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残業代請求されたらどうすべき?会社が知っておくべき5つのこと

残業代請求されたらどうすべき?会社が知っておくべき5つのこと

ある日突然、従業員から残業代請求されたら、会社はどうすればいいのでしょうか。

近年、労働者の権利意識が高まっていることに加えて、「未払い残業代の請求方法」といったネットの情報が広まっていることもあり、残業代をめぐるトラブルが増加しています。

未払い残業代は従業員一人あたり数百万円にのぼることも珍しくないので、もしも多くの従業員から残業代請求されたら、会社にとって重大なリスクとなります。

そこで今回は、

  • 残業代に関する法律上のルール
  • 残業代を払うべきケースと払わなくてよいケース
  • 残業代請求を放置することによるリスク

等について、数多くの労使問題を解決に導いてきたベリーベスト法律事務所の弁護士が解説していきます。

この記事が、「突然、残業代を請求された」、「今後、残業代請求されたらどうしよう……」とお悩みの会社経営者の方の手助けとなれば幸いです。

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1、従業員から残業代請求されたら、まずは支払い義務の確認

突然残業代を請求されたら、「払う」、「払わない」を二つ返事で決めることはできません。まずは、本当に支払い義務があるのか、あるとしていくら支払う義務があるのかを確認することが先決です。

(1)残業代を支払うべきケースは「時間外労働」をさせた場合

ここで、残業代に関する基本的な知識を確認しておきましょう。

残業代の支払い義務が発生するのは、従業員に「時間外労働」をさせた場合です。ただ、「時間外労働」についても抑えておくべきポイントがいくつかありますので、解説していきます。

①時間外労働とは

時間外労働とは、文字通り、正規の労働時間外に労働させることをいいますが、残業代を考えるにあたっては、次の2種類の「時間外労働」があることを知っておかなければなりません。

  • 所定時間外労働(法定時間内労働)
  • 法定時間外労働

所定時間外労働とは、会社の就業規則や従業員との雇用契約等で定めた1日あたりの労働時間を超えて行わせる労働のことです。

法定時間外労働とは、1日8時間の法定労働時間(労働基準法第32条2項)を超えて行わせる労働のことです。

たとえば、雇用契約で1日あたりの労働時間を6時間(9時~12時および13時~16時)と定めた従業員を20時まで働かせた場合、時間外労働は次のようになります。

  • 16時~18時までの2時間:所定時間外労働
  • 18時~20時までの2時間:法定時間外労働

②残業代に関するルール

所定時間外労働と法定時間外労働を分けて考えなければならない理由は、割増賃金を計算するためです。

所定時間外労働には割増賃金は不要ですが、法定時間外労働には割増賃金が必要で、1時間あたりの賃金の1.25倍を支払わなければならないのです。

他にも割増賃金として、深夜労働をさせた場合は1.5倍(法定時間外労働の1.25倍に加えて0.25倍が必要)、法定休日に労働させた場合は1.35倍の賃金を支払わなければならないという決まりがあります。

③残業代の計算方法

上記の従業員の1時間あたりの賃金が1,000円だとすれば、支払うべき残業代は次のとおりです。

  • 16時~18時までの2時間:2,000円(1時間あたり1,000円)
  • 18時~20時までの2時間:2,500円(1時間あたり1,250円)

したがって、合計4,500円の残業代が発生しています。もしも、この従業員に対して4,000円の残業代しか支払っていなければ、500円の未払い残業代が発生していることになります。

仮に、この従業員を深夜(22時~翌5時の間)に残業させた場合は、深夜割増賃金を加えて1.5倍(1時間あたり1,500円)の残業代を支払わなければなりません。

法定休日に労働させた場合は1.35倍(1時間あたり1,350円)、法定休日に深夜残業をさせた場合は1.6倍(1時間あたり1,600円)の賃金を支払う必要があります。

(2)残業代請求されても払わなくてよいケース

従業員が時間外労働をしていなかった場合は当然、残業代は発生しません。

また、時間外労働をしていたとしても、残業代を払わなくてよい場合があります。ここでは、そんなケースについて詳しく解説します。

①消滅時効が成立している

残業代が発生していても、消滅時効が成立している場合は、支払う必要はありません。

残業代の請求権は、給料支払日の翌日から一定期間が経過すると時効により消滅します。

時効期間は、2020年3月31日までに発生していた残業代については2年、同年4月1日以降に発生した残業代については3年です。

消滅時効の成立を理由に残業代の支払いを拒否する場合は、その旨を従業員に伝える必要があります。このことを「時効の援用」といいます。

時効を援用するには口頭で伝えるだけでも構いませんが、援用した証拠を残すために「時効援用通知書」を内容証明郵便で送付することをおすすめします。

従業員から多額の残業代請求をされたら、消滅時効が成立している部分がないかを確認しましょう。

②残業代が発生していない

従業員が時間外労働をしても、残業代が発止しないケースもいくつかあります。

ⅰ)みなし残業

「みなし残業」とは、実際に時間外労働をしたかどうかに関わらず、毎月一定時間の時間外労働をしたものとみなして、一定額の残業代を払う制度のことです。この制度によって支払う残業代のことを「固定残業代」ということもあります。

みなし残業代制度を適用している従業員から残業代を請求されても、残業時間があらかじめ定めた「一定時間」以内であれば、追加で残業代を支払う必要はありません。

ただし、「一定時間」を超える残業をしている場合は、超えた分については別途残業代を支払う必要がありますのでご注意ください。

また、この制度を適用するためには、あらかじめ就業規則や雇用契約書に明記しておくことや、「基本給」部分と「固定残業代」部分を区別して定めておくことなど、いくつかの決まりもあります。

就業規則や雇用契約書の内容が不十分な場合はみなし残業代制度が無効となり、従業員が行った時間外労働の分だけ、残業代を支払わなければなりません。

したがって、就業規則や雇用契約書の内容を確認し、みなし残業代制度が法律上有効かどうかを確認することが重要となります。

ⅱ)管理職

管理職に対しては、残業代を支払う必要はありません。ただし、深夜残業については、残業代を支払う必要があります。

ただし、ここにいう管理職とは、労働基準法に規定されている「管理監督者」(同法第41条2号)に該当する従業員のことを指すことに注意が必要です。

管理監督者に該当するのは、以下の条件を満たしている場合です。

  • 各部署や部門を統括する権限を持っている
  • 経営に直接的に関与している
  • 自分の出退勤や業務量について裁量を有している
  • 地位にふさわしい待遇を受けている

「支店長」、「マネージャー」、「主任」等の肩書きがついていても、上記の条件を満たしていない場合は、一般の従業員と同様に残業代を支払う必要があります。

このように、管理職としての肩書きがあっても実態は「管理監督者」ではない従業員のことを「名ばかり管理職」といいます。

名ばかり管理職に該当するケースは多いので、残業代を請求した従業員が「管理監督者」に該当するかどうかは慎重に確認する必要があります。

ⅲ)特殊契約形態

管理職以外にも、特殊な契約形態で雇用している従業員については、基本的に残業代が発生しない場合もあります。よく問題となるのは、裁量労働制です

裁量労働制とは、実際働いた時間にかかわらず、あらかじめ一定の労働時間を定め(これを「みなし労働時間」といいます。)、その時間の労働を行ったものとみなして給料の金額を決める給料体系のことです。

そもそも、裁量労働制を適用できる業務は限定されていますので、注意が必要です(労働基準法施行規則第24条の2の2)。

また、「みなし労働時間」が法定労働時間(8時間)を超えた時間である場合には、残業代が発生します。

さらに、深夜や法定休日に労働した場合には、その時間に応じた残業代の支払いが必要です。

ⅳ)請求額に計算ミスがある

残業代の計算は複雑なので、請求してきた従業員が計算ミスをしているケースは少なくありません。

計算ミスによって過大に残業代請求された場合は、当然ですが過大な部分を支払う必要はありません。

こういうこともありますので、従業員から残業代請求されたら、会社側で残業代を正確に計算することが非常に重要です。

(3)残業代の発生・不発生に注意が必要なケース

他にも、残業代が発生するかどうかについて慎重な判断が必要なケースがいくつかあります。

①残業を禁止していた

残業を禁止していた場合は、原則として残業代を支払う必要はありません。

しかし、就業時間に対して業務量が明らかに多い場合や、繁忙期の場合、納期が迫っている場合等、残業しなければ仕事が終わらないという場合には、残業代が発生する可能性が高いです。

このような場合は、形式的に残業を禁止していたとしても、「仕事を完遂せよ」と会社が要求しているわけですから、実際に残業した時間は労働時間としてカウントしなければならないからです。

②自主的な残業だった

残業代は本来、上司からの指示または承認を得て残業した場合に発生するものです。したがって、従業員が自主的に残業した場合は、原則として残業代を支払う必要はありません。

しかし、この場合も残業禁止の場合と同じように、業務量や繁忙期、納期等の関係で残業せざるを得ないような場合は、残業代が発生します。

また、上司からの明確な指示や承認がなかった場合でも、普段から残業している場合や、上司の態度が「残業して当然」というような場合は、実質的に指揮命令に基づいて残業をしたものと考えられます。

このような場合も、残業代を支払う必要があります。

③持ち帰り残業をした

従業員が自主的に持ち帰り残業をした場合は、残業代を支払う必要はありません。

しかし、この場合も、持ち帰り残業しなければ仕事が終わらない場合や、上司の指示や承認によって持ち帰り残業をした場合など、指揮命令に基づくと認められる場合には、残業代が発生します。

2、残業代請求された場合の会社の対応手順

次に、従業員から残業代請求された場合に、会社がどのように対応すればよいのかについて解説します。

(1)支払い義務の有無を確認する

まずは、前項でご説明した項目をチェックして、残業代の支払い義務が発生しているかどうかを正確に確認しましょう。

支払い義務が発生していない場合は、従業員に理由を示して支払いを拒否することになります。

(2)証拠の提出を求める

支払いを拒否しても従業員が納得しない場合は、証拠の提出を求めましょう。

民事上の金銭請求においては、請求する側に自分の主張を立証すべき責任があります。したがって、証拠がない場合は、それを理由として支払いを拒否することができます。

支払い義務が発生している場合であっても、証拠がなければ支払い拒否が可能ですが、円満に解決するためには支払う方向で話し合うのもよいでしょう。

(3)従業員と話し合う

残業代の支払い義務が発生しているものの、会社の経営状況によっては、請求額を支払うことは難しい場合もあるでしょう。そんなときは、支払い額や支払時期について従業員と話し合うことです。

分割払いを求めるのもよいですし、早期に一括払いする代わりに減額を求めるのもよいでしょう。

ただし、残業代の請求は労働者の正当な権利であることは忘れないようにしてください。減額を強要すると従業員が労働基準監督署に通報し、会社の責任を問われる可能性もあるので注意が必要です。

(4)労働審判

残業代の支払いを拒否する場合、会社としては、その旨を従業員に伝えるだけで基本的には足ります。それでも従業員が請求するには、従業員の側でアクションを起こす必要があります。

そのアクションとして、労働審判を起こされることがあります。

労働審判とは、労使間の紛争を解決するための簡易的な裁判手続で、原則として3回以内の期日で審理が終了します。

審判では話し合いが行われ、合意に至ると「調停」が成立します。合意できない場合は、裁判所が「審判」を下すことになります。

どちらの場合も、当事者から異議が出なければ判決と同様の法的効果が生じ、紛争は終局的に解決します。当事者が異議を申し立てた場合は、訴訟手続に移行します。

支払い義務がある場合でも、労働審判に持ち込めば、裁判所の審判員を介して話し合いが可能なので、減額や分割払い等を求めて柔軟な解決を目指すのがよいでしょう。

(5)訴訟

労働審判でも解決しない場合は、従業員から訴訟を起こされる可能性が高いです。最初から訴訟を起こされる場合もあります。

訴訟では、従業員が自分の主張を証明できる証拠を提出すれば、判決で残業代の支払いが命じられることになります。

従業員が有力な証拠を提出できなければ、残業代の支払いは認められませんが、早期に訴訟を終わらせるためには、会社からも残業代が発生していない証拠を提出するようにしましょう。

なお、訴訟の中でも話し合いによって和解することが可能です。敗訴しそうな場合でも、減額や分割払いを求めて和解協議を申し出れば、柔軟な形で解決できる可能性は十分にあります。

3、残業代請求されたら放置はNG!放置によるリスク

残業代が発生している場合も、発生していない場合も、従業員から残業代請求されたら、放置することは避けるべきです。

残業代請求を放置すると、以下のリスクを負うことになります。

(1)遅延損害金や付加金がかかる

訴訟で、会社による残業代の不払いが悪質であると判断された場合は、未払い残業代に加えて付加金の支払いを命じられることがあります。

遅延損害金は、従業員が在職中の場合、2020年3月31日までに発生したものは年6%、同年4月1日以降に発生したものは年3%、すでに退職している場合は年14.6%です。

これらの負担を回避するためには、できる限り話し合いで解決する必要があります。労働審判や訴訟を起こされた場合には、少しでも早く終結させることが重要になります。

(2)裁判に対応する労力がかかる

残業代が発生していない場合でも、従業員から労働審判や訴訟を起こされると、適切に対応しなければ、従業員の主張が認められてしまいます。

これらの裁判手続は複雑ですので、対応するには大きな労力がかかります。弁護士に依頼すれば労力は軽減できますが、弁護士費用がかかってしまいます。

そのため、支払いを拒否する場合でも、可能な限り話し合いで従業員に納得してもらうように努めましょう。

(3)他の従業員からも残業代を請求される

従業員からの残業代請求に会社がいったん応じると、他の従業員からも次々に残業代を請求される可能性があります。

請求する従業員の人数によっては数百万円~数千万円もの支払い義務が発生し、会社の経営にとって大きな負担となることもあり得ます。

このような事態を防止するためには、最初に請求してきた従業員とは示談または和解で解決し、その際の条件として「未払い残業代を受け取ったことを口外しない」ことを明記しておきましょう。

(4)ブラック企業というイメージが拡散する

会社の規模によっては、残業代請求の訴訟を起こされると、テレビや新聞等で大々的に報道されることがあります。

中小企業であっても、残業代の不払いを放置しているとネットの掲示板やSNS等で会社の悪評が拡散されるおそれがあります。

このようにしてブラック企業というイメージが世間一般に拡散してしまうと、信頼を回復するまでにかなりの時間がかかってしまうでしょう。その間に経営危機に陥る危険もあります。

したがって、従業員からの残業代請求は放置せず、誠実に対応することが重要といえます。

4、残業代トラブルを防止するためにやるべきこと

従業員から残業代請求されたら、今後の残業代トラブルによるリスクを防止することも大切です。

そのためには、以下の点を検討してみましょう。

(1)就業時間や業務フローを見直す

まず、できるだけ残業が発生しないように、就業時間や業務フローを見直してみましょう。

従業員が効率的に仕事をこなせるように、フレックスタイム制変形労働時間制を導入するのもよいでしょう。

フレックスタイム制とは、従業員が始業時刻と終業時刻を自由に決められる制度のことです。

変形労働時間制とは、労働時間を「1週間」、「1か月」、「1年」といったスパンで調整する制度のことです。

これらの制度を採用することで、1日の労働時間が8時間を超えても一定時間内は残業代を支払う必要がなくなります。

また、業務フローを見直すことで生産性が向上し、残業のカットが可能になる場合も多いと考えられます。

その他、みなし残業制や裁量労働制等を適切に活用することも、残業代のカットに役立つことが多いです。

(2)就業規則を見直す

上記のように社内の制度を改善しても、就業規則に明記しなければ、従業員に対して拘束力を持ちません。

就業規則にルールを明記しておけば、支払い義務が発生する残業代を減額することができる場合もあります。

就業規則は従業員の権利を保障すると同時に、会社を守るものでもあるので、正しく記載されているか見直すことは極めて重要です。

5、残業代請求されたら弁護士に相談を

実際に従業員から残業代請求されたら、弁護士に相談するのがおすすめです。

残業代のルールや計算は複雑ですが、弁護士に相談すれば、残業代の発生の有無や金額を正確に判断してもらえます。

弁護士に依頼すれば、従業員とのやりとりは弁護士が代行してくれますし、労働審判や訴訟を起こされた場合にも、全面的なサポートが受けられます。

弁護士の力を借りることで、早期かつ円満に解決できる可能性が高まります。

まとめ

残業代請求されたら、会社側が「支払う必要なし」と思っていても、法律的には支払い義務があるケースも少なくありません。

放置していると、会社が多大なリスクを負ってしまうおそれがあります。

従業員から残業代請求されてお困りのときは、一度、弁護士に相談してみましょう。

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