浮気の証拠を確実に手に入れる方法!この記事を読んでいるあなたは、おそらく配偶者の怪しい行動に疑念を抱いているのではないでしょうか?
浮気や不倫の証拠を入手したいと考えているけれど、どのように証拠を収集すべきかについてわからない方も多いでしょう。
今回は、多くの不倫事件に関与してきたベリーベスト法律事務所の弁護士が監修し、
- 浮気や不倫の証拠となる具体的な要素は何か?
- 自分で証拠を集めるためのステップ
- プロの探偵に頼む利点
などについて詳しく解説していきます。この情報が役立つことを願っています。
また、不倫された方が知っておくべきこと全般について以下の記事にまとめています。併せてご参照ください。
なお、実際に慰謝料請求を考えている方には以下の記事とYouTubeの動画が参考になるはずです。こちらもお役に立てれば幸いです。
目次
1、証拠について知る前に!浮気・不倫と不貞行為の違い
さて、今まで浮気・不倫と言ってきました。浮気・不倫というのは日常用語です。法律上の意味はありません。法律上、大きな意味を持つのは不貞行為です。不貞行為があれば、離婚の原因となるほか、慰謝料の請求が可能になります。
離婚の原因となるというのは、相手が嫌だと言っても、裁判によって離婚できるという意味です。このように、不貞行為というのは、法律上極めて大きな意味を持ちます。
なので、証拠を集める際は、単なる浮気・不倫ではなく、法律上意味のある不貞行為の証拠を集めなければなりません。この点は、後述の裁判で認められやすい証拠と認められにくい証拠の違いについて理解するためにとても重要なので、浮気・不倫と不貞行為の違いについて説明していきます。
浮気・不倫というのは、交際若しくは結婚している相手がいるのに、別の女性と親密な関係を築くことを言います。
他方、不貞行為というのは、「結婚」している相手がいるのに、別の女性と、「肉体関係」を持つことことを言います。「結婚」している場合に限られます。ただし、内縁も「結婚」と同じものとして考えます。また、「肉体関係」を含んでいる場合に限られます。
ですから、単に仲が良い、よく会っているというだけでは、浮気・不倫に該当したとしても、不貞行為にはあたりません。「肉体関係」というものが必須になってきます。これはものすごく大切なポイントです。
2、浮気・不倫の証拠を押さえるメリット
(1)改心を促し夫婦関係をやり直す
浮気・不倫の証拠を突き付けられたとき、夫には衝撃が走ります。次に、あなたが悲しみ、怒る姿を見て、罪悪感が生まれてきます。
もし、夫婦関係が冷めきっておらず、軽い気の緩みが原因だったときには、夫は後悔し、謝罪するでしょう。そして、ぶっちゃけた話し合いがはじまります。辛いですが、これは改心を促すきっかけになります。
もし証拠がなければ、夫は内心まずいと思いながら、口では否定して、一人で密かに相手との関係を清算するか、ばれない方法を考えてしまうでしょう。このとき、夫婦間では浮気の件はうやむやになってしまい、深く話し合う機会が得られません。そうすると、改心を促して夫婦関係をやり直すのが難しくなり、もやもやを抱えてしまうことになるでしょう。
(2)自分からの離婚の請求が認められやすくなる
不貞行為の証拠を持っていると、あなたからの離婚が認められやすいです。まず、離婚について説明します。離婚には、協議離婚、調停離婚、裁判離婚の3種類があります。協議離婚は、お互いが納得して離婚届に判を押して役所に提出する離婚です。
調停離婚は、裁判所で、お互いの言い分について調停員を交えて話し合いながら、最終的に離婚に合意することで成立する離婚です。裁判離婚は、相手が離婚に応じないために、裁判を起こし、有無を言わさず離婚を成立させてしまう、言ってみれば荒っぽい離婚です。相手が頑として離婚を認めない場合、裁判離婚しか選択肢がなくなってしまいます。
夫婦関係は、戸籍、税金、親子、親族、財産などあらゆる問題とかかわっています。離婚によって、夫婦の人生は一変してしまいます。
なので、相手の同意があれば良いですが、そうでない場合、裁判で勝たなければ離婚させてもらえません。そのようなとき、有無を言わさず離婚事由となるのが不貞行為です。不貞行為が認められれば、裁判で勝ちます。つまり、離婚の請求が認められます。
また、不貞行為の証拠を持っていれば、相手は争っても負けてしまうので、あなたの言い分を聞き入れやすくなり、協議離婚、調停離婚が成立しやすくなります。
(3)配偶者からの離婚の請求が認められにくくなる
(2)とは逆に、不貞行為の証拠を持っていると、相手方からの離婚の請求は認められにくくなります。先ほどお話したとおり、離婚は夫婦生活を一変させます。夫が勝手に不貞行為をして、不貞の相手が恋しくなり、身勝手にも離婚を求めてきた場合、もし離婚が認められれば、あなたの生活は身勝手な夫のせいで一変してしまいます。
法律も、さすがにこのような身勝手は許しません。これを、有責配偶者からの離婚請求の問題と言います。自分が夫婦関係を崩壊させたのに、面の皮厚く、離婚を求めて妻の生活を覆してしまうというのは、あまりに不公平です。なので、有責配偶者からの離婚請求は認められにくくなります。
あなたが、子供のこと、今後の生活のこと、家のこと、いろいろと思い悩んで、不貞を行った夫と離婚に踏み切れないとき、夫からの離婚が認められてしまったら、目もあてられません。なので、相手が有責配偶者であることの証明をするために、不貞の証拠は重要になってきます。
(4)配偶者と浮気・不倫相手の両方に慰謝料を請求できる
不貞行為は、法律上、不法行為の一種です。不法行為というのは、他人の権利を侵害する行為を言います。不法行為だということになれば、損害賠償を請求できます。もし、夫の不貞行為が証明できたとき、それは不法行為になるので、慰謝料を請求できます。
また、不貞行為は一人ではできないので、同時に、不貞の相手方にも、いわば不法行為の共犯として、損害賠償を請求できます。証拠があれば、両方に慰謝料を請求できるというメリットがあります。
また、必要に応じて「不倫慰謝料の相場と慰謝料が増額する7つの仕組み」もご参照ください。
3、裁判で認められやすい証拠と認められにくい証拠
不貞行為が問題となる裁判では、「肉体関係」が焦点になります。肉体関係があったことを裏付ける証拠は強く、単純に親密なことを裏付けるにすぎない証拠は弱いです。
大まかに言うと、ラブラブであることを裏付ける証拠ではダメです。肉体関係でないといけません。それでは、具体的に見ていきましょう。
(1)携帯電話、SNSアプリでの通信、通話内容
二人で宿泊したことを匂わせる内容、例えば泊りの旅行の約束などが入っている場合、強いです。
「(一泊では帰れない場所について)楽しかったー」「(海外)行こうね」などというメールやLINEだと、肉体関係がうかがわれます。
単に食事に行ったことや、仲の良さがうかがわれる内容の場合は、残念ながら弱いです。
「(近くのレストラン)おいしかったですね。」「(日帰りできるテーマパーク)また行きましょう。」ですと、肉体関係までは窺えず、弱いといえます。
結論:宿泊を示すメールを集めましょう。
(2)写真
二人がホテルで撮ったと思われる写真、二人がホテルに入っていく場面を撮った写真、二人が日帰りでは戻って来られない遠方で写っている写真、お互いの家を行き来している写真は強いです。
写真にGPSによる位置情報が埋め込まれている場合もあるので、そういったところから手がかりを探す方法もあります。
単に近くの街を一緒に歩いている写真や、日帰りデートしている写真の場合は、残念ながら弱いです。ラブラブツーショット写真でも、肉体関係にはつながらないので、それだけではダメです。
結論:宿泊を示す写真を集めましょう。
(3)領収書
ラブホテルなどの領収書であれば、肉体関係を持ったことをダイレクトにうかがわせるので、ある程度強いと言えます。しかし、誰と入ったかが不明なので、夫に慰謝料を請求する証拠にはなったとしても、不倫相手に損害賠償を請求する証拠にはりません。
単なる二人ディナー、シティホテルのダブルルームの領収書は弱いです。仲が良いだけ、ホテルには実際は一人で泊まった等と言い訳されてしまい、肉体関係につながりません。
結論:ラブホテルの領収書を探しましょう。
(4)夫の発言の録音又は書面
不貞行為を認める発言や、反省文・謝罪文がある場合、強いです。ほぼ決定的な力を持つ証拠です。「私は、1月30日、相手の人と旅行に行って旅館に泊まり、肉体関係を持ちました。」等という文書です。単なる浮気、不倫等と言うぼやっとした内容だと、残念ながら弱いです。
「私は浮気をしました。深く反省しています。」だとNGです。肉体関係があったとはっきり言ってもらう必要があります。ここをうやむやにしてはいけません。
結論:肉体関係をはっきりと認めさせ、書面にしましょう。
(5)不貞相手の発言の録音又は書面
上と同じです。
以上、いくつかの証拠を見てきました。これらをできるだけ集めることが大切ですが、注意点があります。
1つ目の注意点です。強いという評価のある証拠が一つもない場合、不貞行為は認められません。弱いものばかり積み重ねても、足りません。目安として、強いものを3つ以上、揃えましょう。ただし、それ以下でも不可能ではないので、法律の専門家に相談してみてください。ただ、強い証拠がない場合、残念ながら、なんとかなる可能性はかなり低いです。
2つ目の注意点です。証拠を集めることに必死になって、違法なことをしてはいけません。別居中の夫の家に侵入して、盗聴器をしかけたり、写真や領収書を撮影したり、回収したりしていくのは犯罪です。そのような証拠を「違法収集証拠」と言い、裁判でも採用してもらえなくなります。
裁判官からの印象も悪くなってしまう上、あなたが告訴されることにもなりかねません。この点、絶対に気を付けてください。
4、自分で浮気・不倫の証拠を集めるには?
(1)自分で集める方法
いざ証拠を集めるといっても、探偵に頼むといくらかかるか分からない。それなら自分でやってしまおう、と思うのは自然なことです。
証拠の集め方としては、携帯電話、SNSの履歴は、画面を撮影するなどがあります。領収書なども、不用意に捨てていれば、すぐに入手できます。写真も、夫が保存しているものをこっそり撮影してしまえば、入手できます。ただ、ホテルに入る場面などを、追跡して撮るというのは、ほぼ困難だと思います。
反省文・謝罪文は、むしろ自分でしか取れません。これは強力な証拠なので、是非、押さえておきたいところです。
(2)自分で集める場合の注意点
自分で集める場合、いくつかリスクがあります。
①バレるおそれがある
妻が夫の不振行動に敏感なように、夫も敏感です。一緒に生活している者同士なので、ちょっと変わったことがあるとお互いに感づいてしまいます。携帯を見たり、ごみを調べたり、かなりリスキーです。証拠が消されることも十分ありえます。夫が疑われていることに気付いた場合、密かに関係を清算するか、さらに巧妙な方法で会うことを考えるでしょう。そうなってしまうと、もはやどうしようもありません。
②使えない証拠ばかりになってしまうおそれがある
強い証拠と弱い証拠を一般の方が判断するのは難しいです。苦労して集めた通話履歴、メールの履歴を携えて、いざ裁判と思って弁護士に見せると、「これでは無理です。」と言われてしまうことになりかねません。
このように、自分で証拠を集めるには、リスクが伴います。
5、探偵に依頼して集める方法
(1)探偵と興信所の違い
リスクを考えて、いざ探偵に依頼するとなったとき、あなたはきっと迷います。世には、「○○探偵事務所」「○○興信所」などという広告が、あふれているからです。
まず、探偵と興信所の違いを確認しておきましょう。結論を言うと、歴史的には違いがありますが、実際は殆ど同じです。探偵は、文字通り、個人を追跡して、その身元、行動等を明らかにしていく機関というのがルーツです。一方、興信所は、もともと個人の素行調査というよりは、企業等の信用調査を行う機関だったので、あまり密行性のある調査を専門とはしていませんでした。もっとも、現在では、両者の差は殆どなくなっています。
(2)料金の相場
調査員の数、調査の方法などにもよりますが、概ね1時間2万円程度と考えておくと良いと思います。ただ、きちんとした報告書に挙げてもらって、十分な証拠を確保してもらおうと考えた場合、トータルで結局10万円~30万円程度は覚悟しておいた方がいいと思います。
(3)探偵、興信所の選び方
それでは、どのような探偵、興信所を選ぶと良いでしょうか。まず、素行調査等を行う事業者は、探偵業法という法律に基づき管理されています。法律上きちんと登録されているかを確認しましょう。
次に、料金体系が明確なところにしましょう。時給制は、実際に働いた時間が管理できないので、やや不安が残ります。しっかりと、事前に総額の見積もりを出してくれる所にしましょう。
(4)依頼する際の注意点
探偵、興信所といえども、プライベートスペースにおける個人の情報を入手することはできません。あくまで、誰でも立ち入れる場所の証拠を押さえることしかできません。もし、勝手に会社の侵入禁止エリアに侵入したり、盗聴したりして入手した証拠は、先ほどお話しした違法収集証拠として、裁判所に認めてもらえません。
なので、きちんと法律を守っている業者かどうかを、しっかり確認しましょう。また、反省文・謝罪文などは、探偵業者でも入手できないので、自分でも主体的に動くことを忘れないようにしましょう。
6、証拠収集の前に浮気・不倫の可能性をチェック
以上、浮気の証拠の収集方法について説明してきましたが、浮気の可能性がないのに、浮気の調査をしてもやるだけ無駄です。しかも、最悪の場合、浮気調査をしたことがバレて、夫婦仲を悪くしてしまうこともあります。
このようなことを避けるために、証拠集めの前に浮気の可能性をチェックしましょう。一般的によく言われている、男性が浮気をするときの兆候を挙げていきます。
(1)携帯電話関係
- 携帯を見せなくなり、ロックをかけたりするようになった
- 携帯の通話料が増えた
- 携帯の履歴を消している
- 携帯を密かにもう一台持っている
(2)仕事関係
- 出張だ、残業だ、ということが急に増えた
- 帰ってきたときに、スーツ等から香水の香りがする
(3)金銭関係
- 突然出費が増えた
- 家族に使うお金が減った
(4)生活関係
- 急に趣味の外出が増えた
- 性交渉が減少した
いくつかポイントを挙げてきました。これらのポイントは、どれ一つとして決定的なものではありません。しかし、いくつも同時に満たすというのであれば、さすがに不自然だと言えるでしょう。そのような場合、浮気調査を開始する理由になります。
浮気・不倫の証拠に関するQ&A
Q1.裁判で認められやすい証拠と認められにくい証拠とは?
不貞行為が問題となる裁判では、「肉体関係」が焦点になります。肉体関係があったことを裏付ける証拠は強く、単純に親密なことを裏付けることにすぎない証拠は弱いです。
大まかに言うと、ラブラブであることを裏付ける証拠ではダメです。肉体関係でないといけません。
Q2.自分で浮気・不倫の証拠を集めるには?
証拠の集め方としては、携帯電話、SNSの履歴は、画面を撮影するなどがあります。領収書なども、不用意に捨てていれば、すぐに入手できます。写真も、夫が保存しているものをこっそり撮影してしまえば、入手できます。
Q3.浮気・不倫の証拠を押さえるメリットとは?
改心を促し夫婦関係をやり直す
自分からの離婚の請求が認められやすくなる
配偶者からの離婚の請求が認められにくくなる
配偶者と浮気・不倫相手の両方に慰謝料を請求できる
浮気・不倫の証拠を集める前に知っておくべきことまとめ
浮気・不倫の証拠を集める前に知っておくべきことについて説明しました。ポイントをまとめると次のようになります。
- まずは、きちんと証拠を押さえる
- 法律上意味があるのは「肉体関係」
- 不貞行為のあるなしで、離婚の難易度は雲泥の差
- 弱い証拠をいくら集めてもダメ
- 自分で集めるなら、リスクに注意
- 良い探偵業者に頼めば強力な味方に
浮気・不倫の証拠を集めるにあたり是非参考にしてください。