債権回収を弁護士に依頼するメリットとデメリット(弁護士費用)

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Boss points finger.
  • お金を貸しているのに返してくれない
  • 「つけ」で物を売ってあげたのに代金を払ってくれない
  • お金を払ってほしいと言っても、「いつか払う」などと、のらりくらりとかわされ、払ってもらえない
  • 何度支払請求をしても無視される
  • ついには相手と連絡がつかなくなった

この記事をご覧の皆様は、このようなことでお困りではないでしょうか。

他者に対してお金を貸している。売掛金をもっている。貸金も売掛金も、お金を支払えと請求する権利であり、言い換えれば、債権という財産です。

しかし、手元にいくらこうした契約書が存在するといっても、現実にお金を支払ってもらえない限り、ただの紙切れにすぎません。債権は回収できなければ「絵に描いた餅」にすぎないのです。

ところが、やっかいなことに、約束を破るような人、請求を無視するような人、連絡がつかなくなるような人から、自分で回収することは極めて困難です。

このような場合は、すみやかに、裁判所を用いた強制的な手段を視野に入れつつ、債権回収を図るべきなのです。債務者は払いたくても払えない状況に陥っている可能性もありますから、時間がたてばたつほど、債務者の財産が散逸し、回収可能性が低くなっていくのです。

債権回収は、法律のプロである弁護士に依頼すれば、裁判所を使う手段の中から、速やかに適切な手段を選択し、実行することになりますので、債権を回収できる可能性が高まります。しかし、一方で費用がかかるなどのデメリットもあります。

今回は債権回収について説明していきます。ご参考になれば幸いです。 

目次

目次

1、弁護士に依頼して債権回収する手順

2、債権回収問題を弁護士に依頼するメリット

3、債権回収問題を弁護士に依頼するデメリット

4、債権回収問題に強い弁護士の見分け方

5、債権回収問題に強い弁護士の探し方

6、それでもやっぱり自分で債権回収をしたい、という方のために!ご自身で債権回収するための手順

1、弁護士に依頼して債権回収する手順

(1)ご相談

まずは、原則としてご来所いただき、弁護士と直接面談のうえ、債権発生の経緯、弁済期等約束の内容、相手方の支払い状況などを確認します。

そのうえで、お話しいただいた内容を裏付ける証拠を確認します。お話だけで弁護士が債権回収をするということはできません。裏付けが必要です。根拠のない請求をすることは当然できませんし、証拠が無い限り、相手方による任意の履行を引き出すことは難しく、将来的に裁判所を使った手続きをすることができないからです。

もちろん、契約は口頭の約束でも成立しえますが、最低限返済の約束を証することができるような証拠、例えば、メールのやりとりや相手方による振込の記録、領収証等が必要になります。

そのため、弁護士との初回相談時には、少なくとも、上記のような最低限の証拠を持参することが必要でしょう。また、証拠になるかどうか判断がつかない関係書類がある場合も、持参して、弁護士に意見を求めましょう。

(2)依頼

相談の結果、弁護士に債権回収を依頼することになった場合は、その弁護士との間で債権回収の委任契約書をとりかわし、着手金を支払います。任意交渉までの依頼なのか訴訟の依頼を含むのか、依頼内容をしっかり確認しておくことが重要です。

契約後、弁護士が、裏付け資料をさらに確認し、証拠に基づいて債務者に対する督促状を作成し、代理人として債務者に内容証明郵便によって発送します。

ここで内容証明郵便を用いるのは、請求した内容や、請求したこと自体を証拠として残すためです。

そのうえで、債権回収の方法には、大きく分けて、任意での回収と強制的な回収の二つの手段があります。

(3)裁判所を使わないで回収する(任意による回収・任意交渉)

内容証明郵便による請求に対し、債務者が交渉に応じて支払いの意思を示してきた場合、そのまま支払方法の交渉をします。債権回収の場面では、債務者は、多くの場合一括での支払いが困難で、分割を提案してきます。許容できる分割回数で話がまとまるようでしたら、そのまま和解契約を締結します。

任意による回収と言っても、和解契約締結で安心してはいけません。

最終的に現金を回収するまでは安心できませんので、次に述べる強制的な回収を視野に入れて、いざというときはすぐに強制的な手段に移ることができるようにしておくべきです。

①必ず書面にする

支払方法の約束をした場合、必ず書面にする必要があります。口約束では、いざ債務者が約束を破った際、約束の存在を立証すること自体が困難になってしまいます。

さらにいうと、支払いの約束について公正証書を作成することが望ましいでしょう。公正証書には必ず「強制執行認諾文言」を記載します。相手方は、強制執行されても異議はないという文言を約束の条項に入れるのです。これにより、いざ延滞が発生した場合でも、裁判を経ることなく、直ちに強制執行に移行することができます。

②可能な限り担保をとる

不動産に抵当権を設定してもらう、連帯保証人を付けてもらうなど、担保を確保することで、他の債権者に優先して、債権を回収することができるようになります。

債権回収できるかどうかは、債務者に財産があるか否かにかかっています。

特に、資金繰りが苦しい債務者には多数の債権者がいるのが通常ですから、担保をとっていないと、早いもの勝ちという状態になり、十分な回収をできないことが通常です。

担保を設定しておけば、担保を付けた財産から他の債権者に優先して債権を回収することができます。

(4)裁判所を使う(強制的な回収)

①まずは財産を把握する

債務者が内容証明郵便による請求を無視する、債務者から連絡はしてきたけれど、債権の存在を争ってきたといった場合等、任意の支払をしない場合は、裁判所を通じた強制的な回収手段を検討します。

ただし、繰り返しになりますが、最終的に債権を回収できるか否かは、相手が財産をもっているか、相手の財産を押さえることができるか否かに尽きます。相手がどのような財産を持っているのか、裁判所を使うにしても、事前に十分把握しておくことが重要です。

最も確実な財産は、担保(抵当権)のついていない不動産です。その他、自動車等の動産、預貯金等の債権といった財産から回収することが考えられますが、これといってめぼしい財産が無い場合は、相手方の就職先を調べ、給与等を差押えし、回収するしかなくなります。

②債務者の動きを止める(民事保全手続)

債務者に財産があったとしても、強制執行に至る前に処分をされてしまっては困ります。そこで、民事保全手続きを利用して債務者の財産の動きを止めることが有効になる場合もあります。

売掛金債権や預金債権、給与債権など金銭債権は「仮差押」によって動きを止めることができます。

金銭債権以外の不動産などの財産については、「仮処分」によって勝手な処分を止めることができます。

③裁判所の手続きを使い分ける

強制執行をするためには、前提として債務名義が必要です。債務名義というのは、強制執行できる範囲を示し、強制執行の前提となる公文書のことです。前述の強制執行認諾文言付き公正証書も債務名義になります。

債務名義を取得するためには、次のような裁判所の手続きを利用することになります。

  • 支払督促・・・・・証拠がそろっている場合に利用。裁判所に出頭する必要がない。異議が出ると通常訴訟に移行。
  • 少額訴訟・・・・・訴額が60万円以下の場合に利用可能。1回の審理で証拠を取り調べ、判決が出る。
  • 通常訴訟・・・・・原則的な手段。何回かの審理を経て、双方の主張を整理したうえ、証拠の取り調べをしたうえで判断する。時間がかかる。

④強制執行

訴訟の確定判決など、債務名義を取得し、それでも債務者が任意の支払いに応じない場合は、債務者の財産に強制執行するしかありません。

強制執行の方法は大まかに次のとおりです。

  • 不動産に対する強制執行

不動産所在地の地方裁判所に強制競売を申立て、不動産に差押え登記をしてもらったうえで競売し、売却代金から回収する。

  • 動産に対する強制執行

動産所在地の地方裁判所の執行官に動産執行の申立てを行い、執行官に動産の差押え、換価をしてもらい、その換価代金から回収する。

  • 債権に対する強制執行

債務者の所在地の地方裁判所に債権差押え命令の申立を行い、同時に第三債務者に対する陳述催告の申立ても行い、第三債務者から直接取り立てて債権を回収する。

2、債権回収問題を弁護士に依頼するメリット

(1)精神的負担を軽減できる

債権回収の場面は、債務者との関係で往々にしてシビアな交渉を求められます。支払えない側にもそれなりの事情があり、自分ではなかなか強く回収の話をすることができないこともあるでしょう。場合によっては逆に脅されたりなどといったこともあるかもしれません。弁護士に依頼することで、このような精神的負担を肩代わりしてもらうことができます。

(2)適切な手続きの選択

弁護士に依頼することで、事案に応じて臨機応変に手続きを選択することができます。任意で回収するべきか、迅速に強制執行するべきか、債権回収のとるべき手段は事案に応じて様々です。弁護士は、各事案に応じて適切な手段を提案することができます。特に、民事保全手続きを選択する場合は、裁判所に迅速に申立てをする必要がありますので、弁護士への依頼は必須といえるでしょう。

(3)法的問題点に対する対応

債権の存否自体に争いがあるような場合は、事案に応じた法的問題点について専門的な主張をする必要があります。

また、債権の発生について争いが無かったとしても、消滅時効などにより、債権が消滅してしまう可能性もあって、迅速に時効中断の手続きをする必要がある事案もあります。債権の種類に応じて、短い期間で時効が成立してしまう場合もあります。

このような場合、弁護士に依頼することで、法的問題について適切な対応をとることができます。

(4)本気度が伝わる

弁護士が債権回収の場面に関わる以上、任意の交渉段階であっても、裁判所を使った強制的な手段が視野に入っています。

弁護士から通知が来た相手方としては、「本気で債権回収をしようとしている」、「場合によっては裁判もあり得る」などと感じ、かなり強いプレッシャーを受けることになります。

一般的に弁護士名義での通知を受けるということはほとんどありませんから、弁護士から内容証明郵便を受け取った時点でかなりのプレッシャーを感じ、支払いに応じるものです。

(5)本人同士での回収よりもスピーディー

本人同士で話し合いをしても、のらりくらりとかわされ、時間だけが過ぎていくということになりかねません。

弁護士に依頼することで、交渉に応じない相手には速やかに裁判所を使った手続きを選択し、迅速な解決が可能になります。

債権者、債務者双方に弁護士がつく場合で、特に争点も無いような場合には、非常にスピーディーに和解契約まで進み、現金を回収できるということも珍しいことではありません。

3、債権回収問題を弁護士に依頼するデメリット

(1)費用がかかる

最大のデメリットはそれなりの費用がかかることでしょう。

弁護士に依頼して債権回収をする場合、内容証明郵便を送って交渉をするだけでも着手金が最低5万円程度はかかります。また、裁判所を使う手続きの場合は、着手金が最低でも10万円程度かかるのが一般的です。

そのほか、回収できた金額に応じて成功報酬が発生します。

ですから、回収しようとする債権額が小さい場合、弁護士に依頼すると費用倒れになってしまうこともあり得ます。

(2)相手方との関係が修復困難な状態に

弁護士に依頼すると、相手方に、裁判も辞さないという本気度が伝わってしまい、相手との今後の良好な関係を維持することが困難になる場合も多いでしょう。継続的な取引をしている得意先からの債権回収を弁護士に依頼することは困難かもしれません。

(3)相手を追い詰め過ぎてしまい相手方が破産するおそれもある

弁護士が間に入ることによって、これ以上返済することが困難であると判断され、相手方が破産に追い込まれるということもあり得ます。相手の財産状況が危うい場合は、あまり追い詰め過ぎず、任意の支払いを求めていくべき場合もあるでしょう。

(4)弁護士と意見が対立することがある

弁護士は依頼者の利益を守ることが仕事ですが、あくまで裁判所を使った法的な手段をとることしかできません。依頼者の希望している債権回収の方法が、必ずしも弁護士の提案する法的手段と合致するとは限りません。

4、債権回収問題に強い弁護士の見分け方

(1)口コミ

周辺に、実弁護士に依頼したことのある知人がいれば、評判をきいてみるのもいいでしょう。

(2)ホームページ

とはいえ、現実には、周辺に弁護士の知り合いがいないという方も多いと思います。その場合は、インターネット経由で各事務所のホームページを比較してみるとよいでしょう。ホームページを検討する際のポイントは次の3つです。

①債権回収を得意分野として掲げているか。

②豊富な事例を提供しているか。

③わかりやすいか。

ホームページを比較し、自分のニーズにあったサービスが提供されているか、検討するとよいでしょう。

(3)面談

そうはいっても、評判やホームページでは間接的な事情しかわかりません。最終的には直接会って話を聴いてみるほか、債権回収に強い弁護士か判断する方法はないといえます。また、自分の大切な案件を依頼するのですから、相性も重要な要素となるでしょう。弁護士を見極めるポイントは次の3つです。

①適切に話を聴いてくれるのか

依頼者の話を聴かず、自分の言いたいことだけを言って、相談を終わるような弁護士が、事案に応じた適切な解決方法を提案できるはずがありません。また、ただ、だらだらと依頼者にだけ話をさせ、ポイントとなる事項を話せなければ、法律的に適切なアドバイスをすることができません。

限られた時間で、的確な問いをはさみながらポイントを絞って話をしっかり聞いてくれる弁護士こそが依頼するべき弁護士と言えるでしょう。

②簡単にあきらめるのか

債権回収の場面は極めてシビアです。結果的に回収できないということも非常に多いのが現実です。だからといって簡単にあきらめてしまうような弁護士では困ります。

最後の最後まであきらめず、粘り強く、証拠にくらいついて回収の可能性を探ってくれる弁護士に依頼すべきでしょう。

③客観的な資料を重視するか。

あきらめないとはいえ、精神論では裁判所を動かすことはできません。法的手続きは徹頭徹尾証拠が重要です。

客観的な資料に基づき、実現可能性の高い方法を提案する弁護士に依頼すべきでしょう。

5、債権回収問題に強い弁護士の探し方

自分の周辺に、債権回収を弁護士に依頼したことがある人がいる場合は、その体験談を聴いて、自分に合うと思えばその弁護士を紹介してもらうのも一つの方法です。紹介である分、弁護士の人となりや業務遂行手順について事前に把握しておくことができ、安心して任せることができます。

しかし、周辺の知人から弁護士を紹介してもらえる人はそれほど多くはないでしょう。

多くの方は、インターネットを通じて弁護士の情報を探すことになります。

まずはホームページを見比べ、自分の求めるものに合致したサービスを提供してくれているのか。

最寄りの弁護士会や、市役所等公的機関に問い合わせてみるのも一つの方法です。

6、それでもやっぱり自分で債権回収をしたい、という方のために!ご自身で債権回収するための手順

(1)請求金額を確定し、内容証明郵便で債務者に督促状を発送

まずは、請求金額を確定し、内容証明郵便で債務者に督促状を発送します。

内容証明郵便は、裁判所での手続きに際して、証拠として利用することを想定して作成するものですから、請求の根拠をしっかり明示することが必要です。どのような契約に基づく請求なのか、弁済期はいつなのか、最低限必要な事項をしっかり盛り込まないと、将来の裁判で証拠として使うことができないおそれも生じますから、注意して作成する必要があります。

(2)任意交渉

債務者が交渉に応じてくるのであれば、任意交渉により回収します。約束については必ず書面化し、できるだけ担保を取るべきことは前述のとおりです。

(3)内容証明郵便による督促に応じてもらえない場合は、裁判所を使った手続き

(4)強制執行

確定判決等の債務名義取得したとしても、現実にお金を回収できなければ、絵に描いた餅です。

相手方が任意の支払いに応じない場合は、給与差押え等、相手の財産に対して強制執行していくことが必要です。

60万円以下の少額訴訟の場合には、少額訴訟を利用できます。詳しくは、「意外と簡単!お金を払わない相手から少額訴訟で債権回収する方法」をご参照ください。

まとめ

債権回収はシビアな交渉を必要とするうえ、相手が任意の交渉に応じてこない場合は、迅速かつ的確な法的手続きを求められます。また、債権の存否について難しい法的問題を含んだ紛争に発展することも考えられますし、時効の管理といった問題もあります。

一定の金額を超える請求をする場合、費用のことを考えても、債権回収を弁護士に依頼するか、少なくとも相談をしながら手続きを進めることが、結果的により多くの回収に結びつくことになり、望ましいと言えるでしょう。

今回の内容が債権回収問題のご参考になれば幸いです。

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