刑事事件に遭ってしまった場合に弁護士に相談する方法

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Midsection of male judge holding weight scale at desk against black background

もしも、家族が逮捕されてしまったら?

「夫が痴漢で逮捕されました。どうすればいいんでしょう?」というご相談をよくいただきます。ご家族が逮捕された場合、どういった対応が必要なのか全く分からない方がほとんどでしょう。弁護士に相談あるいは依頼すべきか悩む方も多いでしょう。

以下では、弁護士を依頼する際の注意点をみていきましょう。

目次

1、弁護士を依頼する際のメリットとデメリットとは?

2、私選弁護人と国選弁護人の違いは?

3、刑事事件に強い弁護士を見分けるポイントとは!?

4、刑事事件に強い弁護士を探す方法

5、有意義な相談をするために!相談時に準備しておくべき物

6、有意義な相談をするために!弁護士に相談する際に聞くべき内容

1、弁護士を依頼する際のメリットとデメリットとは?

まず、弁護士を探す前に、弁護士を依頼する際のメリットとデメリットを見てみましょう。

(1)メリット

①弁護士であれば逮捕・勾留段階問わずいつでも接見(面会)できる

被疑者の身体拘束は、「逮捕」に引き続き、「勾留」という手続が控えています。

逮捕直後、検察官の勾留請求に対する結果が出る前は、被疑者は外部の者と会うことはできません。勾留の決定が出た後であったとしても、裁判所が、被疑者と外部との接触を禁止する場合(接見等禁止)があります。これらの場合には、たとえご家族であっても、被疑者と会うことはできないのです。

もっとも、弁護士は、これらの場合にも、被疑者と接見することができます。

刑事事件の対応は、初期対応が極めて重要です。逮捕直後から被疑者と接見することで、被疑者の立場、今後の見通し、方針を決定することが可能になります。

②被疑者・被告人の権利を正しく理解させることができる

被疑者・被告人には、話したくないことは話さなくてよい、「黙秘権」という権利があります。しかし、捜査機関の取調べでは、丁寧に黙秘権の意味を教えてくれない場合がありますし、捜査機関の取調べが厳しくなるのが怖くて被疑者が黙秘権を行使できない場合も多いです。

弁護士から、正確に黙秘権をはじめとする被疑者・被告人の権利を説明し、被疑者・被告人が正確にこれらの権利を理解することが重要です。また、被疑者・被告人としては、刑事手続が進む中でこれらの権利を行使することに抵抗を覚えるのも仕方ないでしょう。弁護士が継続的に相談に乗り、協力していくことで初めて、これらの権利を安心して行使することができる側面も大きいです。

③身柄解放に向けた活動することができる

刑事手続は、一度身体拘束がされると裁判が終わるまで身柄が解放される可能性がない、というわけではありません。

被疑者が勾留されるまでには、検察官の勾留請求とそれに対する裁判官の勾留決定という手続があります。検察官や裁判官に対し、勾留の必要性がないと訴えることで、身柄が解放される場合もあります。また、裁判官の勾留決定に対して、異議を申し立てる(準抗告)方法もあります。準抗告が認められれば、被疑者の身柄は解放されます。

さらに、起訴された場合には、「保釈」請求をすることができます。保釈とは、勾留の効力が続いていることを前提に、保釈保証金の納付を条件に身柄が解放される裁判所の決定・手続をいいます。

しかし、これらの身柄解放活動は、被疑者・被告人自身で行うことが著しく困難です(ほとんど不可能なケースが多いでしょう。)。弁護人が活動することで初めて、これらの手続が実効性をもってくると言えるでしょう。

④早期の示談交渉ができる

被害者がいる犯罪の場合、被害者の処罰感情が最終的な処分に影響してきます。そのため、被害者に対して謝罪をし、示談交渉をすることが重要です。

しかし、被疑者・被告人自身が示談交渉をしようとしても、警察や検察官は、被害者の連絡先を教えてくれることはほとんどありません。他方で、弁護士から申し入れをする場合、被害者の同意が得られれば、被害者の連絡先を教えてもらえるケースも多いです。

示談が奏功し、被害者が許す意思表示をしてくれたり、被害届を取り下げてくれたり、被害弁償金を受け取ってくれたりすることは、検察官の起訴・不起訴の判断や裁判官の判決にプラスの影響を与えるものになり得ます。示談交渉の可能性の点でも、弁護士に依頼するメリットがあると言えるでしょう。また、早期に弁護士へ依頼をしていれば、それだけ示談交渉を行う時間的猶予もできますから、早期の依頼のほうが、よりメリットが大きくなると言えるかもしれません。

(2)デメリット

弁護士に依頼する場合には、弁護士費用がかかります。この費用の点が、ほとんど唯一のデメリットでしょう。

後述する国選弁護人の制度はありますが、私選弁護人を依頼する場合、各事務所の定める費用を支払う必要があります。

現在、弁護士の費用は、各弁護士が自由に定めることができます。問われている犯罪の内容や数、否認事件か否か等で報酬は大きく変わってきます。ホームページ等で費用を公開している事務所も多いですから、確認してみるのがいいでしょう。

逮捕・勾留されて長期間警察署から出られなかったり、前科がついてしまったり、刑事手続上多くの不利益があるのも事実です。これらの不利益を被る可能性と比較して、弁護士費用をご判断いただくのが良いでしょう。

2、私選弁護人と国選弁護人の違いは?

皆様も、「国選弁護人」という言葉を耳にされたことがあるかと思いますが、ここでは、国選弁護人と「私選弁護人」の違いについて見ていきます。

(1)国選弁護人とは?

国選弁護人とは、被疑者・被告人が貧困等の理由で弁護士を選任できない場合に、国(裁判所)に選任される弁護人のことをいいます。国選弁護人が選任されるには、一定の資力要件(現金や預金で50万円を超えないこと)を満たす必要があります。また、被疑者段階で国選弁護人が選任されるのは、特定の罪名(法定刑が死刑又は無期若しくは長期3年を越える懲役若しくは禁錮に当たる事件)に該当し、勾留されている場合です。国選弁護人は、法テラスと契約して国選弁護人名簿に登録された弁護士が、基本的にはランダムで割り当てられることになります。したがって、弁護士との相性や弁護士自身の経験等、自分で選ぶことはできません。

国選弁護人の弁護士費用は、国が支払うことになりますが、被疑者・被告人が負担させられることもあります。

(2)私選弁護人とは?

私選弁護人とは、被疑者・被告人自身あるいは家族等から直接委任を受けた弁護人です。私選弁護人は、実際に面談等をした上で、委任する弁護士を選ぶことができます(弁護士を選択する自由があります)。

ただし、私選弁護人の場合は、各弁護士の定めた金額で、弁護士費用がかかってきます。先ほど述べた、国選弁護人の費用を被疑者・被告人が負担する場合と比べて、かなり高額となると考えてよいでしょう。

3、刑事事件に強い弁護士を見分けるポイントとは!?

次に、刑事事件に強い弁護士(法律事務所)か見分けるポイントを見ていきます。

(1)不起訴件数・無罪判決数

前科を避けるには、検察官の不起訴処分を勝ち取るか、裁判官の無罪判決を勝ちとる必要があります。ホームページ等に、不起訴件数や無罪判決の獲得件数を載せている事務所は多くないですが、不起訴件数や無罪判決の獲得件数は刑事弁護活動の結果を示すものです。刑事弁護に力を入れている法律事務所であるか見極める一つの材料になるでしょう。

(2)元検察官の弁護士が在籍

検察官は、被疑者の取調べ等の捜査をして、起訴するか否かを決める権限を有します。起訴した後には、裁判の当事者として裁判官の判決を求める立場です。これらの過程を実際に検察官として経験したことがあるのですから、元検察官の弁護士は、一般的に刑事手続に相当詳しく、起訴を回避し、あるいは、有罪判決や実刑判決を回避する手段により詳しい場合が多いでしょう。

そのため、元検察官の弁護士がいる事務所は、これらの方法を共有している可能性が高く、刑事事件に強い法律事務所である可能性は高いでしょう。

(3)刑事事件の相談実績・解決実績

刑事事件の相談実績・解決実績が多いということは、数多くの刑事事件を取り扱っていることになりますので、刑事事件に強い弁護士である可能性は高くなるでしょう。ホームページ等で相談実績や解決実績数を見て、相対的にこれらが多いかを見るようにしましょう。

(4)弁護士数が多い法律事務所か・土日休日夜間対応の法律事務所か

被疑者として逮捕勾留されてしまうと、仕事にも行けません。被害者と示談交渉をするにも、一日二日でまとまるかどうかは分かりません。勾留されている場合には、勾留請求から20日以内に検察官の処分が決定してしまします。このように、刑事事件においては、様々な場面でスピードが重要です。弁護士数が多い、あるいは土日も対応している法律事務所であれば、スピード対応してくれる可能性は高くなると言えるでしょう。弁護士数や、営業時間等の確認は有用です。

4、刑事事件に強い弁護士を探す方法

次に、刑事事件に強い弁護士を探す方法についてみていきましょう。ご自身で弁護士を探すのは私選弁護人の場合だけになりますから、私選弁護人を探す際の方法についてみていきたいと思います。

(1)知人経由であたってみる

まずは、知人経由で弁護士を探してみましょう。ご自身は弁護士と知り合いでなくとも、ご友人が弁護士と知り合いかもしれません。

注意しなければならないことは、一口に弁護士といっても、刑事事件の経験が少ない弁護士も相当数いるということです。弁護士の取り扱う事件は、民事事件の方が多いのが一般的でしょう。知人経由で弁護士を見つけたけれども、その弁護士が刑事事件はあまり扱っていないということも十分あり得ます。そのような場合には、その弁護士から刑事事件に強い弁護士を紹介してもらうようにしましょう。

(2)弁護士会経由で探す。

弁護士会経由で刑事事件の私選弁護人を探す方法としては、私選弁護人選任申出制度、当番弁護士制度があります。

①私選弁護人選任申出制度とは、全ての被疑者・被告人が、弁護士会に対し、弁護人の選任の申出をすることができるという制度です。

他方で、②当番弁護士制度とは、身体拘束をされた被疑者・被告人や家族が各弁護士会に接見を依頼し、当番として待機している弁護士が接見に赴き、被疑者の相談に応じる制度です。

これらは別々の制度ですが、身体拘束中に弁護士の接見を依頼する場合には、①②を兼ねた派遣として扱う運用もあるようです。また、被疑者・被告人に資力がある場合には、国選弁護人選任を国に依頼する前に、①私選弁護人選任申出制度を利用しなくてはなりません。

いずれにしても、弁護士会が弁護士を紹介してくれる制度がある、ということは覚えておくべきでしょう。

(3)インターネット経由で探す

さらに、現在はインターネット上にも弁護士の情報が多く存在しますから、既に述べたポイントを参考に、検索エンジンに「刑事事件 弁護士」などと検索してご自身で探すことも可能でしょう。

5、有意義な相談をするために!相談時に準備しておくべき物

いざ弁護士と相談するにあたっても、できるだけ短い時間で、質の高い相談ができるに越したことはありません。そこで、弁護士との相談を有意義なものにするために準備できることを見ていきましょう。

(1)事実の概要に関するメモ

最初に、なにが犯罪として問われているのか、その事実関係がもっとも大切です。ご家族が逮捕された等の場合、ご家族の方には事情が不明な場合も多いでしょう。しかし、警察からの連絡はご家族の方のところへくることが多いです。警察から連絡が入った場合には、具体的事情をできるだけ聞くようにしましょう。

また、警察が捜索・逮捕等の捜査に訪れることもありますから、捜査状況についてはきちんと記憶するようにしておきましょう。

また、既に取り調べを受けている場合には、捜査機関の取調べに対してどのように答えたかは必ず確認されますから、よく覚えておきましょう。

そして、相談する際にはメモ活用するなどして、相談したいことを整理し、事実関係や質問内容を簡潔に伝えられるようにしましょう。

(2)印鑑、身分証明書等

弁護人の選任後は、弁護人選任届を作成し、捜査機関に提出することとなります。これには、選任者(被疑者・被告人・ご家族等)の押印が必要ですから、印鑑が必要になります。

また、弁護士は、事件を受任するにあたって委任契約書を作成しなければなりません。委任契約書の作成にあたっては、印鑑や身分証明書が必要になるでしょう。

さらに、弁護活動の中では、捜査機関や裁判所に様々な書類を提出する機会があります。勾留されている被疑者の釈放を求めるにあたって、ご家族の身元引受書を作成していただくような場合です。こういった書類の作成にも 印鑑が必要となります。

そのため、印鑑や身分証明書等が必要となる可能性は高いです。準備しておきましょう。

(3)差し入れ

既にご説明したとおり、逮捕・拘留されている被疑者が、弁護士以外の外部の者と接触できるとは限りません。面会できない場合には、着替え等の物品のやり取りもできません。

もっとも、弁護士であれば、逮捕直後等の段階でも、被疑者への物品の提供(「差し入れ」といいます。)や、被疑者からの物品の受け取り(「宅下げ」といいます。)をすることができます。弁護人を依頼する場合には、差し入れてほしい物品を渡し、宅下げしてほしいものを伝えるとよいでしょう。

もちろん、安全上の都合等がありますから、警察署や拘置所にどのような物品でも差し入れられるわけではありません。衣服、下着、図書等を依頼されることが多いように思います。食べ物を差し入れることはできないので、注意してください。なお、留置施設では、被留置者が自分のお金で必要な物品を買うこともできます。

6、有意義な相談をするために!弁護士に相談する際に聞くべき内容

では、相談時にどのようなことを聞くべきでしょう。

(1)被疑者・被告人がどのような立場に置かれているのか。

多くの方は、ご自身や身近な方が刑事手続の当事者になるという経験はないでしょう。刑事手続自体について、被疑者や被告人の立場について、ご存じでなくとも仕方ありません。

まずは、現状について理解することが必要です。疑問点は弁護士に質問し、被疑者・被告人の立場を把握しましょう。

(2)今後の見通し

現状を理解した上で、手続の流れを知ることが必要です。

事件の性質や余罪の数、前科や身体拘束の有無等によって、刑事事件の進行も全く異なります。当然、必要な弁護活動も変わってきますし、最終的な処分の見通しも異なります。

そこで、弁護士から今後の見通しや方針について聞くようにしましょう。身柄拘束の期間や起訴不起訴、裁判手続の進行はもちろんですし、弁護活動の方針やご家族が協力すべきこと等、詳細に聞くのが良いでしょう。その際、きちんと前科前歴の有無や余罪の有無についてもきちんと話すようにしてください。弁護士は守秘義務を負っていますから、安心してお話し下さい。

(3)弁護士費用

そして、私選弁護人を依頼する場合には、依頼した方が弁護士費用の負担をしなければなりません。

弁護士費用がいくらなのか、費用体系がどのようになっているのか、これも非常に重要なことですから、よく確認しましょう。

弁護士費用は、着手金・報酬金に分かれていることが多いです。その内訳や、報酬の発生条件、委任の範囲(起訴不起訴が決まるまでなのか、地方裁判所での判決が出るまでなのか、控訴するとして控訴審まで含むのか等です。)について、説明を受けましょう。弁護士には、弁護士報酬や費用について説明する義務がありますから、理解できるまで説明してもらってよいでしょう。

まとめ

弁護士を依頼するべきか悩んだ場合の注意点をみてきましたが、いかがでしたか。刑事手続の当事者となってしまった場合、どうすればよいかお悩みになるかと思います。悩んでばかりいても事態は好転しません。刑事手続は初期対応が肝心です。できるだけ早期に弁護士に相談するようにしましょう。

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