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初心者でもわかる!「犯罪収益移転防止法」|銀行口座の売買は犯罪です

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初心者でもわかる!「犯罪収益移転防止法」|銀行口座の売買は犯罪です

金融機関勤務の方には、必須知識である「犯罪収益移転防止法」。
どういう法律かというと、その名の通り「犯罪で得た収益(お金)を移転させることを防ぐための法律」です。
犯罪で得たお金は、別の犯罪者へ行き渡ることが多いため、その送金(譲渡)手段として、金融機関を簡単に使えないようにすることで、犯罪そのものを防ぐという発想に基づきます。

今回は、

  • 犯罪で得たお金を移転させるってどういうこと?
  • 犯罪収益移転防止法の基本的な内容は?

などについて、やさしくしっかり解説していきます。

新しく金融機関に勤めた方等、犯罪収益移転防止法の内容を知りたい方のご参考になれば幸いです。

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1、犯罪収益移転防止法はどんな法律?

犯罪収益移転防止法はどんな法律?

まず、はじめに、犯罪収益移転防止法の趣旨や目的を簡単に解説します。

(1)犯罪収益移転防止法は、なぜ必要なのか

マネーロンダリング、通称「マネロン」などと言われますが、この言葉をご存知でしょうか?
日本語訳は「資金洗浄」、これだけでは、わかりづらいかと思います。

マネーロンダリングとは、そのお金の出どころをわからなくすることです。
どういうことか、例でお話ししましょう。

例えば、覚せい剤を売って100万円を得たとします。
このままでは、覚せい剤の売買代金としての100万円です(お金の出どころが覚せい剤です)。

しかし、この100万円で「金」を買い、3か月後に「金」を売って、100万円を受け取ったとしたらどうでしょう?

この100万円(元々覚せい剤の売買代金である100万円)は、「金」を売った代金としての100万円ということになります。
人に言えるお金になった、というイメージをわかっていただけるかと思います。

また、組織ぐるみで覚せい剤を売って得た100万円であれば、合法的であるかのように見える理由のもと、国内外の複数の口座に転々と送金を繰り返すことにより、最終的には、覚せい剤を元にした100万円であることがわからなくなっている、という方法もあります。

常習的に犯罪を繰り返す犯罪者たちは、自分の素性を隠し、普通の市民のふりをしながらも、犯罪により資金を得たい、また、違法なことに資金を使いたいと考え、犯罪を繰り返します。
犯罪行為自体を取り締まることも重要ですが、このように、資金の流れから取り締まることでも、犯罪を未然に防ぐことにつながることがお分かりいただけることでしょう。

犯罪収益移転防止法は、マネーロンダリングを防止する、すなわち、犯罪に関わる資金の流れを食い止める(ひいては犯罪自体を減少させる)ために必要な法律なのです。

(2)犯罪者等は、規制の弱い国を狙い撃ちに〜国際的な規制が必要

犯罪者やテロリストは、国際的なネットワークをもち、マネーロンダリングの取締りの弱い国等を狙い撃ちにしてきます。
そのため、国際的な資金洗浄対策を進める政府間機関「金融活動作業部会Financial Action Task Force」(FATF)勧告にもとづいて、各国で規制を進めています。(FATFは「ファトフ」と読みます。)

日本では、犯罪収益移転防止法という法律を制定しています。犯罪者やテロリストは、新しい手法を次々と生み出してきています。これに対応して、法律改正も繰り返し行われています。

犯罪収益移転防止法等の概要について

(出典)
警察庁刑事局組織犯罪対策部組織犯罪対策企画課(JAFIC
犯罪収益移転防止法等の概要について

(参考)
犯罪収益移転防止法等の概要
犯罪収益移転防止法の解説等

2、犯罪収益移転防止法の主な内容

犯罪収益移転防止法の主な内容

犯罪収益移転防止法が定める事業者の範囲は、広がっています。
かつては、金融機関等の一部の事業者だけでしたが、現在では、より広範囲な事業者が対象になっています。

本項では、対象となる事業者、また、それらの事業者への義務規定について、ご説明していきます。

※わかりやすいように簡略化していますので、必要に応じてJAFICの原典資料をご確認ください。(犯罪収益移転防止法の全体の体系や改正の経緯については、末尾に参考資料を掲げています。)

(1)対象となる事業者(特定事業者)

犯罪収益移転防止法の対象事業者(特定事業者)は、以下の通りです。

  1. 金融機関等
  2. 一定の非金融業者
    ファイナンスリース事業者、クレジットカード事業者、 宅地建物取引業者、宝石・貴金属等取扱事業者、郵便物受取サービス業者、電話受付代行業者、電話転送サービス事業者
  3. 士業者
    司法書士  行政書士 公認会計士  税理士 弁護士

なぜ、ここまで広範な事業者が対象になるのでしょうか。

それは、金融取引だけでなく、不動産取引や宝石取引等をうまく使えば、資金の素性を隠すことができるからです。
郵便物や電話の代行業者を使えば、他人になりすますこともできます。
職業的専門家(法律専門家等)等の士業者も、マネーロンダリング等に関与することが懸念されます。
このような考えのもと、金融業者以外の様々な事業者も規制の対象になりました。

なお、この規制は、日本だけでなく、前述の国際的な「金融活動作業部会」(FATF)の勧告に基づくもので、世界共通の基準です。

(2)特定事業者の義務その1:取引時確認(犯罪収益移転防止法4条)

特定事業者は、当該事業における取引をする際、次のような項目を確認しなければなりません。
これを「取引時確認」といいます。

  1. 本人特定事項
     自然人:氏名、住居、生年月日
     法 人:名称、本店又は主たる事務所の所在地
  2. 取引の目的
  3. 自然人の場合は職業、法人の場合は事業の内容
  4. 法人の場合は、その実質的支配者*にあたる者の本人特定事項
    *実質的支配者とは大株主や経営者等です。普通の会社に見せかけながら、犯罪組織等の黒幕が支配していることもあるからです。犯罪者やテロリストあるいは支援者等が素性を偽り、他人になりすまして、取引するのを防ぐためです。

(ここでは、項目だけ記載しています。実際には、どんな書類で確認するかなど、犯罪収益移転防止法で、手順が細かく決められています。)

(3)特定事業者の義務その2:記録の作成・保存(犯罪収益移転防止法6条、7条)

特定事業者は、取引時の確認事項や取引記録等を作成し、7年間保存します。

(4)特定事業者の義務その3:疑わしい取引の届出(犯罪収益移転防止法8条)

①疑わしい取引の届出とは

特定事業者が収受した財産が、「犯罪による収益」の疑いがあったり、「犯罪による収益の隠蔽」の疑いがある場合は、「疑わしい取引の届出」を所管の行政官庁に届出ます。

年間で40万件以上の届出があり、事件の捜査に活用されています。

警察庁刑事局組織犯罪対策部組織犯罪対策企画課

犯罪収益移転防止法等の概要について

(出典)警察庁刑事局組織犯罪対策部組織犯罪対策企画課(JAFIC
犯罪収益移転防止法等の概要について

②疑わしい取引の届出の事例

「疑わしい取引の届出」の事例は、次のようなものです。(出典は上記JAFIC犯罪収益移転防止法等の概要について12頁)
ご覧いただければ、犯罪者等の手口のイメージもつかんでいただけるでしょう。
なぜ、電話代行業者まで「特定事業者」として届出義務が課されているかということも、理解いただけると思います。

事例1.顧客が会社等の実体を仮装する意図で電話受付代行、電話転送サービスを利用するおそれがあり、それが犯罪等に用いられるであろうということが契約事務の過程でうかがわれる契約

事例2.契約事務の過程で、顧客が自己のために活動しているか否かにつき疑いが生じたため、真の受益者(本来の利用者)等の確認を求めたが、その説明や資料提出を拒む顧客に係る契約

事例3.同一名義人である顧客が複数の法人や異なる名義で電話受付代行、電話転送サービス契約を希望する契約

事例4.契約事務の過程で、顧客である法人、実質的支配者である法人が実態のないペーパーカンパニーであることがうかがわれる契約(取引)

事例5.顧客が架空名義又は借名で契約していることが契約事務の過程でうたがわれる契約

事例6.契約事務の過程で、取引の秘密を不自然に強調する顧客及び届出を行わないように依頼、強要、買収等を図った顧客に係る契約

事例7.契約事務の過程で、暴力団員、暴力団関係者等に係る契約であることが明らかな契約

事例8.職員の知識、経験等から見て、契約事務の過程において不自然な態度、動向等が認められる顧客に係る契約

事例9.取引時確認において確認した取引を行う目的、職業又は事業の内容等に照らし、不自然な態様で行われる契約

事例10.警察署その他の公的機関など外部から、犯罪収益に関係している可能性があるとして照会や通報があった契約

(5)実際の規制対象は、「特定業務」に限定される

実際には、特定事業者の全ての取引が、上記の義務の対象になるわけではありません。
事業毎に、義務の対象となる業務(「特定業務」)の範囲が定められています。

たとえば、宅地建物取引業者なら、宅地建物売買等が対象ですが、宅地建物の賃貸に係る業務は、対象となりません。

また、特定事業者の取引時確認が必要となるのは、特定業務のうち一定の取引(「特定取引等」)とされています。

たとえば、宝石・貴金属等取扱事業者であれば、宝石・貴金属等の売買業務のうち、代金の支払が現金で200万円を超える宝石・貴金属等の売買契約の締結が特定取引等として、取引時確認の対象になります。

(出典)
JAFIC 犯罪収益移転防止法等の概要12頁16頁

以下に表を示しました。

《特定事業者の特定業務と特定取引》

特定事業者

特定業務

特定取引(

金融機関等

金融業務

預貯金契約の締結、200万円を超える大口現金取引 等

ファイナンスリース事業者

ファイナンスリース業務

※途中解約できないもの、賃借人が賃貸物品の使用にともなう利益を享受し、かつ、費用を負担するものをいう

1回の賃貸料が10万円を超えるファイナンスリース契約の締結

クレジットカード事業者

クレジットカード業務

クレジットカード交付契約の締結

宅地建物取引業者

宅地建物の売買又はその代理若しくは媒介業務

宅地建物の売買契約の締結又はその代理若しくは媒介

 

宝石・貴金属取扱事業者

貴金属(金、白金、銀及びこれらの合金)若しくは宝石(ダイヤモンドその他の貴石、半貴石及び真珠)又はこれらの製品の売買業務

 

代金の支払が現金で200万円を超える宝石・貴金属等の売買契約の締結

郵便物受取サービス業者

郵便物受取サービス業務

役務提供契約の締結

電話受付代行業者

電話受付代行業務

役務提供契約の締結

※電話による連絡を受ける際に代行業者の商号等を明示する条項を含む契約の締結は除く

※コールセンター業務等の契約の締結は除く

電話転送サービス事業者

電話転送サービス業務

役務提供契約の締結

 

 

 

 

司法書士等

行政書士等

公認会計士等

税理士等

以下の行為の代理又は代行(特定受任行為の代理等)に係るもの

宅地又は建物の売買に関する行為又は手続

会社等の設立又は合併等に関する行為又は手続

現金、預金、有価証券その他の財産の管理・処分

※租税、罰金、過料等の納付は除く

※成年後見人等裁判所又は主務官庁により選任される者が職務として行う他人の財産の管理・処分は除く

以下の特定受任行為の代理等を行うことを内容とする契約の締結

宅地又は建物の売買に関する行為又は手続

会社等の設立又は合併等に関する行為又は手続

200万円を超える現金、預金、有価証券その他の財産の管理又は処分

※任意後見契約の締結は除く

 

特定業務かれているものは特定取引にも該当せず取引時確認対象ではあません

※列挙した取引に加え、特別の注意を要する取引も特定取引となります。
※敷居値以下の取引であっても、一回当たりの取引の金額を減少させるために一の取引を分割していることが一見して明らかなものは一の取引とみなすため、特定取引に該当する場合があります。

特定事業者に当たる方は、この他にも様々細かな注意が必要です。

ぜひ次の資料で、詳細を確認してください。

警察庁刑事局組織犯罪対策部組織犯罪対策企画課(JAFIC
犯罪収益移転防止法等の概要について
犯罪収益移転防止法等の概要
犯罪収益移転防止法の解説等

3、特定事業者だけじゃない!預金口座の売買等は犯罪です

(1)預金口座の売買は犯罪

犯罪収益移転防止法では、預貯金通帳やキャッシュカードなどの譲渡・譲受、交付、提供等の行為が禁止され、為替取引や仮想通貨取引等についても、同じような規制があります(28条以下)。
これは、特定事業者に限られません。
預金口座等の売買等は、およそ禁止されていて、違反すると、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金(または併科)という厳罰が科されます。

売った側も買った側も、罰されます。業として、このような行為をした者には、さらに重い罰が科されます。

(2)預金口座等の売買等が規制される理由とは

なぜ、預金口座等の売買等が厳しく規制されるのでしょうか。

それは、口座を譲り受ければ、犯罪組織やテロリスト、その支援者たちが、自分以外の者になり済ましながら、犯罪資金を流すことが可能になるからです。

売買された口座は、マネーロンダリング等に限らず、特殊詐欺等のツールにも使われています。
最近では、外国人口座が悪用される事例も報道されています。
事情を知らずに、帰国時に口座を売って、小遣い稼ぎをする、という事例も多いようです。

外国人労働者を雇用している企業等では、社員への注意喚起も求められます。

【参考】朝日新聞朝刊2018年5月24日
(守る・防ぐ)外国人口座入手し詐欺、急増 県警、留学生や実習生に注意喚起/神奈川県
(有料記事です)

まとめ

ここまで説明したのは、犯罪収益移転防止法のほんのアウトラインに過ぎません。
注意点は、他にもたくさんあります。
特定事業者の方なら、習得しておくべき項目はこの内容ではとても足りません。

そうでない方でも、特定事業者との取引において、最低限の知識は必要でしょう。
預金口座等の売買等が犯罪になる、というのも趣旨をよく理解して、対応する必要があります。

犯罪収益移転防止法は、皆さん自身の問題です。
企業の中では、どのような点に注意すべきか、社員にどのように注意喚起すべきか、弁護士によく相談して、適切なアドバイスを得ることをお勧めします。

【参考】犯罪収益移転防止法の体系と改正の経緯

犯罪収益移転防止法の体系と改正の経緯

(出典:警察庁刑事局組織犯罪対策部組織犯罪対策企画課(JAFIC
犯罪収益移転防止法等の概要

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