法人破産の手続の流れと重要ポイントをわかりやすく解説

法人破産 手続

法人破産の手続きの流れや重要ポイントについてわかりやすくご紹介します。

会社を破産させることは、経営が行き詰まったときの最終的な解決方法です。特に、最近ではコロナ不況の影響もあり、会社の破産が増加傾向にあります。この記事の読者にも、経営が苦しくなった会社を破産させることを検討している人がいるかもしれません。

とはいえ、実際に会社を自己破産させるとなると、

  • どのように手続をすべきなのか
  • いつ弁護士に依頼すべきなのか

など、わからないことがたくさんあると思います。
そこで今回は、

  • 法人・会社を自己破産させる場合の基本的な流れ

について、3つのステップで解説していきます。

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1、法人・会社の破産手続の全体像

法人・会社の破産手続の全体像

具体的な手続の流れなどについて解説する前に、破産手続の全体像について確認しておきましょう。

法人が自己破産する場合の基本的な流れは下記のようになります。

1. 弁護士への依頼

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2. 取締役会での決議

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3. 会社財産の保全

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4. 申立ての準備

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5. 破産手続申立て

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6. 破産手続開始決定

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7. 負債の確定手続・破産財団(法人資産)の換価など(破産手続)

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8. 債権者集会

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9. 債権者への配当

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10. 破産手続終結

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11. 法人の消滅(登記手続)

以下では、それぞれの段階において重要なポイントなどを解説していきます。

2、破産手続を申し立てるまで

破産手続を申し立てるまで

会社の経営が傾いてから破産手続の申立てをするまでの期間において重要となるポイントは次のとおりです。

  • 会社、法人を破産させるための要件
  • 破産前の会社資産の取扱い(資産の保全)
  • 会社の業務や従業員の取扱い
  • 申立ての準備(費用の工面)
  • 弁護士への依頼時期

会社の破産を検討する場面では、「破産したらどうなる?」ということに目が行きがちですが、実際に会社を破産させる場合には申立て前の対応が非常に重要となります。

とはいえ、破産に追い込まれるほど経営が傾いた状況では、債権者・取引先などの対応にリソースを割かれてしまいがちで、破産の申立てのために十分な時間を割くことも難しい場合が多いといえます。

(1)法人を破産させるための要件

法人を破産させるために備えていなければならない条件は下記のとおりです。

  • 会社が支払不能(支払停止)もしくは債務超過の状態にある
  • 会社を破産させることについての取締役会の決議がある(株式会社の場合)

①支払不能・支払停止・債務超過とは?

破産法は、法人の破産については、法人が支払不能・支払停止・債務超過のいずれかの状態にある場合に破産することを認めています。

支払不能というのは、わかりやすくいえば「会社が抱えている負債の返済が不可能である」と客観的に判断できるような状況のことを指します。会社の返済能力は、それぞれの会社によっても異なりますので負債額が幾ら以上でなければならないというわけではありません。つまり、負債1000万円で破産できる会社もあれば、1億円の負債があっても破産できない会社もあるというわけです。

以上のように、支払不能という要件は抽象的な基準といえるので、これだけでは法人破産可能かどうかを判断するのは難しいかもしれません。そこで、破産法は、一定の具体的な事実状態がある場合には支払不能の状態にあるものと推定することにしています。この事実状態のことを「支払停止」といい、具体的には次のような行為(客観的な事実)が該当します。

  • 手形の不渡り(銀行取引停止処分)
  • 多数の債権者に対する弁済猶予の申入れ
  • 夜逃げ・店じまい
  • 弁護士による受任通知の送付

②取締役会等での決議

法人を破産させる場合には、裁判所への申立てに先立って、取締役会などの法人の執行機関において「法人を破産させる」旨の決議をするのが原則です。ただし、決議ができない場合であっても個々の役員(取締役)が法人について破産の申立てをすることは可能です(このような申立ての場合を準自己破産といいます)。

とはいえ、法人を破産させることについて法人内部で意見の衝突があれば、破産手続それ自体も難航してしまう可能性が高いので、まずは内部での意見をしっかり取りまとめることが大切といえます。

(2)会社資産の保全

経営の危機に陥った会社では、直近の運転資金に充当するためにいわば投げ売りのような形で法人資産が処分されてしまうことも珍しくありません。

しかし、法人破産を考えている場合には、法人資産の投げ売りはすべきではありません。破産手続は、破産法人の資産を全ての債権者に公平に配当することを主たる目的としているので、法人破産の直前に不当に安い価格で財産を処分された場合には、破産手続開始後に破産管財人によってその処分行為(会社資産を売却する契約など)が否認されてしまうこともあり、取引の相手方にも不要な迷惑をかけてしまう可能性があります。

(3)破産する法人の業務や従業員についての対応

法人を破産させる場合には、上記で触れた取締役会等の場で、事業停止(店じまい)の日程を決めるのが一般的です。事業停止の日時は、当然自己破産手続が開始される前(通常は申立て前)に設定することになります。

さらに、従業員についても解雇の手続をしなければなりません。一般的な法人破産のケースでは、破産に伴う解雇の通知は、事業の停止と同時に行うことになります。従業員のことを考えれば、事前に通知してあげるべきともいえますが、法人が破産する情報が事前に伝わることで社内や取引先が混乱することを回避する必要があるからです。

(4)法人破産申立ての準備

法人の事業が停止された後は、営業所の閉鎖などの残務処理をしながら、破産申立てに必要な資料(決算書類など)を確保し、法人破産の申立てに向けた準備を行います。

負債に関する情報を整理しなければならないのは当然ですが、積極財産の管理や清算のために今後も継続する必要のある契約関係の対応など、申立て前にしなければならない作業は、個人の破産に比べて格段に多いといえます。

また、債権者の配当に充てることになる法人資産についても破産手続が開始され破産管財人の管理下におかれるまで適切に管理・保全しなければなりません(破産手続開始後も必要に応じて破産管財人に協力しなければなりません)。

(5)弁護士への依頼はいつ行うべきか

法人を破産させることを検討している場合には、できるだけ早い時期に弁護士に相談・依頼すべきといえます。法人破産の申立てをするためには、かなりの数の書類を調査・作成しなければならないだけでなく、取引先や従業員(労働組合)、破産に反対する取締役等との交渉も必要となる場合が少なくないからです。

また、早期に弁護士に相談できれば、法人破産以外の方法で負債を解決し、法人や事業を存続させられる可能性も高くなる場合もあります。

3、破産申立てから破産手続終了まで

破産申立てから破産手続終了まで

法人破産の申立てから破産手続が終了するまでの重要ポイントは次のとおりです。

  • 法人破産の費用
  • 破産管財人業務への協力
  • 債権者集会への対応
  • 債権者への配当と破産手続の終了

(1)法人破産の費用

破産手続を申し立てるためには、(弁護士に支払う報酬とは別に)裁判所にも以下の費用を納付する必要があります。

  • 申立て手数料(収入印紙)
  • 郵便切手(や封筒)
  • 官報掲載費用(裁判所予納金)
  • 破産管財人報酬(引継予納金)

このうち金銭的な負担が最も重いのが破産管財人報酬(引継予納金)です。
破産管財人の報酬額は、個々のケースごとに裁判所が定めることになっていますが、一般的には法人の負債の額や債権者の数に比例して高くなっていきます。

たとえば、東京地方裁判所での法人破産における破産管財人報酬は以下のように定められています。

  • 負債総額5000万円未満:70万円
  • 負債総額5000万円以上1億円未満:100万円
  • 負債総額1億円以上5億円未満:200万円
  • 負債総額5億円以上10億円未満:300万円

そのため、中小企業の法人破産においては申立て費用が工面できないことが原因で「破産したくても破産できない」というケースも珍しくありません。できるだけ早い時期に弁護士に相談・依頼をすれば、破産費用工面のために債権回収・事業譲渡などについても対応できる場合があります。

(2)破産管財人への協力・債権者集会への対応

法人破産では、原則として裁判所から選任された破産管財人の下で、負債の調査・確定、資産の換価・債権者への配当といった手続が実施されます。そのため、破産手続が開始された後には、会社の代表者は破産管財人と密に連絡をとりあい、必要に応じて協力しなければなりません。

また、破産手続の結果や進捗状況は、破産手続開始から3ヶ月後程度の時期に実施される債権者集会において破産管財人から債権者に報告されます。
この債権者集会には破産法人の代表者の出席が求められ、債権者への報告などを求められるのが一般的といえます。

(3)債権者への配当と破産手続の終了 

法人が破産した場合には、原則として法人が保有している資産はすべて債権者への配当に充てるために処分されることになります。
法人資産の換価が終了すると、債権者への配当がなされ、破産手続は終了となります。
それぞれの債権者への配当額は、債権の種別ごとに序列が付けられ、同順位の債権は債権額に応じた按分で配当額が決まります。

なお、法人破産の場合には、換価に相当な時間を要することもありえます。
その場合には、手続の途中で債権者への随時配当を行っていくケースや、手続を先に終結させてから配当のための期日が別途設定されることも珍しくありません。

4、破産手続終了後

破産手続終了後

債権者への配当が終わると裁判所の決定に基づいて破産手続は終結します。
法人破産の手続が終了したときには、裁判所書記官が破産法人の所在地を管轄する登記所(法務局)に、破産手続終了の登記を嘱託します。
これによって、破産法人は法律上消滅することになります。

5、法人破産を弁護士に依頼すべき5つの理由

法人破産を弁護士に依頼すべき5つの理由

法人の破産を検討する状況では、すでに手持ちキャッシュも尽きてしまっているケースも珍しくなく、弁護士に依頼せずに自らの手による破産申請が検討されることもあるかもしれません。

しかし、法人を破産させる場合には、必ず弁護士に依頼をすべきといえます。その理由は以下の5点です。

  • 法人破産では個人の破産よりも作成しなければならない書類が多い
  • 法人破産では多数の利害関係人と交渉しなければならない場合がある
  • 法人を破産させたことで、さらにさまざまな法的な問題が生じる可能性がある
  • 法人破産は手続が長期にわたることも多い
  • 弁護士に依頼すれば、破産手続にかかる費用を節約できる可能性がある

まず、法人の破産手続では、個人の自己破産と比べて、申請前に行うべき作業がかなり多くなります。
また、負債の調査、資産の管理、利害関係人(テナントやリース物件の貸主など)との交渉が必要となる場合も多いといえます。
これらの業務を会社内部の対応と同時並行で行うことは簡単ではありません。

そして、なによりも弁護士に依頼をすれば、破産手続にかかる費用として最も負担の重い破産管財人報酬を減額できる可能性があります。
特に、中小企業の場合には、弁護士に依頼をすることで、数十万円単位で引継予納金が減額される場合があります。

さらには、早期に弁護士に依頼をすれば、破産以外の方法で負債を処理できる余地も大きくなるといえるでしょう。

まとめ

法人の破産手続は、個人の場合よりもかなり複雑なものとなるのが一般的です。
そのため、弁護士への依頼なしに手続を円滑に進めることはかなり難しいといえます。

また、コストの面でも弁護士に依頼をした方が結果として低く済ませられる場合が多いといえるでしょう。専門知識・スキルの求められる高度な作業を弁護士抜きで行うことは、かなりの負担となるからです。

また、弁護士に相談・依頼をすれば、手続を正確・迅速に行えるだけでなく、破産以外の手続による解決も含めた広い選択肢の中から最善の方法で問題解決を図ることが可能になります。

当事務所では、法人破産の相談は何度でも無料でお受けいただけますので、お困りの際には是非お問い合わせください。

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