
借金問題を相談できる窓口は、意外にたくさんあります。
一人で返済しきれない借金を抱えて悩んでいても問題は解決できませんし、場合によっては借金がさらに増えたり、家族に迷惑がかかったりするおそれもあります。
困ったときは一人で悩まず、早めに第三者に相談して解決を目指しましょう。
まずは、どんな場合にどんな相談先を利用できるのかをまとめてみましたので、参考になさってください。
ケース | 利用できる相談先 |
どんな解決方法があるのか知りたい場合
| ・消費生活センター、国民生活センター ・役所の法律相談窓口 ・日本クレジットカウンセリング協会 ・金融庁の相談窓口 ・日本貸金業協会 |
借金を減らしたい場合
| ・弁護士会 ・司法書士会 ・弁護士事務所 ・司法書士事務所 ・法テラス |
多重債務で借金をまとめたい場合
| ・銀行 ・FP(ファイナンシャルプランナー)
|
借金を到底返済できない場合
| ・弁護士事務所 ・弁護士会 ・法テラス |
取り立て、督促が激しい場合
| ・弁護士事務所 ・司法書士事務所 |
差押えを受けた場合 | ・弁護士事務所 |
突然連帯保証人として請求された場合
| ・弁護士会 ・司法書士会 ・弁護士事務所 ・司法書士事務所 ・法テラス |
ギャンブルなどでやめたくてもやめられず借金をしてしまう場合
| ・保健所 ・精神保健福祉センター ・日本貸金業協会 ・弁護士会 ・司法書士会 ・弁護士事務所 ・司法書士事務所 ・法テラス |
借入先がヤミ金かもしれない場合
| ・弁護士事務所 ・司法書士事務所 |
以上のように数多くの相談窓口がありますが、問題を解決するためには状況に応じて適切な相談先を選ぶことが重要です。
今回は、ケース別に最適な相談先を選ぶ方法や、相談した後に借金問題を解決する具体的な方法について解説していきます。借金問題でお困りの方のご参考になれば幸いです。
1、借金問題を相談すべき窓口はここ
まず、冒頭でご紹介したケース別の相談先について、なぜその窓口が良いかの理由とともに詳しくご説明します。
(1)どんな解決方法があるのか知りたい場合
どの相談先を利用されても、借金問題についてどんな解決方法があるかの概要を教えてもらうことはできます。
ここでは、無料で利用できる公的な機関として次の5つをご紹介します。
①消費生活センター、国民生活センター
全国の消費生活センターでも、借金の無料相談を受け付けています。
消費生活センターというと、悪徳商法のクーリングオフの相談などのイメージが強いかもしれませんが、借金の相談もできるのです。
消費生活センターとよく似た機関に、国民生活センターがあります。
消費生活センターは自治体、国民生活センターは独立行政法人なので国が主体となっているという違いがありますが、利用方法はほとんど同じで連携して業務を行っています。
利用者視点ではあまり違いを意識する必要がありません。
消費生活センターを利用したい場合には、まずは電話をかけると良いです。
近くの消費生活センターの電話番号がわからない場合には、188(消費者ホットライン)に電話をかけると、最寄りのセンターにつないでくれます。
ただ、このとき対応するのは、弁護士ではなく専門の消費生活専門相談員、消費生活アドバイザーや消費生活コンサルタントなどの資格を持ったセンターの職員です。
借金問題で切羽詰まっている場合には、解決につながらないことが多いでしょう。
弁護士に相談したいときには、センターが行っている「多重債務相談会」に参加すると良いです。1回30分まで、相談を受けることができます。
詳細については、国民生活センターのホームページをご参照ください。
②役所の法律相談窓口
全国の自治体では、月に1回~3回程度、弁護士による無料法律相談のサービスを行っています。
借金の相談もできます。
市の広報誌などをチェックしていると、次月の法律相談の予定日などが載っているので、利用したい場合には申込みをすると良いです。
ただ、自治体の無料法律相談は、時間が20分~30分程度で短いですし、担当弁護士も持ち回りなので、どのような弁護士に当たるかわかりません。
また、通常はその場で直接依頼することはできないので、相談した弁護士に債務整理を依頼するときには少し手間がかかります。
詳細は、お住まいの自治体のホームページ等でご確認ください。
例えば東京都渋谷区の方は、広報コミュニケーション課(電話:03-3463-1290)に電話して予約することとされています。
③日本クレジットカウンセリング協会
JCCO 公益財団法人日本クレジットカウンセリング協会では、多重債務問題について公正・中立な立場でのカウンセリングや電話相談を利用することができます。
内閣府の認定を受けた公的な機関なので、安心して相談できます。
電話相談には専門的な資格を有するアドバイザーカウンセラーが対応し、面談によるカウンセリングには弁護士も対応しています。
利用される場合は「多重債務ホットライン」(電話:0570-031640)に電話をかけ、面談によるカウンセリングを希望する場合は日時を予約しましょう。
詳細は日本クレジットカウンセリング協会のホームページをご参照ください。
④金融庁の相談窓口
金融庁でも、多重債務者の救済のために相談窓口が設置されています。
借金に関するあらゆる悩みについて、専門相談員が相談に乗り、解決に向けたアドバイスや情報提供をしてくれます。
必要に応じて弁護士会などのより専門的な機関を紹介してもらうこともできます。
相談は各地の財務局や財務事務所で受け付けています。
利用する際は最寄りの財務局または財務事務所に電話をかけて予約を取りましょう。
詳細は、最寄りの財務局のホームページをご参照ください。
⑤日本貸金業協会
日本貸金業協会とは、消費者金融業者やクレジットカード会社、信販会社などが加盟を義務づけられている自主規制機関です。
貸金業務の健全な発展を図るためには債務者へのサポートも重要です。そのため、日本貸金業協会には「貸金業相談・紛争解決センター」(電話:0570-051-051)がもうけられ、借入れや返済に関する相談を受け付けるなどして多重債務者の救済に力を入れています。
貸金業相談・紛争解決センターを活用すれば、債務整理の方法などに関するアドバイスや情報提供が受けられます。
また、多重債務の再発防止のために生活再建支援カウンセリングや家計管理の支援なども無料で受けることができます。
(2)借金を減らしたい場合
借金を減らすためにどのような方法があるかについては上記の機関でも教えてもらうことができます。
しかし、実際に借金を減らしたいという場合は、公正・中立な公的機関ではなく、以下のような債務者の味方として相談に乗ってくれる機関に相談する必要があります。
①弁護士会
各地の弁護士会では、弁護士による無料法律相談が定期的に開催されているので、利用してみるとよいでしょう。
弁護士会によっては、定期的な法律相談とは別に、随時弁護士を紹介してくれるところもあります。
通常は弁護士を選べないので、必ずしも借金問題に強い弁護士に相談できるわけではないというデメリットがあることは、後ほどご紹介する「法テラス」と同じです。
ただ、法テラスよりは弁護士会の方が早めに相談の予約を取ることができる場合が多いようです。
全国の弁護士会の連絡先は、日本弁護士連合会のホームページで調べることができます。
②司法書士会
弁護士会と同じように、各地の司法書士会でも法律相談が開催されています。
司法書士の中には弁護士と同じように借金問題に詳しい人もいるので、相談先の選択肢のひとつとして検討するのもよいでしょう。
③弁護士事務所
弁護士による無料相談は、弁護士会を通さなくても個別の弁護士の事務所に申し込むことによって受けることができる場合もあります。
無料相談を受けられる事務所は、ホームページに記載していることが多いです。
ただ、ホームページには書いていなくても、問合せをすると無料相談を受け付けてくれる事務所もあります。
無料相談を受けたい場合には、まずは弁護士事務所のホームページを検索して、相談したい事務所を探しましょう。
そして、メールや電話で申込みをすると、日程を調整して、相談を受けることができます。
個別の弁護士事務所の相談を利用する場合、弁護士(事務所)を選ぶことができる点が、大きなメリットです。
これまでの実績や経験などを参考に債務整理に強い弁護士を選ぶことができますし、年齢や男女別など、自分が相談しやすい人を選ぶことも可能です。
また、相談した弁護士にそのまま手続を依頼する際も、とてもスムーズです。
デメリットは、弁護士を探すのが手間になることです。
また、いきなり一人で知らない弁護士事務所に連絡をしたり訪ねて行ったりすることに抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれません。
④法テラス
法テラスとは、お金がない人への法律的な支援を目的にした機関です。
正式な名称は、日本司法支援センターで、全国の都道府県に「地方事務所」という支所があります。
法テラスでは、弁護士や司法書士による、無料の法律相談を実施しています。
1回30分程度です。相談を受けてもらった弁護士や司法書士を気に入った場合、そのまま各種の債務整理手続を依頼することも可能です。
法テラスの相談を利用したいときには、事前に法テラスに連絡をして、予約を取る必要があります。
法テラスの無料相談は有名で人気があるため、申込みをしても、予約が相当先になってしまうことが多いです。
このように、すぐに相談できないことは、法テラスの無料相談のデメリットと言えるでしょう。
また、法テラスで無料の法律相談を受けるためには収入が一定以下である必要があります。
基準を超える人の場合、有料(30分5000円)となります。
法テラスの無料相談を利用する場合、相談をする弁護士や司法書士を選ぶことができません。
(3)多重債務で借金をまとめたい場合
複数の貸金業者から借入れをしていて返済が苦しくなった場合、1社にまとめて借り換えることで返済が楽になることがあります。
このように、借金を借り換えてまとめることを一般的に「債務の一本化」といいます。
債務の一本化をしたい場合は、「おまとめローン」を提供している貸金業者に直接相談するのもよいでしょう。
その場合、消費者金融よりは銀行のおまとめローンを選ぶことをおすすめします。
なぜなら、消費者金融の場合はおまとめローンでも金利が比較的高く、借金を減らす効果があまり期待できないからです。
銀行系のおまとめローンは全体的に金利が低いですが、その中でもできるだけ金利が低いところを選ぶとよいでしょう。
どのようなおまとめローンを利用すればよいのかがわからない場合は、FP(ファイナンシャルプランナー)に相談してみるのもよいと思います。
FPとは、「FP技能士」(国家資格)または「AFP」や「CFP」(民間の資格)といった資格を持った人のことです。
FPは私たちの暮らしやお金に関する幅広い相談に乗り、生活設計についてさまざまなアドバイスをしてくれます。
ただ、返済が苦しくなった場合は、債務の一本化をしても借金問題を根本的には解決できないことも多いものです。
そのため、以下のところで相談してみることもおすすめします。
債務の一本化以外の方法で、借金問題の根本的な解決方法についてアドバイスを受けることができるでしょう。
- 弁護士会
- 弁護士事務所
- 司法書士事務所
- 法テラス
(4)借金を到底返済できない場合
借金を到底返済できないという場合は、借金を減らしたりまとめたりする方法では間に合わず、自己破産する必要があるケースが多くなります。
自己破産の申立てを視野に入れて相談する場合は、以下のところで弁護士へ相談すべきです。
- 弁護士事務所
- 弁護士会
- 法テラス
弁護士に依頼すれば代理人としてすべての手続きを代わりに行ってもらえるので、自己破産を申し立てる場合は弁護士に相談することをおすすめします。
(5)取り立て、督促が激しい場合
貸金業者からの取り立てや督促が激しい場合は、以下のところへ相談すべきです。
- 弁護士事務所
- 司法書士事務所
なぜなら、債務整理の依頼を受けた弁護士や司法書士が貸金業者へ受任通知書を送付すると、それ以降、貸金業者は債務者に対して直接返済を要求することを禁止されているからです。
ただし、取り立てや督促を止めるためには、実際に弁護士に依頼しなければなりません。
弁護士会や司法書士会、法テラスなどを通すと、相談して依頼するまでに時間がかかってしまいます。
そのため、個別の弁護士へすみやかに相談した方がよいです。
もし、お急ぎ出ない場合は、弁護士会、法テラスなどを通しても問題はありません。
(6)差押えを受けた場合
借金を滞納していると、貸金業者から給料などを差し押さえられてしまうことがあります。
差押えを解くためには、自己破産、個人再生または特定調停を裁判所に申し立てる必要があります。
裁判所でこれらの手続きが開始された後、差押え手続きを中止させることができます。
差押えを受けてしまった場合は、以上の手続きをすみやかに行う必要があります。
そのため、相談すべき窓口はただひとつです。
- 弁護士事務所
すぐに個別の弁護士に相談し、債務整理を依頼しましょう。
ただ、抵当権がついた住宅を差し押さえられた場合のように、担保権の実行として差し押さえられた場合は、その債務を完済する以外に差押えを解く方法はありません。
(7)突然連帯保証人として請求された場合
貸金業者から突然、連帯保証人として請求されると、納得できない気持ちになってしまうことでしょう。
しかし、法律上、債権者は連帯保証人に対して、いつ請求してもよいことになっています。
したがって、他人の借金やローンなどを連帯保証したことが事実である限り、請求されれば支払いを拒むことはできません。
支払えない場合は、請求してきた貸金業者と交渉するか、債務整理の手続きをとる必要があります。
いずれにしても、以下のところに相談して弁護士または司法書士の力を借りる必要があるでしょう。
- 弁護士会
- 弁護士事務所
- 司法書士事務所
- 法テラス
(8)ギャンブルなどで借金をしてしまう場合
本人もギャンブルなどをやめたいと思っているのにやめられず、借金をしてしまう場合は、依存症に陥っている可能性があります。
このような場合、借金を止めるための相談先としては以下のようなところがあります。
①保健所・精神保健福祉センター
全国の保健所や精神保健福祉センターでは、こころの健康や精神科医療・福祉に関する相談、ギャンブルやアルコール・薬物など各種依存症に関する相談・カウンセリングなどを幅広く受け付けています。
まずは保健所または精神保健福祉センターに相談してみて、必要があれば医療機関の紹介を受けて受診するようにするとよいでしょう。
保健所と精神保健福祉センターでの相談・カウンセリングの内容には、あまり違いはありません。どちらか近い方を利用されるとよいです。
最寄りの保健所の連絡先は厚生労働省のホームページで、精神保健福祉センターの連絡先は全国精神保健福祉センター長会のホームページで確認することができます。
②日本貸金業協会
前記「1③」でご紹介した日本貸金業協会では、「貸付自粛制度」への登録手続きを代行しています。
貸付自粛制度とは、ギャンブル等依存症や浪費癖がある人について、その情報を個人信用情報機関に登録し、一定の期間、借入れをできなくする制度のことです。
つい借金をしてしまうのを止めたい場合は、日本貸金業協会に相談した際に貸付自粛制度の利用についても申し出るとよいでしょう。
(9)借入先が闇金かもしれない場合
借入先がヤミ金だった場合は、法外な利息の支払いを要求されるうえに、支払わなければ脅迫的な取り立てを受けてしまうおそれがあります。
ヤミ金への対処は個人では難しいので、早急に以下のところに相談して、弁護士に対応を依頼した方がよいでしょう。
- 弁護士事務所
- 司法書士事務所
2、借金問題の相談の流れ
せっかく借金問題を相談するのであれば、できる限り有効に相談を活用したいところです。
ここでは、借金問題の相談の一般的な流れをご説明しますので、ご一読のうえ、必要な準備を整えておきましょう。
(1)相談の予約をする
相談を受けたいときには、まずは相談先に電話やメールをして問合せを行い、日程を調整します。
そして、決まった日時に相談場所に行くと、弁護士やカウンセラーなどに相談ができます。
なお、消費生活センターなど電話相談ができる場合もありますし、弁護士事務所などでメール相談ができる場合もあります。
その場合には電話やメールでそれぞれの機関に問合せをしましょう。
(2)用意するもの
借金の相談を受けるときには、最低限、債権者の一覧表を用意しましょう。
各債権者の名称と借入金額、借入開始日や最終返済日など、わかる範囲で記載します。債務の合計額も書いておきましょう。
それ以外には、以下のような関係する資料をすべて持参すると良いです。
- 契約書
- カード
- 振込証
- クレジットカードの引き落としのある通帳
- 内容証明郵便
- 債権者から届いた督促状
- 裁判所から届いた書類
運転免許証などの身分証明書や印鑑も持参します。
(3)面談の流れ
予約時に指定された日時に相談場所に行くと、相談を受けることができます。
相談時間は相談機関によってさまざまですが、弁護士の無料相談の場合は30分程度のことが多いです。所定の時間が過ぎると相談は終了します。
相談者の状況に応じて、債務整理などの解決策の提案を受けられることもありますし、継続相談となる場合もあります。
(4)面談の際の注意点
相談の際には、緊張する必要はないので、リラックスしながら聞きたいことをすべて聞くようにしましょう。
事前に聞きたいことをメモして持っていき、当日も聞き取ったアドバイス内容をメモしておくと役立ちます。
また、自分に不利なことや恥ずかしいことも包み隠さず話すようにしましょう。
例えば、ギャンブルや浪費が原因で借金を作ったということは話しにくいかもしれませんが、このようなことを隠していると正しい解決策にたどり着けないおそれがあります。
(5)電話相談はできる?
借金問題を抱えているとき、いきなり弁護士事務所に行くのは気が引けるし、法テラスや自治体に連絡をして相談会に行くのも面倒…、ということがあります。
そんなときには、電話相談を利用できる場合もあります。
弁護士事務所では、全ての事務所ではありませんが、受け付けてくれる事務所も結構たくさんあります。
ホームページを見て、電話相談ができると書いてある事務所を探すか、書いていない事務所に問い合わせて電話相談ができないかどうか、聞いてみましょう。
もうひとつ、利用しやすいところとしては、消費生活センターでも電話相談を受け付けています。
ただ、対応してくれるのは消費者相談センターの相談員であり弁護士ではないので、専門的なことを聞くことは難しくなる可能性があります。
また、電話相談だけで問題が解決することは少ないです。
借金問題を解決するためには、最終的には債務整理が必要になることが多いからです。
また、電話相談では、正確な情報が伝わりにくいので、アドバイスが中途半端になってしまうこともあります。
そこで、まずは気軽に電話相談を受けるのも良いのですが、その後は必ず弁護士事務所に行って、きちんと面談で相談を受けることをおすすめします。
(6)家族の借金問題も相談できる?
自分には借金がないけれども、家族に借金があって悩んでいる方も多いです。
そんなとき、家族の問題を相談することができるのかが心配になることがあるでしょう。
家族の借金問題でも、相談することは可能です。
ただ、家族の問題を解決するのは、問題を抱えている家族自身です。周囲の人が、代わりに債務整理をしてあげることはできません。
そこで、家族が借金をしているなら、できるだけ本人に相談に行かせるべきです。
本人が忙しいときや行きたがらないときには、まずは本人の代わりに相談を受けましょう。
そして、本人にその内容を伝えて債務整理を促すと良いです。
本人が債務整理をする気持ちになったら、再度本人を連れて弁護士に相談に行きましょう。
その場で本人が弁護士に対応を依頼したら、債務整理に取りかかることができます。
(7)無料で相談できる?
この記事でご紹介した相談先は、一部の弁護士事務所を除いて無料で利用することができます。
弁護士事務所についても、いまでは借金問題については無料で相談できるところが多くなっています。
ただし、どこまで無料で相談できるかについては、事前に確認しておくことが必要です。
たとえば、初回だけ無料の事務所、初回の30分だけ無料の事務所、債務整理の相談なら何回でも無料の事務所などがあります。
初回の30分だけ無料の事務所の場合、30分を過ぎると法律相談料(通常30分5000円+税)がかかってしまいます。
詳細については、こちらの記事をご参照ください。
関連記事3、借金問題を相談した後の具体的な解決方法
弁護士などの専門家に相談すると、依頼者の状況に合った最適な解決方法(通常は債務整理の方法)を提案してくれます。依頼者が希望すれば、その解決方法によって具体的な借金問題への対応を進め、あなたの抱える問題を解決します。
以下で、債務整理にはどのような種類があるのか、ご紹介します。
(1)任意整理
任意整理は、債権者と直接話合いをして借金の返済方法を決め直す手続きです。
利息をカットしたり返済期間を調整したりして、返済を楽にすることができます。
家族に知られずに手続きを進めることも可能です。
(2)特定調停
特定調停は、簡易裁判所の調停で債権者と話合いをして、借金の支払方法を決め直す方法です。任意整理を調停で行うイメージです。
関連記事(3)個人再生
個人再生は、裁判所に申立てをして借金の返済額を大幅に減額してもらう手続きです。
利息だけではなく元本も5分の1~10分の1などにまで減額できます。
(4)自己破産
自己破産は、裁判所に申立てをして借金返済義務を0にしてもらう方法です。
自己破産すると完全に返済の必要がなくなります。
4、どんなケースであっても借金の相談は弁護士がおすすめ
この記事では、借金問題を相談できる窓口を数多くご紹介してきました。
まずは相談してみたいという方は、相談しやすそうなところに相談するのも悪くはありません。
ただし、以下でご説明するように、最終的な解決は弁護士しかできないことが多いわけですから、他のところに相談するのは二度手間になってしまうということがいえます。
したがって、借金問題を早く解決するためには初めから弁護士に相談されるのがおすすめです。
(1)弁護士でないと最終的な解決ができない理由
借金問題を解決するためには通常、以下のプロセスを経る必要があります。
- そもそも返済すべき借金なのかの検討
- 返し方の検討
- 債権者との交渉
- 裁判所への申立て
- 必要に応じて借金体質の改善
最終的な債権者との交渉や裁判所への申立てを実際に代行できるのは、弁護士と一部の司法書士だけです。
司法書士の場合、借金総額が140万円を超える事案については代行することができません。
したがって、多額の借金を抱えた事案を実際に解決できるのは、弁護士だけなのです。
(2)弁護士の無料相談を利用すべき
前記「3(7)」でご説明したように、無料相談を受け付けている弁護士事務所もたくさんあります。
債権者との交渉や裁判所への申立てを依頼するには費用がかかりますが、一部の悪徳弁護士は別にして、無理な支払いを要求する弁護士はいません。
支払い方法についても、分割払いや後払い、着手金無料などといった形で柔軟に対応するところが増えていますから、相談の際に確認しましょう。
(3)弁護士に相談・依頼するメリット
最後に、借金問題を弁護士に相談・依頼するメリットをご紹介しておきます。
①業者による取り立てが止まる
弁護士や司法書士に債務整理を依頼すると、貸金業者からの取り立てが止まります。
貸金業法により、専門家の介入後は、債権者は債務者に直接請求できないことになっているからです。
②複雑な手続きをすべて任せられる
任意整理をするときは、債権者との交渉が必要です。自己破産や個人再生を申し立てるときは、たくさんの書類集めと作成が必要です。
また、裁判所や債権者とのやり取りも必要になります。
弁護士に依頼すると、以上の手続きをすべて代わりに行ってもらえるので、手間と時間、それに精神的な負担が大幅に軽くなります。
③借金を減免できる
任意整理では債権者との交渉が必要ですが、自分で交渉するよりも弁護士が専門家としての立場で交渉した方が有利な条件で和解しやすくなります。
また、借金を大幅に減額する個人再生や、借金をゼロにする自己破産の手続きについても、弁護士に任せることによって失敗のない、正確な手続きが期待できます。
④過払い金が戻ってくる可能性がある
2008年以前にサラ金やクレジットカードのキャッシングを利用していた場合は、過払い金が発生している可能性があります。
弁護士に借金問題の解決を依頼すれば、過払い金の発生に気づいて的確に返還請求を行い、取り戻せる可能性があります。
⑤相談相手がいることで心強くなる
借金問題を抱えていると、非常にストレスがかかりますが、弁護士などに相談していると「専門家が助けてくれる」という安心感を得られます。精神的に楽になるのも見逃せないメリットとなります。
まとめ
借金問題を相談できる窓口はたくさんあるので、選び方を知らなければ、どこに相談すればよいのかと迷われることでしょう。
しかし、この記事でお伝えしたとおり、問題の解決を見据えて相談されるのであれば、弁護士へ相談されることが絶対におすすめです。
弁護士に相談すれば強制的に契約させられるのではないかと不安に思われるかもしれませんが、契約を強要するような弁護士はいません。
もし、執拗に勧誘する弁護士がいたとしたら、悪徳弁護士である可能性が高いので、避けた方がよいでしょう。
借金問題を解決したい場合は、ぜひ最初から弁護士に相談されることをおすすめします。