弁護士費用特約とは? 交通事故で損しないために知っておきたい7つのこと

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交通事故の被害に遭ったとき、相手方にどこまで補償してもらえるのか、自分にも落ち度があったと言われてしまうのかなど、疑問や不安がたくさん生じてきます。また、加害者や保険会社の対応に納得できないことも少なくないでしょう。そんな時、誰か詳しい人に話を聞いておきたい、そう思うのは当然です。できることなら専門家である弁護士に相談や依頼をしたいと思っても、そのためには費用がかかってしまいます。

そのような場合、必ず確認してほしいのが「弁護士費用特約」です。今回は、弁護士費用特約について説明していきます。ご参考になれば幸いです。

目次

1、「弁護士費用特約」とは?

事故等の被害に遭ったとき、加害者に対する損害賠償を求めるために弁護士に相談・依頼するには、弁護士にその費用を支払う必要があります。その費用は必ずしも安いものではないため、被害者は弁護士への依頼を躊躇し、そのせいで十分な補償を受けられないということもあるかも知れません。

そのような不安を解消するため、平成12年、日本弁護士連合会と損害保険各社とが協力し、保険の商品として弁護士保険(権利保護保険)というものを作りました。

この弁護士保険は、現在、自動車保険、火災保険などに「弁護士費用(担保)特約」として付帯されることが多くなりました。

これは、自動車保険などに特約として付帯させておき、いざ自動車事故などの被害者になって弁護士に相談・依頼することとなったとき、そのための弁護士費用が保険会社から支払われるというものです。

2、「弁護士費用特約」を使えるタイミングは?

(1)弁護士費用特約の内容は、保険会社によって異なる

弁護士費用特約は、保険会社各社で内容が異なっています。自動車保険に付帯されているのか、火災保険に付帯されているのかなどによっても内容は違います。

そのため、どのようなときに使えるのかというのは、保険契約の内容次第です。

しかし、弁護士費用特約一般にいえることとして、「交通事故により、生命・身体・財産に損害が生じ、その損害の賠償を加害者に対して求めるために弁護士に相談・依頼したとき」にその費用が支払われることは共通しています。

ここでいう交通事故とは、自分が車に乗っている場合に限らず、歩行中に車にはねられた場合なども含まれます。

自転車同士の事故や、歩行者と自転車の事故などにも適用されることとしている保険会社が多いのですが、自動車が関係する事故に限定している保険会社もありますので、注意して下さい。

(2)弁護士費用特約が使えるかどうか確認する方法

それとは反対に、交通事故に限らず、日常生活における事故全般について、弁護士費用が支払われることとしている保険会社もあります。

自分が事故に遭って、弁護士費用特約が適用されるかどうかを知りたいときは、保険会社の代理店やコールセンターに問い合わせると良いでしょう。また、最近は初回相談が無料という法律事務所もありますので、まずは無料相談を利用して弁護士に相談し、弁護士費用特約が使えるか聞いてみるのも有効です。その時は、保険証券と、できれば保険約款を相談する法律事務所に持っていくようにしましょう。

(3)自分に過失割合がある場合でも、弁護士費用特約は使える

よくある誤解ですが、弁護士費用特約は、0:100の完全な被害事故でないと使えないと思っている方がいるようです。

しかし、保険約款にはそのようなことは書かれておらず、交通事故による損害の賠償を請求するために弁護士費用を要したとき、その費用を保険で支払うと書いているのみです。

つまり、極端なことをいえば、99:1の過失割合でこちらが悪いとき、その相手方の1%分の責任を追及するためであっても、弁護士に依頼したのであれば、その弁護士費用は支払われることとなっているのです。例えば、東京海上日動火災保険株式会社は、弁護士費用特約に「もらい事故アシスト」というペットネームを付けていますが、いわゆる「もらい事故」以外にも「もらい事故アシスト」を使うことができるのです。

3、弁護士費用特約が適用される人の範囲は?

(1)自分が加入している保険以外の弁護士費用特約が使えることも

自分は車も持っていないし損害保険に全く加入していない、そのような方も決してあきらめないで下さい。弁護士費用特約は、自分で保険に加入していない場合にも適用されることが少なくありません。

では、自分が保険に加入していないにもかかわらず、どのような場合に弁護士費用特約が適用されるのかを見てみましょう。

まず、保険の契約に際しては「記名被保険者」という人を決めることになっています。そして、保険が適用される人の範囲は、「記名被保険者」をベースとして考えるのが原則です。

弁護士費用特約が適用される場合として、多くの保険約款に規定されているのは次の人です。

①記名被保険者

②記名被保険者の配偶者

③記名被保険者またはその配偶者の同居の親族

④記名被保険者またはその配偶者の別居の未婚の子

つまり、自分が保険に入っていなくても、同居している家族が保険に加入していたり、未婚の人は別居している親が保険に加入しているような場合にも、その保険の弁護士費用特約が使えるのです。

(2)弁護士費用特約がカバーする範囲はかなり広い

弁護士費用特約が適用されるのは、これらの場合だけではありません。

自動車保険の契約に際してはどの車に保険をかけるのかを決めるのですが、その車を「契約自動車」と言います。そして、次の人にも保険は適用されるとする保険約款もあります。

⑤契約自動車に搭乗中の者

⑥①~④に該当する者が運転する契約自動車以外の自動車に搭乗中の者

ここまでくると、かなり縁の遠い方の保険まで使えることになります。知人の運転する車でドライブに行ったとき、その車にかけている保険(⑤)や、知人の入っている保険には弁護士費用特約が付いていなくても、運転していた知人の別居の親が保険に加入していて、その保険に弁護士費用特約が付帯されていれば、その保険が使えるのです(⑥)。

(3)弁護士費用特約を使っても、保険の等級は下がらない

このように、自分や身近な人が弁護士費用特約に入っていない場合でも、思わぬ人の保険が使えたりするのです。しかも、弁護士費用特約を使ったとしても、保険の等級はダウンしませんので、保険の契約者に迷惑をかけることもありません。

保険会社によって保険が適用される人の範囲は異なっていますが、保険契約の内容次第では非常に広い範囲の人にこの特約は適用されますので、事故に遭った時には使える保険がないか探してみて下さい。

4、弁護士費用特約を使いたいとき、どうすればいいの?

(1)そもそも弁護士に依頼するメリットは?

そもそも弁護士に依頼することにはどのようなメリットがあるのでしょう?

まず一般的にいえることは、相手方とのやり取りから解放されるということがあります。弁護士を代理人にした場合、保険会社や加害者とのやり取りは、全て弁護士が窓口となりますので、そのような相手方と自分自身でやり取りをする必要が無くなります。

次に、賠償額が増額するということが考えられます。保険会社はあくまで保険会社内の基準で慰謝料等を計算するのですが、実際に裁判をしたときに裁判所が認める慰謝料は、保険会社内の基準よりも高くなっています。弁護士が交渉することになれば、訴訟を見据えた交渉が可能になりますので、保険会社も裁判所が認めるであろう金額を踏まえた金額を提示してくるのです。

その他にも、法的な主張で相手方に対抗できたり、後遺障害認定のサポートを受けられたり、さまざまなメリットが考えられるところです。

(2)交通事故に強い弁護士の見分け方

弁護士に依頼して事故の交渉を進めたいと考えたとき、まずは依頼する弁護士を探す必要があります。交通事故は専門性を要求される分野ですので、依頼する弁護士は交通事故案件に精通している弁護士の方が良いでしょう。

そこで、そのような弁護士の見分け方としては、ホームページを見て交通事故を多く扱っているかどうかを確認したり、交通事故案件の書籍を執筆しているかどうかを確認するといった方法が考えられます。

そのうえで、実際に弁護士と話してみて、色んな質問にスムーズに回答できるかといった点を踏まえ、依頼するか決めてみてはいかがでしょうか。

(3)弁護士費用特約を使って弁護士に依頼する手順

①弁護士費用特約を使う場合であっても、保険会社が選んだ弁護士を選ぶ必要はない

弁護士費用特約を使いたいと考える人に意外に多いのが、保険会社が選んだ弁護士に依頼しなければならないという勘違いです。

確かに、保険会社に弁護士を紹介して欲しいと依頼すると、弁護士を紹介してくれることもあるかもしれません。

ただ、弁護士費用特約は、保険会社の紹介する弁護士に依頼しなければならないというものではありません。自分の知り合いの弁護士や、インターネットを見たり、法律相談に行って見つけてきた弁護士に依頼する場合にも、弁護士費用特約を使うことができるのです。

②依頼したい弁護士を見つけた場合、次にどうすればいいか

まずは、保険の契約者から、加入している保険会社に対して、弁護士費用特約を使うという意思表示をしなければいけません。そこで、保険の契約者から、保険に加入した代理店や、保険会社の事故受付のコールセンターに連絡し、弁護士費用特約を使いたいと伝えて下さい。

そうすると、保険会社の「●●サービスセンター」、「××保険金お支払センター」などという部署の担当者が決まります。この担当者の方に、依頼したい弁護士の名前、法律事務所名、法律事務所の電話番号を伝えて下さい。

依頼することにした弁護士にも、保険会社の担当者の名前、担当者のいる部署の電話番号を伝えて下さい。

そうすることで、弁護士費用の支払い方法などは弁護士と保険会社が打合せをしますので、スムーズに弁護士費用の支払いがなされることになります。

③弁護士費用をいったん立て替える必要がないことも多い

本来、弁護士費用特約は、被害者が弁護士に依頼したとき、被害者自身が弁護士に対して弁護士費用を支払い、その後、支払った弁護士費用を保険会社に請求すると、保険会社がそれを支払うという建前を取っています。しかし、実際には、被害者が弁護士に一旦弁護士費用を支払うことなく、保険会社から弁護士に対して直接弁護士費用を支払うこととするケースが多いでしょう。

5、弁護士費用特約に入っていると、どれくらい弁護士費用が安くなる?

(1)弁護士費用特約の限度額は300万円

弁護士費用特約の内容は保険会社によって違うのですが、ほとんどの保険会社は、法律相談料として10万円、弁護士費用および実費として300万円を支払い限度としています。

(2)賠償額がかなり高額にならない限り、弁護士費用が限度額を超えることはない

では、300万円の費用がかかる事件とはどのような事件でしょうか。

民事事件の弁護士費用は、相手方に対する請求額の大小で変わってきます。日本弁護士連合会が以前定めていた弁護士の報酬基準に従うと、賠償額(賠償予定額)が300万円以下の場合、着手金は賠償予定額の8%、報酬金は賠償額の16%です。賠償額(賠償予定額)が300万円を超えて3000万円以下の場合、着手金は賠償予定額の5%+9万円、報酬金は賠償額の10%+18万円です。

消費税が別途8%かかるとすると、弁護士に支払う費用が弁護士費用特約の限度額である300万円を超える場合というのは、およそ1671万円を超える賠償請求をする場合ということになります。

つまり、交通事故による損害が1671万円以上になる場合には、弁護士費用特約によって弁護士費用を賄いきれないことになり、300万円を超えた弁護士費用について自己負担が生じます。逆に、それを超えない損害のときには、基本的には自己負担なく弁護士に依頼することができるといえるでしょう。

ただし、弁護士費用の体系は個々の弁護士が自由に決められることになっており、また、訴訟などをしたときは別途費用が発生したりする場合もあります。ですので、この1671万円の損害というは一つの目安に過ぎませんので、正確なことは依頼する弁護士によく確認するようにしましょう。

6、弁護士費用特約の保険料の相場は?

弁護士費用特約を付けるためには、そのための保険料を保険会社に納めなければなりません。この保険料はいくらくらいになるでしょうか?

弁護士費用特約は、上述のとおり、自動車保険や火災保険などに付帯されるものです。ほとんどの保険会社で、付帯するか否かを選べる任意付帯となっています。そして、弁護士費用特約を付帯することとした場合、付帯しない場合より年間1000円前後保険料が高くなるようです。

7、弁護士費用特約を付けられる保険会社は?

弁護士費用特約はどのような保険にも付けられるのでしょうか。損害保険大手各社のパンフレットを見比べてみましたが、自動車保険に関しては、弁護士費用特約を付帯できない保険会社は見つけられませんでした。

他方で、火災保険や傷害保険に関しては、弁護士費用特約を付けられない保険会社の方が多いようです。火災保険については、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社、富士火災海上保険株式会社では弁護士費用特約を付けられるようです。傷害保険については、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社では付帯できるようです。

まとめ

以上、弁護士費用特約についての説明でした。いざというとき、とても役に立つ保険です。自分ではこの特約を付けていると思っていなかったのに、保険証券を見てみると付帯されていたという人や、使えると思っていなかった他人の保険契約が自分にも適用できたという人によく出会います。

事故に遭った場合には、この保険を使えないか一度調べてみるといいかも知れません。

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