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不貞行為の証拠を出すタイミングはいつ?話し合いの進め方も解説  

 不貞行為の証拠を出すタイミングはいつ?話し合いの進め方も解説  

夫(妻)にタイミングを考えず浮気の証拠を突き付けても、浮気問題に決着をつけることは難しいものです。不貞行為の証拠を出すタイミングによっては、夫の言い逃れや逆上を招きます。集めた不貞行為の証拠は適切なタイミングに出してこそ効果があります。 

この記事では、 

  • 不貞行為の証拠を出すタイミングとは
  • 不貞行為の証拠を出すタイミングと話し合いの進め方
  • 不貞行為の証拠を出すタイミングで知っておくべきこと

不貞行為の証拠をつかんだときに悩みがちなポイントについて弁護士が分かりやすく解説します。浮気の証拠の使い方や、浮気の話し合いの進め方も説明しますので、悩んでいる方は参考にしてください。 

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1、不貞行為の証拠を出す最適なタイミングは相手が嘘の説明をした後 

不貞行為の証拠を出すタイミングは「夫(妻)が不貞行為について嘘の説明をしたタイミング」です。 

不貞行為の証拠を出すタイミングは、積極的に夫を追求するために使うというより、夫が浮気の言い逃れをしたときや、誤魔化しをしたときのカウンターアタック(主張を覆す用)として使った方が有効だと考えられます。 

「夫が異性と出かけたら浮気」「自分以外の異性とキスしたら浮気」など、不貞行為の基準は人それぞれです。ただ、法律・裁判所では、不貞行為の基準は「肉体関係の有無」になります。男女の間に肉体関係があれば不貞行為と判断される可能性が高くなるのです。したがって、法的な場面で有効な不貞行為の証拠とは、肉体関係があったことを証明できる証拠ということになります。 

男女の肉体関係を証明できる証拠をおさえることは容易ではありません。肉体関係があるとすれば、基本的にふたりきりの空間です。証拠としては当事者の自白や肉体関係の音声・画像・映像など、かなり限られてきます。 

証拠を掴んだらいきなり夫に突き付けるのではなく、より効果的に使うためにも、まずは話し合いをしましょう。 

夫に証拠があることを内緒にしておき、証拠を有効活用するために、まずは夫に嘘をつかせるよう意識することです。不貞行為について夫にかまをかけ、夫の言い逃れや嘘を記録しておきましょう。嘘や言い逃れを覆すここぞというタイミングこそが不貞行為の証拠を出すタイミングです。 

2、証拠を出してまで不貞行為を認めさせる理由 

不貞行為について夫と話し合いを持つ場合は、第一に「不貞行為により傷ついたこと」「自分の辛い感情」を夫に伝えることが重要です。 

ただ、証拠を出すタイミングに悩むということは、「傷ついた」ことを伝えたい以外にも、証拠を出してまで夫に不貞行為を認めさせたい理由があるからではないでしょうか。自分が「なぜ不貞行為を認めさせたいのか」気持ちの整理をしておくと、話し合いの切り出し方をどうするか決める際に役立つはずです。 

証拠を出してまで不貞行為を認めさせたい理由としては、以下のふたつが考えられます。 

(1)相手に反省して欲しいから 

不貞行為の証拠を出すタイミングに悩む理由のひとつとして、夫(妻)に反省して欲しいという気持ちがあるのではないでしょうか。 

相手に反省して欲しいという気持ちがある場合、夫が不貞行為について嘘をついたり、言い逃れしたりすることは、傷口に塩を塗りこめられるような苦痛を覚えることでしょう。 

不貞行為の証拠をすぐに出してしまうと、夫はさらに言い訳するかもしれません。夫に反省してもらうこと、自分の気持ちを理解してもらうことを前提にまずは話を切り出し、夫の嘘や言い訳のタイミングで不貞行為の証拠を出します。このようなタイミングで証拠を使えば、夫はさらなる嘘や言い訳を封じられ、反省や謝罪につながる可能性があるのです。 

(2)慰謝料や離婚を請求したいから 

不貞行為の証拠を出してまで夫に非を認めさせたい理由のひとつとして慰謝料請求や離婚が考えられます。 

不貞行為は民法で定められた法定離婚事由のひとつです。 

第七百七十条 

夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。 

一 配偶者に不貞な行為があったとき。 

二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。 

三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。 

四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。 

五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。 

引用: https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089 

夫の不貞行為の証拠がなければ慰謝料請求や離婚が認められる可能性は低くなります。反対に決定的な証拠があれば慰謝料請求や離婚が認められる可能性も高くなるわけです。 

慰謝料請求や離婚の場合もまずは話し合いからはじめます。夫の嘘や言い逃れを覆したい決定的なタイミングで不貞行為の証拠を出せば、慰謝料請求や離婚について有利な立場で戦えるはずです。あえて裁判などをしなくても夫が言い分を飲んでくれる可能性もあります。 

3、ケーススタディ|不貞行為の証拠を出すタイミング 

不貞行為の証拠を出すタイミングをより詳しく見てみましょう。 

夫が不貞行為に走り、妻が不貞行為の証拠を掴んだケースです。 

(1)事例 

夫は定時で終わることの多い会社に勤めています。夕食のときに夫が話すところによると「繁忙期はある程度決まっているから、残業はあまりない」「繁忙期以外は急に残業になることはまずない」とのことでした。それなのに最近、夫の帰宅が遅いことがあるのです。 

夫は残業がほとんどないので、夕飯までには帰宅して、夫婦そろって夕食を取ることが基本でした。しかし夫は最近、夕方になると「急な残業が入った」「仕事が忙しくて」と連絡を入れてきて、遅くに帰宅する日が増えたのです。 

はじめは週に1日程度でしたが、最近は週に2~3日になり、土日も「仕事があるから」と会社に行くようになりました。部署や仕事が変わったという話は聞かないので、急に夫が忙しくなったことに違和感を覚えています。繁忙期というわけでもありません。 

また、急に土日に仕事が入るようになったことにも違和感があります。特に土日に仕事に行く場合は、浮かれている様子を隠しきれていません。普段の日の仕事帰りも、遅く帰ってきたにも関わらず、仕事で疲れたように見えない点も気になっています。 

夫が急に忙しくなった原因については、浮気を疑っています。妻は探偵に相談し、夫の行動について調べてもらうことにしました。

夫が休みの日に「仕事があるから」と家を出た直後に探偵に連絡して動向を探ってもらったら、夫と女性がふたりでデートしているという報告がありました。ふたりでいるところをいくつか証拠としておさえましたが、決定的な不貞行為の証拠を掴むにはいたりません。 

夫が「仕事だ」と言って帰宅が遅れる日を狙って探偵に尾行してもらったところ、ついにふたりで一緒にいた女性とホテルに入るところを写真に納めました。 

(2)不貞行為の証拠を出すタイミング〜話し合いの進め方 

夫が「仕事だ」と嘘をついて女性と浮気していた事例をもとに話し合いの進め方と証拠を出すタイミングについて見ていきましょう。 

①相手の嘘とそれを覆す状況を記録 

不貞行為の証拠を出すタイミングは夫の嘘や言い分を覆すタイミングです。不貞行為の証拠を効果的に使うためにも、まずは夫の嘘やつじつまの合わない言葉を記録しておきましょう。 

事例では、夫は自分の仕事に対して「残業はほとんどない」「繁忙期はある程度決まっている」「急に残業が入ることはまずない」と言っています。

それなのに、部署異動はなく仕事の変更や繁忙期などもないのに、いきなり忙しくなっています。「仕事だ」と嘘をつくようになるまでは、定時で帰宅して妻と一緒に夕食を食べていました。 

夫の言葉は「繁忙期はある程度決まっているから、残業はあまりない」「繁忙期以外は急に残業になることはまずない」と「急な残業が入った」で食い違っています。後者の「急な残業が入った」という言葉は嘘である可能性が高いでしょう。 

夫は過去の言葉で浮気をしている現在の自分の言葉を否定しているような状況です。このような言動については、しっかりと記録しておきましょう。不貞行為の証拠を出すタイミングや、不貞行為の証拠を効果的に使う上で重要なことです。 

②嘘の流れを時系列で整理 

夫の嘘を記録しておくだけでなく、嘘を時系列に整理しておくことも重要です。時系列に整理することによって、改めて嘘が明確になる可能性があるからです。 

事例の場合、夫は「繁忙期は決まっている」「繁忙期以外は、あまり残業はない」「繁忙期以外に急な残業が入ることはまずない」と妻に話しています。この後に「仕事が忙しい」「急な残業が入った」と言って帰宅が遅くなったり、土日に外出したりしています。 

仕事状況に対する夫の言葉の後に「急な残業が入った」などの言葉があったわけです。この流れを忘れずに記録しておきましょう。流れを整理することで、夫の言葉にあらためて違和感を覚えるはずです。

③求める結論を目指して話し合い〜証拠出し 

記録をまとめて時系列順にまとめたら、夫に話し合いを切り出します。 

夫に不貞行為について話す場合は、まとめておいた時系列の記憶を順番に説明します。その上で、「傷ついた」「辛い」「謝罪が欲しい」など、自分の気持ちを伝えることが重要です。 

夫がさらに嘘や言い逃れを重ねる場合は「証拠がある」と強めに言ってもいいでしょう。不貞行為の証拠を出すタイミングについては、夫の嘘を覆せるタイミングです。タイミングをよく考えてから使いましょう。 

4、不貞行為の証拠を出すにあたり知っておくべき3つのこと 

不貞行為の証拠を使うときに重要なのは証拠を出すタイミングだけではありません。証拠を複数用意するなど、3つのことにも注意が必要です。

(1)証拠は複数用意する 

証拠をひとつしか準備していないと、その証拠に対して嘘をつかれたり、言い逃れされたりすると、夫の言葉を覆せなくなってしまいます。 

たとえば、妻が不貞行為の証拠としてホテルに入って行く写真を見せたとします。夫はこの写真に対して「仕事の打ち合わせをしただけだ」「話しただけで何もしていない」と主張したら、そこで手詰まりになってしまうはずです。しかし、ここで別の証拠も持っていると、さらに夫の言葉を覆せます。 

夫が嘘をつく度に覆せるような証拠を提示できればベストです。証拠はひとつではなく複数用意しておきましょう。 

(2)別居や離婚を求めてない段階では慎重に 

不貞行為の話し合いをするときは、別居や離婚を求めていない段階では慎重になるべきです。なぜなら、不貞行為の話し合いがもとで別居や離婚にいたる可能性があるからです。 

たとえば、別居や離婚の意思がないのに、夫の言い分に対して妻が次々と不貞行為の証拠を提示して、嘘を覆したとします。夫がその場で謝罪しても、夫には「追い詰められた」という気持ちがありますから、以前のように妻と接することは難しくなるかもしれません。 

別居や離婚を求めていない段階では、夫を追い詰め過ぎないよう注意が必要です。 

(3)別居や離婚を求める場合も強めの証拠は裁判まで取っておく 

別居や離婚を求める場合は奥の手とも言える有力な証拠は裁判まで取っておくことをおすすめします。話し合いの段階で証拠を出すと対策されるかもしれません。新しい嘘や言い逃れがあると、その嘘や言い逃れを覆すための証拠を見つけなければいけません。これでは面倒です。 

裁判の場で夫の主張を覆せる証拠を提示すれば、夫に新しい嘘を考える時間を与えることもありません。裁判官の心証にも関わります。自分に有利な流れにすることもできますので、決定的な証拠は取っておきましょう。 

5、不貞行為の証拠を出すベストタイミングは弁護士へ相談を 

不貞行為の証拠が話し合いや裁判の結果を左右する可能性があるからこそ、証拠を出すタイミングは重要です。有利に運ぶためにも、不貞行為の証拠を出すベストタイミングは弁護士に相談して決めることをおすすめします。 

(1)目的や状況に合わせて適切なタイミングで不貞行為の証拠を出せる 

離婚や別居を求めないのに、次々と証拠を出しては夫を追い詰めて夫婦関係に決定的な亀裂を生んでしまうかもしれません。離婚したいときに早い段階で決定的な証拠を出してしまうと、夫に対策される可能性があります。証拠を出すタイミングの見極めは難しいと言えます。 

証拠を出すタイミングについては弁護士にアドバイスを受けてみてはいかがでしょう。ケースに合わせた適切なタイミングについて専門家の目線で教えてもらえます。 

(2)不貞行為の証拠を出すタイミングだけでなく使う順番も教えてもらえる 

不貞行為の証拠を出すときは、タイミング以外に順番の判断も難しいものです。 

たとえば、夫が異性と歩いている写真やキスをしている写真、ホテルに肩を組んで入って行く写真を持っていたとします。使う順番を考えておかないと、いきなりホテルに入る写真を証拠として使ってしまうことや、3枚の写真すべてを夫に見せてしまう可能性も考えられるはずです。証拠の無駄打ちなども考えられます。 

不貞行為の証拠により夫の嘘や言い逃れを封じるためにも、証拠を出す順番について弁護士にアドバイスを受けてはいかがでしょう。このような嘘をついたら次はこの写真を出すなど、具体的なアドバイスを受けられます。 

(3)不貞行為の証拠を効果的に使う方法についてアドバイスを受けられる 

弁護士にあらかじめ相談しておくと、不貞行為の証拠について、より効果的に使う方法も教えてもらえます。 

不貞行為が原因で夫との離婚を決めました。手元にある証拠は夫が女性とホテルに入る写真などです。この場合、夫とふたりだけの話し合いと、裁判官のいる法廷、どちらで肉体関係を連想させるホテルに入る写真を提示したらより効果的でしょうか。

後者ではないでしょうか。 

証拠は効果を考えて使うことも重要です。弁護士は実務に通じているからこそ、証拠内容や目的に応じてより効果的に証拠を使う方法を知っているのです。 

(4)弁護士なら適切なタイミングで効果的に証拠を使える 

不貞行為の証拠を使うタイミングの判断を弁護士に一任するという方法もあります。弁護士という専門家が証拠を提示する・不貞行為の配偶者と交渉することで、さらに証拠にはくが出ます。言い逃れや嘘の得意な夫でも、弁護士が出てくると妻に対してのように言い逃れできないかもしれません。 

専門家が証拠を出すタイミングに合わせた証拠を出すことにより、証拠をさらに効果的に使えます。 

(5)調査不足の証拠がある場合も弁護士のアドバイスで準備できる 

証拠を集めて弁護士に相談しても、証拠が不足しているケースや証拠として使えないケースもゼロではありません。 

証拠が足りない場合は弁護士から収集したい証拠や証拠収集の方法について具体的に教えてもらえます。証拠が使えない場合も、なぜ使えないのかという理由や、現時点で必要な証拠や集め方などのアドバイスを受けられるのです。 

証拠を出すタイミングの前に弁護士に相談しておくことで、弁護士から使える証拠かどうか精査してもらえると共に、証拠に対しての総合的かつ専門的なアドバイスをもらえます。 

不貞行為の証拠を出すタイミングに関するQ&A

Q1.不貞行為の証拠を出す最適なタイミングとは

不貞行為の証拠を出すタイミングは「夫(妻)が不貞行為について嘘の説明をしたタイミング」です。 

嘘や言い逃れを覆すここぞというタイミングこそが不貞行為の証拠を出すタイミングです。 

Q2.証拠を出してまで不貞行為を認めさせる理由とは?

  • 相手に反省して欲しいから
  • 慰謝料や離婚を請求したいから 

Q3.不貞行為の証拠を出すにあたり知っておくべき3つのこととは

  • 証拠は複数用意する 
  • 別居や離婚を求めてない段階では慎重に 
  • 別居や離婚を求める場合も強めの証拠は裁判まで取っておく 

まとめ 

不貞行為の証拠を出すタイミングは「夫(妻)の言い逃れや嘘を覆せるタイミング」が有効です。 

ただ、具体的にどのタイミングに証拠を出すかはケースによります。浮気後の対処に望むことや事情がケースごとに違うからです。

離婚を望む場合は裁判まで強い証拠は出さずに残しておくことも考えられます。

離婚せずにただ謝罪をして欲しい、心の痛みを理解して欲しいという場合は、証拠を出すタイミングによっては夫婦関係に亀裂が生じる可能性もあります。証拠を出すタイミングはケースごとに考える必要があるといえるでしょう。 

不貞行為の証拠を出すタイミングは弁護士に相談することをおすすめします。弁護士に相談しておけば、証拠の有効な使い方なども専門家の観点から教えてもらえます。証拠を有効活用するためにも、弁護士に話して聞いてみてはいかがでしょう。 

※この記事は公開日時点の法律を元に執筆しています。

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