出来る限り多額の債権を効率よく安全に回収するために必要な12の知識

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

せっかく仕事がうまくいっても、肝心の支払いを受けられなければ意味がありません。

催促しても、待ってくれの繰り返し、このままでは資金繰りに影響がでる危険が、どうやって代金を取り立てれば良いのか、頭の痛いことです。

ここでは、債権回収に精通したベリーベスト法律事務所の弁護士が、効率よく安全に債権を回収するために必要な14の知識ついて解説します。

債権回収の各種方法を説明し、そのメリット、デメリットも明らかにします。これを読めば、債権回収の具体的方法を理解することができるはずです。

もう、債権回収に悩むことなく、本業に専念できるでしょう。

弁護士相談実施中!
当サイトの記事をお読み頂いても問題が解決しない場合には弁護士にご相談頂いた方がよい可能性があります。

お気軽にベリーベスト法律事務所までお問い合わせください。
お電話でのご相談
0120-751-882
メールでのご相談

目次

1、債権回収とは

債権とは、特定の人(債務者)をして特定の行為をさせる権利です。例えば、ディーラーからA車を100万円で購入した買主は、A車の売買契約に基づいてA車の引渡請求権という債権が発生し、ディーラに対して「A車を引き渡す」という行為を請求できます。

他方、ディーラー側は、同じくA車の売買契約に基いて、買主に対する売買代金の支払請求権という債権が発生し、買主に対して「100万円を支払う」という行為を請求できます。

一般には、債権というと後者の金銭を支払わせる権利をさして使われています。

そして、債権「回収」というと、金銭を支払わせる権利に基づいて、金銭を回収するという意味に使われています。ここでは、この意味での債権回収について説明します。

2、債権回収は急ぐ必要がある

(1)債権は、時効で消滅する

債権回収は急がなくてはなりません。

債権には、すべて消滅時効があります。民法の原則では、債権は、その権利を行使できるときから10年間を経過すると、時効により権利が消滅します。

しかも、債権の内容によっては、10年よりも短い期間で権利が消滅します。これを短期消滅時効といいます。

例えば、会社同士の取引で生じた債権は、商行為に基づく債権として、5年の短期消滅時効かかります。さらに、商品の売掛代金債権の消滅時効期間は、わずか2年です。

なお、このような短期消滅時効の規定は、現代では不合理であることから、改正民法(2017年6月2日公布)では、削除されました。

そして、債権の消滅時効は、債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間、権利を行使することができる時から10年間と改められました。

しかし、この改正法は、公布の日から起算して3年を超えない範囲内において政令で定める日に施行されるとされているだけで、まだ施行時期は確定していません。

施行日前に生じた債権については、改正法は適用されません。

(2)債権回収は、早い者勝ちである

金銭債権は、支払いを受けなければ、消滅時効にかからない限り、なくなることはありません。しかし、いくら権利が存続しても、現金化できなければ無意味です。

ところが、債務を負担する者(債務者)に返済能力、具体的には、金銭に替えられる資産がなければ、支払いを受けることはできません。

無い袖は振れないのです。そうであれば、債務者に支払い能力があるうちに回収できなければ、その債権は、事実上、無価値なってしまうおそれがあります。

3、法的手段をとるべき必要性

債権回収は、債務者が任意に支払ってくれいない場合には、法的手段で解決しなくてはなりません。

(1)裁判所の手続きによらず自ら差し押さえするような自力救済は犯罪です

早いもの勝ちであっても、法的手段に訴えずに、実力で債権回収を図ることは、自力救済として禁止されます。

例えば、ある会社が従業員らに給与を支払わないからといって、その従業員らが、会社の商品を売って賃金の代わりにするために、許可なく会社の工場から商品を運び出した場合、窃盗罪として処罰されます。

たとえ、給与を支払わない会社に非があっても、自力で債務者の財産を持ち出して回収することは許されないのです。

これを認めてしまうと、ルールを無視しても、力のあるものが勝つことになり、法治国家ではなくなるからです。

(2)法的手段も早い者勝ちである

自力救済が禁止される以上、強制的に債権回収を行うには、法的手段によるしかありません。

そして、法的手段もやはり早いほうが良いのです。

法的手段による回収といっても、最終的には、債務者の資産から回収するしかないのです。

待っていれば、債務者の資産は、他の債権者に先を越されてどんどん減ってゆく可能性があります。先に法的手段を打つ必要があるのです。

4、債権回収の方法の種類

では、債権回収の方法にはどのようなものがあるのでしょうか?具体的な種類は以下の通りです。これらは、弁護士等の専門家に相談しなくても実行することが可能ですが、専門的な知識のないまま実行するとかえって解決困難なトラブルになることがあります。

もし、ご不安であれば、一度弁護士に相談の上で債権回収の手続きを進めることをお勧めします。

1.まずはメールや話し合いで解決する方法

2.内容証明郵便

3.民事調停

4.支払督促

5.少額訴訟

6.仮差押え

7.訴訟

以下では、債権回収をはかる法的手段について個別に説明していきます。

5、まずはメールを含めた話し合いで解決する方法

相手が支払わない=即法的手続き

というわけではありません。

できればメールを含めて話し合いで解決できるとよいでしょう(メールや話し合いの範囲で回収を求める行為は先ほどお伝えした「自力救済」にはあたりません)。期日が過ぎても支払われなければまずは「行き違いでしたら申し訳ございませんが◯月◯日の入金が確認できません。ご確認頂けますか?」などと伝え、丁寧なやり取りをしましょう。

それでも支払いがなければもう少し強い口調で請求します。

具体的には、メールや口頭等で

  • 「◯月◯日までに支払ってくれないと少額訴訟をしますよ」
  • 「◯月◯日までに支払ってくれないと法的手続きを検討せざるを得ません」
  • 「◯月◯日までに支払ってくれないと弁護士に債権回収手続きを依頼します」

などと伝えましょう。

6、請求の事実を証拠として残すための内容証明郵便

もしそれでも支払ってくれなければ先々の法的手続きを見据えて内容証明郵便の送付を検討しましょう。

(1)内容証明郵便の概要

内容証明郵便は、「誰が、誰に対し、何時、どのような内容の手紙を出したのか」を、郵便局(日本郵便株式会社)が証明してくれる郵便制度です。

同時に、配達証明を利用することで、その手紙を相手が受け取ったことも証明してもらえます。

内容証明郵便による債権回収は、支払を求める意思を債務者に通知するだけのものですが、後述のような法律上及び事実上のメリットがあります。

内容証明郵便は、同じ内容の手紙3通(受取人に届ける分、郵便局が保管する分、差出人の控え分、なお、受取人が2人以上の場合は、受取人に届く分は、人数分の通数となります。)を作成し、封筒と印鑑と一緒に郵便局に持参して提出します。

内容証明郵便の作成方法は法律で形式が決まっており、間違った記載方法では受付してもらえませんので、注意が必要です。

また、ネットで内容証明郵便を出すことができる電子内容証明サービスもあります。いずれも詳細は、郵便局のサイトで知ることができます。

(2)内容証明郵便のメリット

①簡単・費用が安い

内容証明郵便のメリットは、誰でも簡単に利用でき、費用も安い点です。例えば、通常の手紙1枚であれば、1252円(定形郵便25グラム以内の切手代、内容証明料、書留料、配達証明料の合計)で済みます。

②本気度を示せる

通常の手紙でなく、後の証拠とできる内容証明郵便で請求することで、債務者に対し、本気で回収するつもりであることを知らしめる事実上の効果があります。

③弁護士名義なら、さらに効果的

内容証明郵便は、「債権者代理人弁護士」の肩書で、弁護士名義で送ることもできます。

これにより、債権回収のために弁護士に依頼したことや支払わないと法的手続をとることを知らせることができます。債務者は無視できなくなり、実際上、この段階で、慌てて支払う債務者も多く存在します。

④後の手続の証拠とできる

内容証明郵便で請求したからと言って、その内容証明郵便に書かれた内容が真実であることまで証明されるわけではありません。

しかし、そのような請求がなされた事実は証明することができますから、後に訴訟となった場合に、債権者の主張を裏付ける間接的な証拠の一つになります。

⑤時効中断の準備となる

債務者に対して履行を請求する通知をすることは、法律上「催告」と呼ばれ、債権の時効を中断する効果があります。但し、催告をしただけでは、中断の効果は生じません。

催告をしたうえで、6か月以内に訴訟提起、支払督促申立、調停申立、仮り差し押さえ、仮処分、差し押さえなどの法的手続をとった場合に、はじめて催告のときに時効が中断したと取り扱われます。

すなわち、債権が時効で消滅しそうだが、訴訟などの法的手続が間に合わない場合に、とりあえず催告をしておけば、後に6ヶ月以内に法的手続をとることで、時効を止めることができます。

催告には、このような効力がありますから、催告したことの証拠を残すために、内容証明郵便を用いるのです。

(3)内容証明郵便のデメリット

①記載されている内容の真実性を証明するものではないこと

内容証明郵便は、内容の真実性を証明するものではありません。債権の存否が争いになったような場合には、内容証明郵便だけで債権の存在を証明することはできない可能性があります。

②時効を中断するには別途の手続が必要

内容証明郵便での催告は、それだけでは時効を中断する効果はなく、6か月以内に別途訴訟を提起するなどの法的手続が必要です。

7、穏やかな話し合いで解決するための民事調停

(1)民事調停の概要

民事調停は、簡易裁判所において、裁判所の調停委員を仲介役として行う話し合いです。調停委員が、当事者の言い分を聴き取り、相手方に伝え、和解を斡旋してくれます。

(2)民事調停のメリット

①本人でできる

民事調停は、話し合いですので、必ずしも弁護士を依頼する必要はありません。調停委員は、担当裁判官と協議しながら調停を進めますので、基本的には、債権者本人だけでも利用することができます。

②費用節約

民事調停は、本人だけで調停をした場合、弁護士費用等はかかりませんし、裁判所に納める費用(収入印紙代)も、訴訟よりも安いので、コストを抑えることができます。

例えば、100万円を請求する訴訟の収入印紙代は、1万円ですが、調停の場合は、5000円です。

③申立で時効中断

民事調停の申立は、消滅時効を中断する効果があります。

ただし、債務者が出頭しないとか、出頭しても話し合いがまとまらず調停が成立しない場合には、1ヶ月以内に訴訟を提起しなければ、時効中断の効果はありません。

④調停が成立すれば判決と同じ効力

民事調停は、話し合いがまとまると合意内容を記載した調停調書が作成されます。これは、訴訟の確定判決と同じ効力があり、債務者が合意に従った支払いをしないときは、財産の差し押さえなどの強制執行手続をとることができます。

(3)民事調停のデメリット

①債務者が出頭するか不確実

民事調停において、簡易裁判所から呼び出された債務者は、出頭する義務があり、出頭しないと罰則があります。しかし、この罰則が適用される例はほとんどなく、多くの場合、債務者が出頭しなければ、調停は不成立となります。

②本人の申立では毎回の出頭で時間と手間がかかる

民事調停を本人のみで行う場合は、通常1か月に1度の間隔で、平日の昼間、簡易裁判所に出頭しなくてはなりません。お仕事をされている方であれば月に1度平日に休みをとならければならないかもしれません。

この点、弁護士を依頼して代理人として民事調停を申立てれば、本人が出頭する必要はなくなります。

③強制力はない

民事調停は話合いですから、調停委員にも、担当裁判官にも何ら強制力はありません。話合いの結果債務者と合意できなければ、調停は不成立です。

したがって、債務者が、債権の存否について激しく争っているようなケースは、民事調停の利用に適しません。結局調停不成立となり、時間の無駄になる可能性が高いからです。

8、書面のやりとりだけで仮執行宣言を獲得する支払督促

(1)支払督促の概要

支払督促は、簡易な書面のやりとりだけで行う手続により金銭の支払いを命じ、強制執行を可能とする処分をする制度です。簡易裁判所の書記官が取り扱います。

支払督促による債権回収は、債権者(申立人)が、債務者(相手方)の住所地の簡易裁判所に対し、債務者に対して金銭の支払いを命じるよう申し立てることができます。

書面だけの審査であり、債権者の書面上の主張だけに基き、相手の言い分を聞くことなく、裁判所書記官が、金銭の支払いを命じる支払督促という命令を出し、債務者のもとへ郵送します。

債務者が、この支払督促を受領した後、2週間以内に異議を申し立てないときは、30日以内に、債権者は、裁判所に仮執行宣言を付けてくれるよう申し立てることができます。

これを受けて、裁判所書記官は、仮執行宣言を発付し、仮執行宣言付の支払督促を債務者に郵送します。

これにより、債権者は、債務者に対し、差し押さえ等の強制執行が可能となります。但し、債務者は、仮執行宣言付の支払督促を受領後2週間以内ならば、ここでも異議申立てをすることができます。

債務者は、支払督促を受領した段階、仮執行宣言付の支払督促を受領した段階の2つの機会に、それぞれ2週間、異議申立が可能であり、これを行うと自動的に訴訟手続に移行します。

(2)支払督促のメリット

①時間の節約

裁判所に出頭する必要がなく、形式的な書類審査だけですので、証拠などを提出する手間もありません。

②費用節約

裁判所に納める手数料(収入印紙代)は、訴訟の半分です。

③判決と同じ効力

債務者が、仮執行宣言付の支払督促を受領した日から2週間以内に異議申立てをしないときは、仮執行宣言付の支払督促が確定し、確定判決と同じ効力を持ちます。債権者は、これに基づき強制執行を申し立てることができます。

④申立で時効中断

支払督促の申立は、消滅時効を中断する効力があります。但し、債権者が仮執行宣言の申立をすることが必要です。

⑤和解できるケースも多い

異議が出て、訴訟に移行した場合は、請求額が140万円以下の場合簡易裁判所で訴訟を行うことになりますが、その際、簡易裁判所の司法委員が仲介役となって、和解の話合いを行うので、和解が期待できます。

(3)支払督促のデメリット

①異議により本訴に移行してしまう

債務者には、支払督促を受領したときと仮執行宣言付きの支払督促を受領したときの二度、異議を申し立てる機会があり、しかも、裁判所から送られてくる定型用紙の異議があるという欄にチェックを入れて返送するだけで異議の理由は不要なので、異議申立が非常に簡単です。

単に債務者が、分割払いの話合いを希望して異議申立をした場合は、簡易裁判所での訴訟の機会に、和解がまとまる可能性が高いですが、債権の存否自体に争いがあるようなケースでは、結局、訴訟で争うことになるので、かえって時間を無駄にすることになります。

②異議申し立て後の訴訟は、債務者の住所地の裁判所となる

支払督促に異議が出された場合に移行する訴訟は、支払督促を申し立てた債務者の住所地の裁判所での訴訟となってしまいます。

最初から訴訟を提訴していれば、金銭債権の場合、債権者の住所地の裁判所を選択することができますが、支払督促の場合、それができないことになり、コストと時間を無駄にする可能性があります。

したがって、債権の存在自体に争いのあるケースでは支払督促を利用するべきかどうか十分に検討する必要があります。

9、わずか1日で判決までもらえる少額訴訟

(1)少額訴訟の概要

少額訴訟手続は、60万円以下の金銭支払請求に限定された、簡易裁判所における特別の訴訟手続です。簡易迅速に紛争を処理することを目的とし、通常の訴訟手続とは異なる制度となっています。

原則として、1回の期日で審理は終わり、審理終了後、すぐに判決となります。

判決に不服があるときは、2週間以内に裁判所に対して異議を申し立てることができます。この異議があったときは、同じ裁判官がさらに引き続き審理を行い、判決を出します。この判決に対しては控訴をすることはできず、最終判断となります。

(2)少額訴訟のメリット

①費用の節約

少額訴訟は、本人だけで利用できる制度を目指して整備された制度なので、本人だけも利用でき、その場合には弁護士費用等を節約できます。

②時間の節約

原則として、1回の審理で、即日の判決ですから、時間の節約になります。

③通常裁判の判決と同じ効力

少額訴訟も訴訟であり、確定判決に基づき強制執行が可能な点は、通常と同じです。

④時効中断

少額訴訟も訴訟ですから、通常の裁判と同様に、訴訟提起に消滅時効を中断する効果があります。

(3)少額訴訟のデメリット

①金額に制限

少額訴訟手続を利用できる債権の金額は、60万円までの制限があります

②被告は、本訴訟への移行を申立できる

被告は、少額訴訟手続ではなく、通常の訴訟手続で審理するように裁判所に求めることができ、これには理由は不要です。

③初回1度の裁判で立証しなくてはならない

一度目の裁判だけで、審理し、すぐに判決ですので、全ての証拠、主張は、このときに揃うよう準備しなくてはなりません。

④分割払い判決もあり、しかも、分割払いについては不服申立できない

裁判所は、被告の資力などの事情を考慮して、金銭支払を命ずる判決に、3年を超えない範囲で、支払猶予期間を設けたり、分割払いとしたり、訴え提起後の利息を免除したりすることを定めることができます。

しかも、支払猶予期間を設けたことや分割払いとしたこと訴え提起後の利息を免除したことに対する不服申立は禁止されています。したがって、あくまでも一括払いを請求したい場合は、少額訴訟は選択するべきではありません。

10、判決後の強制執行の準備をしておく仮差押え

(1)仮差押えの概要

金銭債務の債務者が任意に支払わない場合、その財産に対して、強制執行を行うには、訴訟で確定判決を得る必要があります(和解調書など、裁判所で作成される、確定判決と同じ効力を持つ書類でも強制執行は可能です)。

しかし、訴訟で確定判決を得るまでには時間がかかり、それまでの間に、債務者の資力が悪化してしまい、せっかく確定判決を得ても、強制執行の段階では、債務者に何の資産も残っておらず、判決を得たことが無に帰す場合があります。

そこで、訴訟の前に、仮の手続きとして、裁判所から、債務者の資産を凍結する命令を発令してもらい、裁判中に資産を散逸できないようにしておくのが仮差押え制度です。

いわば、訴訟前に(訴訟中も可能ですが)、来る強制執行に備えて、債務者の財産を拘束しておくものです。

(2)仮差押えのメリット

①債務者の資産を凍結

仮差押えの対象となるのは、不動産・船舶・動産・債権その他の財産権です。

例えば、債務者が第三者に対して持っている金銭債権を仮差押えした場合は、その第三者は、債務者に対して支払いをすることが禁止されます。

支払ってしまえば、その金銭は消費されてしまう危険があるからです。もしも、仮差押え命令に違反して、第三者が支払ってしまった場合でも、その支払は、債権者(仮差押えを申し立てた者)に主張することはできません。

この場合、本訴の後に、債権者が強制執行手続をとったときには、第三者は、二重払いを余儀なくさせられます。

したがって、債務者の財産である債権を保全しておくことができます。

②申立で時効中断

仮差押えの申立にも、消滅時効を中断する効力があります。

③発令は迅速

仮差押えは、後の訴訟で勝訴しても、債権を回収できなくなる危険性がある場合に認められる緊急手段です。

したがって、仮差押命令の発令も迅速に行われます。通常は、申立をしてから数日で発令されます。

④仮差押え段階で和解できるケースもある

仮差押えは、あくまでも仮の手続です。

しかし、例えば、銀行預金を仮差押えされた場合、預金をおろすことはできなくなりますので、預金を凍結されてしまう債務者には、事実上、支払いを強制されたのと同じ打撃を与える効果があります。

このため、仮差押えを受けた段階で、債務者が白旗をあげて和解に応じ、訴訟までいかずに解決するケースも多々あります。

(3)仮差押えのデメリット

①保証金が必要

あくまでも仮の手続きにもかかわらず、資産を凍結される債務者は、経済的打撃を受けます。万一、債権者の主張する債権が存在しないことが後の訴訟で明らかになった場合は、債務者は、損害を被る危険があります。

その場合の債務者の損害を補てんするため、裁判所に保証金(担保)を預けておく必要があります。

保証金の金額は、一般に請求する債権額の20%から30%と言われていますので、少ない金額ではありません。

しかも、いったん保証金を納めると、一定の要件を満たさないと保証金は戻ってきませんので、その間は、いわば運用できない死んだお金になってしまいます。

②空振りの危険

例えば、債務者の銀行預金を仮差押えする場合、その口座が確実に判明していれば問題ありませんが、どこに口座があるか不明の場合も多々あります。

また、口座がわかっていても、その口座に預金が残っているかどうかは別問題です。預金口座を仮差押えするときは、銀行名と支店名まで特定しなくては申立を受け付けてもらえませんが、苦労して、これを特定して発令してもらっても、実際は、口座が存在しなかったり、解約済みだったり、口座はあっても残金0だったりといういわゆる「空振り」のケースも多々あります。

しかも、その場合でも、あらかじめ保証金を預けておく必要があり、仮差押えは、効果が大きい代わりに、リスクも大きいのです。

③本訴訟が必要

仮差押えに成功しても、債務者が白旗をあげてこない限りは、訴訟で判決を得るまでは、凍結した資産に強制執行をかけることはできません。

したがって、債務者がとことん争う姿勢であれば、実際に資金回収できるのは、確定判決後であり、長い時間がかかります。その間、保証金は積んだままです。

④弁護士費用がかかる

仮差押えの手続には、申立書を作成するだけでも、相当な法的知識が必要です。

しかも、申立から発令に至るまで、裁判官との面会、書類の補充、保証金の供託など、短期間のうちに、複雑な各種手続きを確実に処理してゆく必要があります。

したがって、法的知識と経験のある弁護士に依頼することをお勧めしますが、弁護士に依頼した場合には、当然弁護士費用がかかります。

11、最後の手段である訴訟

(1)訴訟の概要

債権回収における訴訟は、債権の存在を公的に認めてもらい、強制執行を可能とするための最後の手段です。

請求する金額が140万円以下の場合は簡易裁判所が、140万円を超える場合は地方裁判所が扱います。

(2)訴訟のメリット

①最終的な手段

訴訟は、最終手段ですので、債務者も逃げることはできません。欠席すれば、原告である債権者の主張がそのまま判決となるだけです。

②提訴で時効中断

訴訟提起は、消滅時効を中断する効果があります。

③和解も期待できる

訴訟といっても、和解がまとまることも期待できます。訴訟を担当する裁判官は、判決で最終的な結論を出す権限があります。

債務者が、どんなに文句を言っても、裁判官が取り合わなければ、一括支払いを命ずる判決が出るだけです。

それよりは、裁判官が、分割払いを勧めてくれているうちに、和解に応じたほうがよいと相手方が考える可能性もあり、最終的な強制力を握っている裁判官が間に入ることで、和解による解決も期待できます。

(3)訴訟のデメリット

①費用がかかる

訴訟は、制度としては、本人でも可能ですが、弁護士に依頼することをお勧めします。そうすると、弁護士費用がどうしてもかかります。しかし、法律に基づいて適切な主張をしなければ、せっかく訴訟をしても裁判所が取り合ってくれない可能性があり、無理に本人だけで訴訟を行った結果、自分の主張をきちんと裁判所に判断してもらうことができず、本来であれば獲得できた結果と異なる判決が出てしまう可能性もあります。

②時間がかかる

訴訟は、どうしても時間がかかります。

皆、できれば回避したいところです。しかし、訴訟を避けて何度も交渉したものの結局訴訟を起こさざるを得ないことになれば、余計に時間がかることになります。

こんなことなら、最初から裁判を起こしてしまえば良かったというケースは珍しくありません。その見極めのためにも弁護士等の専門家への相談がをお勧めします。

12、権利を実現する強制執行

(1)強制執行の概要

強制執行をする法的根拠となる文書を「債務名義」といいます。これには、確定判決、和解調書、調停調書、仮執行宣言付支払督促、強制執行認諾文付公正証書等があります。

強制執行手続は、これら債務名義があるにもかかわらず、債務者が、その内容を履行してくれない場合に、債権者の申立てに基づき、債務名義の内容を裁判所が強制的に実現する手続です。

債権回収のための強制執行には、執行対象となる財産の種類に応じて、債権執行、動産執行、不動産執行の三種類があります。

(2)債権執行

債権執行とは、債務者が第三者に対して有している債権(給与債権、預金債権など)を差し押さえ、その債権の支払義務者(第三債務者といいます。)から、直接に取り立てて債権回収に充てる方法です。

但し、給付額により異なる場合がありますが、給料、退職年金、賞与等は、その4分の1までしか差し押さえることができません。

養育費など扶養義務に関する定期金債権は、その2分の1までです。また、国民年金、恩給、生活保護費は、そもそも差し押さえることができません。これらは、債務者の生活を保護するための制限です。

(3)動産執行及び不動産執行

動産執行及び不動産執行は、債務者の所有する動産や不動産を競売にかけて売却し、その代金を債権回収に充てる方法です。

しかし、動産執行は、差し押さえが禁止されている動産が多く、一般家庭内の動産では実際上、差し押さえができるものはないのが実情で、事実上、動産執行制度は機能していません。

ただ、動産執行によって、債務者に心理的プレッシャーを与える効果はあります。

民事執行法第131条が差し押さえを禁止する主な動産は、次のものです。

「生活に欠くことができない衣服、寝具、家具、台所用具、畳及び建具」、「1月間の生活に必要な食料及び燃料」、「標準的な世帯の2月間の必要生計費を勘案して政令で定める額の金銭」(政令により66万円とされています)

13、債権回収の相談先

(1)弁護士

債権回収の相談先は、弁護士が最適です。弁護士は、債権の金額にかかわらず、債権回収の代理人をつとめることができ、訴訟はもちろん債権回収のための各種裁判手続きに精通しており、経験も豊富です。

また、交渉から、仮差押え、訴訟、強制執行までと、債権回収の最初から最後まで、フルコースで担当できます。

(2)司法書士

まず、一般の司法書士は、債権回収の相談、交渉、訴訟代理人となることはできません。

ただし、法務大臣の認定を受けた認定司法書士は、140万円以下の債権回収につき、相談、交渉、簡易裁判所の訴訟代理人となることができます。

(3)行政書士

行政書士は、債権回収を業務として扱うことはできません。弁護士法違反となります。

(4)債権回収業者、事件屋は違法

債権回収の代行をうたう業者も存在しますが、やはり弁護士法違反です。また、いわゆる事件屋も無資格で法律業務を行うもので、同様です。

(5)サービサーは例外

いわゆるサービサーは、債権回収会社といい、法務大臣の許可を受けて、弁護士法の特例として、金融機関等から不良債権等の回収の委託や譲渡を受けて、特定の金銭債権の管理回収を行う専門業者です。

一般の方が、債権回収に利用できるものではありません。

14、債権回収の弁護士費用

弁護士の費用は、支払督促をするか訴訟をするのかなど事案により金額がかわりますが、各事務所に料金を明らかにする書面を備えることになっています。

債権回収の弁護士費用の相場の参考までにベリーベスト法律事務所の債権回収プランの費用は、以下のとおりです。

(1)相談料 30分毎 5000円

(2)債権回収プラン

和解交渉

   請求金額

       着手金

300万円以下

5%(ただし最低5万円)

300万円~3000万円

3%+6万円

3000万円~3億円

2%+36万円

3億円を超える場合

1%+336万円

 

得られた金額

成功報酬

300万円以下

20%

300万円~3000万円

10%+30万円

3000万円~3億円

6%+150万円

3億円を超える場合

4%+750万円

※ なお、弁護士の作業時間は、受領した着手金を2万円で除した時間を上限とし、上限時間を超えた場合には、1時間あたり2万円の追加料金が発生します。

※ 交渉事件を依頼した後、訴訟や調停に移行した場合には、交渉事件の着手金の半額を訴訟や調停の着手金から差し引くことができます。

支払督促

     着手金 5万円+申立時の実費

   回収金額

       報酬金

500万円以下

20%

500万円~5000万円

15%+25万円

5000万円を超える場合

10%+275万円

仮差押

   請求金額

       着手金

300万円以下

15万円

300万円~3000万円

3%+6万円

3000万円~3億円

2%+36万円

3億円を超える場合

1%+336万円

 

得られた金額

成功報酬

300万円以下

20%

300万円~3000万円

10%+30万円

3000万円~3億円

6%+150万円

3億円を超える場合

4%+750万円

※ なお、弁護士の出廷回数は、受領した着手金を5万円で除した回数(小数点以下は切り捨て)を上限とし、上限回数を超えた場合には1期日当たり3万円の出廷日当が発生します。

※ 保全命令申立事件を依頼した後、訴訟に移行した場合には、保全命令申立事件の着手金の半額を訴訟の着手金から差し引くものとします。

訴訟手続

   請求金額

       着手金

300万円以下

10%(ただし最低20万円)

300万円~3000万円

5%+15万円

3000万円~3億円

3%+75万円

3億円を超える場合

2%+375万円

 

得られた金額

成功報酬

300万円以下

20%

300万円~3000万円

10%+30万円

3000万円~3億円

6%+150万円

3億円を超える場合

4%+750万円

強制執行

                     着手金

 

 

 

債権執行

 

 

 

 

 

基本料金

 

 

5万円(債権の種類が同種の場合)

 

 

追加料金

 

 

1万円

(第三者債務者が2者以上の場合)

 

動産執行

 

 

 

 

 

基本料金

 

 

10万円

(執行場所1ヶ所につき)

 

 

動産執行

 

弁護士(5万円)

パラリーガル(2万5000円)

不動産執行手続き・その他の執行手続き

別途費用のお見積りをさせていただきます

 

得られた金額

成功報酬

300万円以下

10%

300万円~3000万円

5%+15万円

3000万円~3億円

3%+75万円

3億円を超える場合

2%+375万円

出張日当

1日:5万円 ※1日とは往復の移動時間を4時間以上要する場合をいいます。

半日:3万円 ※半日とは往復の移動時間を2時間以上要する場合をいいます。

※費用等の記載は全て別途消費税加算とし、費用が発生した時点で税法の改正により消費税の税率が変動していた場合には、改正以降における消費税相当額は変動後の税率により計算いたします。

まとめ

同じく債権回収といっても、その方法が多様であることを理解していただけたことと思います。

その事案ごとにベストの債権回収法を選択する必要があります。その判断は、専門家である債権回収に強い弁護士に相談することが適切です。

弁護士は債権回収の専門家です。債権回収という荷物は、私達弁護士が代わって背負い、ご依頼いただいた方が本来の仕事に専念できるようお手伝いさせていただきます。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

弁護士相談実施中!


当サイトの記事をお読み頂いても問題が解決しない場合には弁護士にご相談頂いた方がよい可能性があります。

お気軽にベリーベスト法律事務所までお問い合わせください。

SNSでもご購読できます。

最近の投稿