交通事故の治療に関して知っておくべき5つのこと

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
Young woman massaging her painful nape

突然の交通事故。とにかく痛い体を何とかしたい。行きたい病院があるんだけど、保険会社に断られたりしないだろうか。

このように、交通事故に遭われてしまった被害者の方の中には、どこの病院にどのように通院すればよいのかわからず、不安でいっぱいになってしまう方も多くいらっしゃると思います。

そこで今回は、

  • 交通事故に遭った際の治療の流れ
  • 交通事故治療のポイント

について書いていきます。

目次

1、交通事故に遭った際の治療先

2、交通事故被害者の治療と健康保険

3、交通事故で「むちうち」になった場合の治療の流れ

4、治療しても残存してしまった症状についての後遺障害等級認定の申請方法

5、治療の打ち切りへの対処方法

1、交通事故に遭った際の治療先

交通事故に遭ってしまった時の治療先としては、主に次のものが考えられます。

  1. 病院
  2. 整骨院、接骨院、又は鍼灸院等
  3. カイロプラクティックや温泉治療等

このうち、1の病院での治療を受けたときは、原則として治療の必要性及び治療の相当性が認められる範囲で加害者に対して治療費相当額を損害として請求することができます。

2の整骨院、接骨院、又は鍼灸院等は、いわゆる法律に基づく補助的医療であって、2で受ける施術は、1の治療とは区別された医療類似行為と呼ばれています。

これら医療類似行為のうち柔道整復師による施術(整骨院や接骨院での施術)については、「原則として、施術を受けることについて医師の指示を要するが、医師の指示がない場合には、施術の必要性があること、施術に有効性があること、施術内容が合理的であること、施術期間が相当であること、施術費が相当であることの各要件を充足」して初めて、その施術費用を加害者に対して賠償請求することができるとされています(東京地裁平成21年6月17日)。

そのため、整骨院や接骨院等に通院する場合には、原則として、まず医師の診断を受けて、当該医師から接骨院や整骨院での施術を受けることの指示を受けるべきであって、その後も施術を継続したいという場合には月に1度は主治医の診察を受けることをお勧めします。

3のカイロプラクティックや温泉治療等は、いわゆる法律に基づかない補助的医療であって、現段階では民間療法の1つにとどまり、例外的な場合を除いて、これらに要した費用を加害者に賠償請求することはできないでしょう。

2、交通事故被害者の治療と健康保険

交通事故被害者の方が治療をしようとすると、加害者の加入する保険会社の担当者から「あなたのためにも健康保険での通院をおすすめします。」などと言われることがあるかと思います。

健康保険を利用すると、病院での窓口で自己負担分を立て替えなければなりませんが、たしかに健康保険を利用した方が被害者に有利となる場合があります。

それは、被害者側にも当該交通事故発生についての過失(不注意)がある場合です。実は、健康保険を使う場合と使わずに相手方保険会社が直接病院に治療費を支払う場合とでは、病院での治療費の計算方法が異なります。健康保険を使う場合の方が、治療費が約2分の1も安くなるのです。

結局保険会社が支払うものなのだから、わざわざ治療費を安くしてやることはない、とお考えの方がいると思いますので、少し詳しくご説明します。

交通事故被害者の方は、最終的に加害者に対して、当該交通事故によって被害者の方が被った損害を賠償することになります。この損害賠償額の計算方法は、

  1. まず総損害額を計算して
  2. 事故発生についての過失を割合的にかけて
  3. 最後にすでに支払われた治療費等を控除

するという流れになります。

そうすると、仮に、治療費が200万円、慰謝料その他の損害が200万円として、被害者にも3割の過失がある場合には、最終的に被害者の方が受け取れる金額は、(200万円(治療費)+200万円(慰謝料等))×70%-200万円=80万円となります。他方で、同じ治療を行った場合でも、健康保険を利用して治療費を100万円に抑えられていた場合には、最終的に被害者の方が受け取れる金額は(100万円(治療費)+200万円(慰謝料等))×70%-100万円=110万円となります。

これは1つの例ですが、被害者にとっても健康保険を利用するメリットがある場合があるのです。

3、交通事故で「むちうち」になった場合の治療の流れ

(1)まずは病院に行きましょう

交通事故に遭ってしまって、少しでも体に違和感があるのであれば、まずは一度病院にいって医師による診察を受けましょう。

交通事故直後は「たいしたことはない」などと考えていても、徐々に痛みが増幅してしまうという例は少なくありません。

事故に遭ってしまった日から14日以上が経過してから初めて病院にいってしまうと、病院で訴えた症状が当該交通事故によって生じたものなのかが分からなくなってしまい、加害者に対して治療に要した費用を請求できなくなってしまうことがありますので注意しましよう。

(2)通院治療を継続しましょう

交通事故でのけがの治療をいつまで続けるべきなのかについては、けがの程度によってケースバイケースであり、実際に治療をしている主治医が判断することではありますが、例えば、交通事故によって発症することが多いむちうち症の場合には、事故から6ヶ月というのが一つの目安と考えられます。

事故から6ヶ月にもわたり通院を継続したとしても症状が残存しているということであれば、もはやその症状はこれ以上治療を継続しても改善がみられない状況にある可能性が高く、その場合には治療行為と当該交通事故との間の因果関係が切れるため、残存した症状については後遺障害等として評価されることになるのです。

このように、治療を継続しても症状が改善しなくなる状態を、「症状固定」と言います。

なお、治療中はひとつの病院にしか通院することができないということはなく、必要があれば、複数の病院に通院することもできますし、転院をすることも可能です。また、症状固定後であっても、被害者の方が自己負担で通院を継続することももちろん可能です。

(3)通院方法は車又は公共交通機関が原則

さて、治療を継続するにあたっての通院方法についても少しご説明します。通院方法とは、つまり、病院までの交通手段です。

交通手段としては、

  1. 自家用車(代車を含む)
  2. バス・電車などの公共交通機関
  3. タクシー

などが考えられます。

まず、1の自家用車については、主にガソリン代を加害者に請求することになります。もっとも、ガソリン代については、給油に要した費用をガソリンスタンドの領収証等で立証できても、そのうちのどれくらいを通院に要したのかを立証するのは非常に困難となるため、通院経路の距離を測り、1kmあたり15円を通院交通費として加害者に請求することになります(例えば、自宅から病院まで往復通院している場合で、自宅から病院までの距離が(片道)5kmだとすると、1日当たりの通院交通費は、5km×15円×2(往復)=150円となります。)。

2バス・電車で通院する場合には、その経路が不自然でなければ、通院に要した実費を加害者に請求することができます。

3タクシーを通院に利用した場合には、タクシー代を加害者に請求することになりますが、タクシー代が認められるのは、原則として怪我の状態などから公共交通機関による通院が困難であり、タクシー利用が相当であるとされる場合に限られますので注意しましょう。

(4)後遺障害の申請を受けましょう

症状が固定した後は、その後に発生する治療費、休業損害や慰謝料等を加害者に請求できなくなります。

そこで、残存した症状につき後遺障害に該当するとの認定を受けることになります。なお、後述のとおり、後遺障害等級認定の申請には後遺障害診断書を医師に作成してもらう必要があり、この診断書は整骨院や接骨院の先生である柔道整復師には作成できないことに注意しましょう。

4、治療しても残存してしまった症状についての後遺障害等級認定の申請方法

(1)後遺障害等級認定とは

上記のように、残存している症状がこれ以上治療を継続しても改善するとは考えられない状況、すなわち、症状固定であると医師が診断したら、その時点で当該症状について、交通事故による後遺障害として認められるものかどうか、第三者機関に審査してもらうことになります。

後遺障害等級認定の申請方法には、被害者の方で行う被害者請求と、加害者の加入する任意保険会社が行う事前認定がありますが、以下では被害者請求の方法について詳述します。

この審査を、後遺障害等級認定といいます。

(2)後遺障害等級認定の手続きの流れ

①後遺障害診断書の作成

後遺障害等級認定の手続きを行うには、まず、医師に「後遺障害診断書」を作成していただくことになります。

②必要書類の収集

そして、この「後遺障害診断書」、これまで受けてきた治療に関する資料(診療報酬明細書や診断書)、交通事故の状況に関する資料(交通事故証明書や事故発生状況報告書)など、審査の資料として必要な書類を集めて、加害者の加入する自賠責保険会社に提出します。

③自賠責調査事務所による審査

さらにその後、加害者の加入する自賠責保険会社から、第三者機関である損害保険料率算出機構の自賠責調査事務所に資料が送付され、審査が行われます。

(3)審査結果の通知までの期間

この審査にかかる時間は、やはり、けがの程度によってケースバイケースですが、1~2ヶ月で結果の通知がなされることが多いです。

後遺障害等級認定について、詳しくは「後遺障害等級認定の仕組みと適正な等級認定を獲得する方法」(http://best-legal.jp/disability-grade-certification-1151)をご参照ください。

5、治療の打ち切りへの対処方法

治療を継続していると、加害者の加入する保険会社の担当者から「今月末で治療費は打ち切ります。」などと言われることがあります。

もちろん、症状が改善している場合には、やむを得ないと思いますが、症状が強く残っているのにもかかわらず、保険会社から治療費を打ち切られてしまうケースは珍しくありません。

もっとも、上述のとおり、被害者の方は自身の症状が完治するまで加害者に治療費を請求し続けることができるわけではありません(あくまで、原則として症状固定までの治療費を請求できるにとどまります。)。

そのため、現時点でも治療の効果があるのか、今後症状が軽快していく可能性があるのか等につき主治医の先生と話をするのが重要かと思います(その意味では、保険会社の担当者からではなく、主治医の先生から症状固定(保険会社対応での通院の打ち切り)を打診されることも珍しくありません)。

すでに症状が固定しているのであれば、保険会社対応での通院は終了して、後遺障害等級認定の申請をするという流れになるでしょう。

いずれにしても、治療の継続又は後遺障害等級認定の申請に関する重要なポイントなので、治療費の打ち切りを打診された時には一度弁護士に相談されることをお勧めします。

まとめ

このように、被害者の方は治療中であっても、保険会社に何と言ったらよいのか、医者にどのように症状を伝えたらいいのか、というように様々なことに思い悩むことがあるかと思います。「病は気から」ではありませんが、精神的なストレスが多い状況では、治療の効果もなかなか実感できないでしょう。弁護士に依頼すれば、保険会社対応等は弁護士を窓口に交渉させることができ、被害者の方は治療に集中することができます。

まずは、弁護士に一度御相談されてみてはいかがでしょうか。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

弁護士による無料相談実施中!


もし、あなたが、

・離婚をしようと思っているが、どうして良いのか分からない
・遺産相続で困っている
・過払い金を取り戻したい
・交通事故に遭ってしまい困っている

など、法律のことでお困りのことがあれば、まずは無料相談にお申し込み下さい。
必ず解決策を見つけ出します。

SNSでもご購読できます。

最近の投稿

コメントを残す

*

交通事故でお困りの方(平日9時半〜21時※土日祝18時まで)
  • 電話で無料相談する
  • メールで無料相談する