
妻と離婚する方法を知りたい方も多いでしょう。
「どうしても許せないことがある」
「妻には愛情がない」
「すれ違いが多く一緒にいる意味を感じない」
そう思って、妻に離婚を切り出したいと思っていませんか?
しかし、殊に妻が離婚に応じそうにない場合、どのように離婚話を進めたら良いのか考えてしまうものです。
今回は、ズバリ
- 妻と離婚する方法
についてまとめました。
離婚の話し合いをする前に見ておくと、スムーズに離婚の話し合いが進むはずです。
チェックしてみてください!
目次
1、妻と離婚する方法を知る前に|夫が妻と離婚したいと思う理由ランキングTOP5
夫が妻と離婚したいと思うには、どのような理由があるのでしょうか?
男性は、他人に自分の話をしない人も多いので、離婚経験者の話を聞く機会も少ないかもしれません。
あなたが思っている離婚したい理由は入っているでしょうか。
(1)1位:性格の不一致
堂々の第一位は、「性格の不一致」です。
性格の不一致とは、よく聞く言葉で新鮮味もないと思いますが、この内容は実に深いものと言えます。
- インドア派orアウトドア派
- 内向的or社交的
- おしゃれor無頓着
などというような、タイプが真逆な関係という単純な話ではない、ということです。
たとえば、こんな夫婦は性格の不一致があると言えるでしょう。
妻は、仕事で毎日ピリピリする夫に気を遣って生活をしています。日々夫の世話を甲斐甲斐しくしていた妻ですが、1つだけ受け入れられないことがありました。
それは、酔ったときの行動です。
あまりお酒が強くないのに、仕事上お酒を飲むことが多い夫。
そんな夫は、酔うと気分を悪くすることがしばしばでした。
その介抱は、夜中に及ぶことまであり、妻は、夜な夜な夫の帰りを不安に思うようになります。そこで、意を決して夫にお願いしました。
なんとか酔わないように、お酒を控えられないか。
または、酔う前に薬を飲むなど工夫をしてもらえないか。しかし、夫は、そのようにお酒を飲むことは自分の仕事。
その願いは一切受け入れられないと。
飲まない交渉を会社とするくらいであれば、仕事を辞めるとまで言い出します。妻は、酔ったときの介抱は睡眠時間も削られ、朝まで及ぶことも。
また気分を悪くしない日でも夫の帰宅時間を恐れるようにまでなってしまい、精神安定剤を飲むまでにもなってしまいました。そうしたことから、なぜ自分の要望を受け入れられないのか、信頼を失ってしまってしまいました。
このご夫婦は、性格が一致していません(噛み合っていません)。
この夫婦の問題が解決されるには、多くの「言葉」が必要です。
まず妻は、どれほどまでに自分への影響が大きいのかを、事細かに伝える必要があります。
そして夫は、どれほどまでに自分の仕事に工夫を取り入れることが難しいのかを伝える必要があります。
しかし、互いに、そこに気づいてはいません。
なぜならば、性格が噛み合っていれば、そんなに言葉を必要としなくてもうまく回るものだからです。
これこそが、性格の不一致です。
誰もが弁論家ではありません。
いつでも気持ちを正確にもれなく表現することなどできないのです。
仕事ならともかく、家庭内では特にそうでしょう。
議論の手前で気持ちが終わってしまうことが多いのです。
実は、これからご紹介する2位以下、ほぼこの「性格の不一致」に入ることがお分かりいただけると思います。
(2)2位:家庭に自分の居場所がなく空しい
自宅にいる時間が長い妻と暮らすと、家庭は妻が天下を取りがちです。
やんちゃ盛りな子どもでもいようものなら、妻と子どもがのさばり放題。
そんな家庭では、「俺の居場所ってあるの?」と思ってしまう男性も少なくありません。
観たいテレビもつけることができない。
座りたいソファにも座れない。
食事が用意されているわけでもない。
その割に給料だけ妻に吸い取られ、わずかながらの小遣いが渡される。
家庭ってなんだっけ?と思ってしまうのも無理はないでしょう。
(3)3位:妻のヒステリーやモラハラ
妻のヒステリーやモラハラも、夫に離婚したいと思わせる原因になります。
- 時間を細かく管理される
- 他人との会話の内容などを逐一聞かれる
- お金を自由に使えなくなる
- 人格を否定するような暴言を吐かれる
などは、夫の精神状態を追い詰めていきます。
男性は、他の人に妻のモラハラを相談できない人も多いので、その点でもストレスを溜め込みやすく、我慢しているうちに妻のモラハラが悪化することもあります。
このような状態では、夫が離婚したいと思うのは当然でしょう。
(4)4位:家事の放棄で家では全く安らげない
妻が全く家事を放棄している家庭では、離婚を考える夫は多いでしょう。
- 帰宅しても夕飯を作ってもらえない
- 掃除をしないので家がグチャグチャになっている
- 理由もなく昼まで寝ている
などであれば、離婚の決定打になることは多いでしょう。
家事は分担されるべきですが、家事の分担で難しいのは、まず「主導者(リーダー)」が必要ということです。
あらゆる分担作業においては、主導者が必要です。
そうでなければ「船頭多くして船山に上る」状態になりますので。
しかし、家事において夫と妻、どちらが主導者なのか、あなたの家庭ではどうですか?
そして、この家事主導者において、夫婦ではこんな問題がしばしば起こります。
- 夫婦の一方が、そもそも主導者は不要と思っている(「平等にやる」を履き違えている)
- 主導者になりたくないのにさせられている
- 主導者にはなりたい(なっても良い)が無責任
「夕飯を作ってもらえない」等の上の状態にある場合、これらのいずれかの問題が発生しているはずです。
妻の家事について不満があるならば、まずは家事主導者問題を話し合っていく必要があるのです。
(5)5位:妻が女性として見られなくなった、長期間のセックスレス
妻が女性として見られなくなったことや、セックスレスになっていることも、夫が離婚したい理由の上位にきます。
多かれ少なかれ、夫婦は互いに異性として意識する存在から同志のようになるものかもしれませんが、結婚前の魅力がゼロないしはマイナスと化した妻に対しては、さすがに限界だという男性も少なくないでしょう。
- いつでも子どもに怒っている(笑顔がない)
- お金を節約しすぎて洋服がいつも同じ
- 何かにつけてストレス解消といって食べてばかりいる
と、我が道を爆進・猛進する妻に、ゲンナリしていることでしょう。
また、セックスレスも夫婦にとって深刻な問題です。
セックスを何度も理由なく拒否されると、性的に欲求不満が溜まるだけでなく、自分の全てを否定されているような気持ちになります。
このような状態が一生続くのかと思うと、夫はやりきれない気持ちになるでしょう。
(6)ランキング圏外の夫が妻と離婚したい理由
夫が妻と離婚したいと思う理由には、他にも色々なものがあります。
- 妻の不倫が発覚した、不倫の疑いがあり信用できない
- 浪費癖、ギャンブル癖
- 妻の両親との不仲
- 他に好きな人ができた、不倫相手がいる
- 妻が実家に依存していて結婚している意味が分からない
どの理由も、一過性のものや話し合いで解決できるものなら離婚にまで至ることはありませんが、改善が望めない状況になると離婚するしかありません。
しかし、妻が離婚に応じてくれなければ、夫がどんなに辛いと訴えても現状のままです。
悩みはいつまでも改善されず、かといって離婚もできないと悩んでいる男性はたくさんいるのです。
2、離婚に応じない妻の心理や離婚したくない本当の理由
あなたが離婚を躊躇する理由の1つには、お子さんがいる場合はお子さんと同居できなくなるということがあるかもしれません。
また、財産分与もどれくらい取られるのだろうと不安になる方も。
その一方、妻が離婚に応じない予感がよぎっているケースも多いものです。
その場合は、まずはなぜ妻が離婚に応じないのかを予想しておくと、事前に戦略を立てやすくなると言えるでしょう。
今後の離婚話をスムーズに進めるためにも、一度チェックしてみてください。
(1)金銭面での安定を維持したい
離婚すると、多くの女性は経済的な悩みを抱えることになります。
特に、子供の出産でキャリアを手放した女性は、離婚後に男性並みに稼ぐことは難しくなります。
自分1人が暮らせるだけの収入を得るだけなら可能かもしれませんが、子供がいる女性はパートやアルバイトでは、安定した生活を送るのはかなり難しくなるでしょう。
このような事情を女性は理解しているので、そう簡単に離婚を受け入れることができないのです。
(2)子供を片親にしたくない、子供の将来が心配
子供がいる場合、妻が離婚したくない理由には、子供が関係していることがほとんどです。
父親がいない子供にしたくない、離婚が将来子供にどんな影響を与えるのか心配という気持ちは、親なら誰しもが理解できるはずです。
特に、自分の両親が離婚したことで苦労している場合は、子どもの気持ちを深く考えたものであり、多くの共感を呼ぶ考えと言えます。
また、私学の受験を考えている、将来結婚させるときに片親である家庭でありたくないなど、世間体を考えた場合もあります。
こうした心理から、夫からの離婚を拒否する女性もいます。
(3)夫に愛情があり離れたくない
夫にまだ愛情が残っている妻も、離婚にはなかなか応じてくれないでしょう。
ただ、愛情表現が噛み合っていない、つまり性格の不一致があるケースがほとんどです。
- 愛情があるから携帯をチェックする
- 愛情があるから1日に何回もラインをする
- 愛情があるから飲み会に行かせない
このような愛情は、あなたを疲弊させてきたのではないでしょうか。
あなたも感じているように、これらは愛情ではありません。
不安の表れであり、依存です。
妻への同情もありこれまできたかもしれませんが、あなたの気持ちに応えようとしてくれない妻を異常に感じ、これ以上支えきれないと感じてしまったことでしょう。
(4)世間体が悪い、両親から世間体が悪いと非難される
現代では、バツイチを好奇な目で見る人は少なくなりましたが、一部の閉鎖的な地域の人や、家柄を気にしている人などは、離婚は未だに世間体が悪くなるというイメージを持っていることがあります。
また、自分はそれほど気にならなくても、両親が離婚は絶対許さないという考え方を持っていることも多いので、それが理由で離婚を渋る女性もいます。
両親の反対で離婚を受け入れられないのは、主に子供がいる女性です。
女性が離婚するとなると、子育てをサポートしてくれる人が必要です。
仕事と育児を両立させるには、子供の面倒を見てくれる人が必要なので、どうしても両親に頼らなくてはいけなくなる場面が増えます。
その両親が離婚に反対しているとなると、子育てのサポートを受けられない可能性が高いので、今後を心配して離婚に応じてくれないのです。
(5)夫だけ幸せになるのは許せない
あなたに好きな人がいることが妻に分かっているようなケースでは、自分たちを捨ててあなただけ幸せになるっていうの!とストレスフルに思っていることでしょう。
そうでなくとも、一般的に、男性に離婚歴があるからといって社会的にマイナスイメージを持たれることは少ないものです。
人によっては、箔が付くと言う人も存在するほどですし、バツイチだからと周囲から軽視されることもないでしょう。
一方で、バツイチの女性は社会的にどこかマイナスのイメージを持たれる傾向が未だにあると、思い込んでいる人はいます。
シングルマザーともなれば、仕事を探してもなかなか雇ってもらえませんし、恋愛をしたいと言うだけでバッシングを受けることもあります。
そうなれば、夫ばかりが第二の人生が待ち受けていて、私はどうなっちゃうの?と不安でたまらない状況もわからなくはありません。
3、調停や裁判をすれば離婚できるのか
このように妻が離婚を拒否している場合、いわゆる離婚調停や離婚裁判をすれば離婚できるものでしょうか?
答えはNOです。
離婚調停は、簡単に言えば、夫婦だけの話し合いに第三者(調停委員)が入るだけのものですから(強制力がない)、あなたの言い分が客観的に正しければ調停委員が離婚を後押ししてくれることも期待できます。
ただ、強固に離婚を拒んでいる人には、強制力がないため意味はありません。
また、離婚裁判は、裁判官という全く夫婦に関係のない第三者が「離婚すべき」か「離婚すべきではない」のかを判断するわけですから、「離婚事由」という法律上定められた場合にのみ、裁判官は離婚を成立させることになります。
その「離婚事由」とは、次の5つです。
- 妻に不貞行為(主に肉体関係のある不倫)があったとき
- 妻が同居・協力・扶養の義務を怠った=悪意の遺棄があったとき
- 3年以上の生死不明
- 回復の見込みがない精神病
- その他の結婚生活を続けられない重大な理由があるとき
上の4つは内容が明確ですが、最後の1つが曖昧であることにお気づきかと思います。
何か、妻側に強い原因がある場合、例えばDVやセックスレスなどがあるときは、この5つ目をもって裁判離婚をすることも可能です。
しかし、「1」で見たような、結局「性格の不一致」と言えるような事案では、法律上の離婚事由にはならず、裁判官が「離婚すべき」などと判決を出すことはできないのです。
4、妻と本気(マジ)で離婚したい場合の協議離婚4ステップ
法定離婚事由に該当する以外の理由で離婚したい場合は、協議離婚で一気に離婚を成立させることを目指すべきということができます。
本項では、協議離婚をスムーズに進めるための方法を見ておきましょう。
本気(マジ)で離婚したいと思うなら、離婚を切り出す前に目を通しておいてください。
(1)妻の離婚拒否の理由を確認
離婚の話し合いを効率的に進めるには、妻がなぜ離婚したくないのか理由を理解しておくことが大切です。
理由が分かれば、解決策も見えくるからです。
大切なのは、妻の気持ちに寄り添うこと。
あなたが突きつけたい言葉は、一旦脇へ置きましょう。
妻の言い分を十分に聞き取る、その覚悟をもって、話し合いに臨んでください。
最後までしっかり聞いて、妻の感情をすべて出し切ることに集中しましょう。
一度に話を進める必要はありません。
最初はなかなか進まない話し合いも、時間を重ねていくにつれ、感情を吐き出してくるはずです。
徐々に本音が出てくるので、それを聞き出すまで、何度でも話し合いの場を設けてください。
(2)その理由をカバーできる条件を提示
妻が離婚しない理由が分かったら、その理由をカバーできるような条件を提示しましょう。
例えば、次のような理由とカバーする方法が考えられます。
- 経済的に不安
→財産分与を扶養的財産分与(財産分与として一定期間生活費を補助する)にして、養育費はおおよそ負担する - 離婚しても仕事がない
→就職や資格取得ができるまで生活や育児のサポートをする(その場合は期限を決めることをお勧めします) - 子供の将来が不安
→定期的な面会や子育ての相談には必ず乗ることを約束する - 子供に負担を強いるのが嫌
→姓を今のままにして、子供の行事などには絶対に参加するようにする - 幸せになるのが許せない
→期間を決めて再婚や恋愛をしないことを約束する、お互いが幸せになれるよう妻がデートをする時などは子供を預かることなどの提案をしてみる
離婚をスムーズに進めるなら、自分の主張ばかりは言っていられません。
かといって、理不尽な要求を呑む必要もないので、何度も話し合って意見のすり合わせをしていきましょう。
どうしても話し合いが進まなければ、お互いが信頼している第三者に仲介に入ってもらうことも考えください。
当事者同士では意地になることも多いので、第三者が入ることでスムーズに話し合いが進むこともあります。
(3)愛情がない旨を明確に伝える
話し合いを続ける中で、妻には愛情がないことや、もう再構築が不可能なことを冷静に伝えてください。
女性の中には、愛情よりもステータスを重視する人もいますが、どちらにせよ、全く自分に愛情がない相手と同じお墓に入ることを妥協できる女性は少ないものです。
あなたに愛情がないことが分かれば、冷静になった時に離婚に応じてくれるでしょう。
(4)これらと同時に弁護士へ相談
そして、これらと同時進行で弁護士へ相談しておくことをお勧めします。
弁護士を介入させるメリットは次のようなものになります。
①夫婦だけでは感情的になりがち
あなたがどんなに冷静にと自分に言い聞かせても、離婚の話し合いとなると感情的になってしまうことは避けられないでしょう。
離婚話は、感情的になるほど長引きます。
それを避けるためには、第三者を介入させることは、とても有効な方法です。
ただ、素人を介入させると、場合によっては意図しない結果になったり、新しいトラブルが発生したりすることがあります。
夫婦どちらもが信用できる人がいなければ、その道のプロに入ってもらう方がいいでしょう。
②第三者としてこの結婚生活は妻にとってもデメリットが多いことを説明
離婚の話をしていると、妻は夫の言葉に耳を塞ぐようになることがあります。
妻が有利になるような提案をしても、騙されていると感じて信用してもらえないこともあるでしょう。
そんな時、第三者でしかもプロである弁護士に、この結婚生活を続けてもお互いにメリットがないと言われると、すんなり受け入れられることがあります。
弁護士は、さまざまな夫婦の離婚を見ており、たくさんの事例も知っています。
弁護士は説得の交渉力を身につけていますので、妻も耳を傾けてくれるでしょう。
③妻側の要求をのみすぎると損をする場合も
早く離婚したいばかりに、妻の要求を呑みすぎると離婚後あなたが後悔することにも。
離婚を切り出す側は、話し合いをしている中で罪悪感に苛まれることがあるので、無茶な要求でも承諾してしまうことがあります。
言い合いに疲れてしまえば、不利な条件でも納得してしまうこともあるでしょう。
そうなると、夫婦お互いが別れて幸せになるはずが、いつまでも離婚の痛手を負い続けて不幸になってしまうことがあるのです。
実際、男性の中には妻に明らかに非があったにも関わらず、離婚して高額な慰謝料や養育費で苦しめられている人が存在します。
そうならないために、弁護士に相談して妥当な条件をアドバイスしてもらうといいでしょう。
④妻側に離婚事由がある場合へのアドバイス
妻側に明らかな離婚事由があれば、それを証明する証拠が必要になるケースがあります。
例えば、妻が周囲の人にありもしないことを言う場合や、話が全く噛み合わない時、または離婚の話が平行線になり調停や裁判になった時などです。
こうした証拠確保はコツが必要なので、弁護士に早めに相談しておくと安心です。
あなたのケースに応じた、妻との上手い交渉の方法などもアドバイスしてくれるので、どうしても離婚したいなら信頼できる弁護士を見つけておきましょう。
5、慰謝料や財産分与でなるべく損をせず離婚する方法
離婚する時、自分にも明確に非があると思える場合は、慰謝料や財産分与をケジメとしてしっかりしたいと思うかもしれません。
しかし、明らかに自分に非はないと思う場合は、できるだけ損をせずに離婚したいと思うはずです。
本項では、できるだけ損をせずに離婚をする方法をご紹介していきます。
(1)慰謝料の支払い義務がないことを説明する
離婚をするときは、離婚を言い出した夫が、妻に無条件に慰謝料を支払わなくてはいけないと誤解している人も多いのですが、それは間違いです。
慰謝料を支払う義務が発生するのは、民法上の「不法行為」を行なった場合、つまり、(故意または過失によって)相手の権利や利益を侵害した場合に限ります。
例えば次のようなケースです。
- 不貞行為(不倫や浮気)
- 暴力や経済的DV、モラハラなど
- 性的虐待
- 理由なき別居など
このように、妻に精神的な苦痛を与えた夫は、慰謝料を支払う義務がありますが、こうした理由がなければ、慰謝料を払う必要はありません。
「離婚を言い出されたことによって精神的苦痛を受けた」という主張は通りませんので安心してください。
離婚の話し合いでもしも妻が慰謝料の話をしてきた場合は、上記のことを説明して慰謝料を払う必要がないことを伝えましょう。
納得してもらえないときは、弁護士に相談して、一度話し合いに介入してもらうといいでしょう。
(2)離婚の理由が妻にある証拠を提示する
あなたが離婚したいと思った理由が、明らかに妻側にある場合は、あなたの方が慰謝料を請求することも可能です。
ただし、それには証拠になるものを集めなくてはいけません。
妻から慰謝料をもらわないにしても、自分が慰謝料を払う必要がないことを妻に納得させるには、明確な証拠があった方がスムーズです。
例えば、妻の家事の放棄と夜遊びが離婚理由なら、妻の帰宅時間を日記につける、妻とのLINEのやり取りを取っておくなとが必要です。
妻の浪費が原因なら、クレジットカードの明細や通帳の記録などが分かりやすいでしょう。
こうした証拠を事前に揃えておくと、話し合いが有利に進められます。
(3)財産分与で過剰な請求を阻止するためには
財産分与で損をしないためには、話し合いの前に2つのことを済ませておきましょう。
1つは、財産分与に該当するものとそうでないものを明確にしておくこと。
財産分与に該当するものは、次のようなものです。
- 結婚後に購入した不動産や家具家財、車など
- 2人で貯めた貯金、保険解約金、有価証券など
結婚してから購入したものや預金に関しては、財産分与に対象になると思っておくといいでしょう。
一方で、財産分与の対象にならないものは、結婚する前に購入したものや預金です。
また、別居後に購入したものや預金などに関しても、財産分与の対象にはなりません。
もう1つ済ませておくべきなのは、相手の財産を把握しておくことです。
今ある財産を明確にしておかなくては、損をする可能性が十分考えられるので、面倒ですが事前に調べておいてください。
特に、預金や保険を妻任せにしている男性も多いので注意してください。
6、離婚交渉は弁護士に任せよう!
難航する離婚交渉は、交渉のプロである弁護士に任せましょう。
あなたの代理人となって不利益がないよう交渉を進めてくれます。
費用が掛かるからと、何でも自分でしようとすると、思わぬ損をしたり仕事に支障をきたしたりすることがあります。
また、離婚を切り出したら、 妻側に弁護士がつく可能性もあります。
その場合は、あなたの方が早めに弁護士に相談していた方が有利に進めることができます。
無料相談を実施する法律事務所が増えているので、相性がいいと思える弁護士に出会えるまで、いくつか事務所を回ってみるといいでしょう。
まとめ
離婚は、男性には不利になるケースが多いので、事前にしっかり準備しなくては損をすることがあります。
自分にも非がある場合には、それを隠さず話し合いを進めていくべきですが、客観的に見ても妻に圧倒的な非がある場合は、損をしない交渉をしなくては後悔につながります。
話し合いが苦手な人や、妻が話し合いにも応じてくれない時は、弁護士に相談してアドバイスをもらいましょう。
必要なら話し合いに介入してもらい、夫婦2人が納得できる解決策を見出してもらうと離婚はスムーズに進みます。
離婚に納得してくれない妻と離婚する方法は、事前の準備と冷静な話し合い、そして的確なアドバイスをもらえる弁護士を探しておくことです。