通勤災害で不利益なく労災認定され補償を受けるために必要な6の知識

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

通勤中に事故に遭ってしまった場合、労災が認定されるのかどうか、今後の生活のこともあり、不安でしょう。

また、労災認定されたとしても、そのことによって会社から不利益な扱いを受けないかどうか不安に感じることもあるでしょう。

さらに、通勤災害を巡っては、交通事故の場合に、相手方と労災のどちらから補償を受けるべきか等、分からないことがしばしば生じるでしょう。

そこで、以下では、通勤災害に遭った場合に、会社から不利益な扱いを受けることなく、労災認定されて補償を受けるために必要な6つ知識について、労災認定に精通したベリーベスト法律事務所の弁護士が説明します。

手続き面についても、必要書類の記入例を分かりやすく説明します。

また、最後にFAQを設けて、細かな疑問点を網羅的に解消することができるようにしてあります。

この記事が、不幸にも通勤災害に遭ってしまった方が不利益なく適切な補償を受けるための参考になれば幸いです。

弁護士相談実施中!
当サイトの記事をお読み頂いても問題が解決しない場合には弁護士にご相談頂いた方がよい可能性があります。

お気軽にベリーベスト法律事務所までお問い合わせください。
お電話でのご相談
0120-751-882
メールでのご相談

目次

1、労災保険についての知識

あなたは今回通勤中の怪我に対して、労災保険の手続きをするようにと言われて、「労災保険って何?」と困惑されていると思います。私もそうでした。

まずは、労災保険の手続きをするために必要な前提知識として、労災保険について簡潔に説明します。

(1)労災保険の概要

あなたが、普段病院で使っている健康保険は、通勤中の怪我には使えません。通勤中の怪我には労災保険を使わなければなりません。これは法律で定められたルールです。

労災保険とは、労働者災害補償保険のことで、労働者が仕事中や通勤途中の事故によって、負傷・疾病・死亡の場合の治療費、生活費の支給を行う制度です。

一人でも働く人(正社員、パート、アルバイト、臨時職員)を雇ったならば、会社は労災保険に加入しなければなりません。これは「労働者災害補償保険法」と言う法律で決められたルールなのです。

また、あなたが個人的に加入している生命保険や自動車の任意保険は、○○生命、○○損保等の会社が運営していますが、労災保険は、国によって管理・運営されています。

つまり労災保険は、普通の生命保険等と違う、特別な保険制度なのです。

(2)健康保険と労災の違い

労災保険とは、仕事中と通勤中の怪我に対して適用される保険です。

一方、仕事に関係ない怪我に対しては、健康保険が適用されます。

1労災保険と健康保険の違いの整理

(3)本人負担額の健康保険と労災保険の違い

普段、皆さんは病院で治療を受けた際は、治療費の3割を支払います。治療費の3割負担は健康保険のルールです。

一方、労災保険では無料です。(病院により治療費を一旦全額支払い、後から保険料を受け取る場合もあり)しかし通勤時の怪我については、初診時にのみ200円を支払います。

健康保険

3割

労災保険

就業中の怪我:無料

通勤時の怪我:200円(初診時のみ)

2、通勤災害とは

自宅と会社の間を、通勤している間に発生した怪我のことを通勤災害と言います。

会社に向かう途中の自動車事故による怪我、電車通勤で駅の階段からころんでの怪我などは、通勤災害です。

(1)労災保険が使える通勤とは

労災保険では通勤について、定義があります。

通勤とは、労働者が、就業に関し、次に掲げる移動を、合理的な経路及び方法により行うことをいい、業務の性質を有するものを除くものとする。

  1. 住居と就業の場所との間の往復
  2. 厚生労働省令で定める就業の場所から他の就業の場所への移動
  3. 第一号に掲げる往復に先行し、又は後続する住居間の移動(厚生労働省令で定める要件に該当するものに限る。)

(2)労働者災害補償保険法第七条

下記2点も通勤とみなされます。

  1. 事業所間の移動
  2. 単身赴任者の赴任先住居と帰省先住居との間の移動

また、「寄り道」をした場合は、通勤とはみなされ無く、労災保険は適用されません。

例えば、帰りに「ちょっと一杯」と居酒屋に寄った場合は、居酒屋の帰りにこけて怪我をしても、通勤災害とはみなされません。

(3)労災保険が適用される/されない事例

適用される1.5.

  1. 事故渋滞を避けるために、通常とは異なるルートで会社に向かう途中の事故
  2. 家族の住まいとは別に、事業所の近くにアパート借りて住んでおり、そこからの通勤
  3. 天災等の合理的理由で、一時的にホテルに宿泊し、そこからの通勤
  4. 業務の都合で、帰宅途中に、得意先に荷物を届けた後、自宅に直接帰る途中の怪我
  5. アルバイトが、自宅から職場に来る途中の怪我

適用されない1.5.

  1. 職場のサークル活動を長時間行った後の帰宅途中の怪我
  2. 友人宅に宿泊し、その友人宅から直接会社に向かう途中の怪我
  3. 合理的な理由の無い、通常の通勤ルートから外れた場所での怪我
  4. アルバイトが、学校の帰りに直接職場に来る途中の怪我
  5. 帰宅途中に居酒屋で一杯飲んで、居酒屋の帰りに怪我をした。

また、通勤災害でなく、業務災害となる事例

  1. 会社専用送迎バスに乗車中の事故
  2. 会社の指示による休日出勤における通勤中の事故
  3. 会社の敷地内駐車場での怪我

3、労災保険では、どんな給付が受けられるのか?

労災保険の保険給付には8種類あります。

通勤災害と業務災害について、労働者が受け取れる内容は基本的に同じです。

通勤災害と業務災害の違いは、単に、給付の前に「補償」という言葉が入るか入らないかだけです。

(1)療養給付

治療費のことです。

労災指定病院と労災指定病院以外で、治療を受けた際には、手続きに違いがあります。

  1. 労災指定病院:現物支給、つまり、労働者はお金を払わなくても良いです。
  2. 労災指定病院以外:かかった費用を支給されます。一旦、労働者が治療費を支払い、後日、お金が支給されます。

ここの「かかった費用」ですが、治療費だけでなく、入院の費用、看護料、移送費など

通常の療養のために必要なものは全額支給されます。

給付の対象となる療養の範囲や期間は、どちらも同じです。

療養給付は、治療費、入院料、移送費などの通常の療養のために、必要なものがふくまれ、傷病が治ゆ(症状固定)するまで行われます。

「治ゆ」とは、「治ゆ」という言葉からは、一般に怪我や病気から完全に回復し、以前の健康な状態にもどることと理解されていますが、

上記の「治ゆ」は、傷病の症状が安定し、医学上一般に認められた医療(注1)を行ってもその医療効果が期待できなくなった状態(注2)(「症状の固定」の状態)をいいます。

したがって、「傷病の症状が、投薬・理学療法などの治療により一時的な回復がみられるにすぎない場合」など、症状が残存している場合であっても、医療効果が期待できないと判断されるときには、労災保険では「治ゆ」(症状固定)と判断し、療育給付を支給しないこととしています。

注1「医学上一般に認められた医療」とは、労災保険の療育の範囲(基本的には、健康保険に準拠)として認められたものをいいます。したがって、実験段階、または研究的過程にあるような治療方法は、ここにいう医療には含まれません。

注2「医療効果が期待できなくなった状態」とは、その傷病の症状の回復・改善が期待できなくなった状態をいいます。

療養の給付請求書の記載例

http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/040325-14-04.pdf

療養給付の請求手続パンフレット

http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/040325-14.pdf

労災保険給付関係請求書書式のダウンロード

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/rousai/rousaihoken06/index.html

(2)休業給付

会社を休んだ間、4日目以降の給料の補填です。

会社を休んで、給料を受けない日の4日目以降から支給されます。

給与基礎日額の80%x休業日数が支給されます。

80%の内訳は、

  • 休業給付=給与基礎日額の60%
  • 休業特別支給金=給付基礎日額の20%

給与基礎日額とは、原則として平均賃金に相当する額です。

平均賃金は、原則として、事故が発生した日の前3ヶ月間に支払われた賃金の総額を、その期間の総日数(休日などを含めた暦日数)で割った額です。

但し、臨時に支払われた賃金、ボーナスなど3ヶ月を超える期間ごとに支払われた賃金などは、含まれません。

また、通院のため、労働者が所定労働時間の一部についてのみ労働した場合は、給付基礎日額からその労働に対して支払われる賃金の額を控除した額の60%に当たる額が支給されます。

休業給付傷病年金請求書式の記載例

http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/040325-14-04.pdf

休業給付傷病年金の請求手続パンフレット

http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/040325-14-04.pdf

労災保険給付関係請求書書式のダウンロード

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/rousai/rousaihoken06/index.html

(3)傷病年金

療養開始後16ヶ月を経過しても治癒せずに、傷病等級(1〜3級)に該当したときに、給与基礎日額の313日〜245日分の年金が支給されます。

休業給付傷病年金請求書式の記載例

http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/040325-14-04.pdf

休業給付傷病年金の請求手続パンフレット

http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/040325-14-04.pdf

労災保険給付関係請求書書式のダウンロード

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/rousai/rousaihoken06/index.html

(4)障害給付

傷病が治癒したときに、一定の障害が残った場合に、障害等級により支給されます。

  • 第1〜7級:給付基礎日額の313日〜131日分の障害年金
  • 第8〜14級:給付基礎日額の503日〜56日分の障害一時金が支給

されます。

障害給付請求書式の記載例

http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/040325-8-04.pdf

障害給付の請求手続パンフレット

http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/040325-8.pdf

労災保険給付関係請求書書式のダウンロード

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/rousai/rousaihoken06/index.html

(5)遺族給付

通勤途中の死亡に対して支給され、遺族年金と遺族一時金の2種類があります。

①遺族年金

労働者の死亡当時、その者の収入によって生計を維持されていた配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹が請求できます。

②遺族一時金

労働者が亡くなった当時、遺族年金を受ける資格のある遺族がいない場合亡くなった労働者の親族のうち最先順位者に支給されます。

遺族年金の受給権者がすべていなくなってしまったとき、受給権者であった遺族の全員に対して支払われた年金の額及び遺族年金前払い一時金の額の合計額が給付基礎日額及び算定基礎日額の1000日分に満たない場合、最先順位者の遺族に支給されます。

③時効

被災者が亡くなった日の翌日から5

遺族年金給付請求書式の記載例

http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/040325-7-08.pdf

遺族一時金給付請求書式の記載例

http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/040325-7-05.pdf

遺族給付葬祭料の請求手続パンフレット

http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/040325-7.pdf

労災保険給付関係請求書書式のダウンロード

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/rousai/rousaihoken06/index.html

(6)葬祭料(葬祭給付)

葬祭を行った方に対して支給されます。

下記A,Bのいずれか高額な方の金額が支給されます。

  • 31万5千円+給与基礎日額の30日分
  • 給与基礎日額の60日分 

葬祭料請求書式の記載例

http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/040325-7-08.pdf

遺族給付葬祭料の請求手続パンフレット

http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/040325-7.pdf

労災保険給付関係請求書書式のダウンロード

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/rousai/rousaihoken06/index.html

(7)介護給付

事故の影響で介護を受けている場合に、毎月支給されます。

条件として、障害により傷病年金または障害年金を受給していることが必要です。

介護給付請求書式の記載例

http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/040325-4.pdf

介護給付の請求手続パンフレット

http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/040325-4.pdf

労災保険給付関係請求書書式のダウンロード

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/rousai/rousaihoken06/index.html

(8)二次健康診断等給付

直近の定期健康診断で次のすべての検査項目について、「異常の所見」があると診断されたときは、二次健康診断等給付を受けることができます。

  1. 血圧検査
  2. 血中脂質検査
  3. 血糖検査
  4. 腹囲の検査またはBMI(肥満度)の測定

なお、定期健康診断の担当医師より、1.-5.の検査項目において「異常なし」と診断された場合であっても、労働安全衛生法に基づき事業場に選任されている産業医等が、就業環境を総合的に勘案し、異常の所見を認めた場合には、産業医等の意見を優先します。

但し、定期健康診断またはその他の機会で、医師により脳・心臓疾患の症状を有すると診断された場合、二次健康診断等給付を受けることはできません。

二次健康診断等給付請求書式の記載例

http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/040325-1-05.pdf

二次健康診断等給付の請求手続パンフレット

http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/040325-1.pdf

労災保険給付関係請求書書式のダウンロード

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/rousai/rousaihoken06/index.html

4、治療費の請求手続き

(1)病院により手続きが異なります

病院には、労災保険で指定された病院とそれ以外の病院があります。

労災保険指定病院とそれ以外の病院では、手続きが異なります。

通勤中の怪我で治療を受ける際に、労災保険で指定された病院であれば、(通勤の怪我の場合、初診時のみ200円かかりますが、それ以外は、)あなたはお金を払う必要がありません。とても助かりますよね。

一方、労災保険指定病院以外で治療を受けた場合は、一旦、治療費を全額支払い、後から請求書を提出して、治療費の払い戻しを受け取ることになります。これは高額な現金が必要となる場合もあり大変です。

このリンクhttp://rousai-kensaku.mhlw.go.jp/”から、お近くの労災保険指定病院を検索できます。

労災保険指定病院

支払不要、つまりお金を払わずに、治療が受けられる。

通勤中の怪我の場合は、初診時のみ200円負担あり。

労災保険指定病院以外

一旦、全額を支払って、後日、その金額を労働基準監督署に請求する必要がある。

(2)労災保険指定病院で治療をうけた際の手続き

治療費は現物支給となります。お金を払わなくても大丈夫です。

病院に、“療養給付たる療養の給付請求書:様式第16号の3を提出してください。

様式は、下記からダウンロードできます。

労災保険給付関係請求書書式のダウンロード

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/rousai/rousaihoken06/index.html

この様式は通勤災害用です。

業務災害は違う様式事業主の署名のある療養補償給付たる療養の給付請求書:様式第5号です。

指定医療機関を変更するとき、すでに指定医療機関などで療育の給付を受けている方が、他の指定医療機関などに変更するときは、変更後の指定医療機関などを経由して所管の労働基準監督署長に、「療育給付たる療育の給付を受ける指定病院等変更届」:様式第16号の4)を提出してください。

(3)労災保険指定病院以外で治療を受けた際の手続き

一旦、病院・薬局等に全額を支払い、その後所管労働基準監督署に請求して、現金で支払われます。

療育給付たる療育費用請求書(様式第16号の5)を提出してください。

療養の給付請求書記載例

http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/040325-14-04.pdf

  • 薬局から薬剤の支給を受けた場合:様式第16号の5)(2)
  • 柔道整復師から手当を受けた場合:様式第16号の5)(3)
  • はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師から手当を受けた場合:様式第16号の5)(4)
  • 訪問看護事業者から訪問看護を受けた場合:様式第16号の5)(5)

療養の給付請求書の記載例

http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/040325-14-04.pdf

療養給付の請求手続パンフレット

http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/040325-14.pdf

労災保険給付関係請求書書式のダウンロード

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/rousai/rousaihoken06/index.html

図2病院の違いによる手続き違い

(4)通院費

傷病労働者の居住地、または勤務先から、原則2km(注1)以上の通院であって、下記1.から3.のいずれかに該当する場合に支給対象となります。

1.同一市町村内の適切な医療機関(注2)へ通院したとき。

2.同一市町村内に適切な医療機関がないため、隣接する市町村内の医療機関へ通院したとき(同一市町村内に適切な医療機関があっても、隣接する市町村内の医療機関の方が通院しやすいときなども含む)

3.同一市町村内、隣接する市町村内に適切な医療機関がないため、それらの市町村を越えた最寄りの医療機関へ通院したとき。

注1:片道2km未満でも、通院費の支給対象となる場合があります。

注2:適切な医療機関とは、傷病の診療に適した医療機関をいいます。

(5)時効

療育の費用は、費用の支出が確定した日から2年を経過すると、時効により請求権が消滅します。

労災保険給付関係請求書書式のダウンロード

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/rousai/rousaihoken06/index.html

(5)所管労働基準監督署の調べ方

厚生労働省の全国労働基準監督署の所在案内から、各都道府県をクリックしてください。

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/location.html

各都道府県の労働局、労働基準監督署、公共職業安定所の一覧が表示されます。

ページを下側にスクロールすると、「労働基準監督署」とあり、その下に労働基準監督署の名称、所在地等の表があります。

その表の右上に「所管一覧表」がありますので、クリックしてください。

労働基準監督署と所管区域の一覧表が表示されます。

3所管労働基準監督署の調べ方

5、交通事故による通勤災害で注意すること

通勤途中での交通事故の場合、補償に利用する保険が、労災保険だけでなく他の保険から補償を受けることが可能です。しかし、保険金を労災保険と他の保険(自賠責等)を同時に使うことはできません。

どちらか一方しか使うことができません。これを二重補填回避といいます。

例えば、先に自賠責で補償を受け取り、後から労災保険を受け取る場合は、自賠責で受け取った補償分は、労災で支払われる補償から控除されます。

一方、もし労災保険を先に使うと、自賠責からの支給は受けられなくなります。

労災保険を使うか、相手側の自賠責を使うか、任意保険を使うは、事故にあわれた方が決めます。

選択を間違えると、貰えるお金が少なくなることがあるので、充分理解しましょう。

(1)示談の前に、必ず労働基準監督署に相談しましょう。

交通事故で示談をする場合、下手をすると、労災保険で受け取ることができる補償が受けられなくなることがあります。

必ず、示談で合意する前に、労働基準監督署に相談しましょう。

(2)どの保険を使うか選択のポイント

通常は、事故相手の自賠責/任意保険から先に保険金支払いを受ける方が、メリットがあることが多いです。

相手側の自賠責/任意保険から先に保険金支払いを受けるメリット

  1. 慰謝料が支払われる。労災保険には慰謝料はありません。
  2. 保険金の支払いがスムーズ、内払い金や仮渡し金といった制度もあります。
  3. 治療費の支払い対象が、労災保険より広い(通院交通費、諸雑費、眼鏡、補聴器、義足等の費用)
  4. 休業補償は、最終的に120%の金額を受け取れる(休業補償を120%の金額を受け取るには、労災保険の申請が必要)

労災保険から先に、保険金支払いを受けた方が良い場合は、2タイプあります。

  1. 自動車事故で、自分の過失割合が大きい場合
  2. 加害者側が無保険の場合

自動車事故で、自分の過失割合が大きい場合(自賠責では、自分の過失割合が70%以上の場合、保険金が減額されてしまいます。しかし、労災保険では、自分の過失割合に関係無く、減額されることはありません。)

もし、加害者が無保険だった場合、直接加害者と交渉となりますが、払ってもらえる可能性は低いでしょう。労災保険なら、安心して治療を受けられます。

(3)交通事故の際に提出する書類

交通事故の場合、第三者行為災害届等の書類を、労働基準監督署に提出する必要があります。これらの書類を提出しないと、労災保険が支払われない場合もあるので、提出が必要です。

交通事故の際に、労働基準監督署提出する書類

①第三者行為災害届 2

第三者行為災害届記載例

http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/040324-10-06.pdf

②交通事故証明書または、交通事故発生届   2

交通事故証明書は、自動車安全運転センターにおいて、交付証明を受けたものを提出

交通事故証明書が得られない場合は、交通事故発生届を提出

交通事故発生届記載例

http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/040324-10-07.pdff

③念書(兼同意書)         3

念書(兼同意書)記載例

http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/040324-10-07.pdf

④示談書の謄本   一部示談が行われた場合

⑤自賠責保険/任意保険の支払証明書または支払通知書 一部支払いを既に受けている場合

被害者が亡くなられた場合は、F)G)の書類も提出します。

⑥死亡診断書または死体検案書      1

⑦戸籍謄本         1

労災保険第三者行為災害のパンフレット

http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/040324-10.pdf

労災保険給付関係請求書書式のダウンロード

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/rousai/rousaihoken06/index.html

(4)労災保険の支払いの調整

交通事故の場合、加害者が被災労働者(あなた)に賠償する義務があります。

加害者の保険(自賠責や任意保険)から賠償された場合、労災保険との二重取りにならないように、調整があります。

①加害者側から先に支払われた場合は、「控除」といいます。

労働保険の支払いは、差し引かれて支払われます。

②労災保険から先に支払われた場合は、「求償」といいます。

労災保険から加害者側に請求されます。

③控除される・されない

控除される項目:治療費、休業補償、障害補償(後遺障害)、葬祭費、遺族補償

控除されない項目:慰謝料、物の損害、示談金、和解金、労災保険独自の上乗せ部分

④休業補償について

自賠責から先行して受取、労災保険を後から受け取る場合、控除されるのは、休業給付のみで、休業特別支給金は控除されません。

労災の休業補償は給与基礎日額の80%=休業給付60%+休業特別支給金20%

それに対して、自賠責では100%が支払われます。そして、休業特別支給金20%は控除されないので、自賠責から先に受け取った場合、休業補償については、120%を受け取ることが可能です。

但し、労災保険の休業特別支給金は、労災保険の申請が必要です。

申請方法が記載された厚生労働省のパンフレット

http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/040325-13.html

4労災保証と損害倍賞との関係

6、F&Qよくある質問

(1)通勤中の事故で病院にいき、健康保険で治療をうけた場合

まずは、受診した病院で、健康保険から労災保険への切り替えができるか相談してください。

①切り替えができる場合

病院の窓口で、支払った金額が返還されます。

労災保険様式第16号の3の請求書を、受診した病院に提出してください。

 労災保険給付関係請求書書式のダウンロード

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/rousai/rousaihoken06/index.html

②切り替えができない場合

一時的に、医療費を全額負担した上で、労災保険を請求します。

厚生労働省のリーフレット

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000163967.pdf

一時的に医療費を全額負担するのが困難な場合は、労働基準監督署へ相談してください。

(2)加害者が不明の場合

交通事故で当て逃げされたり、駅の階段で押されて転倒してしまったり、加害者が不明な場合もあります。

加害者不明でも、第三者行為災害届が必要となります。

第三者行為災害届に、加害者が不明な旨を記載して、所管の労働基準監督署に提出してください。

治療費等、労働保険から補償が受けられます。

また、事故証明書も必要ですから、必ず警察に届け出て事故証明書をもらってください。

(3)保育園・幼稚園への送迎中の事故は、労災の通勤ですか?

通勤として認められる可能性が大変高いです。但し、個別の事案として労働基準監督署の判断によります。

過去に「他に子供を監護する者がいない共稼ぎ労働者が、託児所、親戚等に子供を預けるためにとる経路などは、そのような立場にある労働者であれば、当然、就業のためにとらざるを得ない経路であるので、合理的な経路となるものと認められる」として、労働基準監督署が却下した判断を取り消した事例http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/shinsa/roudou/08/rousai/txt/73.txtがあります。

(4)出張に向かう途中での怪我

労災の補償対象ですが、通勤でなく、業務としての適用となります。

(5)会社に申請した通勤方法と異なる通勤方法での事故

例えば、会社にはバス通勤として申請していましたが、実際は自家用車で通勤している途中で事故にあった場合でも、労災保険の補償となります。

但し、寄り道などをした場合は、ダメです。経路として居住地から会社までのルートは合理的なルートであることが条件です。

(6)帰り道の途中に病院に寄った後、交通事故に遭いました

病院に寄った場合は、病院の後でも、通勤として労災保険が使えます。

(7)帰り道に、日用品を買うためにスーパーに寄り、その後交通事故にあいました

日用品を買うためでしたら、日常生活に必要とのことで、労災保険が使えます。

(8)介護のために寄り道した後、交通事故にあいました

要介護状態にある配偶者、子、父母、配偶者の父母ならびに同居し、かつ扶養している孫、祖父母および兄弟姉妹の介護については、継続的にまたは反復して行われていることを条件に認められます。

1日限りの介護は認められません。

(9)自転車通勤でも、労災適用されますか?

合理的な通勤方法であれば、労災保険が適応できます。

(10)自宅の玄関から道路の間での怪我は労災ですか?

例えば雪で転んで怪我をした場合、自宅が一戸建の場合、敷地内で転んだ場合は、労災とはなりません。

それに対して、マンションの場合は、マンションの敷地内であっても、自宅のドアの外であれば、労災になります。

(11)通勤中に蜂に刺されました

労災保険が適用できます。

(12)通勤電車内で、殴られて怪我労災ですか?

ケースバイケースで、労働基準監督署の判断によります。

例えば、一方的に酔っ払いにからまれて負傷した場合は、労災保険として認められる可能性が高いです。

一方、酔っ払いにからまれた際に、あなた側から、喧嘩を仕掛けた場合は、認められない可能性が高いです。

「社会通念上通勤に通常伴う行為」なのかどうかポイントとなります。

(13)通勤中に雪で転んで怪我

自宅(居住地)から会社に向かう途中であれば、通勤であり、雪で転んで怪我しても、労災保険から補償を受けられます。

(14)会社が請求書の事業主(会社)の欄に署名、押印してくれません。

労働基準監督に提出する労災の請求書には、事業主(会社)が署名、押印する欄があります。

もし会社が協力してくれなかった場合は、その欄は空欄のままでも、労働基準監督署は、請求書を受理してくれます。

そして会社に対して、請求書に署名、押印しない理由を書いた書類「証明拒否理由書」の提出を、労働基準監督署から求めてもらえます。

つまり、あなたでなく、労働基準監督署が交渉してくれます。

さらに、労災保険に認定されるか否かは、会社の署名、押印に関係無く、労働基準監督署が調査の結果に基づいて行われます。

(15)「うちの会社は労災保険に入っていない。」と言われたら。

それは法律を誤解している説明です。

労働保険は、全ての会社が入らなければならない強制保険です。

労働保険とは、会社などの法人については、規模などに関係無く、全ての事業者が、加入を強制されています。

 労働者災害補償保険法

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S22/S22HO050.html

また、個人時事業主でも、加入を強制されていない、労災保険への加入が任意とされているのは下記の3ケースだけです。

これらの3事業を暫定任意適用事業と言います。

  • 個人経営の農業、労働者数5人未満、特定の危険又は有害な作業を主として行う事業以外のもの
  • 個人経営の林業、労働者を常時使用することなく、かつ年間使用延べ労働者数が300人未満
  • 個人経営の畜産、養蚕又は水産(総トン数5トン未満の漁船による事業等)、労働者数5人未満

もし、会社が労災保険の手続きを怠っていた、忘れていた、やってなかったとしても、遡って労災保険が適用されますので、労働者は、規程どおりの補償を受けることができます。

(16)「あなたは、労災保険に入っていない。」と言われたら。

労災保険は、労働者個人が加入する保険ではなく、会社が事業所ごとに強制的に加入する保険です。あなた個人が加入する/しないということでは、ありません。

日本国内で働く、全ての雇われている人は、労災保険で守られています。

(17)「パートは、労災保険に入っていない。」と言われたら。

それは法律を誤解している説明です。

労災保険は、雇用形態は関係ありません。

パート、日雇い、臨時雇用でも労災保険で補償されます。

(18)「外国人に労災保険は適用されない。」といわれたら、

それは法律を誤解している説明です。

労災保険は、国籍は関係ありません。

日本国内で働いている全ての労働者は、労災保険で守られています。

厚生労働省から、各国語で労災保険のパンフレットが提供されてます。

 厚生労働省外国人労働者向け労災保険のパンフレット

http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/gaikoku-pamphlet.html

(19)管理職は労災を使えないの?

代表権の無い役員・管理職も、労災保険で補償されます。

労災保険で補償されるのは、労働者です。代表権の無い役員や管理職であっても、

  • 会社から賃金の支払いを受けているか
  • 使用従属関係があるか

2点によって決まります。

代表取締役社長については、使用者であり労働者で無いので、労災保険は適用されません。

(20)フリーランスや、社長は労災を使えないの?

会社の代表者や、個人事業主の場合でも、予め下記の特別加入制度を利用して労災保険に加入しておけば、労災保険の補償をうけることは可能です。

しかし、事故にあった後からは、入れません。特別加入の制度は、労働基準監督署に提出した翌日から効力が発生します。

労災保険は、労働者のための保険ですから、本来は、使用者である会社の代表者、個人事業者は対象外となります。

しかし、特別加入という制度があります。

①第1種特別加入者

中小企業の代表者(事業主)とその家族従事者、その会社の役員が対象です。

  • 1種特別加入者として認められる業種と労働者数
  • 金融業、保険業、不動産業、小売業:50人以下
  • 卸売業・サービス業:100人以下
  • その他の事業:300人以下

②第2種特別加入者

  • 一人親方等:フリーランス、個人タクシーなど、労働者を使用しない者
  • 特定作業従事者:災害発生率の高い作業(特定作業)に従事している方のための制度

です。

労災保険特別加入制度のしおり<特定作業従事者用>

http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/040324-8.pdf

個人事業主の方が労災保険の代わりに加入できる保険がありますので、ご紹介します。

 あんしん財団

https://www.anshin-zaidan.or.jp/

日本フルハップ公益財団法人

http://www.nfh.or.jp/

商工会議所の休業補償プラン

https://hoken.jcci.or.jp/leave-compensation

(21)退職することになりました、労災はどうなりますか?

治療を続けていますが、会社を退職することになりました。労災保険の補償は打ち切られるのでしょうか?

退職によって、労災の補償は打ち切られません。治療費については、傷病が治ゆ(症状固定)するまで支払われます。その他の補償についても、退職により打ち切られることはありません。

労災保険法12条の5で、「保険給付を受ける権利は、労働者の退職によって変更されることはない」と定められています。

(22)労災に関する相談先

労災保険について、誰かに相談したい時、無料で、予約不要で、秘密厳守の公的なサービスがあります。

 総合労働相談センター

http://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html

まとめ

  • 通勤中の事故は、健康保険は使えなく、労災保険の申請が必要です。
  • 通勤中の自動車事故で大切なポイントは、示談をする前に、必ず労働基準監督署に相談しましょう。

不利な示談を結ぶと労災保険で受けられるはずだった補償が受けられなく場合があります。

  • 自動車事故の場合、相手側の自賠責、任意保険、労災保険のどれから先に補償を受けるかを、選択することが可能です。

あなたの過失割合が大きい場合は、労災保険から先に補償を受けた方が、スムーズに多くの補償を受けられます。

それ以外は、通常、相手側の自賠責、任意保険から先に補償を受けた方が、スムーズに補償を受けられることが一般的です。

なお、相手側の自賠責、任意保険から先に補償を受けた場合は、労災保険の休業特別支給金の申請をお忘れなく。

  • 労災保険は、あなた個人が加入する保険でなく、会社(個人事業主のお店等を含む)が加入する保険です。

会社は国から強制的に労災保険に加入を義務づけられています。

つまり、日本の労働者は全て、労災保険で守られています。

もし、パートだから、外国人だから、会社は労災保険料を払ってないから等の理由で、労災保険が使えないと言われたら、それは間違った説明です。

通勤とは、居住地と会社の往復です。もし、帰りに居酒屋に寄った場合は、居酒屋以後については、通勤とは見なされなくて、労災保険が使えなくなります。

この記事があなたのお役に立てればと想いながら執筆しました。

あなたに起きたアクシデントを乗り越える一助になれば幸いです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

弁護士相談実施中!


当サイトの記事をお読み頂いても問題が解決しない場合には弁護士にご相談頂いた方がよい可能性があります。

お気軽にベリーベスト法律事務所までお問い合わせください。

SNSでもご購読できます。

最近の投稿