浮気調査は自分で行うことは可能なのでしょうか。
夫が浮気しているのではないかと気になったとき、浮気調査を自分ですべきか探偵事務所に調査を依頼すべきか迷う人が多いでしょう。
浮気調査を自分ですれば費用をおさえることはできます。しかし、夫が浮気しているのかについて、真相がつかめなければ調査の意味がありません。
今回は、浮気調査を自分でするメリットや、浮気調査を自分ですべきかどうか悩んだときに考えるべきことを、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
浮気調査全般については以下の関連記事をご覧ください。
目次
1、浮気調査を自分で行うメリット
浮気調査を自分で行おうか、探偵事務所に依頼しようか迷っている方は、まず浮気調査を自分で行うメリットを確認してみましょう。
(1)費用をおさえられる
浮気調査を探偵事務所に依頼するとなれば、当然費用が必要です。
浮気調査にかかる費用は、どの程度の証拠を求めるかによっても変わってきます。
浮気をしているかどうかの調査だけであれば、10万〜20万円で依頼できる事務所もあります。
一方、裁判で提出できるレベルの証拠を必要とする場合、数十万円〜100万円以上かかる場合もあります。
浮気調査にかかる費用は、決して安価ではありません。浮気調査を自分で行えば、浮気調査にかかる費用を探偵事務所に支払う必要がないため、経済面での負担がなくなります。
(2)他人に相談しなくて済む
夫の浮気について、他人に相談することに恥ずかしさを覚える人もいるでしょう。友達や親など近しい人であっても、夫の浮気を相談できない人は多いのではないでしょうか。
夫に浮気されているという事実に恥ずかしさを感じる人にとって、自分で浮気調査を行えば、他人に相談しなくて済むというメリットがあります。
(3)自分以外の人に浮気の存在を知られずに済む
夫の浮気を許せなかったとしても、夫が浮気していることを第三者に知られてしまうことに、抵抗感のある女性は少なくありません。いくら探偵事務所がプロであっても、探偵事務所に浮気調査を依頼すれば、探偵事務所に夫の浮気の存在を知られてしまいます。
もちろん、守秘義務を設けている探偵事務所がほとんどですが、夫の浮気を知られてしまうことに、精神的な抵抗感を感じる人が多いのも事実です。自分で浮気調査を行えば、浮気の存在を自分以外の人に知られずに済むという安心感があります。
2、浮気調査を自分ですべきかどうか悩んだときに考えるべきこと
ここからは、浮気調査を自分ですべきかどうか悩んだときに考えるべきことについて、解説します。
(1)探偵事務所に頼んだ場合の費用対効果
浮気調査を自分で行うべきか悩んでいる人にとって、まず気になるのが、探偵事務所に依頼した場合の費用ですよね。探偵事務所に費用を支払えば、確かに経済的には、マイナスになるように見えます。
費用の相場は、調査内容にとっても異なりますが、しっかりした証拠を準備する場合は、100万円ほどの費用がかかるケースもあります。
浮気調査を自分で行うべきか否かを考えるときは、単純な経済的負担だけではなく、費用対効果も見るようにしましょう。費用面と比べて、自分で浮気調査をする手間や、自分で夫の浮気現場を見てしまう精神的負担などを考えて、総合的な面から費用対効果を考えてみてください。
(2)自分の労力や時間
自分で浮気調査をする場合、どうしても自分の労力や時間がかかります。
たとえば、夫の浮気現場をおさえたくて、夫の行動を尾行するとします。夫が家に帰ってくるのか、浮気相手と会うのか、正確な情報がわからないケースもあるでしょう。自分で浮気調査をするのであれば、夫が浮気する可能性に賭けて尾行したり、浮気現場を見に行ったりしないといけません。浮気調査をする間、あなたは自分の労力や時間を、夫の浮気現場をおさえるために使うことになるのです。
自分で浮気調査をすると、自分も家に居られる時間が少なくなったり、家に居ない時間が増えていることを夫に不審がられたりしてしまう可能性があります。浮気現場をおさえたいがあまり、浮気現場で夫や浮気相手と鉢合わせになってしまうリスクもあるでしょう。
以上のようなリスクや労力・時間をかけてでも、自分で浮気調査を行う必要があるのかは、じっくり考えてみる必要があります。
(3)探偵事務所の信頼性
探偵事務所に浮気調査を依頼することを検討するときは、探偵事務所の信頼性もしっかり確認しましょう。
浮気調査はプライベートな情報の中でも、特に外部に知られたくない情報です。仮に、探偵事務所が夫の浮気現場の証拠をおさえてくれたとしても、その情報が外部に知れ渡ってしまったらあなたも夫も困りますよね。夫にも、あなたが探偵事務所を利用したことが、すぐに伝わってしまいます。
探偵事務所に浮気調査を依頼する場合は、その探偵事務所がしっかり守秘義務を守る信頼性のある事務所かどうか吟味しましょう。
(4)自分に降りかかるリスク
浮気調査は自分で行うこともできますが、自分で行う場合には注意が必要です。浮気調査を自分で行い、調査の度がすぎると、あなたが行ったことが犯罪になる可能性があるからです。
犯罪になる方法で浮気調査を行い、その証拠を裁判で提出しても、証拠として採用されないケースがあります。仮に、証拠として採用されたとしても、夫側から損害賠償請求をされたり刑事告訴されたりするリスクもあります。浮気調査を自分で行う場合、犯罪になったり損害賠償請求をされてしまったりするのであれば、非常にリスクのある行動になってしまうでしょう。
浮気調査を自分で行う場合は、犯罪行為に該当しないよう十分に注意してください。
(5)自分への精神的打撃
夫の浮気を勘付いたときは、「何としてでも浮気現場をおさえたい!」と感情的になる女性が少なくありません。
しかしながら、結婚相手である夫が自分以外の女性と浮気している姿を自分で目撃するのは、想像以上に精神的打撃を受けるでしょう。
夫が浮気していることを認識しているのと、実際の浮気現場を目撃するのとでは、あなたが傷つく程度が全く異なります。
これ以上傷つきたくない人は、探偵事務所に浮気調査を任せることをおすすめします。
浮気現場を直接目撃するのではなく、探偵に任せて写真等の証拠で確認した方が、精神的打撃が少ないと言えるでしょう。
(6)証拠としての確実性
自分で浮気調査をして、浮気の証拠を使用したい場合には、証拠としての有効性・確実性もしっかり検討しなければなりません。
自分で浮気調査を行い浮気の証拠をおさえたつもりでも、いざ裁判になったときに、証拠としての有効性が認められないと判断される場合もあります。
夫の浮気を確実に証明したければ、証拠の有効性・確実性も含め専門家のアドバイスが必要になるでしょう。
3、浮気調査をして浮気が発覚した後、あなたはどうしたいのか?
浮気調査を自分で行うにしろ探偵事務所に依頼するにしろ、あなたが考えておかなければいけないことがあります。それは、浮気調査をして夫の浮気が発覚した後、あなたはどうしたいのかということです。
以下では、ケースごとに必要な行動を解説していきます。
(1)離婚したい場合
夫の浮気が発覚した後、あなたが夫と離婚することを考えている場合、確実な浮気の証拠をつかむ必要があります。
夫としては、たとえあなた以外の女性と浮気をしていたとしても、あなたとの離婚までは望んでいないケースもあります。
夫が離婚を望んでおらず、浮気の確実な証拠もつかめていないとなると、離婚できない可能性も出てきます。
離婚したい場合は、夫の浮気に関する確実な証拠をつかむために探偵事務所を含めたプロに浮気調査を依頼したほうが確実でしょう。
(2)夫との関係を再構築したい場合
夫の浮気が発覚したとしても、夫との関係を再構築することを望む人もいます。
夫との関係の再構築を望む場合、浮気の証拠をつかんだ後、あなたがどのような行動をとるべきか考えておきましょう。
浮気現場の証拠を夫に見せるべきか、浮気を知っている事実を夫に打ち明けるかなども含めて、あなたの夫に対する行動方針を決める必要があります。
浮気の事実を打ち明けて、夫との今後の関係再構築に向けて話し合えるケースもあります。
しかし、なかには浮気の事実を知られたことで、夫側に離婚の意思が固まる場合もあります。
夫に浮気の事実を打ち明けることは、夫から離婚を言い渡されるリスクもあることを踏まえたうえで、あなたがどのような行動をとるべきか考えましょう。
(3)謝ってもらって気持ちの整理をしたい場合
あなたに離婚をする意思はないものの、浮気をしたことを夫に謝ってもらって気持ちの整理をつけたい場合もあるでしょう。
この場合、しっかりとした浮気の証拠を夫に示し、謝罪してもらいましょう。
謝罪をすることに加え、二度と浮気をしないことを書面にまとめるケースもあります。
書面を作成する場合は、その内容や作成方法なども含め弁護士に相談することをおすすめします。
(4)子供がいる場合の注意点
あなたと夫との間に子供がいる場合は、以下の点に注意しましょう。
①浮気をしたことと親権は切り離して考える必要がある
子供がいる場合は、注意が必要です。
夫の浮気を理由に離婚手続を進める場合、浮気をした側に、子供の親権は渡らないと勘違いしている人がいます。
しかし、浮気をしたことと子供の親権は切り離して考える必要があります。
夫が浮気したからといって、絶対に夫に子供の親権が渡らないかというと、そうではありません。
子供がいる場合、親権を持てなくなるリスクがゼロではないことも踏まえたうえで、あなたの方針を決めましょう。
②離婚しても子供の面会などで夫と会う可能性
夫の浮気が原因で離婚したとしても、子供がいる限り、夫との縁が完全に切れることはありません。
子供が夫に会いたがっていたら、会わせることもあるかもしれません。
離婚の際に、夫と子供との面会について取り決めることもあるでしょう。
夫との関係は完全に切れないことが多いですので、離婚したとしても子供の面会交流のために、夫と会うことになる可能性は頭に入れておきましょう。
4、浮気調査を自分でしようと考えている場合は弁護士に相談を
浮気調査を自分でしようと考えている場合、以下のような理由からまずは弁護士に相談をしましょう。
(1)犯罪行為との境界線がわかる
先ほどにもあったとおり、自分で浮気調査を行う場合、その行為が犯罪行為になってしまうリスクがあります。
犯罪行為をしてしまう前に、自分で行って良い行為と行ってはいけない行為について、一度弁護士に相談をしてみましょう。
(2)探偵事務所に依頼する場合の費用対効果を考えることができる
自分で浮気調査をするか、探偵事務所に依頼するかを考えるときは、費用対効果を考えることが大切です。
弁護士に相談をすれば、費用の点も含めて探偵事務所に依頼すべきかどうかについて、アドバイスをもらうことができます。
(3)裁判で必要な証拠について理解できる
浮気の証拠をおさえる場合、裁判で有効な証拠がどのようなものか理解しておく必要があります。
この点についても、裁判について法的知識のある弁護士に相談をして、どのような証拠が必要なのかアドバイスを受けましょう。
まとめ
自分で浮気調査をすることには、リスクも伴います。
探偵事務所に依頼することは、勇気がいることです。しかし、あなたの身の安全や、費用対効果もしっかり考える必要があります。
探偵事務所に依頼することを躊躇している方は、まずは一度弁護士に気軽にご相談ください。