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民事再生手続きで債務免除や10年の弁済猶予を受け会社を再建する方法

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会社の経営が悪化した場合に破産の申立てが行われることがありますが、破産手続きは事業を廃止して会社を清算する手続きです。経営が苦しいものの、条件が合えばまだ立ち直れる可能性がある場合には、会社を清算せずに再建する方向の手続きが準備されています。

再建型の会社の倒産処理手続きとしては、会社更生と民事再生の2種類がありますが、ここでは中小企業にも利用しやすい民事再生について、民事再生手続きに精通したベリーベスト法律事務所の弁護士が分かりやすく説明します。

民事再生手続きによって、一部債務の免除や最大10年の弁済猶予を受けることができます。経営に携わる方が民事再生手続きの流れを理解してスムーズに会社を再建するために、この記事が参考になれば幸いです。

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1、民事再生手続きとは

(1)会社(法人)の民事再生

会社の民事再生手続きは、民事再生法(「民事再生法とは?株はどうなる?会社更生法との違いとデメリットは?」参照)に基づき、取引先などの債権者の同意を得て再生計画を定めて、会社の事業の再建(再生)を図る手続きです。

会社を清算せずに、債務の一部の免除などによって会社の立ち直りを図る手続きである点で、破産手続きとは方向性が異なります(「破産手続きの流れを解説!個人の破産と会社の破産の手続きの違いとは」参照)。

会社側からすると、債務を圧縮することによって弁済の負担が減り、資金を事業に充てることが可能となって会社の再生につながる点にメリットがあります。

また、債権者側からしても、破産では通常は債権のごく一部しか配当を受けることができないのに対し、民事再生によれば破産による配当よりも多くの金額を回収できる可能性がある点にメリットがあります。

このように、民事再生手続きは、会社(債務者)・債権者の双方にとってメリットのある手続きということができ、実務上も盛んに利用されています。

詳しくは、「民事再生」も併せてご参照ください。

(2)個人の民事再生(個人再生)

なお、民事再生法は、会社だけでなく、個人の債務者にも適用があります。個人事業者はもちろん、サラリーマンなど自らが事業主体ではない個人も利用することができます(個人再生手続き)。

特に、個人再生手続きの大きな特色は、住宅ローン特則という制度が置かれている点です。これは、返済が困難になった場合に、住宅ローンのみを別扱いとしてその返済は継続し、その他の債務を減額して個人の再生を図るものです。

利用には一定の要件が必要ですが、破産をすると手放さなければならなくなる住宅を生かす方策として、大変便利な制度であるということができます。

なお、この記事では法人の民事再生手続きについて説明しますので、個人民事再生手続きについて詳しく知りたい方は、「個人再生の流れを掴んでスムーズに借金を減額して3年で完済する方法」をご参照ください。

2、手続きの流れ

民事再生手続きは、どのような流れで進められていくのでしょうか?

以下に概略を説明します。

(1)弁護士選び

会社の民事再生手続きを行う場合には、単に裁判所での法的手続きだけでなく、会社の事業・資金繰りなどについても弁護士からのアドバイスを受ける必要があるケースがほとんどです。

また、手続きとして再建型の倒産処理手続きである民事再生を選択すべきか、清算型の破産手続きを選択すべきかなど、裁判所に申し立てる以前の段階からのケースごとの詳細な検討が必須ですので、個人の債務整理とは異なるノウハウも必要です。

したがって、手続きを依頼する弁護士を探す際にも、会社の民事再生手続きを扱い慣れた弁護士を探すことが重要です。

インターネットで弁護士を検索し、実際に会社の民事再生の事案を扱っているかなどを調べた上で、できれば複数の弁護士に面談して話を聞いてから依頼する弁護士を決定するのが最もよいやり方でしょう。

(2)申立てから開始決定

会社(債務者)から裁判所に民事再生手続開始申立書が提出されると、通常、裁判所は監督命令を発し監督委員を選任します。監督委員は弁護士から選任され、会社が財産管理上一定の重要な行為をしようとする場合に同意を与える権限などを有し、民事再生手続きが適正に進められるよう会社を監督します。

また、裁判所は、開始決定をするまでの間に会社の財産が散逸するのを防ぐために、弁済の禁止などを内容とする保全命令を発します。

その後裁判所は、法定の再生手続の開始原因が存在し、申立て棄却事由がない場合には再生手続開始決定を発令し、正式に民事再生手続きが始まることになります。

(3)債権届出、債権調査

裁判所は、再生手続開始決定と同時に再生債権届出期間を定め、会社の債権者はこの期間内に債権の届出を行います。この届出をした債権者は再生手続きに参加することができるようになります。

なお、会社が認識している債権については届出がなくても、債務者の認否書に記載されれば弁済の対象にはなりますが、後の債権者集会での議決権が付与されません。

債権届出が行われると、会社はその認否を行います。会社が認めた債権については、他の債権者からの異議がない限り債権の内容は確定します。

会社が届出のあった債権についてその存在などを認めなかった場合、または他の債権者から異議が出た場合には、その債権については裁判所による査定の裁判が行われ、査定に異議のある債権者は別途異議の訴えを提起して債権の有無や内容を確定します。

(4)再生計画案の作成・提出

会社は、裁判所が定めた期限内に再生計画案を作成して提出します。

再生計画案は、会社が事業を再生させる計画を具体的に記載した書面で、その最も重要な部分は債権の弁済に関する計画です。再生計画案には債権の弁済率と弁済期間が記載され、債権額のどの程度の割合を弁済するか、その程度の期間で弁済するかが示されます。

再生計画案が提出されると、裁判所は債権者集会の期日を決めて債権者に通知し、債権者は集会期日までに再生計画案への賛否を検討することになります。

(5)債権者集会

債権者集会では、会社が提出した再生計画案について債権者によって賛否の議決が行われます。

この議決で、出席議決権者数の過半数かつ議決権総額の2分の1以上の同意が得られると、再生計画案は可決されます。

なお、上記の同意が得られず再生計画案が否決された場合には、再生手続きは終了し、裁判所の職権で破産手続きに移行することになります。

(6)再生計画認可決定

再生計画案が可決されると、裁判所は法律の定める不認可事由がない限り再生計画認可決定を行います。

認可決定が官報に掲載された後2週間が経過すると認可決定は確定します。認可決定が確定すると再生債権者表に再生計画の内容が記載され、この記載は確定判決と同一の効力を有することになり、会社が弁済を怠った場合にはこれに基づいて強制執行を行うことができるようになります。

(7)再生計画の履行

会社は、再生計画認可決定が確定したら再生計画に基づいて債権の弁済を行って行きます。再生計画どおりの弁済が終了すれば、すべての債権は消滅することになります。

3、手続きにかかる期間

民事再生手続きの申立てをしてから裁判所の再生計画認可決定を得るまでにはどの程度の期間がかかるのでしょうか?

具体的にはケースによりますし、申立てをする裁判所にもよりますが、一般的には半年程度の期間がかかっています。

なお、会社にとっては再生計画案を提出することが最も重要な手続きですが、申立てから再生計画案の提出期限までは3か月程度の期間となることが多くなっています。

4、手続きに必要な費用

民事再生手続きを行うに当たって必要な費用としては次のものがあります。

(1)裁判所費用

①予納金

監督委員の報酬の原資等に充てられる予納金を納める必要がありますが、予納金額は会社の負債額に応じて裁判所が決定します。

一例として東京地裁では以下のような基準で運用されています。

負債総額

基準額

5000万円未満

200万円

5000万円~1億円未満

300万円

1億円~5億円未満

400万円

5億円~10億円未満

500万円

10億円~50億円未満

600万円

50億円~100億円未満

700万円

100億円~250億円未満

900万円

250億円~500億円未満

1000万円

500億円~1000億円未満

1200万円

1000億円以上

1300万円

②その他

予納金以外に、収入印紙代1万円、一定額の郵券が必要です。

(2)弁護士費用

民事再生手続きを弁護士に依頼した場合には弁護士費用がかかります。

民事再生手続きはケースごとに業務量が大きく異なるため、弁護士費用もこれによって大きく左右されますが、小規模なケースでも600万円程度は準備する必要はあるでしょう。

着手金として予納金と同額程度、報酬金として予納金の倍額程度が目安でしょう。具体的には、相談時に弁護士に見積もってもらう必要があります。

分割の相談が可能な事務所もあるので、資金繰りが苦しい場合は相談するとよいでしょう。

5、民事再生と会社更生

民事再生と同じように会社の再建を図る方向の倒産処理手続きとして会社更生法に基づく会社更生の制度があります。この会社更生と民事再生にはどのような違いがあるのでしょうか?

(1)対象となる債務者

会社更生は株式会社のみを対象とする制度ですが、民事再生は会社・個人を問わず利用することができます。株式会社、有限会社などの会社の種類も問わず、会社以外の法人も利用可能です。民事再生は大変間口の広い制度であるといえます。

(2)管財人の選任の有無

会社更生では管財人が選任され、事業の経営及び財産の管理処分権は管財人に属します。民事再生では原則として申立て時の経営者(経営陣)がそのまま事業の経営を継続し、財産の管理処分権も会社自身が保持したままで手続きを進めます。経営者が経営権を維持したい中小企業では民事再生の方が適しているといえます。

(3)手続きの厳格さ

会社更生と民事再生の手続きを比べると、民事再生の方が手続きが簡易・柔軟といえ、時間や費用面での負担は少なくて済みます。この点でも民事再生は中小企業に適した制度であるといえます。

(4)手続きに要する期間

ケースにもよりますが、一般的には会社更生は申立てから約1年ほどの期間がかかるのに対し、民事再生では申立てから半年程度の期間で再生計画認可決定に至ります。前項に述べた手続面での厳格さを反映した違いです。

(5)担保権者の扱い

会社更生では担保権者も手続きに取り込まれ、会社更生手続き外での担保権の行使はできませんが、民事再生では担保権者は再生手続き外で担保権を行使することができるのが原則です。

この点で会社更生の方が強力な手続といえ、会社の重要な資産を担保に供している場合には民事再生によるよりは会社更生によった方がスムーズに手続きを進めることができます。

(6)会社更生と民事再生のいずれを選択するか

まず、株式会社以外は会社更生によることはできませんから、株式会社でない形態の会社は民事再生を選択することになります。

株式会社であっても、規模の小さい会社や同族会社などは民事再生を選択した方がよいケースが多いでしょう。

もともと会社更生はある程度規模の大きい会社を前提として作られており手続き的な負担が大きい制度ですし、会社更生では会社の経営権・財産の管理処分権は管財人に移ってしまいますので、同族会社などの経営者が経営権などを保持したままで再建したい会社にはそれが可能な民事再生の方が適しています。

このように、一般的には、中小企業の場合には民事再生を選択した方がメリットが大きいといえるでしょう。

ただし、すでに触れたとおり、工場設備や事業に不可欠な不動産などに担保が設定されているような場合には、担保権者の動向によっては民事再生よりも会社更生の方がよいケースもあります。

最終的には、具体的なケースに応じて弁護士を交えてよく検討した上で判断する必要があります。

会社更生法」についても併せてご参照ください。

まとめ

負債を抱えた会社が再建する方法として、民事再生は大変使い勝手のいい制度です。ただ、あまりに負債額が膨らんでしまってからでは再生計画案の作成に支障が生ずることになりますし、裁判所や弁護士にある程度の費用が必要な制度でもありますので、申立てを決断するタイミングが手続きの成否を大きく左右します。

資金繰りに支障が生ずるようになったら早期に弁護士などの専門家に相談して、手続きを取るか否か、取るとすればどのタイミングで申立てをするかなどについて早めに判断をしておかないと、再生の機会を逸することにもなります。

その意味では、実際に民事再生などの手続を取ることを決める前から、会社の再建に詳しい弁護士に継続的に相談をしておくことが会社を救うポイントかもしれません。

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