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共同親権とは?メリット・デメリットなど知っておきたい8つのこと

共同親権

共同親権が導入されれば、離婚しても子どもと離ればなれになる心配はないのに……。

離婚をお考えの方の中には、未成年の子どもの親権について相手方と話がまとまらず、子どもと会えなくなってしまうのではないかという不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

現在の日本では、離婚後の親権は単独親権のみが適用されており、離婚後は母と父のどちらか一方しか親権者となることができません(民法819条1項、2項)。

しかし、日本でも共同親権の導入が検討されています。

共同親権が導入されたら、離婚後も両親がともに子育てに関わることが今よりも容易になるため、非常に大きなメリットがあるといえるでしょう。

ただ、その反面で共同親権にはデメリットもあるので注意が必要です。

そこで今回は、

  • 共同親権とは
  • 共同親権のメリット・デメリット
  • 共同親権の導入をめぐる国の動き

などについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が分かりやすく解説します。

この記事が、離婚後の親権についてお悩みの方の手助けとなれば幸いです。

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1、共同親権とは?

共同親権とは?

まずは、共同親権とはどのようなものなのか、現在の日本で適用されている単独親権とはどのように違うのかをご説明します。

(1)共同親権の意味

共同親権とは、父母の双方が子どもに対する親権を有する制度のことをいいます。

現在の日本でも、父母の婚姻中は当然ながら共同親権が認められています(民法第818条3項本文)。

しかし、離婚後は父母のどちらか一方しか親権を持つことができません。

そのため、離婚時には子どもの親権をめぐってし烈な争いが繰り広げられるケースが多くなっています。

また、離婚後に片方の親にしか親権が認められないことから、養育費が支払われない、面会交流が行われない、というケースが数多く発生していることも大きな問題となっています。

現在、導入の検討が進められているのは、離婚後も父母がともに親権を持ち、共同して子どもを育てていくという意味での「共同親権」です。

(2)単独親権との違い

共同親権と単独親権の違いをひとことで言うと、離婚後も夫婦が共同して子どもを育てていくのか、離婚後は一方の親がひとりで子どもを育てていくのかということになります。

そもそも親権とは、単に子どもと一緒に暮らすという権利ではなく、子どもの生活の面倒をみて必要なしつけを行うほか、教育を受けさせたり財産を管理したりなど、多くの義務と責任を伴うものです。

単独親権のもとでは、基本的には親権者となった親がひとりで子育ての責任を果たさなければなりません。

時間的にも金銭的にも、さらには精神的にも相当に重い負担を背負うことになり、趣味などで自分だけの自由な時間を過ごすことは難しくなります。

共同親権では、離婚後も両親が協力して子育てをする義務を負うことになるので、片方の親がすべての責任を抱え込むということがありません。

両親がともに子育てに関わり続けますので、養育費もスムーズに支払われやすくなりますし、面会交流も積極的に行われやすくなるといえます。

子どもにとっても、両方の親と関わることができますので、離婚による生活環境の変化を最小限に抑えることができます。

両親からの愛情を受け続けることで、健全な精神的発達も促されるでしょう。

両親が離婚しても親子関係は双方の親と続くのですから、離婚後も共同親権を認めることが自然な形であるともいえます。

(3)再婚相手と養子縁組をした際は共同親権

日本でも、離婚後に共同親権となるケースが1つだけあります。

それは、離婚して親権者となった側の親が再婚し、再婚相手と子どもが養子縁組をした場合です。
つまり、再婚相手と連れ子が養子縁組みをするケースがこれに当たります。

未成年の養子は養親の親権に服するとされているので(民法第818条2項)、再婚相手は養子縁組によって親権を獲得します。

実親(子を連れて離婚した人)はもともと親権を有していますので、実親と養親(再婚相手)との共同親権となるのです。

離婚して親権を失った側の実親は、子どもとの法律上の親子関係は切れないものの、親権は失ったままです。

2、共同親権は是か非か|メリット・デメリットを知っておこう

共同親権は是か非か|メリット・デメリットを知っておこう

それでは、離婚した両親の共同親権は日本でも導入されるべきものなのでしょうか。

この点を考えるためには、共同親権のメリットとデメリットを正しく知っておく必要があります。

(1)共同親権が導入された場合のメリット

まずは、メリットからみていきましょう。

共同親権が導入された場合のメリットは、主に以下の5つです。

①両親が協力して子育てができる

離婚後にひとりで子どもを育てていくのは大変ですが、共同親権が導入されると離婚後も両親が協力して子育てをしていくことが可能となります。

そのため、片方の親だけが過大な負担を負うことがなくなりますし、離婚後は子どもに会えなくなるという心配も少なくなります。

②子どもが両親からの愛情を受けられる

子どもの成長にとって、両親がそろっている方が望ましいことは言うまでもありません。

「片親しかいない」という寂しさに襲われることもありませんし、「両親から愛されている」という安心感を持って健やかに成長していくことが期待できます。

③離婚時の親権争いを回避できる

現行の単独親権制の下では、離婚時に親権を獲得できなければ「子どもを失う」と感じてしまうのも無理はありません。

そのため、激しい親権争いを繰り広げる夫婦が数多くいます。

最終的に親権者が指定されたとしても、激しく争った後ではお互いにしこりが残ってしまい、その後に親同士として良好な関係を築くことは難しくなります。

また、両親が親権をめぐって激しく争うことは、子どもにも大きな精神的負担をかけてしまいます。

共同親権が導入されれば、離婚時の激しい親権争いを回避することが可能となります。

③養育費がスムーズに支払われやすい

単独親権制の下では、親権を獲得できなかった側の親は子どもに会えるとしても月に1回程度が相場です。

そのため、養育費を支払うモチベーションがなかなか上がらないのが実情です。

面会交流を拒否されているようなケースでは、「子どもに会えないのにお金だけ払わされるのは不当だ」と感じてしまい、養育費が支払われないケースも数多くあります。

共同親権が導入されれば、日頃から子育てに関わり続けるケースが増えますので、自発的に養育費が支払われやすくなります。

④面会交流がスムーズに行われやすい

共同親権が導入されても、子どもと日々一緒に暮らすのは父母のどちらかに限られてしまうため、もう一方の親との「面会交流」がどうしても必要となります。

この点、現行法のもとでは、事実上、相手方(親権者である元配偶者)の許しを得なければ子どもに会わせてもらえないことが少なくありません。

しかし、共同親権が導入されると、面会交流も親権の内容のひとつとされると考えられますので、相手方が面会交流を拒むことは基本的にできなくなります。

子どもと離れて暮らす方の親も親権者に違いありませんので、今までよりも面会交流を行いやすくなるでしょう。

(2)共同親権が導入された場合のデメリット

一方で、共同親権にはデメリットもあります。共同親権制が導入された場合のデメリットは、主に以下の5つです。

①子どもの生活に負担がかかる

共同親権が導入されると子どもが両親と関われるとはいっても、離婚前のように親子がそろった状態で過ごせるわけではありません。

父・母とそれぞれ別々に会わなければならないことがほとんどでしょう。

そうすると、子どもは面会交流のために多くの時間を費やさなければならなくなります。

友人と遊ぶ時間は減るでしょうし、勉強や習い事に支障をきたしてしまうおそれもあります。

②子どもに精神的な負担がかかる

両親がそろった子どもなら「家に帰ればお父さんとお母さんがいる」という安心感を持って過ごすことができます。

しかし、離婚後の共同親権の状態では、「こちらの家にはお母さん、あちらの家にはお父さんがいる」という状態になってしまいます。

これでは、子どもがどちらを自分の生活の基盤として考えればよいのかが分からなくなり、精神的に不安定になってしまうおそれもあります。

③両親の教育方針が異なると子どもが板挟みになる

単独親権制の下では、教育方針の決定権は親権を獲得した側の親にのみあります。

したがって、子どもにどのような習い事をさせるか、どんな学校に進学させるかなどをスムーズに決定できます。

しかし、共同親権制が導入されると、父母の双方に親権がありますので、教育方針について逐一、協議して決めなければなりません。

両親が教育方針でもめると、子どもが板挟みとなって苦しんでしまうでしょう。

④遠方への引っ越しが難しくなる

共同親権が導入されると、面会交流を拒否することは基本的にできなくなります。

面会交流を円滑に行うためには、父母が近くに住む必要性が高くなります。

しかし、離婚後は遠方の実家に住みたい人は多いでしょうし、仕事などの必要上、遠方に引っ越したいという人も少なくないでしょう。

それでも、元配偶者と子どもとの面会交流は認めなければなりませんので、遠方に引っ越すことが難しくなる可能性があります。

⑤DVやモラハラから逃れられない

単独親権制の下では、配偶者から自分や子どもがDVやモラハラを受けている場合、離婚することによって配偶者から逃れることが事実上可能です。

このようなケースでは、面会交流を拒否する正当な理由があるとされているからです。

しかし、共同親権が導入されると相手も親権者であり続けますので、離婚しても親子ともにDVやモラハラから逃れることができなくなってしまうおそれがあります。

3、共同親権の導入に対する国民の意見は?

共同親権の導入に対する国民の意見は?

この記事をお読みの方の多くは共同親権の導入を望まれていると思いますが、前項のメリット・デメリットをお読みになった結果、「慎重に考えなければならない」と感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

では、世間一般の人たちは共同親権についてどのように考えているのでしょうか。

(1)アンケートでは過半数が導入に賛成

近年、様々な団体や企業が、共同親権の導入について一般の方を対象としたアンケートを実施しています。

そういったアンケートの結果を見ると、概して共同親権の導入に賛成する意見が多数を占めています。

やはり、両親が離婚はしても子どもは2人の子どもなのですから、両親が協力して育てていくことが望ましいと考えている人が多いようです。

世間の人の過半数は離婚後の単独親権に疑問を持ち、共同親権の導入を望んでいると考えてよいでしょう。

(2)DVやモラハラを理由に反対する意見も根強い

しかし、アンケートでは少数ながら反対意見もあります。反対する理由は前項のデメリットでご紹介した事項が中心となっていますが、その中でも根強いのが「DVやモラハラから逃れられない」という理由です。

たしかに、共同親権が導入されるとしても、DVやモラハラから親子を守るための法律上の手立ては必要不可欠となるでしょう。

今後の政府や国会における議論の状況を注意深く見守っていく必要があるといえそうです。

4、諸外国における共同親権の導入状況

諸外国における共同親権の導入状況

諸外国では、すでに多くの国が共同親権を導入しています。

2019年に法務省が外務省に依頼して主要関係諸国(24カ国)に対して行った調査の結果は、以下の表のとおりとなっています。

 

 

共同親権を導入している国

 

 

アメリカ、カナダ、イギリス、イタリア、オランダ、スイス、スウェーデン、スペイン、ドイツ、フランス、ロシア、オーストラリア、中国、韓国、タイ、フィリピン、インドネシア、ブラジル、メキシコ、アルゼンチン、サウジアラビア、南アフリカ

 

共同親権を導入していない国

 

 

インド、トルコ

 

24カ国中、共同親権を導入しているのは22カ国にのぼり、いまだ共同親権を導入していないのはわずか2カ国にとどまっています。
国際的に見て、いまだに共同親権を導入していない国の割合はわずかであるといえるでしょう。

先進国で単独親権制がとられているのは日本くらいというのが現状です。

もっとも、共同親権の内容については、導入している国においても様々に異なっています。

①離婚後の共同親権の内容

両親が共同で行使すべき親権の内容に限定のない国もあれば、限定している国もあります。大きく分けると、以下のとおりです。

  • 内容に限定のない国…スイス、フィリピン、アメリカ(ワシントンDC)
  • 「子にとって著しく重要な事柄」等抽象的な限定を設けている国…ドイツ
  • 共同行使する内容を具体的に限定している国…イタリア、メキシコ

イタリアでは、子どもの教育や健康に関すること、および子の居所の選択については共同行使することとされ、その他の事項については父母の一方が単独で行使することとされています。

メキシコでは、財産管理権のみ共同で行使することとされ、監護権については父母の一方が単独で行使することとされています。

②単独親権を選択できるか

また、離婚時に原則として共同親権とする国もあれば、当事者の協議によって共同親権か単独親権かを選べる国もあります。

  • 原則として共同親権となる国…イタリア、ドイツ、フランス、オーストラリア、フィリピン等
  • 単独親権の選択が可能な国…カナダ(ブリティッシュコロンビア州、スペイン等)

インドネシアでは、単独親権が原則で、共同で親権を行使することはまれであるとされています。

日本で、どのような内容の共同親権を導入すべきであるのかは今後の検討課題ですが、いずれにしても、「両親が離婚しても子どもは共同して育てていく」ための法整備は国際的にも重要視されているといえるでしょう。

5、日本の法改正はいつから?!共同親権の導入をめぐる国内の動き

日本の法改正はいつから?!共同親権の導入をめぐる国内の動き

日本の政府も現在、共同親権の導入に向けて検討を進めています。
しかし、現時点ではいつから共同親権が導入されるのかは決まっていません。

本項では、共同親権の導入をめぐる政府の動きを紹介します。

(1)日本がこれまで単独親権をとってきた理由

日本で単独親権がとられてきたのは、第二次大戦前の「家父長制」(いわゆる「家制度」)に由来しています。

家父長制では、家族を統率する権限が男性である家父長(戸主)に集中しており、子どもは家父長である父親の支配下に属するものと考えられていました。

夫婦が離婚する際には、妻が子どもを置いて家から出て行くのが一般的だったのです。

戦後、1947年の民法改正によって家父長制は廃止されましたが、親権については伝統を重視したためか変更されず、単独親権のまま今日至っています。

もっとも、戦後は男女平等の風潮が徐々に強まるとともに、子どもの人権も重視されるようになってきました。

家庭裁判所でも、未成年の子どもの養育には母親の方が適しているという「母性優先の原則」を重視して、親権が決められるようになりました。

以上の流れから、現在では夫婦が離婚する際には妻が子どもを連れて家を出るのが一般的となっていますが、親権の制度としては単独親権がいまなお採用されています。

(2)国内での最新の議論状況

以上の社会の変化とともに少子化が進むにつれて、単独親権の弊害が浮き彫りになってきました。

離婚する夫婦間で、数少ない子どもの親権をめぐって親権争いを繰り広げるケースが急増したのです。

どうしても親権を譲りたくない親が、(元)配偶者に無断で子どもを連れ去るという事態も珍しいことではありません。

親権争いでは父親が圧倒的に不利なことや、離婚後に子どもとの関わりが薄くなる父親が十分な養育費を支払わないケース、面会交流がスムーズに行われないケースが多いことも、問題視されています。

そこで、国も共同親権を導入する必要性を認識し、以下のような動きを見せています。

まず、2019年11月、法務省の担当者も参加する「家族法研究会」が立ち上げられ、共同親権導入の是非や、導入する場合の内容などについて議論が行われました。

その結果、離婚後の面会交流や親権制度について見直しが必要だという結論となり、2021年2月、上川法務大臣がこれらの見直しについて法務省の法制審議会に諮問しました。

法制審議会では共同親権の導入に向けて審議が重ねられており、2022年8月末を目処に中間試案としてとりまとめられる見込みです。
その中間答申を(パブリックコメント)にかけ、国民の意見を広く募って再検討した上で、答申案を決定する予定となっています。

なお、これまでの審議内容を見ると、子どもの連れ去りを防止するための方策が十分ではないように思われます。
一部には、「子の利益」よりも「母親の利益」を優先するものではないかとの批判もあるようです。

そこで、民間団体が子の利益をより重視した独自の中間試案をとりまとめ、2022年5月31日に自民党の高市早苗政調会長に提出し、世間の注目を集めました。

政府では2023年4月に「こども家庭庁」が発足することが見込まれていることから、今後、共同親権の導入に向けた国の動きは加速していくと考えられます。

さしあたり、現時点では2022年8月末頃に法制審議会がとりまとめる見込みの中間試案がどのような内容になるのかが注目されるところです。

(3)単独親権はハーグ条約に違反する?

諸外国からは、日本の単独親権制がハーグ条約に違反しているのではないかと言われることもあります。

ハーグ条約とは、正式名称を「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約」といい、日本も2014年に署名して国内で発効している条約です。

この条約は、国際結婚および離婚が増加していることを背景として、国境を越えた子どもの連れ去りを防止することを目的とするものです。

実際に国境を越えた子どもの連れ去りが行われた場合には、原則として子どもを元の居住国へ返還することが条約加盟国に義務づけられています。

しかし、日本では最近まで、外国で暮らしていた子どもが日本へ連れ去られた場合に、強制的に子どもを元の居住国へ返還するための法律が整備されていませんでした。

このような批判を受けて、日本も国内法(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律)を改正し、国境を越えて連れ去られた子どもを強制的に元の居住国で返還するための規定が2020年4月1日から施行されています。

ただ、それでもまだ、ハーグ条約を遵守するための日本国内の法制度は十分なものとはいえません。

2020年7月には、EU(欧州連合)の組織である「欧州議会」が、子どもの連れ去りを禁止することや、共同親権を認めるための法整備などを求める決議が採択されました。

単独親権制そのものが必ずしもハーグ条約に違反するわけではありません。

しかし、諸外国からは、さらに日本がハーグ条約を遵守できるような法改正を求められているといえます。

(4)共同親権を求める裁判も多数起こされている

共同親権の導入については、政府で議論されているだけでなく、裁判の場でも争われています。

2021年2月17日、東京地裁で離婚後の単独親権が「合憲」である(共同親権が導入されていないからといって違憲とはいえない)とする判決を言い渡したことがニュースとなりました。

この裁判では、離婚によって親権を失った男性が原告となり、次のような主張をしていました。

  • 単独親権制は憲法が保障する法の下の平等や幸福追求権に反する
  • 虐待などの特殊なケースを除いて、離婚後も両親が共同で子育てをするべき
  • 離婚後の共同親権を導入していないことについて国に責任がある

これに対して、東京地裁の判決では以下のように判断されました。

  • 単独親権制は、離婚後の両親の関係が必ずしも良好でないことから、子の利益を損なう事態を避けるために、父母のうちより適格な者を親権者に指定するものである
  • したがって、単独親権制には合理性が認められ、違憲とはいえない
  • 共同親権制を認めるか否かは、国会の合理的な裁量に委ねられるべきものである

注意すべきなのは、この判決は何も単独親権制の方が望ましく、共同親権を認めるべきではないとは言っていないということです。

共同親権制を導入するかどうかを決めるのは国会の仕事であり、現時点で導入されていないからといって憲法に違反するものではないと言っているだけです。

むしろ、この判決では、親から養育を受ける子、子を養育する親にはそれぞれ人格的利益があると述べられている点が注目されます。

この人格的利益は憲法が予定する家族の根幹にかかわるものであり、国会が親権制度に関する具体的な法制度を構築するに当たって、この人格的利益をいたずらに害することがないようにという観点が考慮されなければならない、とも述べられています。

結論として単独親権は合憲だとしているものの、共同親権にも相当に配慮した判決であると評価することも可能です。

なお、原告の男性はこの判決を受けて控訴しましたが、2021年10月28日に東京高裁で控訴棄却の判決が下されました。

原告の男性はさらに上告しましたが、現時点(2022年6月)では最高裁判所による判断は下されていません。

現在、他にも同様の裁判が多数、起こされています。

裁判所の判断が容易に変わるものではありませんが、共同親権の導入を後押しする動きとして注目されるところです。

6、共同親権以外でも共に子育てする方法

共同親権以外でも共に子育てする方法

日本でも共同親権が導入される可能性は高いですが、それでも実際に導入されるまでに数年はかかると考えられます。

しかし、現行法のもとでも、離婚した夫婦が協力して共に子育てをすることは可能です。

共同親権が導入されるまでは、以下のような工夫をしてみましょう。

(1)面会交流権の獲得

面会交流権とは、親権を獲得できなかった側の親(非親権者)が、離婚後に子どもと定期的に会い親子の交流を図れる権利のことです。

現状では、面会交流の取り決めは「月に1回」「1回あたり半日程度」が相場となっています。

しかし、面会交流の頻度や方法は両親が合意すれば自由に定めることができます。例えば、以下のように充実した面会交流を行うことができれば、共同親権に近い状態で子育てをすることも可能となるでしょう。

  • 毎週土日に宿泊を伴う面会を行う
  • 年に3回、宿泊を伴う旅行を認める
  • 週のうち3日は父親方で、4日は母親方で暮らす

問題は、非親権者が充実した面会交流を望んでも親権者が応じないケースが多いことです。

ケースにもよりますが、一般的には両親が同程度に子育てに関与した方が子どもにとっての利益が大きくなります。

親権者の意識を改めることも望まれますが、現状では家庭裁判所の面会交流調停を利用するなどして、子どもに過度な負担がかからない範囲内で、充実した面会交流権の獲得を目指すことになるでしょう。

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(2)財産管理権と身上監護権の分離

親権は財産管理権と身上監護権とから構成される権利ですが、財産管理権と身上監護権は分離してそれぞれの親に帰属させることも可能です。

例えば、離婚後に母親が子どもと一緒に暮らす場合、身上監護権は母親が持つものの、財産管理権は父親が持つものとすることが考えられます。

こうすることによって、形式上、共同親権を実現できます。

財産管理権とは、文字どおり子どもの財産を管理する権利のことです。子どもの財産に関する法律行為を代理したり、子どもが行った売買や賃貸借などの法律行為に同意を与える権限なども含まれます(民法第824条)。

身上監護権とは、簡単にいうと子どもの生活上の世話をするとともに教育やしつけを施す権利のことです。

身分行為(結婚、離婚、養子縁組など)の代理権や、居所指定権、懲戒権、職業許可権なども身上監護権に含まれます。

財産管理権を得た側の親は、子どもと一緒に暮らすことはできませんが、親権を失わず子どもとつながっていられるという安心感を持つことができます。

一方で、身上監護権を得た側の親は、子どもに関する法律行為をする度に財産管理権者である元配偶者の同意を得なければなりません。

例えば、子ども名義の通帳を作ることや、子ども名義の携帯電話の契約をすること、大学進学などのために子どもがアパートの契約をすることなどは、元配偶者の同意がない限りできないことになります。

このように、財産管理権と身上監護権を分離することにはデメリットが大きいことと、財産管理権のみを取得してもメリットがあまりないことから、この方法は実務ではあまり利用されていません。

(3)共同養育

現行法上の制度を活用する方法では、元夫婦が共に子育てをしようとしても限界があります。

そこで昨今、注目されているのが「共同養育」というものです。

共同養育とは、夫婦が離婚して一方が親権者となった後も、2人が協力して共に子育てをしていくことです。

面会交流を積極的に活用することによっても共同養育は可能ですが、元夫婦が協力すれば面会交流という制度にとらわれず、より自由な形で共に子育てをしていくことが可能となります。

すでに、様々な形で共同養育を実践している元夫婦が数多くいます。

子どもが長期休暇の際には父親の家で過ごすケースや、父親が指導しているスポーツのチームに子どもを参加させるなど、共同養育のスタイルは様々です。

親権者である母親が忙しいときはもちろん、ときには母親がリフレッシュするために父親に子どもを預けるケースもあるようです。

共同養育とはいっても、元夫婦が離婚前のように同じ空間にいなければならないわけではありません。

お互いに顔を合わせなくても、協力関係のもとに子どもとコミュニケーションをとり、それぞれの立場で子育てに関わることができれば、立派な共同養育となります。

とはいえ、共同養育を実現するためには元夫婦がお互いに協力し合える関係にあることが前提となります。事情によっては協力し合うことが難しいこともあるかもしれません。

すでに離婚された方はできる範囲で良いので、必要に応じて共同養育に取り組み、お子さまに両親の愛情を注いでみてはいかがでしょうか。

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7、離婚での親権問題にお困りの方は弁護士へ相談を

離婚での親権問題にお困りの方は弁護士へ相談を

親権問題は現行法の下でも難しい問題ですが、共同親権が導入されるかもしれないという新たな局面を迎えて、離婚する方にとっては様々なことを考える必要が生じています。

親権についてどのように考えれば良いのかがわからなくなり、困ったときは弁護士へ相談してみることをおすすめします。

弁護士はあなただけの味方として、親権が欲しいというご希望に徹底的に向き合ってくれます。

相手方との話し合いは弁護士が代行しますので、あなたは相手方と直接交渉する必要がありません。

親権をめぐって裁判手続きが必要となった場合にも、弁護士が複雑な手続きをすべて代行してくれるので安心できます。

裁判が始まっても、代理人の弁護士が法律のプロとして、あなたに有利な主張をしっかりとしてくれます。

あなたにとって、納得のいく結果が得られる可能性が高まるでしょう。

現行法の下では父親が親権を獲得するのは難しいのが実情ですが、弁護士が親権獲得のための交渉や裁判を全力で行ってくれるのです。

万が一、今回は親権を獲得できない場合でも、面会交流について取り決めるようにサポートします。

親子の交流を継続していけば、将来的に親権者の変更が認められるでしょう。

もちろん、共同親権の導入を見すえたアドバイスも行います。

弁護士という味方を得ることで、離婚の際の親権争いで後悔することは回避できるでしょう。

まとめ

共同親権は、日本でもそう遠くない将来に導入されると考えて良いでしょう。

ただし、共同親権が導入されたとしても、子どもと日々一緒に暮らせるのは片方の親のみです。

そう考えると、離婚時の親権争いは法制度が改正されても残る問題なのかもしれません。

未成年の子どもがいる夫婦にとって、離婚時に最も重視しなければならないのは子どもの幸せです。

この点は、単独親権の下でも、共同親権が導入された場合でも変わりません。

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