遺言書(自筆証書遺言)の書き方として知っておきたい6つのこと

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自分に万が一のことがあったとき、ご自身の財産等を誰にどのように配分するのかその遺志を反映する方法として、遺言書を書くという方法があります。しかし、遺言書という言葉は聞いたことがあっても、実際には作成したことがない方が多いのでしょうか?

また、遺言書を作りたいけれどその作成方法がわからない、遺言書を作ったけれどちゃんと法律の要件を満たしているのか不安だと思ってらっしゃる方もいらっしゃるでしょう。

たとえ一生懸命作成したとしても、法律で定める遺言の要件を満たしていなければ、その効力が否定され、場合によっては相続人間で紛争になってしまう可能性があります。

そこで今回は、遺言書のうち自筆証書遺言の書き方についてご紹介します。

目次

1、遺言書の種類

2、遺言書を書くと良いケースとは?遺言書を書くメリット

3、遺言書作成の流れ

4、遺言書を書くことで法律上の効果があること

5、遺言書に書く内容を決める

6、遺言書を書く際に用意すべきものは?

7、遺言書の雛型ダウンロード

8、実際に書く際の参考に!遺言書の文例

9、遺言書を書く際の注意点

1、遺言書の種類

遺言書には、公正証書遺言、秘密証書遺言、自筆証書遺言の3種類があります。

公正証書遺言、秘密証書遺言はいずれも公証役場を利用して作成する遺言書です。これに対して、自筆証書遺言は、自分一人でいつでも作成出来る遺言書です。

今回は自筆証書遺言を作成する際に知っておきたい6つのことを紹介します。

2、遺言書を書くと良いケースとは?遺言書を書くメリット

まず、遺言書を書くと、どのようなメリットがあるのでしょうか。

(1)相続人の紛争防止

遺言書を残せば、誰に何をどの割合で相続させるかについて、故人の生前の意向、すなわち、遺志が明らかになります。そのため、相続人同士の紛争となることが大幅に減るといえます。

(2)相続人全員での遺産分割協議の手間が省ける

遺言書がないと、相続人全員で遺産分割協議を行う必要があります。しかし、遺言書があると、遺産分割協議を行う必要がないため、相続人らの負担を軽減することができます。

(3)法定相続人以外にも相続させることができる

孫や内縁の妻等は、法定相続人ではないため、法定相続分に従って相続する場合には遺産を受け取れません。しかし、遺言書によって、そのような人にも財産を遺すことができます。

3、遺言書作成の流れ

遺言書作成の流れは以下の通りです。

  1. 遺言書に書くことで法律上効果がある内容を知る
  2. 遺言書に書く内容を決める
  3. 遺言書を書く際に必要なものを用意する
  4. 実際に遺言書を書く

4、遺言書を書くことで法律上の効果があること

遺言書に書いたことの全てが法律上、効果が認められるわけではありません。遺言書に記載して、法律上の効果が認められる事項は、「遺言事項」として法律に定められています。

また、遺言事項であれば、全てその通りに分与されるわけではありません。遺言書が相続人の遺留分(民法で定められている一定の相続人が最低限相続できる財産のこと。)を侵害するものであれば、相続人は遺留分減殺請求をすることができ、その範囲で、遺言による分与の効果は失われます。

遺言事項は大きく分けると、財産に関すること、身分に関すること、遺言執行に関することがあります。すなわち、これらの事項については、記載があれば、法律上の効果が認められます。

(1)財産に関すること

相続分の指定、遺産分割方法の指定、遺贈、相続させる旨の遺言、特別受益の持ち戻しの免除など。

(2)身分に関すること

遺言認知、推定相続人の遺言排除及びその取消しなど。

(3)遺言執行に関すること

遺言執行者の指定など。

5、遺言書に書く内容を決める

遺言事項についてどのような内容を記載するか決めていきます。

前提として、自分の財産について把握する必要があります。預金口座、現金、証券、不動産等、財産についての情報を整理した上で、誰に何を相続させるのか決めていきます。

また、手続きをスムーズにするために、遺言執行者を指定しておいた方が良いでしょう。

遺言事項以外にも、法律上の効果はないですが、付言事項として家族へのメッセージを書くこともできます。

6、遺言書を書く際に用意すべきものは?

(1)ボールペン又は万年筆等の筆記用具

鉛筆等消せる筆記用具で書くと、変造の恐れがあります。ボールペン等消せない筆記用具を使用しましょう。

(2)遺言書を書く紙

使用する紙についての決まりはありませんが、長期間保存することになるので、丈夫な紙を用意しましょう。

(3)印鑑・朱肉

自筆証書遺言書には押印が必要です。認め印でも構いませんが、できれば実印を用意しましょう。

(4)封筒・のり

封印しなくても遺言書の効力は認められますが、変造を防ぐため、封筒を用意した上封印することをお勧めします。

(5)その他

絶対に必要なものではないですが、以下のものもあると良いでしょう。

  • 実印が間違いないと証明するための印鑑登録証明書
  • 相続人の名前の漢字等を確認するための戸籍謄本
  • 相続人以外の人に相続させる場合、その人を明らかにするための住民票
  • 不動産がある場合に、不動産を明らかにするための登記事項証明書・登記簿謄本

7、遺言書の雛型ダウンロード

遺言書は本人の手書きでなければなりませんが、実際に作成する際の参考になるよう、雛形をダウンロードできるようにしました。下記文字をクリックしてみて下さい。

遺言書の雛形のダウンロードはこちら

8、実際に書く際の参考に!遺言書の文例

(1)内縁の妻に財産を遺したい場合

内縁の妻に相続させたい場合には、遺言書に

「内縁の妻 鈴木花子(昭和○年○月○日生)には以下の財産を遺贈する。」

との一文を入れ、その後に相続させたい財産を記載します。

(2)子を認知したい場合

子を認知したい場合には以下の文を入れましょう

「次の者は、遺言者と鈴木花子(昭和○年○月○日生)のとの間の子であるので、遺言者はこれを認知する。

氏名                 鈴木 幸子

住所                 東京都港区六本木一丁目○

本籍                 東京都港区六本木一丁目○

生年月日           平成○年○月○日

戸籍筆頭者       鈴木花子                                                                       」

(3)遺言執行者を定めたい場合

遺言執行者を定めたい場合には以下の文章を入れましょう。

「遺言執行者として田中一朗(東京都港区西麻布一丁目○在住、昭和○年○月○日生)を指定する。遺言執行者は、遺言者名義の預貯金の名義変更、払戻、解約、その他本遺言の執行に必要な一切の行為をする権限を有する。」

9、遺言書を書く際の注意点

自筆証書遺言書にはいくつか書き方の決まりがあります。これを守らないと遺言書の効力が認められないこともあるので注意しましょう。

(1)自筆で書く

自筆証書遺言書は、偽造を防ぐため、全文を自筆で書くことが必要です。代筆、パソコンで書いたもの等は、自筆証書遺言書とは認められません。

(2)日付を記入する

「平成27年1月1日」というように、客観的に特定できるように日付を記入します。「平成27年1月吉日」などは特定できないため無効となります。日付は西暦でも和暦でも、漢数字でもアラビア数字でも構いません。

(3)署名押印をする

自筆証書遺言書には署名と押印が必要です。押印は認め印でも構いませんが、実印の方が望ましいです。

(4)訂正箇所には署名押印をする

文書を加えたり、削ったり、変更した場合は、遺言者がその変更場所を指示し、変更した旨を付記、署名し、かつ、その変更の場所に印を押す必要があります。ただし、訂正するよりは、もう一度書きなおした方が確実です。

(5)封筒に入れて封印をする

自筆証書遺言では封印をしていなくても無効とはなりませんが、変造を防ぐため、封印したほうが良いでしょう。遺言書を封筒に入れて封をし、押印に用いた印鑑で封印をします。表書には遺言書と記載し、裏書に作成日と署名・押印をします。なお、自筆証書遺言は、家庭裁判所での検認手続きが必要なため、「開封せずに家庭裁判所に提出すること」と書いておきましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。自筆証書遺言書の書き方についてイメージを持っていただけたら幸いです。

遺言書には色々なルールがあり、間違えると効力が否定されることもあります。せっかくご遺族に遺す遺言書ですので、その効力が確実なものとなるよう、弁護士に相談しながら作成することをお勧めします。

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