでなく、面接に進んだ後もずっと見られるものです。

後から差し替えたくても、差し替えるタイミングはありません。

初めから納得のいくものを仕上げるようにしましょう

以下では、職務経歴書の書き方をサンプルとともに示します。

  • 職務経歴書サンプルダウンロード
  • 履歴書テンプレートダウンロード

(3)面接で好印象を与えるための準備とポイント

面接で好印象を与えるためには、事前の準備が欠かせません。

前述のポイントを確認しながら対策しましょう。

できれば模擬面接も経験したほうが良いでしょう。

弁護士を採用する立場のパートナーの先輩弁護士で、頼める人がいればベストですが、いない場合は、修習や法科大学院の同期・先輩でも構いませんので、恥ずかしがらずに依頼しましょう。

相手も転職を経験している人で、分野が同じ人の方がよいでしょう。

現職の事務所とつながりがある人には流石に頼めないでしょうが、誰か頼めそうな人がいないか考えてみてください

前述のポイントでも触れましたが、面接で重要なことは、相手が求めるスキル・キャリア・人物像を把握し、その点に沿って自分の魅力が伝わるようにすることです。

7、条件交渉で好条件を引き出すには?

好条件を引き出すには、面接時で高評価を得ることが何よりも重要です。

採ってもらえることを目指すのではなく、絶対に欲しい、逃したくないと思ってもらえるレベルで内定を得なければなりません。

求職者の方が転職先を選ぶ立場になると、必然的に交渉優位に立てます。

しかし、露骨に他から好条件で内定を得たことを持ち出して、好条件を引き出そうとする態度は慎んだほうがよいでしょう。

自分評価の点でマイナスに映るおそれがあります。

基本的にはオファー後に、条件を引き上げようとするよりも、初めのオファーで納得のいくオファーを引き出せるように面接時に努力しましょう。

オファー後に条件交渉を行う際は、相手が自分に対する値付け、上振れ可能なバッファを推測し、あくまで相談ベースという態度で指値を提示すると、相手に悪い印象を与えずに交渉することができるかもしれません。

逆に印象がよくないのは、どのくらいの条件ならオファーを受けるのかを明らかにしないまま条件を引き上げようとしたり、複数回に渡って引き上げようとするケースです。

8、円満退所のための退職時の注意点

最も重要なのは、クライアントに迷惑をかけないということです。

企業法務の場合は特に、クライアントに好印象をもってもらったまま移籍したほうが、この先の弁護士人生でも有益でしょう。

キャリアが進めば進むほどオリジネーションの重要性が増してきます。

オリジネーションには、ひとつひとつ人脈が生きてきます。

当然ですが、移籍する場合もクライアントのことを考え、クランアントに応援してもらえるような退職の仕方をしましょう。

もっとも、個人向けの一般民事でも依頼者に迷惑をかけてはならないことには変わりはありません。

9、より深い転職情報を入手する方法

転職に関して情報収集が重要なことは前述のとおりです。

中でも、同期や先輩からの生の情報は非常に有益です。

人脈関連の話は前述しましたので、ここでは、書籍やセミナーといった人以外の媒体を紹介します。

(1)書籍

弁護士のキャリアに関する書籍はあまり多くはありません。

しかも、10年ほど前に出版されたものが多く、改訂もされていないので、ここでは、比較的最近出版された次の1冊のみ、紹介しておきます。

①「弁護士・法務人材 就職・転職のすべて」

  • 著者:野村 慧
  • 出版社:レクシスネクシス・ジャパン
  • 出版日:20151021

この本の主な内容は次の3点です。

  • 法律事務所形態別のキャリアの違い
  • 就職・転職活動における情報収集と分析の視点
  • 書類作成と面接対策

この本の詳細

(2)転職セミナー

弁護士向けの転職セミナーはほとんど行われていないようです。

転職エージェントが個別相談会というかたちで、キャリアコンサルタントとの相談会を実施しています。

詳細については前述の転職エージェント一覧から、転職エージェントのサイトにリンクされていますので、各転職エージェントに問い合わせてみるとよいでしょう。

司法修習生向けのものであればセミナーもあるようですが、弁護士向けとなると、弁護士数が増えたとは言えやはり狭い業界ですから、転職セミナーで知り合いに合うリスクを考えると、セミナー形式よりも個別形式の方が人が集まりやすいのでしょう。

10、転職だけではない!留学によるキャリアアップ

転職だけではなく、留学というキャリアップの方法もあり得ます。

渉外事務所や外資系事務所では、事務所負担で留学させてもらえることが多いです。

しかし、渉外事務所や外資系事務所を志望したが、採用に至らなかったというケースもあるでしょう。

そういった場合に、自費で留学して、今後のキャリアに活かすという選択肢もあります。

留学先としては、クロスボーダー案件で関わることが最も多いアメリカが最有力候補として挙げられるでしょう。

アメリカで弁護士資格を取得にするには、Bar Examという試験に合格しなければなりません。

アメリカは州ごとに法律が異なるため、弁護士資格も州ごとに分かれています。

従って、Bar Examも州ごとに異なるものが実施されます。

どこの州の資格を取るべきかについては、一般的には、クロスボーダー案件で関わることが多いニューヨーク州かカリフォルニア州を選ぶことになるでしょう。

Bar Exam2016年の合格率はニューヨーク州で37%、カリフォルニア州で13%です(ForeignEducatedの場合)。

日本の弁護士資格を持っていれば、留学せずにBar Examを受験することができますが、いずれにせよ勉強は必要ですし、キャリアとしても資格だけ得るよりもロースクールに留学した方が有益でしょう。

アメリカのロースクールは3年間のJD1年間のLLMが選べます。

日本の弁護士が留学する場合は、LLMに留学することがほとんどです。

勿論、3年掛けてみっちり勉強しても構いませんが、留学は1年にして、その分実務で経験を積んだほうが、キャリアとして有用のように思われます

11、転職ではない独立という選択

転職ではなく、独立という選択肢もあります。

自分の描いているキャリアプランにとって、早期に独立することが最善であれば、そうすべきでしょう。

ただ、独立後、仕事があまり入らず、就職活動をおこなうケースもあります。

キャリアに穴が空いてしまうと、望みどおりの就職ができない可能性があるので、独立を考える場合は、キャリアプランとして最適であるかは勿論のこと、仕事(収入)を得られそうかという点を入念に検討しましょう。

個人向けの一般民事であればマーケティング能力が、企業法務であればオリジネーション能力が必要でしょう。

転職と独立のそれぞれのメリットとデメリットを整理すると下表のようになります。

 

転職

独立

安定性

◯(安定的)

×(不安定)

初期費用

◯(無し)

×(有り)

アップサイド

×(小さい ※一概には言えないが)

◯(大きい ※一概には言えないが)

自由度

×(小さい)

◯(大きい)

通常の弁護士業務以外に費やさなければならない時間

◯(短い)

×(長い)

人間関係のストレス

×(可能性あり)

◯(可能性低い)

まとめ

以上、弁護士が転職を成功させるための知識とノウハウをお伝えしました。

この記事が、あなたのキャリアップに少しでも役立ててば幸いです。

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