【無料ダウンロード可】秘密保持契約書の雛形と作り方(一方的に情報を開示する場合)

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他者と取引を進めるにあたって秘密保持契約書を作らなければならない。いい雛形はないかな・・・

この記事をお読みの方の中にはそのようにお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実際、他社に業務や開発を依頼するにあたって自社の秘密情報を相手方に提供しなければならないこともあるでしょう。

例えば以下のような場合です。

  • スマートフォンアプリ販売のためのアプリ開発を、開発者に依頼するにあたり、その開発者に対して自社の情報を開示する場合
  • 自社で販売する製品の研究開発を、他社に依頼するにあたり、その他社に対して自社の情報を開示する場合
  • 自社の業務の一部を他社に委託するにあたり、その他社に対して、自社の情報を開示する場合
  • ホームページの制作を他社に依頼するにあたり、その他社に対して、自社の情報を開示する場合
  • 今後の事業展開に関連して市場調査を他社に依頼するにあたり、その他社に対して自社の情報を開示する場合

以上のような場合に気をつけなければならないのは、提供した秘密情報が漏洩することによって、自社が損害を受けないようにすることです。

この事態を予防するには、相手方が秘密保持義務を負うことを内容とする秘密保持契約書を作成することが有効です。もっとも、そのような場合に秘密保持契約書を作成するにあたっては雛形をダウンロードしてそのまま使ってしまう方が多いかもしれません。

しかし、ポイントを押さえた上で、契約の内容ごとに適切な秘密保持契約書を作成するべきでしょう。
今回は、一方が秘密保持義務を負う秘密保持契約書の雛形をダウンロードできるようにした上、その書き方について掲載しました。

※今回の記事は2014年10月に公開したものを2016年8月27日に加筆修正しました。

1、秘密保持契約書作成の流れ

まずは、秘密保持契約書の作り方の流れをみていきましょう。

(1)秘密保持契約の内容について話し合い

最初に秘密保持契約書の内容について話し合いましょう。話し合う内容としては以下のような点をおさえておきましょう。

  • 秘密保持義務を負う秘密の内容は?
  • 秘密保持義務を負うのは一方か双方か(今回は一方のみが秘密保持義務を負うケースについて書いていきます。)?
  • 秘密情報を扱うために秘密保持義務を負う範囲は(従業員や役員のみか?顧問弁護士や顧問税理士も含まれるか?)?
  • 秘密保持義務を負う期間は?
  • 情報が漏洩された場合の損害賠償金額の予定は?
  • 情報が漏洩された場合の差し止めについては?
  • 秘密保持義務が守られているかの確認方法については?
  • 秘密保持契約終了後の秘密情報の扱いについては?

(2)秘密保持契約書の作成

話し合いの内容をもとに秘密保持契約書の作成作業に入りましょう。 このとき、「どちらが契約書を作りますか?」という話になるかと思いますが、契約のイニシアティブを取って有利な契約書を作成するためにはこちら側で作成するようにした方がいいでしょう。

(3)相手方にて契約書の内容に問題がないかの確認と修正

作成した契約書の内容に問題がないか相手方に確認してもらいましょう。
もしもここで相手方に修正を求められたら、修正を求められた部分について、もう一度相手方と話し合い、契約書の内容を確定させましょう。

(4)作成した秘密保持契約書を製本する

作成した秘密保持契約書を製本する作業に入りましょう。ポイントは以下の2点です。

①契約書は2通作成しましょう!

契約書は1通でも法律上有効な契約となりますが、トラブルが起きた時のために当事者双方が持っていた方がよいでしょう。2通作成し1通ずつ保管しておきましょう。

2通作っておくことで「勝手に加筆修正される」というリスクを回避することができます。

②契約書が2ページ以上になる場合には契印を押しましょう

また、契約書が2ページ以上になる場合には、契印を押す必要があります。

契印とは、契約書が2ページ以上にわたる場合にその文書が一連一体の契約書であるとして差し替え等を防ぐために各ページのつなぎ目に押印するものです。

製本できたら2通それぞれに署名・押印をしましょう。

(5)相手方に署名・押印してもらう

最後に、相手方にも2通それぞれに署名・押印してもらいましょう。
その上で、双方で1通ずつ持っておくようにしましょう。

2、秘密保持契約書の雛形ダウンロード

秘密保持契約書作成の流れを把握したら、いよいよ秘密保持契約書の作成作業に入りましょう。
とはいえ、一から秘密保持契約書を作成するのは手間でしょう。
そこで、秘密保持契約書の雛形をご用意しました。下記よりダウンロードして下さい。

秘密保持契約書(一方が秘密保持義務を負う場合)の雛形のダウンロードはこちら

3、秘密保持契約書の作り方

雛形を手に入れたからといって、そのまま使うべきではありません。契約の内容に応じて修正していきましょう。

修正方法ですが、パソコンでWordなどのテキストソフトを使って進めていくとよいでしょう。基本的には話し合いした内容を文字として反映させていく作業となります。

以下は、「情報提供者に有利な契約書」の内容となっておりますが、もし相手方との話し合いで不要になった条項があれば、その条項は削除してもよいでしょう。

(1)契約書名の記載

最初に契約書名を書きましょう。秘密保持契約書でよいでしょう。

(2)秘密保持契約締結の事実と情報開示の目的

次に契約当事者の名前を正しく書いて契約締結の事実を書きましょう。その上で、情報を開示する目的を記載しましょう(ダウンロードして頂ける契約書の雛形内のグレーの部分)。例としては以下の通りです。

  • 情報受領者が情報提供者のために商品等を研究開発するため
  • アプリ開発業務の委託のため
  • システム開発業務の委託のため
  • ホームページの制作を委託するため
  • 委託者の業務を受託者に委託するため

(3)秘密情報の定義

いよいよ契約書の本文に入っていきます。

秘密保持義務の対象となる秘密事項(情報)の内容を明記しましょう。基本的には、「技術上又は営業上の情報であって、開示の際に秘密情報である旨表明した一切の情報」とした上で、情報受領者側にとって過度な負担とならないよう例外を設けるものとなります。

例外の内容の例としては以下のようなものがあります。

  • 開示の時点で一般的に知られている情報
  • 開示後、情報受領者の責任ではなく一般的に知られることになった情報

(4)秘密保持義務

情報受領者としてどのような義務を負うかを具体的に書きましょう。メインは当然「情報を第三者に開示又は漏洩することを禁ずる」という内容となりますが、必要に応じて、第三者にも開示できるよう「事前に、書面にて情報提供者の承諾があった場合には第三者に開示できる」という例外の記載を設けてもよいでしょう。

(5)使用目的

秘密情報の使用目的を記載しましょう。また、情報受領者が目的以外には一切使用しないことも明記しておきましょう。

(6)秘密情報の開示の範囲

次に秘密情報を開示できる範囲について規定しておきましょう。

まず、情報受領者の会社の従業員や役員を明記する必要があるでしょう。これに加えて必要に応じ、情報受領者の会社の顧問弁護士、顧問会計士、顧問税理士等も記載しましょう。

開示できる範囲が狭いほど漏洩の危険性が低くなるので、一般的には、この範囲が狭ければ狭いほど情報提供者に有利な契約書となります。

(7)秘密情報の複製について

秘密情報を複製(コピー)してもよいかについて記載しましょう。複製を禁止する内容が書かれることが一般的でしょう。仮に複製を可能とする場合には、契約終了時に複製物も返還する旨記載しておくことが一般的です。(後述(15)も参照してください。)

(8)秘密情報および成果の帰属

秘密情報や秘密情報に基づいて得られた成果物の権利をいずれが持つかについて書いておきましょう。
情報提供者側に権利があると定めれば、提供者側に有利な契約書となります。

(9)調査権

開示した情報が情報受領者にてどのように利用されているかについて、情報開示者側がいつでも調査できることを記載しておきましょう。

調査権を明記しておくことで情報提供者側にとって、より有利な契約書となります。

(10)従業員教育

情報受領者側が、秘密情報が漏洩しないよう従業員教育を徹底すべきことを記載しましょう。特に、情報受領者側の会社の従業員が多いような場合には、この条項を設けておくと情報開示者側にとって意義のある契約書となります。

(11)事故発生時の対応

情報受領者が秘密情報を漏洩してしまった場合に、どのような対応を取らなければならないかについて記載しましょう。

(12)差止請求

情報受領者が秘密情報を第三者に提供又は漏洩してしまった場合に、それ以上情報受領者が秘密情報を利用することを情報提供者が差し止めることができる旨を記載しておきましょう。

(13)損害賠償

情報受領者側が秘密情報を第三者に開示又は漏洩した場合に損害を賠償する義務について記載しておきましょう。
場合によっては、金額を書いてもよいでしょう。

(14)契約の有効期間

話し合いで決めた契約期間を書きましょう。いつからいつまでかを明確に記載しましょう。

(15)秘密情報等の返還

契約が終了した際及び情報提供者が要求した際に、情報受領者が秘密情報を返還する旨記載しておきましょう。その際、複製を許可していた場合にはそれらも返還の必要がある旨もきちんと書きましょう。(前述(7)も参照してください。)

(16)協議

契約書にて定めていない事項でトラブルになった場合に、契約当事者の話し合いで解決することを記載しましょう。

(17)準拠法

本契約には日本の法律が適用されることを規定しておきましょう。

(18)裁判管轄

もし、裁判になった場合にどこの裁判所で訴訟を行うかを記載しましょう。

4、リスクを回避する秘密保持契約書を作るために知っておきたいこと

ここまでは、秘密保持契約書の作成方法について、説明してきました。

ですが、中には、本当にこの秘密保持契約書で大丈夫なの?不安だという方も、いらっしゃるかもしれません。そんな場合には、せめて、作成した秘密保持契約書のチェックだけでも、弁護士に依頼してみてはいかがでしょうか。チェックだけの場合、一から作成を依頼する場合に比べて、費用は安くなります。

(1)秘密保持契約書を弁護士にチェックしてもらう場合にはいくらかかる?

もし、一から弁護士に秘密保持契約書の作成を依頼すると、場合によっては30万円以上かかることもあります。

他方、ご自身で作成した秘密保持契約書のチェックだけの場合でしたら、弁護士費用を抑えることができます。料金体系としては、1枚いくらという弁護士もいますが、契約書全体のチェックで、おおよそ5万円程度という弁護士が多いと思います。

なお、弁護士によっては、チェック業務だけでは受付けていない場合もありますので、まずは、ご依頼を考えている弁護士にお問い合わせ下さい。

(2)チェックだけのデメリット

確かに、秘密保持契約書のチェックだけを依頼した場合、費用は安く済みます。

しかし、チェックだけの場合、弁護士は依頼者の会社のことをよく知らないため、契約書のチェックは、あくまで一般的なアドバイスになってしまうこともあります。

秘密保持契約書の場合、その性質上、厳密に作成する必要があります。現在想定しているリスクを契約書に織り込むのは当然ですが、当事者では気づかないリスクも多分に存在すると思います。

ですので、チェック業務だけを依頼する場合には、そのようなデメリットもあるということを、きちんと頭に入れておいた方がいいと思います。

秘密保持契約書の雛形まとめ

今回は一方が秘密保持義務を負う場合の秘密保持契約書について書いていきましたがいかがでしたでしょうか?ビジネスを円滑に進める上で、適切な秘密保持契約を結ぶことが非常に重要になってきます。ご参考にして頂き、より一層健全な経営を実現してもらえれば嬉しく思います。

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