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生前贈与で節税しつつ、大切な資産を大切な方へ残すために必要な11の知識

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平成27年に相続税に関して大きな改正が行われ、これまで相続税がかからなかった方にも相続税が発生する可能性が高くなり、税率も上がりました。そのため、以前にも増して相続税対策の必要性が高まっています。

その中でも、もっともポピュラーなものが生前贈与です。ただ、生前贈与は、方法を間違えてしまうと多額の贈与税が発生してしまうことがあります。

ここでは、生前贈与の基本的な知識や、生前贈与をする際に発生する贈与税、贈与税のかからない生前贈与等、上手な生前贈与を行うために知っておくべきポイントについて、資産承継に精通したベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

この記事が、生前贈与を活用して節税しつつ、大切な資産を大切な方へ残すためにお役に立てば幸いです。

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1、生前贈与とは

生前贈与とは、財産の所有者が生きているうちに財産を譲ることを言います。

生前贈与は大きく分けて2つの目的でなされることが一般的です。

一つ目の目的は相続税の軽減です。

生きているうちに財産を贈与しておくことで、相続時の財産を減らし、相続人が負担する相続税を減らすことができます。ただし、贈与の時点でも、贈与の方法によっては贈与税が発生することから、贈与時点で発生する贈与税と、相続時に発生するであろう相続税を勘案して決定する必要があります。

生前贈与のもう一つの目的は、自分が望む相手に財産を贈与することです。

財産を残して亡くなってしまった場合、遺言を作成していなければ、財産(遺産)は法定相続人が相続します。遺言を残すことで、財産を誰に相続させるかを指定することはできますが、この場合、遺贈を受けた者以外の法定相続人が有する遺留分を侵害することができないという制約があります。

これに対し、生前贈与の場合、誰にどれだけの財産を贈与するかは贈与する側の自由ですから、自分が望む相手に財産を譲ることができるのです。ただし、亡くなる前1年以内に行った生前贈与や、遺留分権利者を害することを知ってなされた生前贈与は、遺留分権者からの減殺請求の対象になることから注意が必要です。

2、生前贈与と贈与税

生前贈与を行った場合、贈与税が発生します。贈与税は財産を贈られた側(贈与を受けた側)が負担しなければなりません。

贈与を受けた側には、1年間に受けた贈与の総額から110万円(これを基礎控除といいます)を引いた額に税率をかけた額から税額控除分を引いた額の贈与税が発生します(下記計算式参照)。

ただし、これは通常の贈与の場合であり、3で説明するような非課税の特例を利用することで、年間110万円を超える贈与を行うことも可能です。

<計算式>

 

(その年の1月1日から12月31日までに受けた贈与の総額)

110万円
(基礎控除額)

×

税率

税額控除

贈与税額

このように、贈与税の計算は、贈与を受けた側が1年間に受けた贈与の額から計算されるため、贈与した側が、贈与税が発生しないように110万円の基礎控除内で贈与をしたとしても、贈与を受けた側が同じ年に別の者から贈与を受けていた場合は、贈与税が発生してしまうという点に注意が必要です。

3、非課税となる生前贈与の範囲

(1)暦年課税による110万円の基礎控除

前述のように、贈与税は、1年間に受けた贈与税から110万円を引いた額に対して発生するので、年間110万円までの贈与には贈与税が発生しません。このような贈与税の計算方法を暦年課税といいます。

(2)相続時精算課税による2500万円の特別控除枠

相続税精算課税とは、60歳以上の父母又は祖父母から、20歳以上の子又は孫に対し財産を贈与した場合において選択できる贈与税の制度です。110万円の基礎控除との対比で特別控除とよばれています。

贈与税の申告時に暦年課税の方法をとらずに、相続税精算課税の方法をとることで、1年間に110万円以上の贈与を受けても贈与税を発生させないことが可能になります。

相続税精算課税を選択した場合、累計で2500万円までの贈与については、贈与の時点で贈与税を支払う必要はなく、相続時に(生前贈与で受け取ったものも含めて)相続したものとして計算された相続税のみを納めればよいとされています。

この制度は、まとまった額の金銭や土地等を生前贈与させたい場合に、暦年課税制度を利用すると贈与税の税率が高いことから高額の税金が発生してしまうことを避けるため等に利用されます。

なお、いったん相続時精算課税の方法による贈与を選択した場合、その後に暦年課税に変更することはできなくなることに注意が必要です。

(3)夫婦間贈与の特例による2000万円の配偶者控除枠

婚姻期間が20年以上の夫婦間において、居住上の不動産や、居住用の不動産を購入するための金銭を贈与する場合、基礎控除の110万円以外に、2000万円の控除(配偶者控除)を利用することができます。

この配偶者控除を受けるためには、贈与を受けた側が、贈与を受けた年の翌年の3月31日までに、その不動産に現実に居住し始めており、その後も引き続き居住する見込みがあることが必要です。

なお、この制度を利用した贈与は、同じ配偶者からは一生に一度しか受けることができません。

(4)祖父母等からの結婚・子育て資金に関する贈与税非課税措置

20歳以上50歳未満の者が直系尊属(父母や祖父母等)から贈与を受ける場合、結婚資金、出産資金、子育て資金として一括贈与されたものについては、1,000万円(結婚資金については300万円まで)までは贈与税が発生しないという制度を利用することができます。

この制度を利用する場合、単に現金を贈与するのではなく、結婚資金、出産資金、子育て資金として金融機関等で管理できる状態に置き、実際に結婚資金等に使用した場合、結婚資金等に充てたことを証明する資料(領収書等)をとっておき、金融機関等に提出しなければなりません。

なお、この制度は、平成31年3月31日までに行われる贈与を対象とした期間限定措置とされています。

(5)祖父母等からの教育資金に関する贈与税非課税措置

30歳未満の者が直系尊属(父母や祖父母等)から贈与を受ける場合、教育資金として贈与されたものについては、1,500万円までは贈与税が発生しないという制度を利用することができます。

この場合も、結婚、子育て資金の贈与に関する非課税措置と同様、単に現金を贈与するのではなく、金融機関等で管理できる状態に置いた上で、実際に教育資金として使用したことを証明する資料をとっておき、金融機関等に提出しなければなりません。

なお、この制度は、平成31年3月31日までの期間限定措置とされています。

(6)祖父母等からの住宅取得資金に関する贈与税非課税措置

祖父母や父母等の直系尊属から、自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築、取得又は増改築等の対価に充てるための金銭を贈与された場合、非課課税限度額までの金額について、贈与税が発生しないという制度が利用できます。

非課税限度額は、購入した家屋が省エネ住宅かどうか、また、贈与を受けた側が住宅を購入した契約の時期によって変わります(下記参照)。

住宅用家屋の取得等に係る契約の締結日

省エネ等住宅

左記以外の住宅

平成2811日~平成32331

1,200万円

3,000万円)

700万円

2,500万円)

平成3241日~平成33331

1,000万円

1,500万円)

500万円

1,000万円)

平成3341日~平成331231

800万円

1,200万円)

300万円

700万円)

※( )内の金額は消費税が10%に増税された場合の非課税限度額

なお、この制度は、平成33年12月31日までの期間限定措置とされています。

4、生前贈与とみなし相続財産の関係

生前贈与を行う大きな目的の一つは、相続時の相続財産を減らすことで相続人の相続税の負担を減らすことができるという点にあります。

しかし、相続開始前(被相続人の死亡前)3年以内の生前贈与については、みなし相続財産として、相続税の課税対象となってしまいます。

もちろん、相続税を算出した後、贈与時に支払った贈与税額を相続税額から差し引く「贈与税額控除」という仕組みがあるので、相続税と贈与税の二重課税にはなりませんが、相続税の計算上、亡くなる前3年間の生前贈与は相続財産に加える必要がある、という点に注意が必要です。

5、現金の生前贈与で注意すべき点

(1)したつもり贈与について

贈与は、贈る側の「贈る」という意思と、もらう側の「受け取る」という意思が合致して始めて成立する契約です。

ですから、例えば、親が子のために、勝手に子供の名義の口座を作ってお金を振り込んでいたような場合、子の側の「もらう」という意思が存在しないため、税務署から、贈与契約が成立していないと解釈されてしまい、相続時に被相続人の財産として相続税が課税されてしまうことがあります。このような場合を、「したつもり贈与」とか、「名義預金」などと呼びます。

税務署から贈与を否認されないためには、贈与契約書を作成しておくことや、子供名義の口座のカードや通帳を親や贈与した者が管理しておくことのないようにすることが大切です。

(2)定期金贈与(連年贈与)について

暦年贈与において、毎年110万円までは贈与税がかからないことから、毎年110万円ずつを贈与されている方もおられると思います。

例えば、10年間に渡って110万円ずつ合計1100万円を贈与した場合です。この場合、始めから1100万円を贈与するつもりがあり、それを単に10回に分けて支払っただけである、と解釈されてしまうと、最初の年に定期金に関する権利(10年間にわたり毎年110万円ずつの給付を受ける権利)を贈与されたと判断され、贈与税が課税されてしまいます。

このような解釈をされないためには、贈与契約書を毎年きちんと作成しておくことや、年によって贈与する金額や時期を変える等、あくまで1年毎に贈与するかどうかを判断しているという状況をつくることが求められます。

6、不動産の生前贈与で注意すべき点

不動産を生前贈与する場合、不動産の評価額が高額になることが多いことから、暦年贈与における110万円の基礎控除を大幅に超えてしまうことが想定されます。ですから、不動産を生前贈与する予定がある場合は、2500万円まで贈与税が発生しない相続時精算課税の制度を利用することを検討する必要があります。

また、暦年贈与で行う場合に、110万円までは贈与税がかからないことから、評価額が110万円を下回る程度の持分を毎年贈与される方もおられます。例えば、評価額2000万円の土地を19分の1(評価額は約105万円)ずつ毎年贈与をする場合がこれにあたります。

この方法による場合、現金の定期金贈与と同様、最初から土地全部を贈与するつもりがあり、単にそれを分けて行っただけと解釈されると、最初の年に、「19年間に渡って毎年その土地の19分の1ずつの給付を受ける権利」を贈与した、と判断されてしまうことになります。

ですから、このような解釈を受けないよう、現金の場合と同様、毎年贈与契約書を作成することや、年によって贈与する持分や時期を変える等の対策が求められます。

さらに、不動産の生前贈与においては、贈与を受けた側に不動産取得税が発生します。相続の場合不動産取得税は発生しないので、この点にも注意が必要です。

7、現金を手渡しする方法による生前贈与

生前贈与を行おうとする方の中には、現金で手渡してしまえば発覚しないだろうと考え、贈与税の申告をしない人もおられるようです。

このような行為が、贈与税の脱税行為として違法であることは言うまでもありませんが、これまでは、確かに、形に残らない金銭の授受であれば贈与自体が発覚しないということもあり得たと思います。

しかしながら、平成30年からは、新規で開設する銀行口座にマイナンバーが適用される予定となっており、平成33年以降は、既存の銀行口座にもマイナンバーが適用されることが予定されています。

既に、所得税の源泉徴収等の場面ではマイナンバーの適用が開始されており、収入自体を国家(税務署)に把握されやすくなっている中で、銀行口座等にもマイナンバーが適用されると、金銭の預入や引き出し状況まで国家(税務署)に把握されてしまうことは間違いありません。

そうすると、口座間の送金でなく、手渡しの贈与であっても、贈与する側が現金を口座から引き出したことや、贈与された側が口座に入金したこと等から税務署に発覚する可能性が高くなったといえます。

贈与税の申告をせずに現金を贈与したことが後で発覚すれば本来の贈与税に加えて、追徴課税も免れられないことを考えると、現金を手渡しする方法で生前贈与しながらこれを申告しないというのは、今後は極めてリスクの高い行為といえるでしょう。

8、生前贈与に契約書は必要か

5や6で説明したように、何年かにわけて生前贈与を行う場合、最初から全部を贈与するつもりではなかったことを証明するために、贈与する度に、贈与契約書を作成しておくことが求められます。また、「したつもり贈与」と解釈されるリスクを避けるためにも贈与契約書を作成しておくべきといえるでしょう。

贈与契約書には、いつ(時期)、誰が(贈与者)、誰に(受贈者)、何を(目的物)、どのように(方法)贈与するかということを記載し、贈与者と受贈者がそれぞれ署名・押印する方法によって作成することが必要です。

9、生前贈与にかかる税金の申告方法と申告時期

生前贈与にかかる贈与税は、贈与を受けた者が、贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までに申告して納税しなければならないとされています。

贈与税の申告は、申告書を税務署に提出する方法(実際に提出する方法とe-TAXを利用してWEB上で提出する方法があります。)によって行い、提出先は、贈与を受けた者の住所を管轄する税務署になります。

10、生前贈与の流れ

生前贈与を行いたい場合は、以下のような流れで行います(ここでは不動産の生前贈与の場合を例にとります)。

  1. 生前贈与を行うことによる節税効果や相続へ与える影響等について検討し、誰に、何を贈与するかを決める。
  2. 贈与者(贈与するもの)と受贈者(贈与されるもの)との間で贈与契約書を作成する。
  3. 贈与した不動産の所有権移転登記(名義変更)を行い(登録免許税が発生します)、不動産を受贈者に引き渡す。
  4. 受贈者は、不動産取得税を申告し、納税を行う(不動産を取得してから30日以内)。
  5. 受贈者は、贈与税の申告をし、納税を行う(贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日まで)。

11、生前贈与に関する相談先

生前贈与は、相続税を軽減する目的や、自分の望む相手に財産を譲るといった目的で行われます。ただ、税法に関する知識や民法の相続に関する知識を誤って理解していると、思わぬ形で税金がかかったり、遺留分等の問題で受贈者と相続人の間で後々にトラブルが起こったりする可能性があります。

ですから、不明な点がある場合は、税金の専門家である税理士や、法律の専門家である弁護士のアドバイスを受けながら行うことが重要です。

まとめ

生前贈与には常に贈与税の問題が常につきまといます。そのため、方法を誤ってしまうと、贈与を受けた側に思わぬ贈与税の負担が発生してしまうことがあります。

しかし、相続によって相続人間に争いが生じることや、相続人が相続税の負担に苦しんだりすることを事前に防止するために、生前贈与は有効な手段の一つです。何より、誰にどれだけ財産を譲るかという点に、財産の所有者の意思をしっかりと反映させることができるというのが生前贈与のメリットです。

せっかく自らが築いた財産ですから、誰に引き継いでもらうかについてはできる限り自らの意思を反映させられるよう、贈与税の点に十分注意しながら、上手に生前贈与を行うことをおすすめします。

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