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育児ノイローゼの治し方|ストレス管理から始めるメンタルケア術

育児ノイローゼ

およそ半数の母親が育児ノイローゼを経験しているという実態から、本記事では育児ノイローゼの治し方に焦点を当てています。

リスクの認識、対処法、ストレス管理、リラクセーション、タイムマネジメント、そしてサポートシステムの利用について、具体的なアドバイスを提供し、育児ノイローゼを克服し円満な家庭生活を送るためのヒントを紹介します。

早めの対応と家族全員でのサポートが、充実した育児生活への鍵です。

*参考:MMD研究所「育児ノイローゼに関する実態調査」

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1、治し方をみる前に~育児ノイローゼとは

最初に育児ノイローゼとはどのようなものなのか、具体的な症状とともにご紹介していきたいと思います。

(1)定義

育児ノイローゼとは、育児中におけるストレスやプレッシャーなどをため込むことによって、精神的に不安定な状態に陥ってしまう症状のことです。

自分では育児が大変と思っている自覚がない場合でもなるケースがあるので注意してください。

(2)症状

以下、育児ノイローゼの具体的な症状をご紹介します。

①イライラしやすくなる

育児ノイローゼにかかると、神経が過敏になってしまうため、些細なことに対してもイライラしてしまいやすくなる傾向があります。

独身の頃に気にならなかった家の汚れやホコリが異常に気になる、などもこの症状です。

②無気力になる

うつのような症状がでて無気力になる傾向があります。

具体的には、子どもが遊んだおもちゃをそのまま放置してしまったり、朝ご飯を食べたまま、食卓を片付ける気にならないなどの症状です。

③何にも興味・関心がなくなってしまう

大好きなスイーツにも興味がなくなったり、大好きなタレントがテレビに出ていても関心がなくなったりと、物事に関する興味・関心がわかなくなってしまいます。

④不眠症になる

疲れていても眠れないなど、睡眠障害を発症することもあります。

⑤引きこもりがちになる

無気力・無関心から、外出がおっくうになり、引きこもりがちになります。

⑥子供が可愛く思えなくなる

育児ノイローゼの症状に、わが子を可愛いと思えなくなるという症状もあります。

自分がおかしいのではなく、育児ノイローゼの症状なので、自分を追い込まないようにしましょう。

2、育児ノイローゼの7つのリスク

およそ2人に1人がかかるといわれる育児ノイローゼですが、育児ノイローゼの症状を放置することで、様々なリスクに陥ってしまう危険性が高くなります。

(1)気分がふさぐ

育児ノイローゼにかかるとうつと同様、気分がふさぎ込みやすくなります。
ちょっとしたことで落ち込んだり、悲観的な思考に陥りやすくなります。
その結果として、家に引きこもりがちになり、外部との接触が減ってしまう結果、さらに症状が悪化してしまうという悪循環に嵌ってしまうことになりかねません。

(2)生きているのがつまらない、辛い

育児ノイローゼの症状として、モノに関する興味関心がなくなるという症状があります。
その結果、生きていても楽しくない、さらに悪化すると「生きているのがつらい」といった精神状態に追い詰められることがあります。

(3)体調が悪くなる

いわゆるストレスから体調が悪くなることもあります。
胃腸にくる、喉に違和感がある、耳が聞こえなくなる、動悸がするなど、症状は人によってさまざまです。

(4)子どもへの虐待

育児ノイローゼのために我が子に愛情を抱けなくなってしまうことから、些細なことでイライラして子どもに対して虐待をしてしまう危険性があります。
また、無気力から子供に対する不作為による虐待行為(ネグレクト)を引き起こす可能性もあるため注意が必要です。

(5)配偶者へのDV

育児ノイローゼのイライラ感から、些細なことで怒りやすくなり、配偶者に対してDVを働いてしまうといったケースもあります。

(6)家出

育児ノイローゼが悪化することで、育児から解放されたいと、悪意なく子どもを置いて家を出てしてしまうケースもあります。

(7)自殺

最悪の場合、育児からの解放=自殺願望をもつといったリスクも存在します。

3、育児ノイローゼの治し方(対処法)

育児ノイローゼを放置してしまうと、様々なリスクを負うことになります。
そのため、育児ノイローゼの症状が出たら、早期に対処していく必要があるでしょう。

(1)好きなことをする日を作る

好きなケーキを買いに行く日を作るなど、育児で頑張っている自分にご褒美をあげる日を作りましょう。よい気分転換にもなりますし、育児に楽しみが生まれるきっかけになります。

「そんな時間なんかない」
「そんな気分になれない」

そう思った方は要注意です。

自分で自分を追い詰めている可能性があります。
もし家族が誰も手伝ってくれなくても、自治体で数時間低額でお子さんを預かるサービスもやっているはずです。何かしら手立てはありますので、時間を作り、まずは強引にでもそんな時間を過ごしてみてください。

(2)相談をする

前述した「育児ノイローゼに関する実態調査」によると、実際に誰に相談して妻が育児ノイローゼを解消したかとの質問に対し、「夫」と回答した人が49.4%でトップになっています。
また、育児ノイローゼになってしまったときに、妻にとって必要だと思う人間関係とはとの設問に対して、「夫の協力が必要」と回答した人が94%と、ほとんどの母親が育児ノイローゼ解消のために夫の協力を必要としているというデータが出ています。
育児ノイローゼに陥ったのが妻であれば夫に、夫であれば妻に、相談をして育児の協力を求めることで、対処できる場合もあるでしょう。

もし、夫が話を聞いてくれない、良い相談相手でないと感じる場合は、きょうだいや友人、近所の方など、それも違うと思われる場合は、児童相談所や自治体の家庭支援センターなど、育児相談を受けている第三者機関も検討してみてください。

(3)断乳

子どもが乳児の場合、夜中の授乳が辛いうえに、不眠症に陥りやすくなり育児ノイローゼが悪化することがあります。

母乳育児の重要性が多く語られていることもあり、真面目な妻にとっての負担となっている場合もあります。
「断乳したらきっと後悔する」と思い込んでいるケースもあるでしょう。
妻の状態との相談のうえ、断乳は子どもにかわいそう、いけないことだと思いすぎないことが大切です。

(4)子どもから離れる

育児ノイローゼの特効薬は「子どもから離れる(解放される)」時間を作ることです。
一時的にでも一人の時間を取り戻すことによって、物事に対する興味関心が出てきて、生きる気力を取り戻していくことができるからです。
一人の時間を作るためには、子どもをどこかに預けなければいけません。
配偶者に協力を求めたり、両親に頼んでみたりするのもよいでしょう。
そうでないときでも、保育園などの自治体で行なっている一時預かりを利用してみましょう。

詳しくはお住いの自治体に問い合わせてみてください。

4、育児ノイローゼの相談先

育児ノイローゼを放置しては危険なことがお分かりいただけたと思います。

ここでは、育児ノイローゼに関して相談することができる相談先をご紹介していきます。まずは気軽に相談から始めてみましょう。

(1)子育て世代包括支援センター

参考:内閣府HP

子育て世代包括支援センターは妊娠期から子育て期までの様々なニーズに対して総合的相談支援を提供するワンストップ拠点です。
この子育て世代包括支援センターでは上記の表にもあるように産後の心身のケアや育児サポートも行っています。
また保健師等の専門職が必要に応じて関係機関と協力して支援プランを策定することにより、きめ細かい支援を実施してくれることも大きな特徴です。

まず、「育児ノイローゼかな?」と思ったら、お住いの地区の子育て世代包括支援センターに相談しましょう。

(2)児童相談所

参考:厚生労働省HP

子育てに疲れ、つい子どもにあたってしまうといった時には「189」で電話相談を行いましょう。
相談は、匿名で行うこともできるため、気軽に専門家に相談することができます。

(3)お住まいの自治体の保健センター

自治体の保健センターでは保健師が子育てに関する相談を受け付けてくれます。
子どもが乳児の頃、子どもの健康診断を自治体で行なっていたと思います。
そのとき「保健師」がいたことでしょう。
保健師たちは、熱心に相談に乗ってくれるはずです。

(4)「こころの健康相談窓口」

平成30 年4月現在、全都道府県・政令指定都市にこころの健康相談窓口では共通の電話番号を設定しています。気軽に相談から始めてみてはいかがでしょうか。

参考:厚生労働省HP

(5)森永乳業 エンゼル110番

エンゼル110番は森乳コミュニケーション株式会社が運営している、妊娠中から小学校入学前までの妊娠・育児に関する無料電話相談です。

参考:エンゼル110番

(6)公益社団法人 日本助産師会が運営する「子育て・女性健康支援センター」

公益社団法人 日本助産師会が運営する「子育て・女性健康支援センター」では助産師による電話相談を行っています。

参考:公益社団法人 日本助産師会「子育て・女性健康支援センター」

(7)社会福祉法人 日本保育協会が運営している電話相談窓口「子育てホットライン ママさん110番」

「子育てホットライン ママさん110番」では保健師・元保育園長等専門の先生方が悩み相談を受け付けてくれます。

参考:社会福祉法人 日本保育協会「子育てホットライン ママさん110番」

(8)一般社団法人社会的包摂サポートセンターが運営する「よりそいホットライン」

「よりそいホットライン」ではフリーダイヤルで24時間相談を受け付けてくれています。

参考:一般社団法人社会的包摂サポートセンター「よりそいホットライン」

5、配偶者の育児ノイローゼで離婚を考える場合は弁護士へ

配偶者の様子がおかしくなったことから離婚を考え始めた場合は、弁護士に相談してみましょう。弁護士は、あなたの離婚をしたいと思った経緯からうかがい、あなたの気持ちの整理のお手伝いをしてくれるはずです。配偶者のDVや育児放棄が激しい場合は、あなたの身に危険がないよう、アドバイスもしていきます。

離婚は、こういうときはこう、とシステマチックに決まっている手続きではありません。
それぞれの夫婦の機微に寄り添い、個別具体的に考えることができなければアドバイスができません。
離婚について多くの相談を受け、豊富な実績をもった弁護士を探した上で相談されることをお勧めします。

まとめ

今回は育児ノイローゼの7つのリスクと、育児ノイローゼに対する対処方法をご紹介してきました。

育児ノイローゼを放置することで取り返しのつかない事態に陥ってしまうこともあります。まずは、ご家庭の平和を取り戻すためにも、専門家に相談することから始めてみてはいかがでしょう。

※この記事は公開日時点の法律を元に執筆しています。

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