交通事故の際に知っておきたい!休業損害と休業補償の違いについて

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交通事故に巻き込まれた際に、事故の影響により欠勤等を余儀なくされることがあると思います。

欠勤等によって生じた損害は、交通事故によって生じたものなので、保険会社に請求すべきこととなりますが、どのような計算により損害額を算出するのか、いつまでの損害の賠償請求ができるのか、どのように請求すればいいのか等、必ずしも知識が十分でないため、結果的に泣き寝入りになってしまうケースが多いのも事実です。

今回は、そのような泣き寝入りを回避するために、休業した際に問題となる休業損害と休業補償違いや、休業損害の計算方法について説明していきます。

目次

1、交通事故の際に知っておきたい!休業損害と休業補償の違いについて

2、交通事故に遭って休業損害をもらえるのはどのような場合?

3、休業損害はどのくらいもらえる?休業損害の計算方法について

4、休業損害を請求する流れは?

5、より多くの休業損害をもらうためのポイントは?

6、有給を取って通院した場合でも休業損害はもらえる?

1、交通事故の際に知っておきたい!休業損害と休業補償の違いについて

(1)休業損害とは

休業損害とは、交通事故による傷害のために、休業、遅刻早退等、不十分な労働を余儀なくされ、その治癒又は症状固定までに当該不十分な労働のために生じた損害を指します。

(2)休業補償とは

この点、似たような概念として、休業補償がありますが、これは、労働者が、業務上又は通勤による負傷や疾病による療養のため労働することができず、そのために賃金の支払いを受けていないとき、4日目から給付される金員です。

(3)休業損害と休業補償の違いについて

両者の違いは、休業損害が休業等によって現実に生じた損害の賠償であることに対して、休業補償は、被災者の生活の保障という点に制度趣旨があり、必ずしも現実に生じた損害が補償されるものではない点にあるといえます。そのため、休業損害は、適切に請求すれば、現実に生じた損害の賠償を求めることができるのに対して、休業補償は、平均賃金の6割(特別支給金の2割を加算しても8割)しか支払われません。交通事故において休業損害の発生の有無、及びその金額がしばしば問題となります。

2、交通事故に遭って休業損害をもらえるのはどのような場合?

それでは、交通事故に遭って休業損害を請求できるのはいかなる場合でしょうか。

休業損害を請求できるのは、交通事故によって減収した分です。例えば、交通事故による怪我の治療のため、欠勤・遅刻・早退等した場合に、減収が生じているときは、休業損害を請求できます。

保険実務においては、症状固定時又は治癒時までのすべての遅刻・早退・欠勤等の損害を賠償することはなく、例えば後述のとおり、医師が就労を許可したり、事故態様が軽微な場合などには、休業損害を打ち切ったりすることもあります。

本当に休業損害が生じていないのか慎重に検討しなければならないケースもありますので、保険会社の対応に疑問がある方は専門家にご相談されることをお勧めします。

3、休業損害はどのくらいもらえる?休業損害の計算方法について

それでは休業損害はいくら請求できるのでしょうか。その計算方法について紹介したいと思います。

休業損害の計算方法は、請求する方の就労形態によって異なりますので、以下、それぞれの類型別に記載します。

⑴ 給与所得者

実務では、事故前の3ヶ月の平均賃金を基礎に算定することが多いです。もっとも、事故前3ヶ月で平均賃金を計算すると、例えば賞与等が適切に評価されない場合には、1年間の年収を基礎に平均賃金を計算することもあります。

⑵ 自営業者

基本的には、確定申告書により1日あたりの収入額を算定します。売上高から原価や経費を差し引いて計算するのですが、固定費については別途考慮する必要があります。すなわち、休業中も事業の維持・存続のために支出が避けられない固定費は、売上高から差し引かないで計算します。この時に固定費・変動費の振り分けを厳密に行わず、すべての経費を引いてしまうと1日あたりの収入額が低く算定されてしまうので、この点は十分に注意が必要です。

⑶ 会社の役員

一般に、会社の役員の報酬には、役員としての稼働に支払われる労務対価部分と経営結果による利益配当的部分との二面性があり、利益配当的部分に関しては、その地位にとどまる限り休業をしても原則として休業損害の問題は生じません(東京地裁昭和61年5月27日判決参照)。

したがって、会社の役員に関しては、休業損害が発生する労務対価部分がいくらなのかが決定的に重要になります。

この点に関し、実務上、決まった計算式はなく、被害者と保険会社とで主張・反論することになりますが、労務対価部分が不当に低く評価されると、結果的に休業損害も不当に低く評価されることになりますので、十分に注意しなければなりません。

⑷ 家事従事者

主婦的労務に従事する者は、家事従事者として扱われ、基本的に、賃金センサスによって休業損害を算出します。

また、兼業主婦の場合には、現実の収入額と賃金センサスのいずれか高い方を基礎として平均賃金を算出します。

「男性は家事従事者としては認められない」、「兼業主婦は家事従事者としては認められない」と保険会社から説明を受けることがありますが、必ずしもそうとは限らないので、そのような説明を受けた場合には、弁護士等の専門家に相談されることをお勧めします。

4、休業損害を請求する流れは?

それでは、休業損害を請求する際、いかなる書類、資料が必要になるのでしょうか。

まず、給与所得者の場合は、保険会社所定の休業損害証明書に、雇用主に欠勤期間、事故前3ヶ月の給与額等の必要事項を記入してもらいます。保険会社に休業損害証明書を提出する際、前年度の源泉徴収票も一緒に提出します。

また、事業所得者の場合には、確定申告書の控え及びその添付書類が必要となります。前述のように、事業所得者の場合は、確定申告書より1日あたりの損害額を算定するためです。

家事従事者の場合には、保険会社より、家事従事者自認書等の書面の提出を求められることがあります。

これらの書類を保険会社に提出して、休業損害を請求します。

5、より多くの休業損害をもらうためのポイントは?

交通事故による欠勤等が原因で損害が生じた場合には、適切な金額の休業損害を受け取らなければなりません。

もっとも、保険会社としては、早く休業損害を打ち切りたいため、頻繁に休業損害打ち切りの電話をかけてきたり、医師面談をして、医師に就労許可を出させたりします。

医師からの就労許可が出てしまうと、保険会社は休業損害を打ち切りますので、事故の影響によりまだ就労できないのであれば、保険会社が働きかけるより前にそのことを医師に必ず伝え、医師から就労許可が出ないようにしなければなりません。

そのためには、きちんと受診し、現在の状況を逐一医師に報告する必要があるといえます。

6、有給を取って通院した場合でも休業損害はもらえる?

通院の際に有給休暇を使った場合、休業損害を請求できるのでしょうか。この点、有給休暇を使った場合、その日の給与は支払われるため、損害が生じていないとも考えられます。

しかし、有給休暇は、一般に労働者の持つ権利であり、財産的価値が認められます。したがって、交通事故によって有給休暇を取得せざるを得なかった場合には、当然にその分の休業損害を請求できます。

これに対し、代休については別に考える必要があります。すなわち、代休を取得して通院した場合、その代休はもともとの休日が平日にスライドしたものであるため、休日に通院しているのと異ならないと考えられます。

例えば、日曜日に出勤して、その代休を火曜日にとり、火曜日に通院したケースにおいて、この火曜日の代休は、もともとは休日である日曜日が火曜日に振りかえられただけなのです。したがって、代休を使って通院するというのは、日曜日に通院しているのと同じことであると考えられるのです。

そのため、代休を取得して通院したケースにおいては、休業損害を保険会社に請求することはできません。

まとめ

休業損害についてご理解いただけたでしょうか。保険会社に休業損害を請求する際、よくわからない説明を受けたり、まだ休業の必要があるにもかかわらず一方的に打ち切られたりすることがあります。

そのようなときは、すぐに専門家にご相談ください。

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