「配偶者が離婚慰謝料を支払おうとしないので、離婚調停で慰謝料を請求したい」
このようにお考えの方も多いのではないでしょうか。
離婚調停は、離婚問題について家庭裁判所で調停委員を介して話し合う手続きであり、話し合いがまとまれば慰謝料を獲得することも可能です。
夫婦生活において何らかの心の傷を負った以上、少しでも多くの慰謝料を獲得したいところでしょう。
とはいえ、ほとんどの方にとって離婚調停は初めての経験でしょうから、何から手をつければいいのか分からないという方が多いことと思います。
そこで今回は、
- 離婚調停で慰謝料を請求する方法
- 離婚調停で獲得できる慰謝料の相場
- 相手に資力がない場合でも離婚調停で慰謝料を請求できるのか
などについて、数多くの離婚調停依頼で慰謝料獲得を成立させてきたベリーベスト法律事務所の弁護士が分かりやすく解説していきます。
その他にも、離婚調停で慰謝料を請求するときの注意点なども解説しますので、この記事が、離婚調停で慰謝料請求をお考えの方の手助けとなれば幸いです。
離婚の慰謝料について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
目次
1、離婚調停では慰謝料請求もできるの?
まずは、そもそも離婚調停で慰謝料請求ができるのかというところからご説明していきます。
(1)離婚調停で話し合えるのは離婚の成否だけじゃない
離婚調停とは、その名のとおり離婚問題について話し合うための調停です。
したがって、第一に話し合うことは、離婚するかどうかについてです。
ただ、夫婦が離婚するためにはさまざまなことを取り決めなければなりません。
そのため、離婚調停では離婚の成否だけではなく、離婚に関するあらゆることを話し合うことができます。
(2)離婚調停で話し合えること
離婚調停では、以下の離婚条件について話し合うことができます。
①慰謝料
夫婦が離婚するときには、慰謝料が発生することがあります。
離婚調停において、慰謝料を支払うかどうか、支払うとしていくら支払うのか、いつ支払うのか、等を話し合いの上で取り決めることができます。
②子供の親権
夫婦の間に未成年の子供がいる場合には、離婚するときにどちらか一方を親権者に指定しなければなりません。
親権についても、離婚調停の中で話し合って指定できます。
③養育費
未成年の子供の親権者となった親は、(元)パートナーに対して子供の養育費を請求できます。
その金額や支払い方法も、離婚調停において話し合い、取り決めることができます。
④面会交流
一方、親権を獲得できなかった側の親には、定期的に子供に会って親子の交流を図る「面会交流」を行う権利があります。
面会交流の頻度や方法も、離婚調停で決めることが可能です。
⑤財産分与
夫婦は婚姻中に共同して財産を築いているものなので、離婚時には夫婦共有財産を分け合うことを請求できます。
具体的にどちらからどちらに対して、どれくらいの財産を渡すのかについて、離婚調停で取り決められます。
⑥年金分割
夫婦が離婚するときには、厚生年金の納付記録の分割を請求できます。
離婚調停の中では、その分割割合を話し合って決めることができます。
⑦婚姻費用については別の調停が必要
夫婦が別居している場合には、収入が少ない側から多い側に対して、生活費(婚姻費用)の支払いを請求できます。
ただし、婚姻費用の分担は夫婦関係の継続を前提とした問題ですので、離婚調停の中で取り決めることはできないこととされています。
婚姻費用の分担を請求するには、別途、「婚姻費用分担請求調停」を申し立てる必要があります。
(3)慰謝料はそもそも発生していなければ請求が難しい
上記のとおり、離婚調停の中で慰謝料を請求することも可能です。
法律上、慰謝料は不法行為によって精神的苦痛を受けた場合に請求できるものです。
離婚の場合、慰謝料を請求できるのは主に以下のような事情がある場合です。
- 不倫・浮気など不貞行為をされた場合
- DV(身体的暴力)、モラハラ(言葉・精神的暴力)を受けた場合
- 悪意の遺棄の場合(生活費や養育費を払わない、理由もなく同居しないなど)
- セックスレス(長期間にわたる性交渉の拒否)
なお、単なる「性格の不一致」で離婚を求める場合は、パートナーが不法行為をしたわけではありませんので、慰謝料請求は難しいです。
そのような場合は、離婚調停に進む前の離婚協議において「解決金」などの名目で金銭の支払いを求める方が話し合いもまとまりやすいといえます。
当事者だけでは話し合いが進まない場合には、弁護士に間に入ってもらうことをおすすめします。
2、離婚調停で慰謝料を交渉するメリットとデメリット
離婚の慰謝料を請求するには、必ずしも離婚調停を申し立てる必要はなく、夫婦の話し合いで慰謝料を獲得することも可能です。
それでは、離婚調停で慰謝料を話し合うことにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
デメリットとともに確認していきましょう。
(1)メリット
メリットとしては、以下の2点が挙げられます。
① 調停委員が間に入るので、話し合いがまとまりやすい
当事者同士での話し合いではどうしても双方感情的になってしまい、なかなか話し合いがまとまらないことも多いでしょう。
また、法律の知識が十分でないために、「払う・払わない」「いくら払うのか」という問題で話し合いが並行線となるケースも少なくありません。
そのような状況でも、調停委員という第三者が間に入ることで、冷静に話し合いを進めることが可能となります。
調停委員が専門的なアドバイスや、場合によっては説得も交えて話し合いを進めていきますので、当事者だけで話し合うよりも解決しやすくなります。
② 決まった内容には強制力が伴う
調停で話し合いがまとまれば、調停調書が作成されます。
調停調書には、確定した判決と同じ法的効力があります。
仮に相手が約束通りに慰謝料を支払わない場合でも、容易に相手の貯金や給料を差し押さえることができます。
つまり、強制的に慰謝料を回収することも可能となります。
(2)デメリット
一方で、離婚調停で慰謝料を請求することには以下のデメリットもあります。
① 請求原因に関する一定の証拠を準備することが必要
慰謝料を請求するには、その原因となる事実を指摘する必要があります。
パートナーが事実を否定する場合には、証拠がなければ話し合いを続けることが難しくなります。
調停委員があなたの言い分を理解してくれたとしても、証拠がなければパートナーを説得することは困難です。
そのため、離婚調停で慰謝料を請求するためには、一定の証拠を準備することが必要となります。
② 枠を超えた高額な金額は認められない
離婚の慰謝料には、後ほどご説明するように、請求原因ごとに枠(相場)があります。
調停委員がパートナーを説得してくれるとしても、枠を超えた高額の慰謝料を支払うように説得することは困難です。
そのため、離婚調停では慰謝料の支払いが認められる場合、金額は相場の枠内に収められることがほとんどです。
枠を超えた高額の慰謝料を求めるなら、離婚協議でカタを付ける方が得策であるといえます。
3、①請求できる金額はいくら?
次に、離婚調停で慰謝料を請求する場合に、いくらの金額を獲得できるのかについてご説明します。
(1)慰謝料額は請求原因により異なる
慰謝料の金額には明確な基準があるわけではなく、調停委員を通じての話し合いで取り決めていくことになります。
もっとも、過去の裁判例等に基づいておおよその相場が形成されており、調停委員も相場の枠内に当事者を導こうとします。
慰謝料の相場は、請求原因ごとに以下のように異なります。
①浮気・不倫の場合
数十万円~500万円
②DV(身体的暴力)、モラハラ(言葉・精神的暴力)の場合
数十万円~300万円
③悪意の遺棄の場合
数十万円~300万円
④セックスレスの場合
数十万円~300万円
これらの金額はあくまでも目安であり、枠の範囲内でどれくらいの金額がもらえるのかも事案ごとにことなります。
詳しくは「離婚慰謝料の相場と弁護士が教える300万円以上獲得する方法」をご参照下さい。
(2)慰謝料が高額化する要素
上記のように、慰謝料の相場には請求原因ごとに大きな幅があります。
以下のような事情があると高めの慰謝料をもらうことができる傾向にあります。
調停では、これらの事実を証明する証拠を提示できるとよいでしょう。
- 婚姻期間が長いこと
- 相手の年収が高いこと
- 夫婦の年齢が高めであること
- 不倫関係が長いこと
- DV・モラハラの期間が長く回数が多いこと
- 悪意の遺棄にあたる別居期間が長いこと
- セックスレスの期間が長いこと
詳しくは「離婚慰謝料請求の金額の相場と300万円以上もらう方法」をご参照下さい。
(3)高額の慰謝料を勝ち取るためのポイント
離婚調停を通じて高額の慰謝料を勝ち取るためには、以下のポイントに注意して調停を進めることが重要です。
①具体的な事情を主張する
まずは、調停委員に対して具体的な事情を詳しく説明することが大切です。
パートナーが不倫をした場合なら、単に不倫をされたと言うだけでなく、例えば以下のような事情をできる限り詳細に説明しましょう。
- いつからいつまで不倫していたのか
- 誰と不倫していたのか
- パートナーと不倫相手との関係(上司と部下、古くからの友人、など)
- どのような交際をしていたのか
- 不倫されていた間の夫婦生活の状況
- 不倫されたことを知って自分はどのような気持ちだったか
パートナーの行為の悪質性が調停委員に伝われば伝わるほど、高額の慰謝料を獲得できる可能性が高くなります。
②有力な証拠を提出する
詳細な事情を説明できたとしても、パートナーが事実を否定した場合、その事情を裏づけることができなければ慰謝料の獲得は難しくなります。
そのため、証拠を提出することも重要です。
できれば、以下のように言い逃れができないような決定的な証拠を提出することが望ましいです。
- 性行為をしている最中の動画像
- 2人でラブホテルに出入りする動画像
- 肉体関係を持ったことが明らかとなるメール等のやりとり
どうしても間接的な証拠しかない場合は、できる限り数多くの証拠を集めるようにしましょう。
③調停委員を味方につける
離婚調停では調停委員が話し合いをリードしていきますので、有利に進めるためには調停委員を自分の味方に付けることがポイントとなります。
もっとも、調停委員は中立公平な立場なので、表だって一方の味方をするわけではありません。
調停委員を味方につけるということは、調停委員にこちらの言い分の正当性を理解してもらい、高額の慰謝料をもらえなければ可哀想だと同情してもらうことを意味します。
そのためには、上記のように具体的な事情を伝えて証拠も提出することを基本としつつ、パートナーの行為によって自分がどれほどの精神的苦痛を受けたのかを分かりやすく伝えるようにしましょう。
ただし、パートナーの行為の悪質性を調停委員に印象づけようとして、感情的になったり、必要以上にパートナーを非難するのはやめておくべきです。
このような態度では調停委員の印象が悪くなり、同情してもらえなくなる可能性が高いです。
④分割払いに応じる
慰謝料の金額に関する交渉術として、分割払いに応じるのもひとつの方法です。
同じ慰謝料300万円を請求する場合でも、一括で支払える人は多くありませんが、分割なら支払いに応じてもらえる可能性が高まります。
協議離婚の場合は、分割払いの約束をしても相手が途中で支払いを止めることも多いですが、調停の場合は調停調書に基づいて強制的に慰謝料を回収することも可能です。
したがって、離婚調停では分割払いを提案して交渉することも、高額な慰謝料の獲得につながりやすいといえます。
⑤弁護士に依頼すると有利になるケースもある!
離婚調停は自分で行うこともできますが、弁護士に依頼すると慰謝料請求で有利になるケースもあります。
そもそも調停委員に具体的な事情を説明したり、有力な証拠を確保するためには専門的な知識も必要となります。
その上で調停委員を通じてパートナーと交渉するため、高度な交渉力も要求されます。
弁護士がついていれば、これらのプロセスについて全面的なサポートが受けられます。
高額の慰謝料を獲得したいなら、弁護士の力を借りることも検討してみましょう。
(4)500万円を請求できた具体例
離婚調停で獲得できる慰謝料の金額は、上記のように事案によっても異なりますし、請求方法によっても異なってきます。
ここでは、実際に500万円の離婚慰謝料を獲得できた事例をご紹介します。
①夫のモラハラ等で慰謝料500万円を獲得した事例
夫が妻の男性関係を邪推して妻を追い出した上に、離婚に同意しない妻に対してその後も約7年半にわたって執拗な嫌がらせを繰り返したケースで、夫に500万円の慰謝料の支払いが命じられました(東京高裁昭和54年1月29日判決)。
②夫のDV等で慰謝料500万円を獲得した事例
夫が酒食や女遊びで浪費して妻に生活費を渡さなかった上に、妻に対して度重なる暴行・傷害を加えたケースで、夫に500万円の慰謝料の支払いが命じられました(大阪家裁昭和50円1月31日審判)。
③セックスレスで慰謝料500万円を獲得した事例
夫が夫婦関係に無関心であったため、性交渉のないまま婚姻後1ヶ月足らずで別居・離婚したケースで、夫に500万円の慰謝料の支払いが命じられました(京都地裁平成2年6月14日判決)。
この事例では、結婚前の妻の貯金から約450万円の結婚費用を使っていたことと、結婚退職した妻が別居後に再就職をしても収入が以前の3分の1以下しか得られなかったことも考慮されています。
4、②離婚調停で慰謝料を請求する流れ
それでは、離婚調停で慰謝料を請求する場合の調停の流れを具体的にみていきましょう。
(1)まずは申し立て書類を充実させる
離婚調停は、必要書類と費用を管轄の家庭裁判所へ提出することによっても申し立てます。
必要書類と費用、申立先の裁判所について基本的なところは「離婚調停の申し立て方法|調停を有利に進めるための10個のポイント」の記事をご参照ください。
慰謝料を請求する場合は、離婚だけを求める場合に比べて、以下の3つの書類の記載を充実させることがポイントとなります。
- 夫婦関係調整調停申立書
- 事情説明書
- 陳述書
「夫婦関係調整調停申立書」には、離婚したいということと、慰謝料の請求額、その他にも養育など請求したいことがあればその内容を記載します。
そして、その請求を根拠づける事実は「事情説明書」に記載し提出します。
しかし、家庭裁判所の雛形では主張する事実を記載するスペースが狭いため、この書面だけでは十分に書ききれないことが多いはずです。
そのため、別途「陳述書」という書面を作成し、この書面に主張したい事実や自分の気持ちなどを物語形式で記載していきます。慰謝料を求める場合には、具体的にどのようなことが行われ、その行為がどれほど悪質なものであり、自分がどの程度の精神的苦痛を受けたのかを調停委員に伝えることが重要です。
陳述書は必ず提出しなければならないものではありませんが、慰謝料請求を有利に進めるためには、ぜひ提出しておくことをおすすめします。
(2)調停期日では最初に離婚の成否について話し合う
離婚調停の申し立てが受理されると、1ヶ月半~2ヶ月程度先に第1回調停期日が指定されます。慰謝料を請求した場合でも、まずは離婚するかどうかについての話し合いが行われます。
パートナーが離婚することに同意した場合は、慰謝料の話し合いに移っていきますが、パートナーが離婚に同意しない場合には、前記「3」でご説明したように、調停委員に対して具体的な事情を主張するとともに有力な証拠も提出し、調停委員を味方につけることが大切です。
申し立て段階で詳細な陳述書を提出しておけば、調停委員がこちらの言い分を理解した状態で調停が始まりますので、話し合いを有利に進めやすくなります。
(3)慰謝料の金額や支払い方法については粘り強く話し合う
離婚だけを求める場合なら、1回の調停で話し合いがまとまることもよくありますが、慰謝料を請求する場合には、第2回、第3回と調停期日が継続的にもうけられるケースが多くなっています。
高額の慰謝料の支払いを獲得するには、ある程度は調停が長引いてでも、粘り強く話し合った方が良い結果につながりやすい傾向にあります。
パートナーが慰謝料の金額で渋っているような場合には、分割払いや、不動産・株式などの物・債券での支払いを提案するなどして交渉を進めていきましょう。
もっとも、パートナーが「慰謝料は一切支払わない」と言って一歩も譲ろうとしない場合は、早めに調停を打ち切って離婚裁判(訴訟)に進んだ方がよい場合もあります。
(4)離婚調停がまとまらなかった場合は離婚裁判(訴訟)へ進む
離婚調停がまとまらなかった場合、調停は「不成立」として終了します。
その後は、別途家庭裁判所へ訴状を提出することによって離婚裁判(訴訟)を提起します。
裁判(訴訟)では、前記「3」(4)でご紹介したように高額の慰謝料を獲得できるケースもあります。
裁判(訴訟)では、証拠の裏づけのない主張は認められませんので、有力な証拠を提出することが極めて重要です。
証拠はできる限り早い段階で集めておくようにしましょう。
どのような証拠を集めればよいのかや、証拠の集め方がわからない場合は、弁護士に相談することをおすすめします。
5、③相手に資力がない場合も請求できるの?
離婚調停で慰謝料を請求したいと思っても、パートナーが働いていない、多額の借金を抱えている、などの理由で支払い能力がない場合もあるでしょう。
結論から言いますと、このような場合でも慰謝料の請求は可能です。
慰謝料は相手の不法行為によってこうむった精神的苦痛に対する損害賠償金なので、相手の資力には本来無関係だからです。
ただし、パートナーに資力がない場合は、慰謝料の支払いを取り決めても実際に回収するのが困難な場合が多いという問題があります。
そのような場合は、分割払いによって少しずつでも回収するのが最も現実的な方法といえます。パートナーに持ち家や自動車、株券などがある場合には、それらの物や債券で払ってもらうように交渉するのもよいでしょう。
6、離婚調停で慰謝料請求をするときの2つの注意点
最後に、離婚調停で慰謝料請求をするときに見落としがちな注意点が2つありますので、ご説明します。
(1)パートナーと不倫相手の両方から二重取りはできない
パートナーが不倫をした場合は、パートナーだけではなく、不倫相手に対しても慰謝料を請求することができます。
不倫相手に請求する場合は、離婚調停の中では話し合えませんので、別途、話し合いや調停、民事訴訟等を行うことになります。
ただし、慰謝料をパートナーと不倫相手から二重取りすることはできません。
例えば、慰謝料300万円を請求できるケースで、パートナーから300万円、不倫相手からも300万円、合計600万円を獲得することはできないということです。
なぜなら、不倫は不倫をした2人の共同不法行為であり、あなたが受けた精神的損害に対して2人が連帯して賠償責任を負うものだからです。
あなたの受けた精神的損害が300万円分であれば、2人が支払うべき慰謝料の合計額が300万円となるのです。
したがって、パートナーから慰謝料全額を回収した場合は、不倫相手に対しては慰謝料請求できないことになります。
もっとも、話し合いの上で合意ができれば二重払いしてもらうことも可能ではあります。
(2)長丁場の離婚調停に備えて婚姻費用分担請求もしておこう
離婚調停の期間は、平均して3ヶ月~6ヶ月かかります。
慰謝料を支払うか支払わないか、いくら支払うかでもめた場合は、6ヶ月以上かかることも少なくありません。
離婚が成立するまで慰謝料はもらえませんので、その間の生活費を確保するために、婚姻費用分担請求も合わせてしておきましょう。
婚姻費用とは、夫婦の共同生活に要する生活費のことです。離婚に向けて別居している場合でも、離婚が成立するまでは夫婦ですので、パートナーに対して婚姻費用の分担を請求できます。
パートナーが任意に生活費を支払ってくれない場合は、離婚調停を申し立てるのと同時に、「婚姻費用分担請求調停」も申し立てておきましょう。
2つの調停の期日は同じ日時に指定され、同時に話し合いが行われます。
離婚調停が長引く場合でも、婚姻費用分担請求調停は1~2回の期日で成立し、生活費を支払ってもらえるようになることが多いです。
まとめ
離婚調停では、離婚の成否だけでなく、慰謝料についても話し合って取り決めることができます。
しかし、パートナーとしても高額の慰謝料を請求されると本腰を入れて反論してきますので、調停がスムーズに進まないことも少なくありません。
調停を有利に進めるためには、しっかりとした主張と証拠を提出し、調停委員を味方につけることが重要です。一人では対応が難しいと感じる場合は、すぐに弁護士に相談することをおすすめします。弁護士はあなたの味方となり、離婚調停を全面的にサポートしてくれます。