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巻き込み事故に遭ってしまった際に知っておきたい7つのこと

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交通事故の種類には「巻き込み事故」と呼ばれるものがあります。

巻き込み事故とは、典型的には四輪車が左折する際に左側を直進してきた車両(バイクや自転車)などを巻き込んで接触してしまう交通事故のことです。

巻き込み事故の被害に遭ったら、その後どのような流れで手続きが進み、どのくらいの賠償金を支払ってもらえるのでしょうか?

巻き込み事故で適用される基本の過失割合についても、把握しておきましょう。

今回は、

  • そもそも巻き込み事故とは何か
  • 巻き込み事故に遭ってしまった対応の流れ
  • 巻き込み事故の過失割合

をご紹介します。

ご参考になれば幸いです。

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1、巻き込み事故とは?

そもそも巻き込み事故とはどのようなものなのか、押さえておきましょう。

これは、四輪車が交差点を右左折しようとしたときに、後方や側方を直進してきたバイクや自転車を巻き込んで接触してしまう交通事故です。

歩行者を巻き込むケースもあります。 特に左折の際に巻き込むことが多いため「左折巻き込み事故」と言われることもあります。

被害者となるのは歩行者よりも自転車が多く、死亡事故につながる例もあるので注意が必要です。

巻き込み事故による死亡する被害者は70代の高齢者が多くなっています。

巻き込み事故の原因は、左折車が左折時に後方左側を確認しなかったことや、ルームミラー、サイドミラーの確認不足、目視確認の不足、指示器を出さなかったこと、指示器のタイミングが遅れたことなどです。

2、巻き込み事故に遭ってしまった場合の対応の流れ

もしも巻き込み事故の被害に遭ってしまったら、その後、どのような流れになるのでしょうか?

まずは警察を呼び、その場で実況見分を行います。

ただし、重傷を負って救急車で病院に運ばれた場合などには、被害者は実況見分に立ち会いません。

怪我の治療は「症状固定」するまで継続します。症状固定とは、それ以上に治療を続けても状態が改善しなくなった状態です。

症状固定したかどうかについては、担当医師が判断します。

途中で通院をやめると請求できる慰謝料が少なくなるなどの不利益が及ぶので、必ず医師が「症状固定しました」と言うまで、治療を継続しましょう。

症状固定したら、加害者が加入する自賠責保険会社へ後遺障害の等級認定請求を行います。

これにより、1級~14級のいずれかの後遺障害が認定されると、後遺障害慰謝料や逸失利益の支払いを受けられます。

その後、加害者の保険会社と示談交渉を進め、示談が成立したら示談書を作成して、約束通りの示談金の支払いを受けることになります。

なお上記の後遺障害の等級認定請求ですが、これは多くの場合、加害者側の保険会社が行ってくれていると思います。

被害者側の手間がかからないためとても便利ではありますが、加害者側は早急に等級認定を行いたいこともあり、必要最低限の書類を用意して提出するだけですから、被害者に不利な結果になることもあるのです。

被害者による等級認定請求もできます

ただその場合、自分で多くの書類を精査、準備、提出しなければなりません。

自分では大変である場合は、弁護士に依頼してください

迅速、正確に、また被害者に有利になるよう行動します。

3、巻き込み事故に遭った場合にもらえる保険金の内訳は?

巻き込み事故の被害に遭った場合、どのような保険金(損害賠償金)を支払ってもらえるのか、その内訳も知っておきましょう。

  • 治療費
  • 入院雑費
  • 付添看護費用
  • 通院交通費
  • 休業損害
  • 文書料
  • 入通院慰謝料
  • 器具・葬具の費用
  • 後遺障害慰謝料
  • 後遺障害逸失利益
  • 死亡事故の場合
  • 葬儀費用
  • 死亡逸失利益
  • 死亡慰謝料

特に、重傷を負って後遺障害が残った場合には、後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益の支払いを受けられるので、賠償金の金額が上がります。

また、死亡した場合には葬儀費用のみならず、死亡慰謝料と死亡逸失利益の支払いも請求でき、やはり賠償金の金額が高額になります。

4、巻き込み事故でもらえる慰謝料の計算方法は?

「3、」でもご説明したように、「慰謝料」には、以下の3種類があります。

  • 入通院慰謝料
  • 後遺障害慰謝料
  • 死亡慰謝料

以下で、それぞれの計算方法を簡単にご紹介します。

なお、交通事故の「慰謝料」には、その計算基準は3パターンあります。

1つは自賠法における基準

1つは任意保険による基準

もう1つは裁判所における基準(弁護士基準)です。

実務的にはこれらのうちの1つの基準に従って計算されるものですが、実はこれらの基準には大きな差があります。

簡単には、自賠法の基準が一番金額が低く、その次が任意保険基準、そして一番金額が高い基準が弁護士基準です。

一般的に、任意保険の基準に従って保険会社から提示されることが多いため、任意保険の基準でそのまま慰謝料額を確定するケースも多いでしょう。

一番金額が高いとされる弁護士基準は、基本的には賠償額に争いが生じたときに裁判で用いられる基準ですが、弁護士であれば、示談交渉時でもこの基準で請求します。

そのため、保険会社との交渉において弁護士が入ることにより、より高額な慰謝料を請求することができます

以下の各項目では、その弁護士基準(東京都)による相場を記載します。

(1)入通院慰謝料

入通院慰謝料は、交通事故でケガをしたときに支払われる慰謝料です。軽傷のケースと軽傷以外のケースとで、計算方法が異なります。

軽傷の場合の金額の相場は、以下の通りです。

①【他覚症状がない軽傷のケース】(単位:万円)

入院 1ヶ月 2ヶ月 3ヶ月 4ヶ月 5ヶ月 6ヶ月 7ヶ月 8ヶ月 9ヶ月 10ヶ月
通院 35 66 92 116 135 152 165 176 186 195
1ヶ月 19 52 83 106 128 145 160 171 182 190 199
2ヶ月 36 69 97 118 138 153 166 177 186 194 201
3ヶ月 53 83 109 128 146 159 172 181 190 196 202
4ヶ月 67 95 119 136 152 165 176 185 192 197 203
5ヶ月 79 105 127 142 158 169 180 187 193 198 204
6ヶ月 89 113 133 148 162 173 182 188 194 199 205
7ヶ月 97 119 139 152 166 175 183 189 195 200 206
8ヶ月 103 125 143 156 168 176 184 190 196 201 207
9ヶ月 109 129 147 158 169 177 185 191 197 202 208
10ヶ月 113 133 149 159 170 178 186 192 198 203 209

軽傷以外の場合には、以下の通りです。

②【通常のケース】(単位:万円)

入院 1ヶ月 2ヶ月 3ヶ月 4ヶ月 5ヶ月 6ヶ月 7ヶ月 8ヶ月 9ヶ月 10ヶ月
通院 53 101 145 184 217 244 266 284 297 306
1ヶ月 28 77 122 162 199 228 252 274 291 303 311
2ヶ月 52 98 139 177 210 236 260 281 297 308 315
3ヶ月 73 115 154 188 218 244 267 287 302 312 319
4ヶ月 90 130 165 196 226 251 273 292 306 316 323
5ヶ月 105 141 173 204 233 257 278 296 310 320 325
6ヶ月 116 149 181 211 239 262 282 300 314 322 327
7ヶ月 124 157 188 217 244 266 286 301 316 324 329
8ヶ月 132 164 194 222 248 270 290 306 318 326 331
9ヶ月 139 170 199 226 252 274 292 308 320 328 333
10ヶ月 145 175 203 230 256 276 294 310 322 330 335

(2)後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料は、後遺障害が残ったケースで支払われる慰謝料です。

認定された後遺障害の等級によって金額が異なり、等級ごとの後遺障害慰謝料の相場は以下の通りです。

  • 1級 2800万円
  • 2級 2370万円
  • 3級 1990万円
  • 4級 1670万円
  • 5級 1400万円
  • 6級 1180万円
  • 7級 1000万円
  • 8級 830万円
  • 9級 690万円
  • 10級 550万円
  • 11級 420万円
  • 12級 290万円
  • 13級 180万円
  • 14級 110万円

(3)死亡慰謝料

被害者が死亡した場合の死亡慰謝料の相場は以下の通りです。

  • 一家の大黒柱の場合、2800万円程度
  • 母親や配偶者の場合、2400万円程度
  • それ以外場合、2000万円〜2200万円程度

被害者の状況にあてはめて、計算しましょう。

5、巻き込み事故に遭った際の逸失利益の計算方法

巻き込み事故に遭って後遺障害が残ったり死亡したりすると「逸失利益」を請求できます。

逸失利益とは、交通事故によって得られなくなってしまった将来の収入(減収分)のことです。

後遺障害逸失利益の場合、完全に労働能力が無くなるとは限らないので、等級ごとに異なる「労働能力喪失率」を使って逸失利益を計算します。

計算式は、以下の通りです。

後遺障害逸失利益=事故前の基礎収入×労働能力喪失率×就労可能年数に対応するライプニッツ係数

死亡逸失利益の場合、労働能力喪失率は100%となるので考慮の必要はありませんが、生活費がかからなくなるので、生活費を控除する必要があります。

死亡逸失利益=事故前の基礎収入×(1-生活費控除率)×就労可能年数に対応するライプニッツ係数

なお、ライプニッツ係数とは、逸失利益(将来の長年にわたる収入)を先に一括で受け取ることに対する調整のための特殊な係数です。

逸失利益の計算方法について、詳しくは、「交通事故に遭った際の逸失利益の計算に関して知っておきたい5つのこと」をご参照下さい。

6、巻き込み事故に遭った際の過失割合の計算方法は?

次に、巻き込み事故の過失割合の計算方法について、ご紹介します。

代表的な巻き込み事故のケースとして、まずはバイクと四輪車の過失割合をみてみましょう。

バイクが直進していて四輪車が左折するときの事故の過失割合です。

バイクの過失割合 四輪車の過失割合
自動車が先行していた場合 20% 80%
バイクが先行していて四輪車が追い越し際に左折してバイクを巻き込んだ場合 10% 90%

ただし、以下のようなケースでは、基本の過失割合が修正されます。

修正要素 バイクの過失割合
バイクの著しい前方不注視 +10
バイクの15㎞以上の速度違反 +10
バイクの30㎞以上の速度違反 +20
バイクのその他の著しい過失 +10
バイクのその他の重過失 +20
自動車の大回り左折・進入路鋭角 −10
自動車の合図遅れ −5
自動車の合図なし −10
自動車の直近左折 −10
自動車の徐行なし −10
自動車のその他の著しい過失 −10
自動車の重過失 −20

次に、四輪車が直進しており、バイクが左折する場合のそれぞれの過失割合をみてみましょう。

バイクの過失割合 四輪車の過失割合
バイクが先行していた場合 60% 40%
バイクが追い越し際に左折して四輪車と接触した場合 80% 20%

この場合にも、修正要素が適用されます。

バイクが先行していた場合の修正要素

修正要素 バイクの過失割合
バイクの合図遅れ +5
バイクの合図なし +10
バイクのその他著しい過失 +5
バイクの重過失 +10
自動車の著しい前方不注視 −10
自動車の15㎞以上の速度違反 −10
自動車の30㎞以上の速度違反 −20
自動車のその他の著しい過失 −10
自動車のその他の重過失 −20

次に、自転車と四輪車の巻き込み事故の過失割合をみてみましょう。

自転車の過失割合 四輪車の過失割合
四輪車が先行していた場合 10% 90%
四輪車が追い越し際に左折して自転車と接触した場合 0% 100%

修正要素は、以下の通りです。

修正要素 自転車の過失割合
自転車の著しい過失・重過失 +5〜+10
自転車が自動、高齢者 −5
四輪車が大回り左折、進入路鋭角 −10
四輪車の合図遅れ −5
四輪車の合図なし −10
自動車が自転車横断帯を走行 −5
自動車のその他の著しい過失、重過失 −5〜−10

7、過失割合に納得いかない場合の対処法について

巻き込み事故の被害に遭ったときには、過失割合について争いが発生する例が多いです。

自分の過失割合が大きくなると、相手に請求できる賠償金の額が減額されてしまうので、被害者にとって、過失割合は非常に重要な問題です。

加害者の保険会社が主張してくる過失割合に納得できない場合には、まずは自分で「適正な過失割合」を調べましょう。

適正な過失割合とは、弁護士や裁判所が利用している過失割合の基準のことです。上記でご紹介したのも、その割合です。

適正な過失割合を知りたい場合には、以下のような本を参照することにより、調べることができます。

  • 民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準(判例タイムズ社)
  • 民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準(日弁連交通事故センター東京支部)
  • 交通事故損害額算定基準(日弁連交通事故相談センター本部)

なお、過失割合だけを知りたいのであれば、 「別冊判例タイムズ」 を購入するのが良いでしょう。

また、弁護士にご相談いただけましたら、適切な過失割合を算定してお伝えできます

適正な過失割合が明らかになったら、その割合を加害者の保険会社に伝えて、あてはめるように交渉しましょう。

それでも相手が応じない場合には、弁護士に示談交渉をお任せ下さい。

弁護士が対応すると保険会社も無理な主張はせず、適正な過失割合をあてはめることができる場合があります

どうしても折り合いがつかない場合には、裁判をして適正な過失割合を目指すことも可能です。

まとめ

巻き込み事故に遭った場合、重傷となることも多いので、まずはしっかりと治療を受けて、後遺症が残ったら後遺障害認定を受けましょう。

被害者にとっては、後遺障害等級認定、適用される慰謝料基準、そして過失割合は特に重大な問題です。

納得できない場合などでも諦めたり泣き寝入りはせずに、弁護士までご相談下さい。

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