みなし相続財産について理解して相続税を節税するための7つの知識

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親や配偶者等、大切な人が亡くなった後には、相続の問題が生じます。

相続について次のような疑問をお持ちではないでしょうか。

  • 死亡保険金(または、死亡退職金、遺族年金)を受け取ったが、課税対象となるのか
  • 課税対象となるとすれば、どのように計算するのか
  • 被相続人に借金があるが相続放棄をして死亡保険金だけ受け取ることはできるのか
  • 死亡保険金は遺産分割の対象となるのか。遺留分の対象となるのか。

この記事では、このような疑問を解決して、しかも、相続税を節約 する方法について、相続に精通したベリーベスト法律事務所の弁護士が説明します。

みなし相続財産の一般的なものは生命保険 や死亡退職金で、課税対象となります。

だから、 保険会社で相続対策をしていた元営業マンの私が書いているので、安心して読んで下さい。

これを読めば、 みなし相続財産がなにかということ以外にも、少しでも多く財産を引き継げるような方法と、争族に しない生命保険の使い方について書いているので、ぜひ最後まで読んでみてください。

ここに書いてあることで、少しでも多くの人がみなし相続財産の問題をなくしていただければ 嬉しく思います。

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1、みなし相続財産とは

みなし相続財産について調べているところだと思いますので、まずはみなし相続財産とはなにかということをしっかりと理解しておきましょう。

イメージしやすいもので言い換えると、生命保険 や死亡退職金です。

亡くなる前は財産ではなかったものが、亡くなったことで財産としてみなされ、税法上で 相続財産となります。

亡くなった人が持っていた財産ではなく、保険会社から支払われたり、会社から受け取ったりするものと考えるとイメージしやすいでしょう。

また、負債となっている相続財産を放棄しても、生命保険金などのみなし相続財産は

2、みなし相続財産の一覧

みなし相続財産の概略は前の説明でわかってもらえましたよね?

次は具体的なみなし相続財産についての説明をしていきます。

まず、みなし相続財産は、生命保険 や死亡退職金以外にも存在します。

亡くなってしまったときに契約など によってみなし相続財産となるものと遺言によって決まるものの2つがあります。

相続されるものかどうか、確認しておきましょう。

(1)契約などにより相続されるもの

①生命保険金や共済金

保険をかけている人(契約者)と保険をかけられている人(被保険者)と保険料を支払っている人(保険料負担者)が同じ場合に、相続財産となります。

同じ人でない場合は相続ではなく、所得税や贈与税がかかります。

税金がかからないような契約にしましょう。

②死亡退職金等

亡くなった人が受け取るはずだった、 退職金や功労金で死後 3年以内に支払われることが確定したものです。

現物(土地や車など)も 年金のように支払われるものも含まれます。

③生命保険契約に関する権利

生命保険の保険料を支払っていた人(保険料負担者または契約者)がなくなった場合、契約はその親族に受け渡 されることになります。

そのときに解約返戻金がある場合は、相続の対象となります。

夫婦の生計を同一にしている口座で支払っていれば、妻が契約者の場合でも相続にはならず、契約が続くようです。

しかし、夫と妻の両方に収入があった場合は、保険料負担者がどちらなのかということで相続になる場合があります。

④定期金に関する権利

定期金というのは、一定の期間で年金のように支払われるものをいいます。

まだ年金が支給される前に亡くなってしまった場合は、その受け取れる合計金額がみなし相続財産です。

国民年金や厚生年金 は相続の対象にはなりません。

⑤保証期間付定期金に関する権利

年金のような契約で、受け取っている期間中に亡くなった場合、残りの受け取れる合計金額や一時金が 相続されるものになります。

一生涯受け取り続ける年金は平均余命で計算されることが多いですが、こちらは税務署の判断によるようです。

国民年金や厚生年金 は相続の対象にはなりません。

⑥契約に基づかない定期金に関する権利

企業退職年金などで死亡した時の定めがないようなものでも、遺族に対して支払われることが決まった場合は、相続の対象になります。

一時金や継続して支払われる年金があります。

(2)遺言によって相続されるもの

①特別縁故者への分与財産

法定相続人がいない場合に、生前に親密な付き合いがあったと家庭裁判所に申立し、認められれば相続を受けることができます。

これはみなし相続財産になります。

②信託の受益権

信託というのは、わかりやすく言うとマンションなどの資産の運用を誰かに任せるというものです。

この資産運用で生まれた利益がみなし相続財産になり、相続税の対象となります。

③低額譲受けによる利益

夫から妻に時価3,000万円の物件を2,000万円で譲渡していた場合などに相続税 がかかります。

この場合はみなし贈与として認められるので、贈与税の配偶者控除などすることもできることがあります。

④債務免除益等

亡くなってしまった人に1,000万円を借りていて、遺言によって返さなくても良い事になった場合、利益になった 1,000万円を相続したことに なります。

免除された場合だけでなく、著しく低い金額で返済できたときも同様です。

⑤その他の経済的利益

ここまでに書いてきたもの以外にも、遺言によって利益を受けている場合は、みなし相続財産になります。

⑥公益法人等から受ける利益

寄付などの場合は相続税がかからないのですが、その法人から特別な利益を受けているものがいた場合に、相続税の対象となる場合があります。

3、みなし相続財産と遺産分割

ここまででみなし 相続財産について理解してもらえ たかと思います。

これからの説明は、みなし相続財産が実際に起きた 場合に、問題に なりやすいケースについて説明をしていきます。

さっそく 、みなし相続財産を受け取ることによって、均等に分けられるはずの財産が誰か一人に偏っている場合、誰かが得をするのかどうかということについて説明します。

遺産分割は一般的に使われている意味だと、「亡くなった人が持っていた財産を相続する人に分けましょう」ということです。

しかし、生命保険のように受取人が指定されていた場合、誰か一人に相続される財産が偏ってしまうことがあります。

具体例をあげて細かくみていきましょう。

(1)受取人が指定されているみなし相続財産

夫はすでに亡くなっていて、妻が亡くなった場合、相続財産が1200万、子どもABCに相続が行われますが、Cが生命保険900万を受け取っていることがわかりました。

この場合、どうやって相続財産を分割すべきでしょうか?

①生命保険で受け取ったお金

生命保険のように受取人が指定されているものは、その人の財産となるため、他の人にそのお金を渡す必要はありません。

この場合、Cが受取人となります。

法律上からみても、受取人固有財産となるので、相続財産の中には含まれず、遺産分割協議にも 、遺留分減殺請求にも 、対象外となります。

今回の例で言うと、AB400万ずつC400万と900万(生命保険分)の合計1300万、という分割になります。

②著しく不公平な場合

しかし、このように金額として大きな偏りがあって不公平がある場合は、相続財産として計算する場合があります。

今回の例だと、C900万(生命保険分のみ)、AB600万ずつです。

過去にこのような、特別に大きな額を受け取っている(特別受益)として相続財産への持戻しになる事例がありました。

亡くなった人との関係性によって、分割される金額が異なるので、最高裁判所でもはっきりとした決定がくだされていません。

生命保険だけではなく死亡退職金など、受取人が指定されている場合であれば、同様のことが起こります。

(2)受取人が指定されていないみなし相続財産

受取人が指定されていない場合は、みなし相続財産を相続財産として分割することになります。

4、みなし相続財産の非課税枠

相続財産はできるだけ多く引き継げたほうが良いですよね?

税金としてしっかりと納めたいという人は違うかもしれませんが、多くの人はなくなった親族が大切にしていた財産を、自分も同じ分だけ大切にしていきたいと思っているのではないでしょうか?

みなし相続財産は一定額までであれば、税金を払わずに済む制度があります。

どのような内容なのか確認してみましょう。

非課税枠が適用されるのは、生命保険の死亡保険金と退職保険金 の2つです。

どちらも別々に非課税枠があるので、合算することなく相続税を計算していきましょう。

(1)生命保険金の非課税枠

亡くなったときに支払われる生命保険金のうち非課税になるのは、(500万×法定相続人の数×その相続人の受け取った保険金の合計額÷相続人全員の受け取った保険金の合計額)の計算式で求められます。

具体的な例を挙げて計算してみましょう。

①妻と3人の子どもがいて、妻に生命保険が2,000万支払われた。

まずは非課税枠がどれくらいあるのかを計算します。

妻  500万×4人×2000万÷2000=2000

1 500万×4人×0円÷2000=0

2 500万×4人×0円÷2000=0

3 500万×4人×0円÷2000=0

妻に2,000万支払われていて2,000万の非課税枠があるので、生命保険での相続税は0円になります。

②妻と3人の子どもがいて、妻と子に生命保険が500万ずつ支払われた。

非課税枠を計算しましょう。

妻  500万×4人×500万÷2000=500

1 500万×4人×500万÷2000=500

2 500万×4人×500万÷2000=500

3 500万×4人×500万÷2000=500

500万ずつ支払われていて、非課税枠は各500万円あるので、相続税は0円です。

③妻と1人の子どもがいて、妻に生命保険が2,000万支払われた。

妻  500万×2人×2000万÷2000=1000

1 500万×2人×0円÷2000=0

妻に2,000万支払われていて1,000万の非課税枠しかないので、生命保険での相続税 は1,000万になります。

(2)死亡退職金の非課税枠

亡くなったときに支払われる死亡退職金のうち非課税になるのは、(500万×法定相続人の数×その相続人が支給を受けた退職手当金等の合計額÷相続人全員が支給を受けた退職手当金等の合計額)の計算式で求められます。

年金形式で支払われるものや、功労金などすべての費用 を合算して計算する必要があります。

計算方式は生命保険と同じです。

相続税を計算するときには、それぞれ別々に非課税枠が使えます。

5、みなし相続財産と相続放棄

相続の中では、借金も引き継いでしまうというケースがあります。

もし 相続をしなかった場合 、生命保険などのみなし相続財 ももらえなかったら、踏んだり蹴ったりという結果になってしまいますよね。

しかし、相続財産を放棄した場合でも、生命保険や死亡退職金を受けることができます。

つまり、受け取る相続財産がマイナスになっている場合は、相続を放棄して、プラスの生命保険金を受け取ることができます。

受取人の固有の財産になっているということが理由です。

ここで注意したいのは、相続放棄をした場合 、みなし財産を受け取ると税金 がかかる場合があることです。

(1)相続放棄した場合の相続税

相続放棄をしても、みなし相続財産を受け取れば、相続税を払わなければいけません。

そのときに使える相続税の控除や非課税枠について確認しておきましょう。

①生命保険の 非課税枠が使えない

相 続放棄をした場合、相続人ではなくなるため、 非課税枠が使えません。

しかし、 相続放棄をした本人は非課税枠が使えませんが、その他の人は相続人の人数にいれて 計算することができます。

妻と3人の子どもがいて、妻と子に生命保険が500万ずつ支払われた場合で、子1が相続放棄をしていたとします。

まずは非課税枠がどれくらいあるのかを計算します。

妻  500万×4人×500万÷1500=666.67

2 500万×4人×500万÷1500=666.67

3 500万×4人×500万÷1500=666.67

500万ずつ支払われていて、非課税枠は各500 万円あるので、子1以外の相続税は0円です。

1は相続放棄をしているため、 相続財産として相続税を計算しないと いけなくなります。

②相続放棄しても基礎控除は使える

相続税の相続税 から差し引かれる金額(基礎控除額)は、相続放棄をしても使うことができます。

計算方法は「3,000万円+600万円×法定相続人数」です。

上記の例で言うと、

3,000万円+600万円×4=5,400万円

5,400万円が基礎控除となるので、その他の相続財産と今回の生命保険金500万を合算して、相続税を計算することになります。

遺産額がマイナスの場合は、

500-5,400万円=-4900万円

となるので、税金が かかりません。

6、生命保険を使ったみなし相続財産対策方法

さまざまなケースについてのみなし相続財産を学んできました。

相続税を多く払わない方法を知るために、まだ相続が発生する前に勉強をしている人がたくさんいると思います。

簡単に、生命保険を使って全体の相続税を下げる方法が分かったら助かりますよね。

では、具体的な相続税の節税方法について解説していきましょう。

みなし相続は相続放棄ができないので、生命保険をかけすぎていて相続税がかかるかどうかというのは、とても重要な問題になります。

生命保険の効果を知って、いますぐ対策できる方法がわかればいいですよね。

実際に生命保険を使った場合にどれくらいの効果があるのか計算してみましょう。

(1)生命保険を使わない場合

総資産8,000万円で夫が亡くなり、妻と子ども2人に相続した場合を想定していきます。

まずは、生命保険を使わない場合に相続税がどれくらいなのか計算します。

3,000+600万×3=4,800

8,000-4,800=3,200

これを3人で分配すると

妻  1,600

1 800

2 800

となります。

それぞれの相続税支払額は、

妻  1,600万×15%(税率)-50万(控除)=190

1 800万×10%(税率)=80

2 800万×10%(税率)=80

となり、合計350万が相続税として支払う金額の合計になります。

(2)生命保険を使った場合

仮に非課税枠の1,500万を生命保険に換えた場合を計算していきましょう。

総資産の8,000万のうち1,500万が生命保険に振り返られ、非課税となるので、6,500万の相続を計算していきます。

6,500-4,800=1,700

これを3人で分配すると

妻  850

1 425

2 425

それぞれの相続税支払額は、

妻  850万×10%(税率)=85

1 425万×10%(税率)=42.5

2 425万×10%(税率)=42.5

になります。

合計170万になるので、生命保険に加入したほうが、180万と半分以下も 節税効果があることがわかります。

もし、 生命保険に加入していないのであれば 、かなりの相続対策になるということを理解してもらえたと思います。

7、相続対策になる生命保険

先程の生命保険の対策で、これからでも被相続人になる人が生命保険に入るべきだということは、 納得してもらえたと思います。

ただ、生命保険なんて70を過ぎた人が入れるようなものじゃないとも思ってはいませんか?

いまから入れて、なおかつお得になる方法が知れたらいいですよね。

具体的な商品について解説していきましょう。

銀行でも勧められている保険加入ですが、資産運用や相続対策として使われるのは一時払い終身保険というタイプのものです。

一度に保険料を支払って、保障を受けるというタイプのものです。

(1)一時払い終身保険のメリット

相続としてのメリットは、一生涯の保障があること、死亡保険金より支払う保険料が安いこと、解約して運用することもできること、加入条件がかなり低いことです。

①一生涯の保障あり

もし万が一なにかあったときに支払われる保険なので、一生涯の保障があれば必ずいつかは支払われることになります。

②死亡保険金より支払う保険料が安い

保険料で払った額より、大きな保険金がもらえるとしたら、相続対策としてのメリットになりますよね。

③解約して運用

一定期間後に利回りをして利益を受け取れます。

大きく利益が出た場合は、解約して別の商品を契約するのもいいでしょう。

④加入条件が低い

年齢制限は、ご高齢の方でも90歳までは加入することが可能です。

保険には健康状態などの診査がありますが、この商品は職業告知だけのものが多いので安心してください。

(2)一時払い終身保険のデメリット

早いうちに解約してしまった時は、もともと払った額よりも少なくなってしまうことがあります。

いまの価格で購入をするのでインフレや低金利になったときは、商品の価値が下がってしまう恐れがあります。

(3)おすすめの一時払い終身保険

メリットを大きくしてデメリットにも対策をうてる一時払い終身保険として、外貨建てがあります。

銀行や信金でも取扱が増えていて、多くの加入者がいることは間違いないです。

外貨建ての保険金を受け取るときに、円に換えて高くなる場合は、そのまま受け取って相続税の支払いにつかうことができ、逆に安くなる時は、ドルのまま保有して将来の資産として外貨をお子様に残すことができます。

どうしても外貨に抵抗がある人もいるんですが、円建ては超低金利政策を進めているので販売停止になる商品が多くあり、本当に低金利に弱い、販売しづらい商品だということがわかります。

(4)生命保険の本当のメリット

ここまでみなし相続財産について、法律的、金銭的な側面から捉えてきました。

相続は争族という、仲良しだったと思っていた家族がバラバラになってしまうかもしれないという恐い側面があります。

しかし相続の本来の目的は、財産を子どもに持たせて、家族が幸せに暮らしていけるようになるためのもののはずですよね。

生命保険の本来の目的は、家族への愛情を伝えることです。

家族の本当の気持ちを聞き出せる機会にしていただくことが、相続のとても重要なことであり、生命保険という商品の役割だと考えています。

相続の話は、子どもから親にしづらいものだと思います。

生命保険を使って、「ご両親がどういう思いで保険に入っていたのか」など、心温まる会話をしてみてください。

きっと争うことなく相続の話がまとまっていけるでしょう。

まとめ

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

みなし相続財産は相続放棄できないので対策を考えておく必要があります。

そのなかでも非課税枠のある、生命保険で有効な対策を立てることが重要です。

この記事をご覧いただいた少しでも多くの人の、相続対策に役に立っていれば嬉しく思います。

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