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コロナの影響による契約不履行の責任は?不可抗力による免責の可否について解説

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新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて発出された緊急事態宣言は2020年5月25日に全面解除されものの、今もなお新型コロナが収束したとはいえない状況が続いています。
このように新型コロナが猛威を振るうなかで、さまざまな企業やお店などが契約どおりに業務を遂行することができず、何らかの責任を追及されていることと思います。

そこで今回は、

  • 不可抗力で契約不履行となった場合に責任は免除されるのか
  • そもそも不可抗力とは何か
  • 新型コロナの影響で契約不履行となったときは不可抗力に当たるのか

といった問題について解説していきます。

新型コロナの影響で契約を履行できず、責任を追及されてお困りの方のお役に立つことができれば幸いです。

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1、不可抗力で契約を履行できなかった場合の責任とは

まずは、不可抗力で契約を履行できなかった場合にどのような法律上の責任が発生するのかをみておきましょう。

なお、コロナ騒動さなかの2020年4月1日から改正民法が施行されています。しかし、現在発生している契約問題には旧民法が適用されるケースも多いため、ここでは旧民法と改正民法の両方についてご説明します。

(1)損害賠償義務

契約で定められた仕事を完成させたり、製品を納品したりすることは受注した側の「債務」に当たります。債務を履行できなかった場合は契約の相手方に対して損害賠償義務を負うことがあります。
債務不履行による損害賠償義務については、民法第415条で規定されています。

①旧民法

旧民法の第415条では、不可抗力の場合も債務者が損害賠償義務を負うのかどうかについては明記されていませんでした。

(債務不履行による損害賠償)

第415条 債務者がその債務の本旨に従った履行をしないときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。債務者の責めに帰すべき事由によって履行をすることができなくなったときも、同様とする。

引用元:旧民法

ただ、不可抗力の場合にまで損害賠償義務が発生するのでは、債務者にとって酷です。ただ、続く第416条2項では次のように規定されていました。

(損害賠償の範囲)

第416条 2項 特別の事情によって生じた損害であっても、当事者がその事情を予見し、又は予見することができたときは、債権者は、その賠償を請求することができる。

引用元:旧民法

この2つの条文の反対解釈によって、債務者の責めに帰すことができない事由や当事者にとって予見不可能な特別の事情によって債務を履行できなかったときは、債務者は損害賠償義務を負わないと考えられてきました。

②新民法

新民法の第415条では、次のように債務者の責めに帰すことができない事由によって債務を履行できなかった場合には債権者が損害賠償請求をすることはできないことが明記されました。

(債務不履行による損害賠償)

第415条 債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。ただし、その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。

引用元:新民法

結論として、旧民法でも新民法でも不可抗力によって契約を履行できなかった場合、債務者は損害賠償義務を負わないことになります。

(2)契約解除

仕事の発注者にとしては、契約の相手方(受注者)が仕事を進められないのなら契約を解除したいと考えることもあるでしょう。
不可抗力で契約を履行できない場合に解除が認められるかどうかについては、民法第543条に規定があります。

①旧民法

旧民法では、債務者の責めに帰することができない事由による債務不履行の場合、債権者は契約を解除することはできないとされていました。

(履行不能による解除権)

第543条 履行の全部又は一部が不能となったときは、債権者は、契約の解除をすることができる。ただし、その債務の不履行が債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。

引用元:旧民法

不可抗力で契約が履行できなかった場合、債務者にとっては契約を解除される心配はなかったのです。しかし、それでは債権者にとって酷であるという問題もありました。

②新民法

新民法では、履行不能となった契約から債権者を解放する必要性があることから、債務者に帰責事由がない場合にも債権者による契約解除が認められるようになりました。

ただし、債権者に帰責事由がある場合には、債権者による解除は認められないことが明記されています。

(債権者の責めに帰すべき事由による場合)

第543条 債務の不履行が債権者の責めに帰すべき事由によるものであるときは、債権者は、前二条の規定による契約の解除をすることができない。

引用元:新民法

不可抗力によって契約が履行できなかったときは、新民法が適用される場合は債権者が契約の解除を主張すれば、債務者は法的には反論できないことになりました。

(3)改正民法の適用時期

新民法は、2020年4月1日以降に締結された契約にのみ適用されます。3月31日までに締結された契約については、引き続き旧民法が適用されます。

取引先から継続的に仕事を受注している場合、1件1件について契約書を作成している場合は、2020年4月1日以降の取引については新民法が適用されます。

それに対して、3月31日までに締結した基本契約に基づいて継続的に仕事を提供している場合は旧民法が適用されることになります。

2、不可抗力で契約を履行できないときに確認すべきこと

不可抗力で契約を履行できずに責任問題が発生したときは、まず契約書の記載を確認しましょう。
民法は私人間の契約に適用される一般的なルールですが、契約書に特約が記載されている場合は、その内容が公序良俗や強行法規に反するものでない限りは特約が優先して適用されます。

(1)契約書に不可抗力免責条項がある場合

大手企業との契約書には多くの場合、不可抗力によって契約を履行できなかった場合は債務者(受注者)は損害賠償義務を負わないという「不可抗力免責条項」が定められています。

ただ、不可抗力に該当する事由として新型コロナによる影響が明記されているケースは今のところ少ないと考えられます。その場合は、不可抗力とは何か、新型コロナの影響が不可抗力に該当するのかという点が問題となります。

これらの問題については、後ほど「3」及び「4」でご説明します。

(2)不可抗力免責条項がない場合

中小企業や小規模事業者の間で取り交わされる簡単な契約書には、不可抗力免責条項が定められていないこともよくあります。
その場合は、一般原則である民法に則って責任の有無を判断することになります。
この場合も、新型コロナの影響が不可抗力に当たるかどうかについては慎重に判断しなければならないことに注意が必要です。

3、不可抗力とは何か

不可抗力という言葉に法令上の明確な定義はありませんが解釈上、外部からくる事象であって、取引上要求される注意や予防措置を講じても防止することができないものをいうと考えられています。

代表的な例としては、大地震や大水害、落雷などの災害や戦争・動乱などがあげられます。

契約の不履行について債務者に責任があるかどうかを考える際には、債務者に帰責事由があるかどうか、過失があったかどうかを考えるべきことになります。

ただし、新型コロナウイルス感染症拡大の影響というだけで債務者に帰責事由がないと一律にいうことはできないことには注意が必要です。

たしかに、新型コロナウイルス感染症の拡大そのものについて債務者に帰責事由はありません。
しかし、契約が不履行となった具体的事情においては、債務者に帰責事由が認められる場合もあります。
そのため、新型コロナの影響による契約の不履行が不可抗力によるものといえるかどうかについては、事案ごとに具体的な事情を考慮して判断しなければなりません。

4、コロナの影響が不可抗力に当たるか

それでは、コロナの影響が不可抗力に当たるかどうかについて、ケースごとに考えていきましょう。

(1)休業要請を受けて休業したケース

政府からの休業要請を受けて休業したことにより契約を履行できなかった場合は、不可抗力に当たる場合が多いと考えられます。

ただし、やはり一律に不可抗力に当たるということはできません。
例えば、在宅勤務で作業を進めることによって契約の履行が可能であるのに全面休業としたような場合は、債務者に帰責事由があると判断される可能性が高いでしょう。

(2)営業自粛により休業したケース

政府からの休業要請の対象ではないものの自主的な営業自粛により休業したために契約が不履行となった場合は、ケースバイケースではありますが、不可抗力とはいえない場合が多いと考えられます。

ただし、特に新型コロナへの感染が危惧されるような具体的事情があるような場合は、自主的な休業であっても不可抗力に当たると判断される場合も相当数あるはずです。

(3)その他のケース

例えば、商品製造メーカーなどにおいて、自社は休業していないものの関連企業が休業し、部品や材料が調達できないために受注した商品を納品することができないようなケースもあるでしょう。

この場合、別ルートで部品や材料を容易に調達できるのにそれをしなかった場合は、不可抗力とは認められないでしょう。

一方、部品や材料を調達できる別ルートが存在しないか、存在したとしても著しく高額の仕入れ費用がかかるような場合には不可抗力と判断されることもあると考えられます。

このように、不可抗力に当たるかどうかについてはケースバイケースであると言えます。具体的事情を考慮して判断することが必要です。

(4)立証責任の問題

不可抗力を主張する債務者にとっては、立証責任の問題を考慮することも重要です。立証責任とは、ある法律効果を主張する場合にその要件となる事実をどちらが証明する必要があるかという問題のことです。

契約を履行できなかった債務者が不可抗力のために損害賠償義務を負わないことを主張する場合は、債務者(受注者)側が不可抗力に該当する事実を証明しなければなりません。
債権者(発注者)側は、基本的には、契約成立と契約不履行によって損害が発生した事実を証明すれば損害賠償を請求できます。
話し合いによって解決可能な場合は立証責任の問題をそれほど意識する必要はありませんが、裁判に発展した場合は債務者が不可抗力を立証できなければ敗訴してしまう可能性があることを頭に入れておきましょう。

5、不可抗力に該当する場合に主張できること

契約不履行の原因が不可抗力に該当すると判断された場合、債務者は債権者にどのような主張ができるのでしょうか。

この点については、契約書に不可抗力免責条項がある場合は、その記載内容に従うことになります。
不可抗力免責条項がない場合は、民法の一般原則に則って次のように対処することになります。

(1)損害賠償義務

前記「1(1)」でご説明したように、契約不履行の原因が不可抗力に該当する場合、債務者は損害賠償義務を負いません。

したがって、債権者から損害賠償を請求された場合は支払を拒むことができます。

(2)契約解除

契約解除については、前記「1(2)」でご説明したとおり、旧民法が適用される場合は債権者からの解除は認められず、新民法が適用される場合は債権者からの解除が可能となっています。

新民法が適用される場合で債権者から解除を主張された場合、債務者としては法的には反論できませんが、話し合いによって契約を継続してもらうよう交渉可能な場合もあります。

(3)納期の延期

たとえ不可抗力に該当する場合であっても、契約で定められた債務が履行されなかった以上、新民法が適用される場合は債権者が契約を解除することは可能です。
この場合、債務者が納期の延期によって契約の継続を望むのであれば、話し合いによって交渉することとなります。

(4)その他の契約条件の変更

債務者としては、納期の延期のほかにも契約条件を変更してもらうことによって契約の継続を望む場合があるでしょう。

例えば、納品すべき商品数を減らしてもらったり、受注した商品とは別の代替品を納品したり、指定された材料とは異なる材料を用いるなどの変更を希望する場合です。

これらの場合も、既に有効に成立した契約が不履行となった以上、債権者に応じてもらうためには話し合いによる交渉が必要です。

契約条件の変更に応じてもらうためには、日頃からの信頼関係に加えて、コロナ騒動の中で誠実に対応したかどうかも問われることになるでしょう。

6、不可抗力で金銭債務が不履行となったときの注意点

ここまでは、契約上の仕事を不可抗力で遂行できなかった場合の問題について解説してきました。しかし、金銭債務の不履行については別の注意が必要です。

金銭債務を支払期限までに支払うことができなければ、遅延損害金を支払わなければなりません。遅延損害金の支払については、不可抗力の場合でも免除されることはありません。

(金銭債務の特則)

第419条 3項 第一項の損害賠償については、債務者は、不可抗力をもって抗弁とすることができない。

引用元:民法

この規定は、旧民法でも新民法でも変更されていません。
したがって、家賃やローン、買掛金などの支払いが不可抗力で遅れた場合でも、法的には遅延損害金の支払いを免れません。
この場合も、債権者と話し合うことによって窮状を理解してもらい、遅延損害金の支払いを免除してもらうよう交渉するしかありません。

まとめ

「不可抗力」という言葉には明確な定義がなく、ケースバイケースで不可抗力に該当するかどうかを判断しなければならないため、当事者間でも対処に困ることが多いものです。

ただ、債権者にとっては契約不履行の原因が不可抗力に該当しない方が有利になりますし、債務者にとっては不可抗力に該当する方が有利になります。そのため、当事者間の話し合いがこじれることもよくあります。

新型コロナの影響で契約を履行できず、相手方との話し合いが円滑に進まないときは、弁護士に相談されることをおすすめします。

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