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前科や逮捕歴が就業に及ぼす影響について知りたい4つのこと

前科 逮捕歴

前科や逮捕歴が職業にどのような影響を及ぼすのでしょうか。

歌手のASKAさんが覚醒剤取締法違反等で2014年に有罪となりました。しかし、現在は執行猶予期間が明けたため芸能活動を再開しております。

さて、そもそものお話で「逮捕歴のある人が表舞台に出てきても大丈夫なの?」という疑問を持ったことはありませんか?

ASKAさんのように前科や逮捕歴がある芸能人が再始動する際に、法的に何らかの制約があるのでしょうか。

また、一般人でも前科や逮捕歴によって転職などに法的な制約があるのでしょうか。

ベリーベスト法律事務所の弁護士が説明します。

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1、前科や逮捕歴によって“就業が制限される”職業

前科や逮捕歴によって“就業が制限される”職業

まず、一般の人が就職する際に前科が影響するかという点についてです。

国家公務員や弁護士などの職業は、懲役や禁固の刑を言い渡されると、執行猶予中も含め一定期間、就業が法律で制限されます。

執行猶予の場合は執行猶予期間中、実刑(実際に収監される懲役・禁錮)の場合は、刑の執行を終わり、罰金以上の刑に処されないで10年経過したときです。

2、前科によって“就業が制限される可能性がある”職業

前科によって“就業が制限される可能性がある”職業

また、医師や薬剤師など医療に関わる職業についても、絶対に就けないわけではなく場合によっては認められますが、法律で制限される可能性があります。

これらの職業は、罰金・科料の場合は刑の執行・執行免除の5年後まで、執行猶予の場合は執行猶予期間中、実刑の場合は刑の執行・執行免除の10年後まで就業が制限される可能性があります。

3、公的な職業、医療系以外の職業への就業に前科は影響しない?

公的な職業、医療系以外の職業への就業に前科は影響しない?

それでは、上述のような法律の制限のある特別な職業以外の職業については、前科や逮捕歴にかかわらず、就業が許されるのでしょうか。

実は、多くの国家資格や警備員などの一定の職業については、禁固以上の前科があると一定期間就業ができなくなる場合があります。

また、職業の種類にかかわらず、採用選考の際に履歴書を提出することが多いかと思いますが、履歴書には賞罰について記載する欄がある場合はあります。

賞罰の“賞”は問題とならないので置いておくとして“罰”の方が問題となります。

賞罰の罰とは「確定した有罪判決」のことで、このうち刑の言い渡しの効力が消滅していないものについて記載することになります。

刑の言渡しの効力が消滅するのは、次の3つの場合です。

  • 禁錮以上の刑の執行を終わり、またはその執行を免除された者が、罰金以上の刑に処せられないで10年以上経過したとき
  • 罰金以下の刑の執行を終わり、またはその執行を免除された者が、罰金以上の刑に処せられないで5年以上経過したとき
  • 刑の執行猶予の言渡しを取り消されることなく猶予期間を経過したとき

たとえば、スピード違反で赤切符を切られ罰金刑となった場合も、5年間は賞罰の欄に記載することになります。

該当する罰があるにもかかわらず「賞罰なし」などと記載し、使用者に真実が知られた場合には、解雇などの懲戒処分を受けるおそれもあります。

なお逮捕歴については、賞罰の罰には該当しないため記載する必要はありません。

4、芸能人の場合は法的な制約はある?

芸能人の場合は法的な制約はある?

芸能人の場合には法的な制約はありません。しかし、人気商売のため世間の目が実質的に法的な制限の代わりを果たすでしょう。

逮捕された時点から謹慎し、執行猶予期間が満了するまで、罰金・科料を科されて数ヶ月後、あるいは懲役刑・禁固刑に科されて数年後が復帰の目安となっているように思われます。

ただし、性犯罪などの一般に強い嫌悪感を抱かれやすい類の犯罪の場合は謹慎期間が長引く傾向にあるでしょう。

まとめ

芸能人が犯罪に手を染め逮捕されたのちに、活動を再開しているケースはめずらしくありません。

法的な観点から申し上げると「この人、テレビに出て大丈夫なの?」という疑問への回答は「大丈夫です」ということになります。

今回の記事が、そのようなケースに対する戸惑いを整理する一助になれば幸いです。

※この記事は公開日時点の法律を元に執筆しています。

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