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相続法改正~改正が招くトラブルに巻き込まれないための9つのこと

相続 改正

相続法が改正されたけれど、どのようなポイントに気を付ければよいのだろう……。

相続に関する民法の規定が見直しされ、2018年7月6日、約40年ぶりに改正され、2019年1月以降段階的に施行されました。

高齢化の進行などによる社会環境や経済状況の変化に合わせて大きな改正が行われたため、相続に関するさまざまな制度が今までよりも使いやすく、便利な物に変わりました。

ただ、その一方でシステム変わることによって、今までにはなかったトラブルが発生するおそれもあるので注意が必要です。

そこで今回は、

  • 相続法の改正によって何がどのように変わったのか
  • 相続法の改正によって新たに発生しうるトラブルとは
  • 新たな相続トラブルが発生したときの対処法

などを総合的にご紹介していきます。

相続法の改正点を知りたい方のご参考になれば幸いです。

相続法に関して詳しく知りたい方は以下のページもご覧ください。

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1、相続法改正の目的~相続人である配偶者の生活を守るため相続法改正の目的~相続人である配偶者の生活を守るため

相続法の改正前は、被相続人が亡くなった後に高齢の配偶者が生活に困ってしまうケースが少なくありませでした。

そこで、改正相続法では配偶者の生活を守るために次の制度が導入されました。

(1)配偶者居住権

配偶者居住権とは、被相続人の持ち家に居住していた配偶者は、持ち家の所有権を相続で取得しない場合でも終身または一定の期間、無償で持ち家に居住できる権利のことです。

従来は配偶者が持ち家を相続するとそれだけで法定相続分を満たしてしまい、預貯金など他の財産を取得できずに生活費に困るケースが多くありました。

そればかりか、持ち家を取得するだけで法定相続分を超えてしまい、多額の代償金を他の相続人へ支払わなければならず、支払えない場合は持ち家の相続を諦めて家から出て行かなければならないケースも少なくありませんでした。

改正相続法では、被相続人の持ち家に居住していた配偶者が遺産分割または遺贈で配偶者居住権を取得すれば、持ち家の所有権を取得しなくても終身、無償で持ち家に居住できることになりました。

第千二十八条 被相続人の配偶者(以下この章において単に「配偶者」という。)は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していた場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、その居住していた建物(以下この節において「居住建物」という。)の全部について無償で使用及び収益をする権利(以下この章において「配偶者居住権」という。)を取得する。ただし、被相続人が相続開始の時に居住建物を配偶者以外の者と共有していた場合にあっては、この限りでない。

一 遺産の分割によって配偶者居住権を取得するものとされたとき。

二 配偶者居住権が遺贈の目的とされたとき。

引用元:民法

配偶者居住権を取得した配偶者は預貯金など他の財産を取得できる可能性も高まるので、生活費を確保することも容易になります。

配偶者が終身、持ち家に居住できる権利のことを「配偶者長期居住権」と呼ぶこともあります。

遺産分割や遺贈で配偶者長期居住権を取得できなかった場合でも、持ち家に居住していた配偶者は「配偶者短期居住権」を主張することができるようになりました。

配偶者短期居住権とは、遺産分割の終了か相続開始から6ヶ月間のどちらか遅い方まで配偶者が持ち家に無償で居住できる権利のことです(民法第1037条)。

被相続人が亡くなってから最低6ヶ月は持ち家から出て行く必要はないので、配偶者の生活が一定の範囲で守られることになります。

配偶者居住権に関する民法の規定は、2020年4月1日から施行されています。

(2)夫婦間の持ち家の贈与に関する優遇措置

被相続人が亡くなった後の配偶者の生活を確実に守るために、夫婦間で持ち家の生前贈与か遺贈を行うことも考えられます。

しかし、相続法の原則では生前贈与や遺贈が行われると、遺産を先渡ししたものとして取り扱われます。

そのため、受贈者が遺産分割で新たに取得できる財産は少なくなり、結果的に配偶者の生活を守ることができませんでした。

そこで改正相続法では、婚姻期間20年以上の夫婦間で居住用建物やその敷地を生前贈与または遺贈した場合は、遺産を先渡ししたものとして取り扱う必要はなくなりました。

第九百三条 四項 

婚姻期間が二十年以上の夫婦の一方である被相続人が、他の一方に対し、その居住の用に供する建物又はその敷地について遺贈又は贈与をしたときは、当該被相続人は、その遺贈又は贈与について第一項の規定を適用しない旨の意思を表示したものと推定する。

引用元:民法

例として、被相続人に3,000万円の持ち家と3,000万円の預貯金があり、相続人として妻と2人の子供がいるケースで考えてみましょう。

従来は、被相続人が持ち家を妻に生前贈与や遺贈をしていても、遺産分割では持ち家も遺産に含めて分割する必要がありました。

したがって、

  • 相続分は妻が3,000万円(6,000万円×1/2
  • 子供が1人あたり1,500万円ずつ(6,000万円×1/2×1/2
    となります。

つまり、持ち家を生前贈与や遺贈してもしなくても、遺産分割の結果に変わりがありませんでした。

改正相続法のもとでは、妻が生前贈与や遺贈で取得した持ち家は遺産分割で遺産に含める必要はありません。遺産分割の対象となるのは3,000万円の預貯金のみです。

したがって、妻は持ち家の他に1,500万円(3,000万円×1/2)の預貯金も相続できることになり、生活費を確保することができます。

夫婦間の持ち家の贈与に関する優遇措置に関する民法の規定は、2019年7月1日から施行されています。

2、遺産分割に関する相続法の改正

遺産分割に関する相続法の改正

改正相続法では、今まで遺産分割の障害となっていた事情に対応するため、以下の制度が導入されています。

(1)預貯金の払戻制度

被相続人名義の預貯金は遺産分割の対象となる財産なので、従来は相続人の1人が単独で払い戻しを受けることはできませんでした。

実際にも相続が開始すると被相続人名義の銀行口座は凍結されてしまうため、払い戻しを受けるには遺産分割が終了するか、または家庭裁判所の許可を得る必要がありました。

しかし、家庭裁判所の許可を得るには厳しい条件があったため、預貯金の払い戻しを受けることは非常に困難だったのです。

そのため、相続人が葬儀費用や当座の生活費のために必要があっても預貯金を払い戻すことができず、困ってしまうケースが多々あったのです。

そこで改正相続法では、被相続人名義の預貯金について、各相続人の相続分の1/3の範囲内で、かつ1金融機関あたり最大150万円までは単独で払い戻しが受けられるようになりました。

この制度は民法第909条2にて新設されたものであり、2019年7月1日から施行されています。

同時に家庭裁判所の許可を得るための要件も緩和され、払い戻しが容易になりました(家事事件手続法第200条3項)

(2)遺産の使い込みへの対処

遺産分割前に一部の相続人が遺産を使い込んでしまうケースは、昔も今も少なくありません。

従来は、公平に遺産分割をするためには、まず使い込まれた遺産を取り戻す必要があり、そのためには訴訟をする他ない場合が多く、多大な手間と時間を要していました。

しかし、改正相続法では、使い込んだ人を除いて他の相続人の同意があれば、使い込まれた財産も遺産として存在するものとみなして遺産分割できるようになりました。

第九百六条の二 

遺産の分割前に遺産に属する財産が処分された場合であっても、共同相続人は、その全員の同意により、当該処分された財産が遺産の分割時に遺産として存在するものとみなすことができる。

2 前項の規定にかかわらず、共同相続人の一人又は数人により同項の財産が処分されたときは、当該共同相続人については、同項の同意を得ることを要しない。

引用元:民法

この改正によって、遺産を使い込んだ相続人がいる場合でも公平な遺産分割が可能になりました。

改正民法のこの規定は、2019年7月1日から施行されています。

3、遺言制度に関する相続法の改正

遺言制度に関する相続法の改正

遺言制度についても大きく改正されているので、ご紹介します。

(1)自筆証書遺言の簡易化

自筆証書遺言を作成するとき、従来は遺産の目録まで含めて全てを自筆する必要があり、違反すると遺言書そのものが無効になるとされていました。

しかし、改正相続法では、遺産の目録についてはパソコンで作成することも可能になり、通帳のコピーや不動産の登記事項証明書などの書類を目録の代わりに添付することも認められるようになりました。

この改正によって遺言書を作成するハードルが低くなったので、遺言制度を活用しやすくなりました。

ただし、改正後も本文は自筆する必要がありますし、パソコンなどで作成した目録には署名押印しなければならないことには注意が必要です。

第九百六十八条 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。

2 前項の規定にかかわらず、自筆証書にこれと一体のものとして相続財産(第九百九十七条第一項に規定する場合における同項に規定する権利を含む。)の全部又は一部の目録を添付する場合には、その目録については、自書することを要しない。この場合において、遺言者は、その目録の毎葉(自書によらない記載がその両面にある場合にあっては、その両面)に署名し、印を押さなければならない。

引用元:民法

改正民法のこの規定は、2019年1月13日から施行されています。

(2)法務局における遺言書の保管制度

自筆証書遺言を作成したら、従来は自分で保管するしかありませんでした。

しかし、自分で保管していると紛失するかもしれませんし、相続人に見つかると

  • 破棄
  • 隠匿
  • 改ざん

などのおそれもあります。かといって見つからないような場所に保管すると相続人が発見できずに遺言書を作った意味がなくなるという悩みもありました。

そこで、改正相続法では、自筆証書による遺言書を法務局で保管してもらえる制度が創設されました。

この制度を利用することで安全に遺言書を保管することができ、相続開始後は相続人が法務局で遺言書を閲覧し、写しの交付を受けることで遺産分割ができるようになります。

この制度は、新たに成立した「法務局における遺言書の保管等に関する法律」で新設されたものであり、2020年7月10日から施行されました。

(3)遺言執行者の権限の明確化

遺言書を作成した場合は、相続開始後に遺言書の内容を確実に実現するために遺言執行者が選任されることがあります。

しかし、従来は遺言執行者が具体的に何をすればいいのか、どのような権限があるのかが必ずしも明確ではなく、そのために相続トラブルが発生するケースもありました。

そこで、改正相続法では民法第11007条~第1016条のうち一部を改正することによって、遺言執行者の権限が明確化されました。

この改正規定は、2019年7月1日から施行されています。

4、遺留分に関する相続法の改正

遺留分に関する相続法の改正

被相続人の

  • 配偶者
  • 直系尊属

には一定割合の遺留分があります。

相続人が遺言によって遺留分を侵害された場合、相続法改正前でも遺留分の減殺を請求することは可能でした。

しかし、遺留分減殺請求権は遺産全体に効力が及ぶ権利であったため、不動産などについては請求権を行使することで各相続人の共有になるという効果しかありませんでした。

公平に遺産を分割するためには、さらに不動産を売却しなければならないことも多く、結果的に公平な遺産分割の実現が困難なケースも少なくなかったのです。

そこで、改正相続法では端的に、遺留分を侵害された金額に相当する金銭の支払いを請求できるようになりました。

第千四十六条 遺留分権利者及びその承継人は、受遺者(特定財産承継遺言により財産を承継し又は相続分の指定を受けた相続人を含む。以下この章において同じ。)又は受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができる。

引用元:民法

「遺留分減殺請求権」が「遺留分侵害額請求権」に改められたことで、遺留分の侵害を回復することが容易になりました。

改正民法のこの規定は、2019年7月1日から施行されています。

5、相続登記に関する相続法の改正

相続登記に関する相続法の改正

改正相続法では相続に関する登記制度にも変更がありましたが、この点には注意が必要です。

従来は、相続で不動産を取得したときに相続登記をしなくても、第三者に権利を侵害される心配はありませんでした。

しかし、改正相続法では、遺産分割や遺言によって不動産を取得した場合は、相続登記をしておかなければ法定相続分を超える部分については第三者に対抗できなくなります。

第八百九十九条の二 相続による権利の承継は、遺産の分割によるものかどうかにかかわらず、次条及び第九百一条の規定により算定した相続分を超える部分については、登記、登録その他の対抗要件を備えなければ、第三者に対抗することができない。

引用元:民法

例えば、遺産分割協議で被相続人の持ち家を妻が取得することに決めても、子供が勝手に第三者に売却し、買い主が先に登記をした場合、妻は法定相続分である2分の1を超える持ち分については買い主に権利を主張することができなくなります。

この場合、持ち家は妻と買い主との共有になってしまい、妻が無償で住み続けることはできなくなってしまいます。

改正民法のこの規定は、2019年7月1日から施行されています。

相続で不動産を取得したときは、速やかに相続登記をしておきましょう。

6、介護などによる特別の寄与に関する相続法の改正

介護などによる特別の寄与に関する相続法の改正

従来は、相続人以外の親族が被相続人の介護や看護に努めても、遺言がない限り遺産について何の権利も主張することはできませんでした。

そのため、長男の妻が長年、被相続人の介護や看護に従事しても全く報われず、不公平な状態が発生するケースが多々ありました。

そこで、改正相続法では、相続人でない親族でも被相続人の介護や看護などによって特別の寄与をした場合は、寄与の程度に応じて相続人に対して金銭の支払いを請求できるようになりました。

第千五十条 被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした被相続人の親族(相続人、相続の放棄をした者及び第八百九十一条の規定に該当し又は廃除によってその相続権を失った者を除く。以下この条において「特別寄与者」という。)は、相続の開始後、相続人に対し、特別寄与者の寄与に応じた額の金銭(以下この条において「特別寄与料」という。)の支払を請求することができる。

引用元:民法

この改正によって長男の妻などの苦労も報われますし、被相続人も介護や看護などを頼みやすくなるでしょう。

改正民法のこの規定は、2019年7月1日から施行されています。

7、今後予定されている相続法の改正

今後予定されている相続法の改正

2018年の法改正で変更された相続制度は以上ですが、今後も改正が見込まれている制度がいくつかあります。

既に発生した相続について、今後の法改正が影響することはありませんが、ご参考までに今後予定されている相続法の改正をご紹介しておきます。

(1)相続登記を義務化

現時点では、相続で不動産を取得しても登記する義務はありません。そのため、名義変更の登記がなされていない土地や建物が全国に多数存在しています。

しかし、この状態を放置すると不動産取引が円滑に進まなくなりますし、空き家の増加によって治安の悪化などの問題も発生するおそれがあります。

そこで、法務省の法制審議会で相続登記の義務化が検討されており、登記をしない場合には罰則も適用される予定です。

いつ相続登記が義務化されるかは未定ですが、早ければ2021年中に実現する可能性があります。

前記「5」でご説明したとおり、相続登記をしなければ法定相続分を超える部分については第三者に対抗できないという改正規定は既に施行されています。

今後は、相続で不動産を取得すれば必ず登記しなければならないと考えるべきでしょう。

(2)遺産分割協議の期限を10年に

現時点では、相続放棄の申述期限(3ヶ月)や相続税の申告・納税期限(10ヶ月)はあるものの、遺産分割協議そのものについて期限の定めはありません。そのため、遺産分割すら行われないまま放置されている土地や建物も全国に多数あります。

この状態を放置すると、前項でご説明した相続登記の問題と同じように、不動産取引が円滑に進まなかったり、空き家の増加による治安の悪化などのおそれがあります。

そこで、法務省の法制審議会では、遺産分割協議の期限を10年に限る法案も検討されています。

10年を過ぎても遺産分割が行われない不動産については、相続人が共有しているものとみなして取引可能とする方向で検討が進んでいます。

この法案についても、数年中に成立する可能性があります。

8、相続法の改正によってトラブルを招くケースも

相続法の改正によってトラブルを招くケースも

今般の相続法の改正は、高齢化の進行など近年の社会情勢や経済状況の変化に適切に対応できるように見直されたものではあります。

しかしながら、一部では改正されたことによって以前にはなかったトラブルが発生するおそれもあります。

ここでは、改正後の相続制度のもとでトラブルが発生しやすいケースとその対処法をご紹介します。

(1)配偶者居住権をめぐって揉めるケース

前記「1」(1)でご紹介した配偶者居住権は、高齢の配偶者の生活を守るために認められた、極めて重要な権利です。

しかし、配偶者がこの権利を行使することで、場合によっては他の相続人にとって酷な状況になってしまうことがあります。

例えば、ある人が亡くなり、相続人として妻と一人息子がいるケースで、遺産としては3,000万円の持ち家があるものの他にはわずかな預貯金しかなかったとしましょう。

この場合、息子はたとえ持ち家の所有権を取得しても、母親が配偶者居住権を主張すれば独自に持ち家を使用・収益化することはできません。

本来なら1,500万円の遺産を取得できるはずなのに、ごくわずかな預貯金しか取得できなくなります。そればかりか、母親が住む家のために固定資産税まで負担しなければならないかもしれません。

母親としても、息子から「1,500万円あれば子供を良い大学に入れられたのに」などと苦情を言われたら、気持ちよく持ち家に住み続けることは難しいでしょう。

このような場合、被相続人の配偶者としては他の相続人に家賃を支払うつもりでできる限りお金を支払うなどの配慮するのが得策であることもあります。

あるいは、潔く持ち家を売却して代金を分割した方が安心して暮らせるかもしれません。

(2)「特別の寄与」をめぐって揉めるケース

前記「6」でご紹介した「特別の寄与」をめぐってもトラブルが発生するおそれがあります。

長男の妻が被相続人の介護や看護に努めたとはいっても、相続権がない人に遺産の一部を分けることに納得できない相続人は多くいることでしょう。

当事者間で話し合いがまとまらないときは家庭裁判所に「特別の寄与に関する処分調停・審判」を申し立てることができますが、その後に円満な親族関係を築くことは難しいかもしれません。

このようなトラブルを避けるためには、遺言を活用するのが一番でしょう。

(3)遺言書の発見が困難になるケース

前記「3」(2)で法務局における遺言書の保管制度をご紹介しましたが、この制度にもデメリットはあります。

被相続人が自宅で自筆証書遺言を保管した場合、相続開始後に被相続人の自宅内を探せばほとんどの場合は遺言書が見つかるはずです。

しかし、法務局で遺言書を保管している場合、自宅内をいくら探しても遺言書は見つかりません。

相続人たちが遺言書はないと判断して遺産分割をしてしまうと、被相続人が遺言書を作成した意味がなくなってしまいます。

いったん遺産分割協議が終了した後に遺言書があることが判明すれば、相続人間で揉める可能性が高くなります。

このようなトラブルを避けるためには、法務局における遺言書の保管制度を利用した被相続人が、相続人の誰かにそのことを伝えておく必要があります。

9、相続トラブルが発生したら早めに弁護士に相談を

相続トラブルが発生したら早めに弁護士に相談を

相続法が改正されたことによって相続制度は使いやすくなりましたし、今までは救われなかった人が救われるケースも多くなります。

その一方で、今までは考えられなかったトラブルが新たに発生する危険もありますし、従来と同じような遺産分割トラブルが起こるケースも少なくないでしょう。

相続トラブルが発生したら、早めに対策をとらなければ相続人間の感情的な争いがエスカレートし、骨肉の争いに発展するおそれもあります。

相続問題で困ったら、早めに弁護士にご相談なさることをおすすめします。

まとめ

相続法の改正は、近年の社会環境や経済状況に制度が合致するように、今まで不便だった部分が改められたものです。

したがって、改正内容を正しく知り、上手に活用すれば遺産分割を有利に進めることもできます。

新しい制度を活用しつつ遺産分割を進めるにあたって疑問があったり、トラブルが発生した場合は、お気軽に弁護士に相談してみるとよいでしょう。

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