どのくらいの遺産をもらえる?遺産相続の順位に関して知っておきたい4つのこと

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一定範囲の親族が亡くなった場合、その遺産を受け継ぐ手続き、「相続」が開始します。

「そもそも自分は、遺産をもらえる立場なの?」ということや、「自分や家族はいくらくらい遺産をもらえるの?」「相続の順位はどのようになるの?」など、相続の順位について関心を持っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、相続に関する問題のうち、遺産はどのような人にどれくらいの割合で配分されていくのか法律で定められた内容についてご紹介します。

目次

目次

1、相続人になるのは誰?法定相続人って何?

2、遺産相続の順位は?

3、代襲相続人とは?

4、相続できる遺産の割合は?

1、相続人になるのは誰?法定相続人って何?

(1)はじめに

相続財産がだれに承継されるかについては、亡くなった方の遺言があるか、ないかで結論が大きく変わります。

まず、亡くなった方(被相続人)が「遺言」を残していて、その遺言に「この遺産は、誰誰に相続させる」と記載されていた場合には、遺産は、遺言に書かれている人のものとなります(遺留分という話がありますが、これについては「遺留分とは? 相続に備えて知っておきたい8つのこと」の記事で詳しく説明しています)。

次に、亡くなった方の遺言がない場合、遺言に記載されていない遺産がある場合、または遺言が法律上の要件を満たさない場合には、民法の定めによって、相続人になれる人の範囲と順位、相続分が決まります。

ここでお話をするのは、遺言がない場合、遺言の効力に争いのある場合、または遺言に書かれていない遺産の取扱いについてです。

(2)法定相続人とは?

遺言がない場合の遺産、または遺言に書かれていない遺産は、民法という法律にしたがって、一定の相続人に配分されていくことなります。民法が、なぜこのようなことを規定しているかというと「人が亡くなってからその人の遺産の分割を相続人にまかせたのでは、相続人間で紛争が生じてしまう」からです。つまり、相続人間で紛争が起きないように、民法で誰がいくらもらえるかを事前に決めているわけです。

民法に定められた「遺産を受け取ることができる相続人」を法定相続人といいます。

(3)遺産を受け取れる相続人は誰?

民法は、法定相続人を次のように定めています。

配偶者相続人 血族相続人
配偶者(内縁の妻夫を含みません) ➊直系卑属(子、孫、養子縁組をした子)
❷直系尊属(父、母、祖父母)
❸兄弟姉妹(兄弟姉妹)

①配偶者相続人

配偶者相続人とは、被相続人と婚姻関係にある者で、夫からみた妻、妻からみた夫になります。

ここで、注意ですが、ここでいう「配偶者」は、法律上の配偶者(婚姻届を提出した配偶者)に限ります。夫婦同様の生活をしているが、内縁関係に過ぎない場合には、法定相続人にあたらないことになります。

② 血族相続人

血族相続人とは、その名のとおり、血のつながった相続人です。

❶直系卑属は、被相続人から見て、子や孫などになります。「子」には、胎児や養子

が含まれます。但し、胎児が死体で産まれた場合には、相続人にはなりません。なお、再婚のときの先妻または先夫の子(いわゆる連れ子)で、被相続人と養子縁組をしていない子は、ここでいう「❶直系卑属」にはあたりません。また、養子の場合、養子が普通養子の場合には、養親と生まれの親の双方を相続しますが、特別養子縁組の場合には、養親のみを相続します。

❷直系尊属は、父母、祖父母などです。

❸兄弟姉妹は、被相続人の兄弟、姉妹です。

2、遺産相続の順位は?

(1)はじめに

それでは、これらの法定相続人であれば、全員、遺産を受け取ることができるのでしょうか。実はそんなことはありません。民法には、遺産をもらえる順位が決まっています。

配偶者相続人 血族相続人
配偶者がいれば常に相続人になります 第1順位:直系卑属
第2順位:直系尊属
第3順位:兄弟姉妹

(2)配偶者相続人について

配偶者は、血族相続人と同順位で常に相続人となります。

つまり、直系卑属がいれば、直系卑属と配偶者が相続人となります。直系卑属がいない場合で、直系尊属が相続人となる場合には、直系尊属と配偶者が相続人となります。直系卑属・直系尊属がいない場合で、兄弟姉妹が相続人となる場合には、兄弟姉妹と配偶者が相続人となります。

なお、血族相続人がいない場合、配偶者のみが相続人となります。

(3)血族相続人について

血族相続人は

  1. 直系卑属
  2. 直系尊属
  3. 兄弟姉妹

の順で相続人となります。

①被相続人の直系卑属が、まず第1順位の相続人となります。直系卑属間の順位でいうと、被相続人の子、孫、ひ孫がいる場合には、被相続人に近い者が優先します。つまり、孫より子が優先し、子が死亡している場合には孫が相続人になるわけです。なお、直系尊属には、「代襲相続」という制度がありますが、この点については、次のパートで説明したいと思います。

②次に、被相続人に直系卑属がいない場合(例えば、被相続人の死亡以前に、すべての直系卑属が死亡していたなどの場合)、または直系卑属が全員相続放棄している場合には、第二順位として直系尊属が相続人となります。直系尊属の中でも、被相続人に近い者が相続人となります。つまり、父母、祖父母では、父または母が祖父母に優先するわけです。被相続人の父母が死亡していて、祖父母が存命の場合には、祖父母が法定相続人となります。

③そして、被相続人に直系卑属及び直系尊属もいない場合、または直系卑属と直系尊属が全員相続放棄している場合には、兄弟姉妹が第三順位の相続人となります。

④配偶者がいない場合には、上記の順番で、血族相続人のみが相続人となります。

3、代襲相続人とは?

直系卑属のパートで、「孫より子が優先する」と話をしました。それでは、孫より先に子が死去してしまった場合はどうなるでしょうか。その場合には、子が貰い受けるはずだった遺産を孫が相続することができます。これが「代襲相続」という制度です。

また、兄弟姉妹にも、代襲相続という制度があります。つまり、被相続人の死亡前に、兄弟姉妹がすでに亡くなっていて、かつ兄弟姉妹に子がある場合、その兄弟姉妹の貰い受けるはずであった遺産を、兄弟姉妹の子(甥や姪)が相続することができます。但し、兄弟姉妹の孫の代までは代襲相続は発生しません。

4、相続できる遺産の割合は?

それでは、具体的に、それぞれの相続人はどれくらいの遺産を貰い受けることができるのでしょうか。それは、次のようになります。

配偶者 直系卑属 直系尊属 兄弟姉妹
配偶者がいる場合 配偶者のみの場合、配偶者が全遺産を取得 配偶者 1/2
直系卑属 1/2
配偶者 2/3
直系尊属 1/3
配偶者 3/4
兄弟姉妹 1/4
配偶者がいない場合 直系卑属のみの場合、直系卑属が均等の割合で相続 直系尊属のみの場合、直系尊属が均等の割合で相続 兄弟姉妹のみの場合、兄弟姉妹が均等の割合で相続

(1)配偶者のみが相続人の場合

この場合は、配偶者が、遺産を100%相続することになります。

(2)直系卑属のみ、直系尊属のみ、兄弟姉妹のみが相続人の場合

直系卑属のみが相続人の場合、直系卑属が100%相続することになります。そして、直系卑属が複数いた場合、複数人は均等の割合で相続します。例えば、被相続人に子が3人いた場合には、それぞれ3分の1ずつ相続することになります。ただし、被相続人に、子が1人、孫が2人の場合には、「相続順位」の問題となって、100%子が相続することになり、孫は、遺産を相続することはできません。

直系卑属や兄弟姉妹の場合も同様です。

(3)配偶者と血族相続人がいる場合には、少し複雑になってきます。

①配偶者と直系卑属がいる場合には、まず、配偶者が遺産全体の半分(1/2)を取得することになります。残りの1/2について、相続人である直系卑属が均等に分けることになります。

例えば、被相続人に配偶者と2人の子がいた場合、配偶者が1/2、子がそれぞれ1/4ずつ取得することになります。

②次に、配偶者と直系尊属がいる場合、配偶者が遺産全体の2/3を取得します。そして、残りの1/3を、相続人である直系尊属が均等に分けることになります。

例えば、被相続人に配偶者と父母がいた場合、配偶者が2/3、父と母がそれぞれ1/6ずつ取得することになります。

③そして、配偶者と兄弟姉妹の場合には、配偶者が遺産全体の3/4を取得し、残りの1/4を、相続人である兄弟姉妹が均等に分けることになります。

例えば、被相続人に配偶者と姉、弟がいた場合、配偶者が3/4、姉と弟がそれぞれ1/8ずつ取得することになります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?相続の順位と相続の割合についてお話ししてまいりました。しかしながら、相続は、この記事でお話ししたルールだけで決まるものではありません。これ以外にもたくさんの要素があります。たとえば、生前贈与を受けていた法定相続人はもらえる遺産の額が少なくなる可能性があることなどです。この点については、別のテーマでお話ししたいと思いますが、ここでのお話は、相続の割合を決めるうえでの基本的なルールです。まずは、この記事の内容をしっかりと押えていただきたいと思います。

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