自己破産するとどうなるの?自己破産前に知っておくべき4つのこと

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借金が返済できなくてどうしようもない状態になると、最後に残された手段が自己破産です。

一方で自己破産にはさまざまなデメリットがあり、手続きをした後で後悔することもあります。

自己破産するとどうなるか、事前に知っておくことは大切なことです。

そこで今回は、多数の自己破産の手続きを取り扱ってきたベリーベスト法律事務所の弁護士が、実際に自己破産の手続きをする前に知っておきたい4つのことを紹介します。

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1、自己破産って何?

自己破産とは、借金が支払い不能になった場合に、裁判所を通じて支払い義務を免除してもらう手続きのことです。

自己破産をするには、破産の申立てと借金をゼロにするための免責許可の申立てを行なう必要があります。

免責許可は常に決定されるわけではなく、決定されない場合は借金をゼロにすることはできません。

2、自己破産にはこんなメリットがある

まずは自己破産のメリットからご紹介します。

(1)借金の支払義務が免除される

自己破産の申立てをして免責許可の決定が下りると、借金の支払義務は免除されます。

借金がゼロになるので、夜逃げや自殺など最悪なことを考えることもなく、新たな生活をスタートできるのです。

ただし、場合によっては一部の債務に限り免除されないものがあります。

(2)強制執行されなくなる

借金の支払いができなくなると、債権者から財産や給料の差押えなどの強制執行をされることがあります。

自己破産をすると強制執行をされる心配は一切なくなり、債権者は破産手続きを通じなければ債権回収ができないのです。

たとえ税金を滞納していたとして、国税局による徴収(滞納処分)もできなくなります(既に、滞納処分がなされている場合は続行可能です)。

(3)手元にいくらかの財産を残せる

自己破産をするとすべての財産を失ってしまうわけではありません。

自己破産の手続きが終了した後、生活していくには最低限の財産は必要です。

例えば、衣食住のための財産などは最低限の生活を送るためにはどうしても必要になります。

住むところもなく生活費も確保できないのではと勘違いされている方もいますが、決してそのようなことはありません。

3、自己破産にはこんなデメリットがある

自己破産にはメリットがある一方で、デメリットもあります。

(1)官報への記録

国の機関紙である官報へ住所氏名が記録されます。

官報は一般の書店などで販売されていないので、一般人の目に触れる可能性はほとんどありません。

官報に記録されているのを見て連絡してくる貸金業者もいますが、無視すればいいだけです。

(2)インターネット上へ裁判結果記録の掲載

インターネット上へ裁判結果記録が掲載されます。

インターネット上に掲載されても、裁判記録は年間に600万件以上が新たに掲載されています。

その中には175万件以上の自己破産に関する裁判記録が掲載されているため、一般人がパソコンから見ても特定の人の記録を発見することは難しいでしょう。

有料の検索サイトはありますが、一般の方が利用することはまずないでしょう。

(3)財産の喪失

自己破産すると財産は処分されますが、すべての財産が対象ではなく高額な財産に限られます。

家具など日常生活を送る上で必要不可欠なものが処分されることはありません。

処分の対象となる財産は、99万円を超える現金、時価20万円以上の財産、不動産などがあります(東京地裁の運用の場合)。

(4)居住移転の自由の制限

自己破産の手続きがスタートすると、財産などに関する調査を行なうため、裁判所の許可がなければ居住地を離れることはできません。

自由に引越しをしたり、長期間にわたって旅行したりするのは制限を受けます。

ただし、数日間の短期旅行や出張であれば、裁判所の許可がなくても可能です。

(5)再度の自己破産の制限

原則として一度自己破産をしても再度自己破産をすることは可能ですが、原則として7年間は再度の免責を受けることができません。

また、自己破産は裁判所によって借金を免除される制度であるため、裁判所から借金を免除するのにふさわしくないと認定されると借金の免除は認められません。

自己破産を二度も申請すると裁判官の心証が悪いため、不許可事由を厳格に審査される可能性があります。

(6)職業・資格の制限

自己破産の手続きを行なうと一定の職業や資格の制限を受けます。

【制限を受ける職業・資格】

弁護士、公認会計士、司法書士、税理士、不動産鑑定士、行政書士、宅建士、社会保険労務士、土地家屋調査士、商工会議所会員となる資格、後見人・保佐人・後見監督人・遺言執行者など他者の法律行為を補完すべき立場の者となる資格、株式会社・有限会社の取締役・監査役となる資格、警備員、古物商、公正取引委員会委員

(7)破産者名簿への記載

本籍地の役所で管理されている破産者名簿に破産の事実が記載されますが、これは免責許可決定が下りない人だけが対象となります。

免責許可決定は9割以上の人が下りるので、ほとんどの人は破産者名簿へ記載されることはありません。

(8)ブラックリストに載る

自己破産すると、信用情報機関が作成・運営する情報をまとめたもの(ブラックリスト)へ金融事故情報として登録されます。

その情報を金融業者は共有することができるため、自己破産をすると新たな借入れはできなくなるのです。

例えば、ローンを組んだり、クレジットカードを新しく作ったりすることは、約10年ほどできなくなると思っておくといいでしょう。

ブラックリストに載った情報は、自己破産の手続きが完了しても、すぐには削除されることはないのです。

4、気になる自己破産後の生活はどうなる?

自己破産するとその後の生活がどうなるか気になるかと思います。

誤解されていることもあるので、よくある疑問点について解説します。

(1)生活費はどうする?

自己破産すると財産をすべて処分されてしまい、生活していけないのではと心配されるかもしれませんが、決してそんなことはありません。

贅沢なものを購入したり、高額な資産を持ったりすることはできませんが、生活していくの必要なものは処分されずに残されます。

当面の生活費として、99万円以下の現金は処分されずに手元に残しておくことができるのです。

(2)クレジットカードは作れるの?

自己破産すると信用情報機関のブラックリストへ登録されるため、新しいクレジットカードは作れなくなります。

二度とクレジットカードが作れなくなるわけではなく、ブラックリストから事故情報が削除されるとクレジットカードは作れるようになります。

一般的には、ブラックリストへ登録される期間は約10年ほどです。

(3)持ち家や車など財産はどうなる?

自己破産すると、20万円以上の価値のある財産は処分されるというのが原則です。

したがって、20万円以上の価値のある家や車は処分されます。

持ち家に対する愛着がある場合は、個人民事再生の手続きを選択するのも一つの手段です。

また、ローンを支払っている最中の車がある場合で、どうしても車が必要ということもあるでしょう。

その場合には、車をローン会社へ返却して安い20万円もしない価値の中古車へ代替するという方法があります。

(4)家族への影響は?

自己破産すると家族へ何か影響があるのではと心配されるかもしれませんが、家族へ借金の取立てや強制執行が行なわれることはありません。

ただし、家族が連帯保証人になっていた場合は例外です。

債権者は自己破産した人の連帯保証人に借金を返済するように求めてきます。

家族が連帯保証人になっている場合には、自己破産する前に家族と相談することが大切です。

(5)年金はどうなる?

自己破産すると年金は受け取れないのではという心配がありますが、年金が支給されなくなるということはありません。

年金は法律により差押を禁止されているため、自己破産の手続き開始が決定されても、それまでと同様に支給されます

(6)生活保護は受けられる?

自己破産すると生活保護が受けられないと思われるかもしれませんが、決してそんなことはありません。

生活保護は健康で文化的な生活を保障するためのものであり、自己破産しても生活を立て直すために必要であれば生活保護を受給することができます

ただし、最低限の収入がないことや仕事ができないことの証明は必要です。

(7)携帯電話はどうなる?

信用情報機関のブラックリストに事故情報が載っている期間は、携帯電話の利用が難しくなるケースがあります。

一般的な携帯電話の契約は、毎月の通話料金と携帯本体価格の分割代金に関するものです。

携帯本体の分割代金の残高がある場合に自己破産すると、その債務は免除されますが、携帯電話を利用することはできません。

ただし、携帯本体の分割代金が完済されていて通話料金の滞納がなければ、以前と同様に使用することは可能です。

(8)生命保険はどうなる?

生命保険には掛け捨てタイプと積み立てタイプとがあり、積み立てタイプは解約によりお金(解約返戻金)が返ってきます。

そこで、自己破産すると生命保険は解約しなくてはならないのかという問題があります。

積み立てタイプの生命保険であっても、解約返戻金が20万円以下であれば生命保険を解約する必要はありません。

一方、解約返戻金が20万円を超える場合は、自己破産による処分の対象となるため原則として解約する必要があります。

(9)資格や職業の制限はどうなる?

自己破産の手続きがスタートすると一定の資格や職業の制限がありますが、この制限はずっと続くわけではありません。

免責許可決定が下りるまでの、3ヵ月~6ヵ月ほどの期間だけの制限です。

免責許可決定が下りれば、制限を受けていた職業に就くことができます。

(10)借金は全部なくなるの?

自己破産すると借金の支払義務は免除されますが、自己破産をした後も残る債務はあります。

①滞納している税金、科料、罰金

自己破産しても滞納している税金の支払義務が免除されることはありません。

ここで税金とは、住民税、年金などのことです。

滞納している税金については、役所と話し合いをして徐々に支払っていくしかありません。

ただし、生活保護を受けている場合は、税金の執行は停止されます。

また科料や罰金なども税金と同じように法律上の優先順位の高い債権であり、自己破産したからといって免除されることはありません。

②養育費

子供がいて離婚すると養育費を支払う義務がありますが、養育費は子供が生活していくために必要不可欠なものです。

たとえ自己破産したとしても、免除されることはなく支払義務はあります。

③裁判所へ故意に情報提供しなかった債務

自己破産の申請をする際には、債権者一覧表に全ての債権者の情報を記載して提出する必要があります。

ところが、故意に一部の債権者の情報を記載しないで提出すると、その債務については返済義務が消滅せずに残るのです。

④特定の場合の損害賠償請求

自己破産すると、損害賠償債務の支払義務を免除されるのが原則です。

ところが、自己破産をした者が故意に損害を加えた場合、あるいは重大な過失により損害を加えた場合には損害賠償による債務は免除されません。

例えば、危険運転致死傷罪が成立する悪質な交通事故を起こした加害者が重過失を認定された場合などがあります。

⑤慰謝料

慰謝料についても損害賠償請求と同じように原則として免除されますが、例外的に免除さない場合があります。

浮気を原因として離婚した場合の慰謝料は免除されますが、配偶者の暴力が原因で離婚した場合の慰謝料は免除されない可能性が高いです。

(11)海外旅行へは行けないの?

自己破産すると、海外旅行へ行けないということはありません。

自己破産した事実がパスポートに記載されることはありませんし、出入国を審査する際に自己破産をしたかどうかについて聞かれることもないのです。

ただし、自己破産の手続きをしている期間は、居住地を離れるのに裁判所の許可が必要となります。

長期間の旅行や遠方への旅行は裁判所の許可が下りないため、海外旅行へ行くのは難しいでしょう。

(12)会社や学校の人に知られないの?

官報には掲載されますが、一般の人が官報を見ることはほとんどないのです。

そのため、会社や学校の人に知られることはまずありません。

(13)家は借りられるの?

自己破産すると、家が借りられないということはありません。

ただし賃貸借契約を結ぶにあたり保証会社を通す場合には、審査を通過しないことがあります。

保証会社を通さずに、だれかに保証人になってもらえば、家を借りることはできます。

(14)選挙権はあるの?

自己破産すると、選挙権が停止されることはありません。

以前は自己破産すると選挙権が停止されるる時代がありましたが、現在ではそのようなことはありません。

被選挙権も自己破産により影響を受けないため、選挙へ立候補することはできます。

まとめ

自己破産すると借金の支払義務から免除される一方で、さまざまなデメリットがあります。

現在、多額の借金があり自己破産を検討されている方は慎重に判断されること大切です。

この記事を参考に、十分に検討されることをおすすめします。

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