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株式(有価証券)を生前贈与して相続税対策する際の手続きと注意点

株 生前贈与

相続税対策をお考えの方は多いと思います。できるだけ相続税を少なくして家族に財産を相続させてあげたいと思うことは当然のことです。

しかし、相続税対策と言っても何をしていいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。

家族が相続する財産として真っ先に思い浮かぶのは土地建物等の不動産、あるいは預貯金などでしょうが、株式などの有価証券も相続財産であり、相続税の対象となります。
不動産を生前に少しずつ贈与するというのは難しいですが、株式であれば、生前に少しずつ贈与することが可能です。
相続税対策として、生前贈与の非課税枠を活用して株式を贈与することで、予め渡しておくという方法が考えられます。

今回は、株式の生前贈与する際の手続きと注意点を紹介します。
相続税を回避してできるだけ多くの財産を遺してあげられるよう、上手に生前贈与を活用しましょう。

事業承継としての株の贈与にかかる税制については以下の関連記事をご覧ください。

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1、株の生前贈与が相続準備として有効な理由

株の生前贈与が相続準備として有効な理由

(1)株の相続(名義変更)における複雑な手続きを生前に済ませられる

もし株式を保有したまま亡くなった場合、その株式は当然ながら相続財産になります。
相続財産は、相続人全員の共有となります。
当該株式を相続するためには、被相続人が遺言書で当該株式を相続する者を特定しておくか、遺言書がない場合には相続人全員による遺産分割協議や遺産分割調停・審判を行う必要があります。

そのうえで、当該株式が上場株式である場合には、当該株式を預けている証券会社に対して、遺言書や遺産分割協議書等、戸籍謄本、印鑑証明書などを提出して名義変更の手続きを行う必要があります。

つまり、株式を相続する手続きは、遺言書がない限りは、相続人全員が関与する必要があり、相続人にとっては複雑で分かりにくいものと言えます。
これに対して、生前贈与であれば、贈与者と受贈者との間の二人だけの契約で行うことができますし、贈与者はどこの証券会社に預けているか等を把握していますので、スムーズに手続きを行うことができます。

(2)相続税対策として有効

①株の値上がり前に贈与できる

株式が相続財産となる場合、相続税は、基本的には相続発生日(亡くなられた日)の株式価格をもとに算定されます。
もし、将来株式が値上がりをした状態にある中で亡くなられた場合、値上がりしていたために相続財産の総額が基礎控除枠を超えて相続税の対象となってしまうことも考えられます。

将来値上がりすることが見込まれる株式であれば、現在の価格で贈与しておいた方が、将来的な相続税の発生を回避、あるいは軽減することができます。

②相続財産を増やさずに済む

株式には、期末毎に配当金が交付されるものがあり、この配当金も現金ないし預金として相続財産に含まれることになります。
毎年配当金を受け取って蓄積されることで相続財産が大きくなっていきます。

生前に株式を贈与しておくと、配当金は受贈者が受け取ることになりますので、相続財産が大きくなることを防ぐことができます。

③小分けの贈与が可能

不動産や貴金属などの高額な動産類は、分けて贈与することが難しいです。
これに対し て、株式は、例えば500株を200株と300株に分けて贈与するなど、物理的にも価値としても分割して、非課税枠を利用しながら贈与することができます。
可能です。そのため、株式は生前贈与を行いやすい資産であると言えます。

2、株の生前贈与手続きの方法

株の生前贈与手続きの方法

(1)上場株式の場合

上場株式の場合、証券会社を通じて株式を保有していることが多いでしょう。
こうした上場株式を贈与する手続きについては、各証券会社の定める方式によることになります。

概ねの流れとしては、最初に証券会社に贈与を行いたい旨を相談して所定の書式等をもらい、受贈者側で当該証券会社での口座開設を行い、所定の書類をすべて提出して証券会社の承認を得て贈与を実行するという流れです。

(2)譲渡制限のない株式の場合

上場されていない株式で、株式に譲渡制限のない株式(いわゆる「公開株式」)の場合は、当事者(贈与者、受贈者)間の合意で譲渡できます。
ただし、その会社が株券発行会社である場合には、贈与に伴って株券の交付も必要となります。
併せて、株式を譲渡(贈与)したことを会社に通知して、株主名簿の名義を変更しましょう。

(3)譲渡制限のある株式の場合

上場されていない株式の中には、会社の定款において、譲渡するには会社の承認が必要とする譲渡制限が定められている場合があります(いわゆる「非公開株式」)。
このような株式の場合、贈与を実行するためには会社の承認を得る必要があります。

そこで、贈与者あるいは受贈者のいずれかから会社に対して、贈与される者の氏名等を記載した書面により譲渡承認の請求を行う必要があります。

会社が譲渡を承認した場合、贈与は有効に実行されたことになります。
また、譲渡承認請求から2週間以内に会社が何ら回答しない場合には承認したものとみなされ、同じく有効に実行されたことになります。
これに対して、会社が2週間以内に株式譲渡を拒否した場合には、会社が指定した者が株式を買い取ることになるか、会社の承諾を得て譲渡を撤回することになります。

(4)株式以外(記名債権、無記名債権)の場合

有価証券には、株式以外にも国債・社債等があります。
国債・社債等の債権者が特定されているものは「記名債権」と呼ばれます。
これに対して、プリペイドカード等、債権者が特定されていないものは「無記名債権」と呼ばれます。

株式以外の有価証券も相続財産になりますので、相続税対策として生前贈与が有効であることは株式と同様です。

①記名債権の場合

株式以外の有価証券のうち、国債や社債等の記名債権としての有価証券について贈与を行うには、証券会社で管理されている場合には、証券会社で所定の手続きを取ることになります。

証券会社で管理されていないものについては、贈与自体は当事者間の合意でできますが、その社債の債務者(会社)に対して、贈与(譲渡)したことを書面で通知し、社債原簿の名義書換えを行っておきましょう。

②無記名債権の場合

株式以外の有価証券で無記名債権のもの、例えばプリペイドカード等については、当該証券を所持している人が権利者と推定されます。
そのため、当該有価証券を交付することで贈与できます。

3、株式の生前贈与における贈与税はいくら?

株式の生前贈与における贈与税はいくら?

(1)まずは株式の評価

①上場株式の場合

上場株式は、次の4つうち最も低い価格によって評価されます。

㋐贈与日の最終価格
㋑贈与月の毎日の最終価格の平均額
㋒贈与月の前月の毎日の最終価格の平均額
㋓贈与月の前々月毎日の最終価格の平均額

②非上場だが譲渡制限のない株式の場合

上場されていない会社の株式の評価額の算定方法は複雑です。

株式を取得した人が会社の経営に影響のある「同族株主」に当たるかどうかにより、取得する株式の評価方法が変わります。

さらに、「同族株主」に該当する場合には、会社の規模によりその評価方法が変わります。

このように株式の評価は難しいため、上場されていない株式を贈与する場合は、弁護士や税理士に相談の上、実行されることをおすすめします。

③譲渡制限のある株式の場合

株式の算定方法については、上記②の非上場だが譲渡制限のない株式の場合と同様に複雑です。

④記名債権(国際、社債等)の場合

国債、社債の額が基準となります。

⑤無記名債権(プリペイドカード等)の場合

当該有価証券の額面により判断されます。

(2)贈与税の計算方法

一人の人が贈与により受け取った額が年間110万円以下であれば非課税となります。それを超える場合には、以下の税率で贈与税が課されます。

  • 110万円を超えて200万円以下の場合には10%
  • 300万円以下で15%
  • 400万円以下で20%
  • 600万円以下で30%
  • 1000万円以下で40%
  • 1500万円以下で45%
  • 3000万円以下で50%
  • 3000万円を超える場合は55%

以上は、一般税率です。
直系尊属(祖父母や父母など)から、その年の1月1日において20歳以上の者(子・孫など)への贈与の場合には、特例税率が用いられます。

つまり、年間の贈与額が大きくなればなるほど贈与税の税率も上がります。

理想としては非課税枠内の年間110万円の範囲内で数年に分けて少しずつ贈与していくのが良いでしょう。
例えば、時価評価1株5万円の株式を100株保有しているとすると、500万円相当の株式の資産があることになります。
これを1年のうちにすべて贈与してしまうと、受贈者側に30%の贈与税が課されることになります。
しかし、これを5年に分けて20株ずつ(100万円相当ずつ)贈与すれば、毎年非課税の枠内で贈与されていますので、受贈者側にも贈与税はかかりません。

ただし、毎年110万円以下であっても課税される場合があります。
具体的には、「連年贈与」として課税される可能性です。
例えば、初めからすべてを贈与することを合意している内容の契約書が存在する、毎年同日に贈与がなされている等の場合には、年を分けていても一括して贈与したものとして贈与税の対象となり、総額に応じた税率で課税される可能性があります。

(3)相続時精算課税制度を利用することも可能

相続税対策の一つの方法として、上記の暦年課税のほかに、相続時精算課税制度を利用するという方法があります。
相続時精算課税制度とは、60歳以上の親や祖父母から20歳以上の子供や孫に財産を贈与する際に合計2500万円までなら贈与税がかからない制度のことです。
2500万円を超える部分については、20%の税率で贈与税が課されます。
そして、相続時の相続税額は、贈与者が亡くなった時に、それまでに贈与を受けた相続時精算課税の適用を受ける贈与財産の価額と相続や遺贈により取得した財産の価額とを合計した金額を基に計算した相続税額から、すでに納めた相続時精算課税制度のもとで納めた贈与税額を控除して計算します。

暦年課税だと2500万円相当の遺産を非課税で収めるには年間110万円以下を22年以上続けなければなりませんが、この制度を利用すれば一括で、かつ、贈与時には非課税で贈与することが可能となります。

ただし、この制度を利用するには、贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日の間に一定の書類を添付した贈与税の申告書を提出する必要があります。
また、この制度を利用すると、暦年課税の制度(110万円以下の非課税)が利用できなくなります。

不動産等の分割が難しく、かつ、高額の財産を生前贈与する際に利用を検討することが多い制度ですが、暦年課税に戻れないなど大きな決断を強いられますので、財産全体を見ながら慎重に検討しましょう。

4、株を生前贈与する際の注意点とは?

株を生前贈与する際の注意点とは?

以下の3点において、特に受贈者側に注意点が発生します。

(1)贈与税

贈与税に関してはこれまでご説明したとおりです。
暦年課税の制度を利用する場合には、非課税に抑えるためには年間110万円以下にすることを注意する必要があります。

(2)特別受益と評価されれば受贈者が相続で得をするわけではない

特別受益とは、被相続人の生前ないし遺言等により贈与を受けた法定相続人がいる場合に、当該相続人が受けた利益のことを意味します。
この特別受益は、相続人の具体的相続分を計算する際に、相続財産に合算します(「特別受益の持ち戻し」)。

例えば、被相続人に妻と子2人(長男、次男)がおり、亡くなった当時の遺産は現金1000万円でしたが、被相続人が妻に総額400万円を生前贈与していたとします。

この場合、それぞれの相続人の具体的相続分を計算するにあたっては、生前贈与していた400万円を相続財産1000万円に合算し、1400万円を前提として計算し、特別受益を受けている相続人は、特別受益を差し引いた額のみ相続することができます。

それぞれの相続人の具体的相続分は以下のとおりです。

妻:1400×2分の1-400万円=300万円

長男:1400×4分の1=350万円

次男:1400×4分の1=350万円

(3)受贈者は遺留分侵害額請求を受ける可能性がある

被相続人から生前贈与を受けていた場合に、その生前贈与によって相続人の遺留分が侵害された場合には、遺留分侵害額請求を受けることがあります。
例えば、相続人に妻と子2人がいるが遺産がないという場合に、被相続人が生前に第三者に400万円贈与していたとすれば、妻の遺留分は法定相続分(2分の1)の半分の100万円、子2人の遺留分は各50万円で、相続人3人から合計200万円の遺留分侵害請求を受ける危険性があります。

遺留分侵害の対象となる贈与は、第三者への贈与については亡くなる1年前までのもの、相続人への贈与については亡くなる10年前までのものに限られていますが、遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与をした場合には、それよりも前の贈与も対象になります。

5、生前贈与をする際は専門家に相談を

生前贈与をする際は専門家に相談を

生前贈与は、相続税対策として行われることが多いため、税に関することとして税理士に相談されることも多いですが、特に株式の贈与については法律上の手続を踏まえて行うことや、その後の特別受益や遺留分侵害等の法律問題についての見通しもあわせて検討しておくべきと言えますので、弁護士にもご相談されることをおすすめします。
弁護士や税理士等の士業の揃うワンストップサービスを掲げる事務所も多くありますので、ぜひそうした事務所の活用をご検討ください。

まとめ

相続税対策として、暦年課税制度の下での株式の生前贈与の活用は有効な手段です。
もっとも、亡くなられた後の特別受益や遺留分の問題にも配慮して行わなければ、後から思いもしなかったトラブルや紛争が生じかねません。

お悩みの際や、実行される際には、どのようにして進めていけば良いかについて、専門家である弁護士や税理士の活用をぜひご検討ください。

※この記事は公開日時点の法律を元に執筆しています。

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