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債権執行とは?5つのポイントで手続の基本をわかりやすく解説

債権執行とは?5つのポイントで手続の基本をわかりやすく解説

債権執行は、債務者が有する給与、預金、売掛金といった第三者への債権を差押えて換価することで、債権回収を図るための手続です。

債権執行は、高額な債権を差し押さえられる場合もあり、迅速な債権回収の手法として、実務でもよく利用されています。しかし、第三債務者が登場する等の事情もあり、事前の準備が不十分な場合には、強制執行が不奏功に終わってしまうことも珍しくありません。

そこで今回は、債権執行の基本的な仕組みや、それぞれの場面ごとでの注意点・重要ポイント等について解説していきます。

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1、債権執行とは?

債権執行とは、強制執行のうちで、債務者が第三者に対して有する債権が対象となるものを指し、債務者の給料や預金、売掛金等を差し押さえる場合が典型例といえます。

債権執行に登場する利害関係人等の基本的な関係図は上のとおりですが、動産執行や不動産執行の場合とは異なり、必ず第三者(第三債務者)が登場する点に大きな特徴があります。

(1)手続の基本的な流れ

債権執行が行われる場合の基本的な流れは次のようになります。

  • 債務名義の取得(民事訴訟・支払督促等)

    ↓

  • 執行文付与の申立て(債務名義作成機関(裁判所等)に対して行う)

    ↓

  • 債権執行の申立て

    ↓

  • 債権の差押え(裁判所による差押命令)

    ↓

  • 被差押債権の換価(取立て・転付命令)

(2)債権執行の申立てに必要なもの

債権執行の申立ては、原則として、債務者(相手方)の現在の住所(法人の場合は、本店所在地)を管轄する地方裁判所に対して行います。

申立てに際して必要となる書類等は、下記のとおりです。

  • 債権差押命令申立書(書式は裁判所で取得可能)
  • 申立手数料としての収入印紙(1件あたり4000円。債権者・債務者の人数による)
  • 郵便切手(必要な切手の種類・枚数は裁判所・事案ごとに異なる)
  • 執行文の付与された債務名義
  • 債務名義の送達証明書(債務名義作成機関で発行してもらう)
  • 資格証明書(当事者が法人の場合:商業登記簿謄本等)
  • 住民票等(債務名義と現在の当事者の住所が違う場合等に必要)
  • 当事者目録
  • 請求債権目録
  • 差押債権目録

必要書類のうちで特に注意が必要なのは、「債務名義」です。債務名義とは、当事者間の権利関係を記した公証書類のことをいい、確定判決が典型例です。当事者同士の契約書は、事前に執行受諾文言付きの公正証書(いわゆる執行証書)にしておかなければ、債務名義とはなりません。一般的な契約を執行証書にするケースは多くないといえますから、債権執行を行う際には、その前提として、民事訴訟や支払督促といった手続を経なければなりません。

2、差押禁止債権

私たちの生活・取引の中では、さまざまな債権が発生します。債権執行は、幅広い選択肢の中から、有利な債権を選択することができ、迅速に債権を回収できる可能性のある方法として、大きなメリットがあります。

しかし、実際には、ありとあらゆる債権の差押えが可能というわけではなく、法律によって以下の債権の差押えが禁止されています。

(1)給料の差押え

債務者が勤務先から受け取る毎月の給料(債権)は、個人の債務者に対する債権執行の典型的な対象といえます。しかし、給料は、債務者の生活を支える重要な資金源でもあるため、法律はその差押えに一定の制限を設けています。強制執行によって給料全額が差し押さえられてしまうことになれば、債務者は日常生活にも窮してしまうことになってしまうからです。

①給料差押えの原則

給料の差押えは、給料額の1/4までしか差し押さえることができないのが原則です(民事執行法152条)。たとえば、1ヶ月の給料が20万円という債務者の場合であれば、差し押さえることが可能なのは、5万円まで(3/4の15万円は差押禁止)ということになります。

②債務者が高額の給料を受け取っている場合

債務者が高額の給料を受け取っている場合には、1/4を超える差押えをしても、債務者が生活に窮することはないともいえます。そこで、毎月の給料のうち33万円を超える部分については、上の原則の例外として、給料の差押えをすることが認められています。たとえば、債務者が得ている1ヶ月の給料が100万円という場合には、差押え可能額は100万円の1/4の25万円ではなく、100万円から33万円を引いた67万円ということになります。

③債権が債権者の生活原資となっている場合

なお、申立人(債権者)が有する債権が、養育費や婚姻費用といって、債権者自身の生活の基盤となるものである場合には、差押禁止の割合が3/4ではなく、1/2となり、差押え可能額が増額されます。

④差押禁止範囲の変更

債務者の事情によっては、給料の1/4の差押えであっても、最低限度の生活を維持できなくなるほどの大打撃になってしまうこともありえます。そのような場合には、債務者からの申立てによって、差押禁止の範囲がさらに拡げられる(差押え可能な範囲が1/4以下になる)こともあります。

(2)年金等の差押え禁止

年金や生活保護費・児童手当は、債務者の生活の基盤となる収入源である点では、給料と同じといえます。そこで、これらの債権については、民事執行法とは別に、個別の法律(国民年金法、厚生年金保険法、生活保護法、児童手当法)によって、差押えが禁止されています。

3、債権差押えの効力

債権を差し押さえた場合には、法律上、次の効果が発生します。

(1)債務者に対する効力(債権の処分禁止)

債権が差し押さえられた場合には、その債権の処分が禁止されます。差押えがなされたにも関わらず、その債権がさらに他人に譲渡されたり、債務者が第三債務者に対して支払いを免除するようなことになってしまえば、差押えの目的を達成することができなくなってしまうからです。

(2)第三債務者に対する効力(債務者への弁済禁止)

すでに述べたように、債権執行の大きな特徴は、差押債権(申立人(債権者)が有する債権)とは無関係な第三債務者が存在することです。そこで、債権が差押えられた場合には、第三債務者に対しても「債務者への弁済を禁止する」という効力が発生します。

(3)第三債務者による供託

債権の差押えは、第三債務者にとっては突然の出来事という場合も少なくありません。また、債権者と債務者との争いごとに巻き込まれることを嫌う第三債務者もいないとは限りません。そのような場合には、第三債務者が差し押さえられた債権を供託する場合があります。

また、複数の債権者によって債権の差押えが競合した場合には、その配分を裁判所が決める必要があることから、被差押債権は必ず供託されることになっています。

4、差し押さえた債権の換価方法

差し押さえられた債権は、次の方法で換価され、債権者は債権を回収することになります。

(1)債権者による取立て

債権が差し押さえられた場合には、第三債務者に対して差押命令が送達された日から1週間(上で解説した差押禁止債権に該当する債権が差し押さえられた場合は4週間)が経過すると、「債権者による取立て」が可能となります。

ここでいう取立てとは、債権者が第三債務者から直接の支払いを受けることです。ただし、このような対応を第三債務者が嫌ったような場合には、第三債務者によって差押債権額に相当する金銭が供託される場合もあることは、すでに上でも解説したとおりです。

(2)転付命令

転付命令とは、債権者からの申立てにより、債務者から債権者への支払いに代えて、券面額で債務者の第三債務者に対する債権(被差押債権)に転付することをいいます。もう少し、わかりやすくいえば、転付命令によって、債務者の第三債務者に対する債権が、債権者に帰属するようになります。

したがって、結論だけをいえば、差押え債権者は、第三債務者から直接の弁済を受けるという点では、取立てと同じということになります。しかし、取立てによる方法と、転付命令による方法には、次のような違いがあります。

  • 転付命令を受けた場合には、その債権からの弁済を独占できる(取立ての場合には、他の債権者と競合する可能性がある)
  • 転付命令を受けた場合には、券面額で債権が弁済されたことになるため、第三債務者が無資力で、第三債務者からの支払いがなされない場合でも、それ以上、債務者に請求をしたりすることはできず、第三債務者の無資力というリスクを債権者が負担することになる(取立ての場合には、実際に受領した金額についてのみ弁済の効力が生じるため、債務者が他の財産を有していれば、そちらにも執行できる)
  • 転付命令は、他人に譲渡可能な債権を差し押さえた場合のみ利用できる

(3)その他の方法

債権執行の場合の換価の方法は、上の2つが代表的な方法ですが、次のような方法で行われるケースもあります。

  • 譲渡命令(支払いに代えて債権者に被差押債権を譲渡する方法(転付命令の応用))
  • 売却命令(裁判所の定める方法で被差押債権を第三者に売却する方法(強制競売の応用))
  • 管理命令(強制管理(家賃収益から債権者へ配当する方法)の応用)

5、弁護士に債権執行を依頼するメリット

債権執行の手続は、債権者本人が自分だけで行うこともできますが、弁護士に依頼した方が、債権執行が成功する確率も高くなるといえます。

なぜなら、債権執行を成功させるためには、債務者だけでなく、第三債務者についても調査を行う必要がある場合も多く、それぞれの状況にあわせて、差し押さえるべき債権や差押えの実施時期等を戦略的に進めていく必要があるからです。

特に、債権を特定するために必要な調査や、第三債務者の調査等は、一般人には難しい場合が多く、それらの対応が不十分だったために、債権差押命令が発令されたものの、空振りに終わってしまうケースや、第三債務者から任意の支払いを拒否され、回収に手間取るケース等も珍しいことではありません。

まとめ

債権執行は、不動産執行に比べて費用が安く、機動的に実施できるだけでなく、動産執行とは異なり、多額の債権を回収できるケースも少なくないという点で、非常にメリットの大きい債権回収の方法といえます。

しかし、債権執行には、必ず直接の当事者ではない第三債務者が登場するため、予期しない出来事等に振り回されてしまうことも珍しくありません。

債権執行を弁護士に依頼すれば、これらのリスクを軽減するために、さまざまな対応を行いながらも、債権回収にとって何よりも大切なスピード感をもって、手続を進めることが可能となります。また、書面作成や相手方等との交渉、裁判所への対応も一任できるため、時間的コスト、精神的な負担も大幅に軽減できます。

ベリーベストでは、債権回収実務に詳しい弁護士が、それぞれのケースについて最善の債権回収プランをご提案させていただきます。お困りの際には、お問い合わせください。

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