あなたの家の隣で「ヤミ民泊」が行われているかも…民泊問題を弁護士が解説

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一般住宅に有料で客を宿泊させる、いわゆる「民泊」の営業基準を定めた「住宅宿泊事業法」(いわゆる民泊新法)が先の通常国会で成立し、1年以内の施行が予定されています。

この法律は、何のために作られたのでしょうか。この法律によって、何が変わるのでしょうか。民泊を利用する場合、あるいは、自分の住居を民泊として貸す場合、どのようなことに注意すべきなのでしょうか。ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

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1、そもそも民泊を推進する目的は?

外国人観光客は年々増加しており、それに応じて宿泊施設の需要も高まっています。地域や時季によっては、既存の宿泊施設だけでは需要に追いつかず、泊まりたいときに空室がないという事態が頻繁に起こっています。

せっかく観光に来てくれるのだから、不足している地域の宿泊施設を増やせばいいのでは?と思われるかもしれません。しかし、宿泊施設の建設費等の初期費用を回収するには10年程度かかることもあるため、長期的な需要が見込めなければ、新たに宿泊施設を開業することは難しいでしょう。

この点、民泊ならば既にある住居を利用すればいいので、初期費用を気にせず需要に応じて開業することができます。

2、なぜ新法が必要になったのか

民泊は大きな経済効果を期待されていますが、反面、騒音や衛生悪化などの問題も生じており、地域住民とトラブルに発展したケースもあります。このようなトラブルを防止するため、民泊用のルールとして新たに定められたのが「住宅宿泊事業法」です。

これまで民泊について特別に規律した法律は存在せず、ホテルや旅館について定める「旅館業法」の適用を受けていました。しかし、ホテルや旅館と同等の基準を満たすのはハードルが高く、普及の妨げとなっただけでなく、必要な手続きを行わない「ヤミ民泊」が増える要因にもなりました。

そのような状況を変えるため、外国人滞在施設経営事業(民泊事業)の国家戦略特別区域においては、旅館業法の特例を認める規制緩和が行なわれました。2017年6月現在までに大阪府、大阪市、福岡県北九州市、東京都大田区が国家戦略特別区域として、「国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業に関する条例」(いわゆる民泊条例)を定めていました。

しかし、民泊条例の内容も一般家主が空き部屋を有効活用しようとするには制約の大きいものでした。このような状況で、一般住宅の空き部屋が民泊として提供されることを推進するために定められたのが「住宅宿泊事業法」です。

この「住宅宿泊事業法」においては、年間180日までという営業日数制限はあるものの、従来よりも緩やかな要件で民泊事業を営むことができるようになっています。

正規の民泊が増えれば自然と「ヤミ」ではない民泊の利用が進みますし、仲介サービス業者も「住宅宿泊仲介業者」として登録する義務が生じて管理を徹底する必要が生まれるなど、結果的に「ヤミ民泊」を抑止できる制度となっています。

3、こんな民泊は違法!?

新法施行後に一般の方が空き室を利用して民泊を行う場合、違法となる可能性がある行為には、主に次のようなものがあります。

  • 自治体への届出を行っていない
  • 営業日数制限(年間180日まで)を超えている
  • 台所、浴室、トイレ、洗面設備等がない
  • 人が住んでいない、かつ、入居者の募集もしていない
  • 床面積に応じた宿泊者制限を超えている、衛生確保に必要な措置を講じていない
  • 非常用照明器具の設置、避難経路の表示など安全確保に必要な措置を講じていない
  • 設備の使用方法や交通手段について外国語で案内・情報提供を行っていない
  • 宿泊者名簿を備え付けていない
  • 周辺地域の生活環境への悪影響の防止に関し必要な事項を宿泊者に説明していない
  • 民泊に用いている住宅であることを示す標識を掲げていない

新法施行後に空き室利用をお考えの一般家主の方は、これらの点に注意して民泊営業の検討を行うようにしましょう。

4、民泊の適切な利用のために

新法が施行されて普及するまでの過渡期にも、違法な「ヤミ民泊」は後を絶たないと考えられます。

「ヤミ民泊」が問題なのは、単なる無許可営業というにとどまらず、衛生環境が整備されておらず感染症にかかってしまったり、適切に管理されていない状況を快く思わない近隣住民とトラブルに発展する可能性がある点です。

これから予約・利用しようとしている民泊について知りたい場合には、「民泊ポリス」というウェブサイトが民泊の住所地や苦情情報を集めて掲載しているので、心配な方は確認してみてください。

まとめ

民泊は“お手軽”ですが、適正なプロセスを経ていなければ、利用者も、周辺住民も、トラブルに巻き込まれてしまいます。民泊ビジネスが健全に発展していくためには、民泊事業者はもちろん、利用者にも民泊関連法の理解が広がることが必要でしょう。

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