不倫相手が妊娠した場合の適切な対処法

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不倫相手から妊娠したと聞かされた場合にどのように対処すべきかというのはとても難しい問題であり、ひとつの最適解が存在するわけではありません。

不倫相手や自分、妻と3人の大人が関わってきますし、不倫相手のお腹の中に子供や、妻との間の子供等、多くの人の人生を大きく左右する重要な問題です。

自分一人の考えで簡単に答えを出せる問題ではないのです。

しかしながら、男女問題の解決を支援してきた経験上、このような場合はこのように行動した方がうまくいきやすいという傾向は掴めています

今回は、不倫相手が妊娠した場合の上手な対処法を網羅的に説明します。
厳しい状況の中でも最善の行動がとれるように、是非参考にしてください。

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1、不倫相手から「妊娠した」と聞かされたらやるべきこと

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(1)まず病院で妊娠の事実を確認する

妊娠をまだ病院で確認していない状況であれば、病院で確認すべきです。

月経(生理)が遅れているということもありえます。
また、市販の妊娠検査薬の結果は必ずしも正しくない場合があります。

①いつから確認できる?

なお、病院で妊娠が確認できるのは妊娠5週目以降です。
妊娠週数の数え方は、最終月経の開始日を0週0日として、その翌日から0週1日と数えます。

②一緒に行った方がいい?

病院に行く際は、不倫相手も不安でしょうから、同行を申し出るべきでしょう。
同行する際は、知り合いに見られるリスクを避けるため、自分と不倫相手の両方の生活圏と異なる病院にするとよいでしょう。

(2)不倫相手とお腹の子をどうするか話し合う

妊娠していることが明らかな場合、お腹の子をどうするか話し合いましょう。

この時、結論を無理に急がせてはなりません
混乱している状況の中で急かされると、錯乱してしまい落ち着いて結論が出るまでに返って日数が必要になります。

ですので、あなたができることとしては、不倫相手がなるべく早く落ち着いて結論を出せるように精神的なケアをしてあげることです。

①いつまでに結論を出せばよい?中絶のタイムリミットは?

ただ、人工妊娠中絶(中絶手術)が可能なのは22週目までです。
23週目以降に人工妊娠中絶をすることはできません

また、妊娠してから日が経てば経つほど人工妊娠中絶を行う際の母体の負担は増大します
特に、11週目以前12週目以降とでは中絶方法が異なり12週を境に大きく母体への負担が増大します

つまり、急かしてはならないが、かといって悠長に構えていられるわけでもないというわけです。

②話し合いでは不倫相手のケアに努めるべき

妊娠させた男性は中絶する女性に対して、中絶によって生じる女性の身体的精神的経済的負担解消、軽減するための行為をする義務があります。

裁判例では、この義務を怠った男性に対して約130万円の賠償義務が認められたケースがあります。
また、慰謝料のことをおいても、やはり中絶した女性にはケアすべきでしょう。

お腹の子をどうするか話し合う際は、不倫相手の精神的な負担を解消、軽減するように努めながら話し合いを進めるべきです。

③中絶してほしい場合はどうすればよい?

中絶してほしいと思っていたとしても、これを無理強いしては当然いけません。
前述の負担権限義務を果たしていないことになります。

また、中絶で身体的な負担を受けるのは不倫相手です。
にもかかわらず、軽々に自分の要望を押すことは避けるべきでしょう。

「中絶してほしい」と要望をいうよりも、中絶する場合にあなたができることや、出産した場合の懸念点を伝えるべきでしょう。

中絶する場合にできることは、例えば、次のようなことが考えられます。

  • 医療費の負担
  • 休業補償(仕事を休む場合)
  • 中絶後の身の回りの世話
  • 中絶の前後の精神的ケア
  • 中絶後の関係継続

もっとも、中絶後の関係継続については、安易に約束すべきことではありません。

奥さんに不倫を知られてしまった場合等、関係の継続が難しくなることもあり得ますし、離婚に発展する可能性も高いでしょう。
子供がいる場合は、子供の人生を壊してしまうことにもなります。

また、不倫、妊娠を経てなお不倫を継続し離婚に至ったケースでは、奥さんの精神的なダメージが大きいことが想定され、その分、慰謝料も高額化する可能性があります。
あなただけではなく不倫相手もあなたの奥さんから慰謝料を請求されることになります。

そして、不倫相手が出産を検討している場合に伝えるべき懸念点としては、例えば、次のようなことが考えられます。

  • シングルマザーで経済的にやっていけるか
  • 自分も経済的にゆとりがなく援助できない
  • 仕事はどうするのか
  • お金の面だけでなく、ひとりで子育てするのは身体的にも精神的にも負担が大きい
  • 妻に知られて不倫相手も慰謝料を請求される
  • 世間体
  • 不倫相手の親がどう思うか
  • 父がいない場合に子に与える悪影響

もっとも、不倫相手も精神的に参っているでしょうから、懸念点を一方的にぶつけるべきではありません。
あくまで話し合いの中で、こういう懸念もあるというように切り出していきましょう。

(3)不倫相手と自分との関係をどうするか話し合う(揉めることなく関係を解消するには?)

続いて、不倫相手と自分との関係をどうするかについても話し合わなければなりません。
お腹の子をどうするかという問題と密接に関係する問題なので、場合を分けて説明します。

①中絶する場合

中絶する場合は、不倫相手の精神的な負担を考えると、中絶と同時に今後の関係の話を進めるべきではありません。

不倫相手が十分に落ち着いて、今後の関係をどうするかについて話し合いたいという気持ちになってから話し合いをスタートするようにしましょう。

基本的には、前述の通り、今回のことを契機に関係を清算というのが現実的でしょう。
ただ、清算を切り出す時の伝え方は、相手の精神状態に十分配慮すべきです。

②相手が出産を考えている場合

出産を考えている場合は、今後の関係の問題と合わせて話し合うべきです。
奥さんと別れて不倫相手と結婚するのか、不倫関係を継続するのか、清算するのか。

まず、不倫関係の継続は前述の理由からお勧めできません
次に、奥さんと別れる場合は、今の家族の人生を破壊することになり慰謝料も高額化する可能性があります

この選択は、不倫前から既に奥さんとの婚姻関係が破綻しているような場合かと思われます。
そして、関係を清算してシングルマザーとして出産する場合は前述の懸念点について、不倫相手によく考えてもらって結論を出すべきでしょう。

2、中絶することになったら場合に知っておくべきこと

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(1)中絶手術を受けられる期間

前述の通り中絶手術を受けられる期間は妊娠5週目〜22週目です。
妊娠してから日が経てば経つほど人工妊娠中絶を行う際の母体の負担は増大します。

特に、11、12週目以前12、13週目以降とでは中絶方法が異なり12週目あたりを境に大きく母体への負担が増大します。

(2)費用

費用は妊娠週数が進むに伴って高くなります。
また、病院によっても異なります。

なお、裁判例によると、男性が負担すべき金額は半額ですが、女性の方が身体的、精神的苦痛を負担することを考えると費用は男性が全額負担した方がよいでしょう。

①〜妊娠8週目

12〜13万円

②妊娠9、10週目

15〜16万円

③妊娠11、12週目

18〜19万円

④妊娠13週目〜22週目

30〜50万円(入院が必要です)

また、その他費用として、次のような費用がかかります。

  • 初診代:約1万円(内診、超音波検査)
  • 諸検査:約1万円(クラミジア、子宮がん検診等)
  • 術前検査:約1万円(心電図、感染症、貧血検査等)
  • 術後検診等、再診:約5千円

(3)妊娠させた男性の義務

前述の通り、妊娠させた男性には、中絶する女性の経済的身体的精神的負担を軽減、解消するための行為を行う義務があります。
これに違反すると慰謝料を請求されることもあります。

3、不倫相手からの慰謝料

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(1)中絶した場合

中絶した場合には、前述の通り、中絶した女性の経済的精神的身体的義務を軽減、解消するように努める義務があり、これを怠ると慰謝料を請求されることがあります。

慰謝料とは精神的な苦痛等の損害に対する賠償金のことです。
精神的苦痛を金額に換算するのはなかなか難しいのですが、中絶する彼女のケアを怠った事例の裁判では200万円の精神的損害を認めたものもあります。

もっとも、200万円の全額を男性が負担するのではなく、折半して100万円を男性が負担します。
慰謝料だけではなく、休業損害中絶費用半額負担する義務があります。

慰謝料はケアを怠った場合のみ生じますが、休業損害、中絶費用の負担義務はケアを怠ったかどうかに関係なく生じます。

また、中絶がきっかけで精神状態を崩してしまうことがありますが、その場合の医療費や休業損害についても同様に半額を負担しなければなりません。

(2)産んだ場合も慰謝料は必要?

産んだ場合は、慰謝料は生じません。
もっとも、精神的な虐待が行われた等産む産まないに直接関係ない部分で慰謝料の発生原因があることはありえます。

4、不倫相手が出産した場合、認知しなければならない?認知するとどうなる?

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(1)認知するとどうなる?

認知すると、まず、認知された子供に対して扶養義務が生じ認知された子供の監護者(この場合は不倫相手)に対して養育費を支払わなければなりません。

もちろん、認知しなくても自主的に養育費を支払うことは可能です。
また、認知した人(この場合はあなた)が亡くなった場合、認知された子供は結婚した夫婦の間の子供と同様に法定相続人として、遺産を相続することができるようになります。

こちらも、認知しなくても遺言によって遺産を相続させることは可能です。
また、認知した場合、認知した父側の戸籍にもその旨が記載されます。
同じ戸籍に入っている人に絶対に知られずに認知することは難しいでしょう。

転籍(本籍地変更)改製(法改正による戸籍の再作成)等があると認知の記載はなくなりますが、同じ戸籍に入っている人は古い戸籍を閲覧することも可能で、古い戸籍には認知の記載が残っています。

(2)認知しなければならない?

認知はしなければならないわけではありませんが、強制認知といわれる認知の訴えを起こされて、裁判で証拠を元に認知請求が認められることになるでしょう。

5、産んだ場合の養育費の相場

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産んだ場合、前述の通り、認知した場合や裁判で認知請求が認められた場合は養育費を支払う義務があります。

養育費の基準は、通常の離婚の場合と変わりありません。
裁判所が出している算定表に基づいて相場を算定することができます。

養育費算定表はこちらからご参照ください。

例えば、あなたの年収が500万円で不倫相手の年収が300万円の場合、子供が14歳までは2〜4万円、15歳〜19歳までは4〜6万円が月額の養育費の相場ということになります。

6、妻にばれないようにすることはできる?

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(1)中絶した場合

奥さんに知られないように中絶することは可能です。
ただ、不倫相手との間で慰謝料や別れ話等を巡って争いが起こった場合、奥さんに知られてしまうことはありえます。

慰謝料を請求する裁判を起こされた場合は、裁判所から通知が届くので、奥さんが開封した場合は内容が知られてしまいます。

開封しなくても裁判所から通知が届くことは、そうそうないでしょうから、少なくとも怪訝に思われる可能性は高いでしょう。

不倫相手が奥さんに知らせるケースも多々あります。
奥さんに別れてもらおうと直訴するケースもあれば、嫌がらせで知らせるということもあります。

このようなことを避けるためには不倫相手と円満に関係を解消する必要があるでしょう。
また、不倫相手にも妻に知られると慰謝料請求される不利益があることを教えておくことで、奥さんへのリークを防げることもあるでしょう。

(2)産んだ場合

産んだ場合に奥さんに知られないようにすることは、なかなか難しいでしょう。
産んだ場合、認知をすると、前述のとおり、戸籍から認知したことが知られてしまいます。

認知しなくても認知裁判で請求が認められると、やはり戸籍に記載されます。
認知しなくても、不倫相手から養育費は求められるでしょうから、養育費を奥さんに知られずに捻出できるかどうかがポイントとなります。

7、妻から離婚を求められたら

弁護士が教える!離婚を回避できた事例

(1)拒否できる?

奥さんから離婚を求められた場合に、拒否することは可能ですが、奥さんが譲らずに裁判までもつれこんだ場合は、裁判で離婚の請求が認められる可能性が高いでしょう。

(2)婚姻費用

婚姻費用とは、夫婦の別居期間中に収入が多い方から少ない方に渡す生活費のことです。

あなたの方が奥さんよりも年収が高い場合奥さんとの別居開始から離婚成立まで婚姻費用を請求されることになります。

婚姻費用の額は夫婦で話し合って決定して構いませんが、まとまらない場合は、裁判所を出している算定表を基準に決めるとよいでしょう。

詳しくは別居時に婚姻費用算定表を正しく利用して請求できる金額を計算する方法をご確認ください。

(3)財産分与

財産分与とは、婚姻中に築いた夫婦の共有財産を貢献度に応じて分け合うことです。
どのように分け合うかについては、夫婦で話し合っても構いませんが、通常は折半します。

専業主婦で収入がなくても、家事をすることによって家計に貢献しているのであれば、折半するケースが多いです。
財産分与について、詳しくは、「財産分与|離婚時にできるだけ高額を獲得するために知っておくべき全てのこと」をご参照ください。

(4)年金分割

年金は拠出した額が多ければ給付される額も通常多くなりますが、専業主婦や働いていても旦那よりも給与が低い場合は、旦那よりも年金が少なくなってしまい不公平です。

そこで、婚姻期間中に拠出した年金を夫婦で按分して不公平を無くすのが年金分割です。
詳しくは離婚時の年金分割をできるだけ多く獲得するための全手順をご参照ください。

(5)慰謝料

慰謝料とは精神的損害に対する賠償です。

どちらからどちらにいくら支払うかについては夫婦で話し合って自由に決めて構いませんが、通常は離婚の原因を作った方がもう一方に対して支払います。

今回のケースは離婚の原因はあなたの不倫ですので、奥さんからあなたに請求することができます。
また、相場としては、50万円~500万円と幅があります。

今回のケースでは不倫して不倫相手が妊娠するという奥さんとしては極めてショッキングなケースですので、その分慰謝料が高くなることが予想されます。

慰謝料がどのようにして決まるのか、詳しくは、離婚慰謝料の相場と弁護士が教える高額獲得する方法もご参照ください。

(6)養育費

養育費は子を引き取って監護する方に対して相手が支払います。
額については、これも夫婦で自由に決められます。

もっとも、前述の通り、裁判所が出している算定表があるので、これに基づいて算定されることが多いです。

(7)親権の獲得方法

親権をどちらが持つかということについても、前述のお金の問題同様に夫婦で話し合って決めて構いません。

ですので、奥さんに親権を譲ってもらえれば、これに越したことはありませんが、状況としては極めて難しいでしょう。

両方とも親権が欲しくて譲らなかった場合調停や裁判で親権者を決めることになります。
その場合に、調停委員や裁判官が重視するポイントとしては、子どもの意思と継続性の原則です。

継続性の原則とは、これまで中心となって子育てをしてきた方に継続して親権者として育ててもらうという原則です。

つまりは、親権者となるためには、子ども自身に「こっちに育ててほしい」と思われるような親でなければなりませんし、また、中心となって子育てをしていなければならないということです。

誤解してはならないのは、子どもを甘やかしたり子どもに配偶者の悪口を吹き込むことによって、子どもに選んでもらおうとしてはならないということです。

このような方法を取ることは子どものためになりませんし、また、調停委員や裁判官は様々な質問で子どもの意思を確認するため、過剰に甘やかしていることや配偶者の悪口を吹き込んでいることが分かってしまい、親権者として不適格と判断されかねないでしょう。

また、別居時に子どもを不穏当な方法で連れ去り継続性の原則の観点から優位に立とうとすることも同様親権者として不適格と判断されてしまうでしょう。

8、妻から不倫相手への慰謝料への対処法

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奥さんから不倫相手への慰謝料を請求することがありえます。
これを避けたい場合の対処法をあなたと奥さんが離婚した場合と離婚しなかった場合に分けて説明します。

(1)離婚した場合

離婚した場合、奥さんはあなた不倫相手どちらに対しても慰謝料の全額を請求することができます。
両方に全額を請求したり、一方から全額回収することも、半分ずつ両方から回収することもできます。

奥さんから不倫相手への請求を避けたい場合は、奥さんが不倫相手へ請求する前に全額を支払えば、奥さんは請求の根拠を失い、不倫相手には慰謝料を請求することはできません。

(2)離婚しない場合

離婚しない場合、奥さんはあなたに慰謝料を請求しても無意味なので、不倫相手にのみ請求するでしょう。

奥さんの気持ち次第なので、これを阻止することは難しいでしょうが、例えば、慰謝料を請求するとそれ以上の養育費(産んだ場合)や中絶慰謝料を請求する可能性があるから請求しないでほしいと頼み込んでみるという手はあるかもしれません。

不倫相手が妊娠した場合の上手な対処法まとめ

今回は、不倫相手が妊娠した場合の上手な対処法を説明しました。
参考なれば幸いです。

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