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仮面夫婦の本質と解消法:離婚や子供への影響を考える

仮面夫婦

仮面夫婦とは、お互いに愛情を失っているものの、離婚せずに対外的には円満な夫婦を演じている関係のことです。

見かけ上は円満に見えますが、実は仮面夫婦として長い間過ごす人々は意外に多いです。仮面夫婦での生活には、子供への負担が少ないなどのメリットもあるため、当事者が納得している場合、必ずしも悪いことではありません。

ただし、離婚の問題を先延ばしにしている場合、今後の夫婦関係について真剣に考える必要があります。

この記事では、

・仮面夫婦かどうかを確認するポイント
・仮面夫婦関係を修復する方法
・仮面夫婦が離婚する方法

などに焦点を当て、夫婦関係に関する豊富な知識を持つベリーベスト法律事務所の弁護士が詳しく解説します。仮面夫婦でいたい方も、離婚を検討している方も、ぜひ参考にしてください。

弁護士相談に不安がある方!こちらをご覧ください。

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1、仮面夫婦とは?

仮面夫婦とは?

まずは、仮面夫婦とはどのような夫婦のことをいうのかを確認しておきましょう。仮面夫婦かどうかのチェックポイントもご紹介しますので、参考になさってください。

(1)仮面夫婦の意味

仮面夫婦とは、対外的には夫婦として振る舞っているけれども、実際には二人の間に愛情や親密なやり取りがないような夫婦のことをいうのが一般的です。

戸籍上は夫婦であり、親族、友人や近所の人たちに対しても普通の夫婦として振る舞っているため、本人たち以外の人は仲の良い夫婦と思っています。
しかし、2人の間には夫婦としての実態も愛情もないという状態のカップルのことを仮面夫婦といいます。

(2)仮面夫婦の特徴

仮面夫婦には、いくつかの特徴があります。「自分たちは仮面夫婦かも?」と不安に感じている方は、以下のチェックポイントで診断してみましょう。

【仮面夫婦のチェックポイント】

  1. 相手に愛情を感じない
  2. そもそも互いに関心がない
  3. 会話がない
  4. 会話するとしても子どもの話題がほとんど
  5. 休日は別々に過ごすことが多い
  6. セックスレス
  7. 対外的には仲のいい夫婦を装う
  8. 子どもの行事などには夫婦そろって参加する
  9. 生活費や家事などの分担は滞りなく行っている
  10. 他に気になる異性がいる

7個以上当てはまっている場合は、仮面夫婦である可能性が非常に高いです。
3個以上当てはまっていれば、仮面夫婦予備軍として注意が必要です。

以下では、特に重要なポイントについて解説します。

①互いに対する関心が低い

対外的な振る舞いと異なり、家庭内では互いの行動などに対する関心がないということです。
食事などの決まった生活リズムの中ではともに行動しても、余暇はそれぞれの好きなように過ごします。
むしろ相手がいない方がいいという場合もあります。

②会話は必要最低限の事務的な内容のみ

相手に対する関心がなく、またなるべく関わり合いも持ちたくないため、生活や子供などに関するどうしても必要な会話はするものの、それ以外の世間話などはしない状態になります。

③セックスレス

先に述べたとおり、相手に対する関心も愛情もありませんので、セックスレスになることが多いようです。

④対外的には仲のいい夫婦を装う

家庭内では夫婦の体(てい)をなしていなくても、他人にはそれを見せないように努力します。
自分たちの子供や両親などの親族に対してもそのように振る舞うことも多いようです。

2、仮面夫婦になる原因・きっかけ

仮面夫婦になる原因・きっかけ

ほとんどのカップルは互いに愛情を持っているからこそ結婚したはずですが、仮面夫婦になってしまうのはどのようなきっかけからなのでしょうか?これにはさまざまなものが考えられます。

(1)相手の浮気

夫婦の一方の浮気が原因で互いの心が離れてしまったことから仮面夫婦になるケースがあります。

愛していた配偶者が浮気していたことを知ったら、愛情がなくなったり、セックスに応ずる気持がなくなったりすることは当然あり得ることですから、これをきっかけに仮面夫婦となることもあり得ることです。

(2)セックスレス

相手にセックスを求めても拒否されることが続くと、自然とセックスの機会もなくなり、同時に夫婦間の気持ちも離れてしまうことになります。
これも仮面夫婦になるきっかけの一つになります。

(3)生活スタイルの違い

就寝時間や起床時間の違いなどで一緒に過ごす時間が少なかったり、趣味に没頭する時間が多かったり、さまざまな事情からすれ違いが多くなると、自然に互いに接触する機会が少なくなって夫婦が単なる同居者のような状態にあることがあります。

また、単身赴任のために離れて生活するようになったことがきっかけで夫婦のすれ違いが生ずることもあるでしょう。

(4)価値観の違い

普段の会話をしていても、互いにあまりに価値観が違うと徐々に会話をすることさえ苦痛になることがあります。
他人であればそのような相手とは付き合いを控えればいいだけですが、夫婦間であれば家庭内で距離を取ることになってしまいがちです。
これも仮面夫婦になる一つのきっかけとなります。

(5)そもそも新婚当初から相手に関心がない

お見合いやできちゃった婚などで結婚したケースで、結婚することにはしたけれども相手にあまり関心も愛情もないということがあります。
初めから関心がないのですから、このような場合には仮面夫婦になりやすいことは当然です。

(6)結婚後の変化

結婚後に、それぞれの考え方が変化したり、転職などで生活状況が変化したりした場合、夫婦のすれ違いが生じやすいものです。
また、収入が減るなど経済的事情に変化があった場合にも同様です。

(7)きっかけまとめ

ここに挙げたほかにも仮面夫婦となるにはさまざまなきっかけがありますが、いずれの場合も、夫婦の気持ちが離れてしまったことに共通点があります。

多くの場合は気持ちが離れていく過程で2人の気持ちには温度差があり、浮気など一方の行動が引き金となって仮面夫婦となるものです。

しかし、長年のすれ違いを背景として、自然に仮面夫婦となってくケースも少なくありません。

いずれにしても、仮面夫婦の問題を考えていく際には、この「夫婦の気持ちが離れる」ということがポイントになりそうです。

3、なぜ仮面夫婦になっているのか〜仮面夫婦の打開方法

なぜ仮面夫婦になっているのか〜仮面夫婦の打開方法

では、なぜ仮面夫婦は互いに気持ちが離れているにもかかわらず、離婚せずに暮らしていくのでしょうか?
そこには、「惰性」と「体裁への固執」があるはずです。

仮面夫婦は、夫婦の実質には目を向けず、形式的な体裁にだけ目を向けた時、実現されます。中には「今日から仮面夫婦になりましょう」と夫婦間で合意をしているケースもなくはないですが、多くの場合は前項に掲げた原因を背景として、徐々に気持ちが離れていくものです。
そして、「離婚するのも大変」「このままでも生活はしていける」「その方が楽だ」といった気持ちで、惰性の夫婦生活を続けると仮面夫婦となります

離婚したい気持ちがある人でも、「体裁が悪い」と考える人は離婚に踏み切れません。相手対する愛情がなくなっていても、パートナーという存在がいることで体裁を守れると考えるのです。

仮面夫婦を打開するには、このような惰性と体裁への固執を打ち切る決断が必要です。そのためには、夫婦関係をどうするのか、子どもなど他の家族のためにどうすべきなのか、といったことを今一度、自分なりに考えてみることです。

決断する時期を見誤ると、失うものが大きくなる危険性があります。一人で抱え込まず、客観的なアドバイスをしてくれる専門家に相談することが大切でしょう。

4、仮面夫婦のメリット・デメリット

仮面夫婦のメリット・デメリット

惰性と体裁への固執を打ち切る決断をするためにも、仮面夫婦のメリットとデメリットを確認しておきましょう。

(1)メリット〜仮面夫婦でも離婚しない理由

仮面夫婦でも離婚しない理由は、「とりあえず生活はできる」「夫婦という体裁を失わずにすむ」といった惰性を確保できることです。

「人生は選択の連続である」という言葉、ピンとくるでしょうか?惰性で生きる人(流されて生きる人)には、あまりピンとこないかもしれません。
あなたはこの結婚を、積極的に選択したでしょうか?相手のプッシュによって、「こんなに想ってくれるなら」と思って結婚したのではないでしょうか。

流されるタイプの人の場合、仮面夫婦として生活することによる苦しさよりも、惰性を確保できるメリットの方が勝っているかもしれません。具体的なメリットとしては、以下のことが挙げられます。

①子供との関係

夫婦間に子供がいる場合には、子供の将来を考えて離婚を控えることが多々あります。
また、親権を取れない親が子供と離れ離れになることが嫌で離婚に消極的になることもあります。

いずれにしても、離婚すれば子供自身や子供との関係に悪影響が出るおそれがあるために、子供がいる場合に敢えて仮面夫婦状態を続ける選択をすることはよく行われています。

②経済的理由

離婚したら収入がなくなったり(専業主婦の場合)減ったりして(共働きの場合)、生活に困る場合には、経済的な事情から離婚に消極的になることがあります。
結婚後にマンションなどを購入したものの、2人分の収入がないと住宅ローンの支払いができないなどといった事情がある場合もあるでしょう。

また、相手に愛着はないけれども、経済的に安定しているなら一緒に生活していても構わないという考え方で離婚しないケースもあります。

③社会的体面

離婚をすることは世間体が悪いと考える人も多くいます。
特に、社会的地位が高い人(会社でそれなりの地位にあったり、公務員、教職、医師、弁護士などの職に就いているなど)にこのような考えが多く見られるようです。

離婚をしたことで評判を落とすよりは、多少我慢して形だけの夫婦関係を続けて地位を守ることを優先するということです。

④離婚の手続が面倒

自然に仮面夫婦になってしまったケースに特に多いようですが、敢えて精神的・時間的・金銭的な負担を伴う離婚の手続を取るくらいなら、そのまま仮面夫婦の状態を続けていた方が楽だという理由で離婚をしない夫婦もいます。

そのような理由で離婚しない仮面夫婦は、さほど苦痛を感じずにうまくやっている仮面夫婦なのかもしれません。

⑤夫婦の一方のみが相手に関心がない場合

夫婦の一方は相手に愛情・関心がないけれども、他方はまだ相手に愛情を持っているという場合には、愛情を持っている側は関係を修復して離婚を避けようとしますから、協議離婚は成立しないことになります。

ただ、この場合には、一方が裁判所の手続に踏み切った場合には結局離婚となる可能性もあります。

(2)デメリット

仮面夫婦としての生活には、当然ながらデメリットも少なくありません。

①いわゆる「幸せな家庭」ではない

仮面夫婦だからといって不幸であるとは限りません。人生には家庭以外にも趣味、仕事、友人との交流等、幸せを感じる事柄は数多くあります。

ただ少なくとも家庭においては、ほっとする、なんでも言える、緊張しない、心強い、といった幸せを感じることはあまりないでしょう。家族旅行や学校行事などには夫婦で参加するとしても、そんな時間が苦痛となってしまいます。

②子供に良い影響はない

仮面夫婦となった家庭で最も心配なのが子供に悪影響はないのかということです。

両親の関係が仮面夫婦状態であることは少なくとも子供によい影響を与えることはないでしょうから、子供の健全な成長という観点からは仮面夫婦状態は早期に修復することが理想です。
ただ、夫婦とはいえ、人間関係を改善することは簡単ではありませんから、現実には子供の前でだけ仲のよい夫婦を装っている夫婦が多いと思います。

しかし、子供は両親のそのような関係を敏感に察知するものですから、やはり子どもへの影響を考えたときには、仮面夫婦の状態を修復する努力をするのがよいことは間違いありません。

③性的な不満がたまる

仮面夫婦には夫婦としての実態がありませんので、ほとんどの場合はセックスレスとなっています。

性に対する関心がなくなった方はそれでよいのかもしれませんが、そうでない方は性的欲求を満たすことができず非常に辛い思いをします。

④浮気をされるおそれがある

性に対する関心がなくなった方にとっても、パートナーに浮気をされるというおそれがあります。浮気を容認する夫婦もいないではありませんが、多くの場合は仮面夫婦となってもパートナーの浮気は許しがたいものです。

とはいえ、人間の性欲は抑えようとして完全に抑えきれるものではありません。無理に抑えることが幸せであるとも思えません。夫婦であり続ける以上は、自分に性欲がなくなったから相手のことはどうでもいい、と考えることは危険です。

⑤行く末(老後)が寂しい

若いうちは忙しいこともあり、仮面夫婦でも寂しさを感じることはないかもしれません。

しかし、その人生が終盤になった時、最も近くにいる人が全く大切な人ではないということになると、深い寂しさを感じてしまうでしょう。

⑥熟年離婚を招くことがある

子供のために仮面夫婦という生き方を選択した夫婦の場合、子供が育った後は熟年離婚にいたる可能性が高いです。

当初から「子供が育つまで夫婦でいよう」と互いに合意して納得していたのならよいですが、そうでない場合は老後がさらに寂しいものとなってしまいます。

5、仮面夫婦と家庭内別居の違い

仮面夫婦と家庭内別居の違い

仮面夫婦に似たものに家庭内別居があります。
家庭内別居とは、家庭で夫婦の居室を別々にするなどして、ほとんど接触しない形をとることをいいます。

家庭内別居をしている夫婦では、お互いに「仲が悪いので家庭内別居をしている」という意思(意識)の合致があります。それに対して仮面夫婦では、お互いに「私たちは仮面夫婦よね」という意思(意識)の合致があるとは限りません。

仮面夫婦の場合は対外的には円満な夫婦を演じていますが、家庭内別居では仲が悪いことを対外的にも隠していない夫婦が多いことも大きな違いです。自分の心に嘘をついて円満な夫婦を演じる必要がない分だけ、家庭内別居の方が精神的な負担は軽いのかもしれません。

家庭内別居について詳しくは、こちらの記事をご参照ください。

6、仮面夫婦と夫婦の扶養義務

仮面夫婦と夫婦の扶養義務

仮面夫婦でも法律上の夫婦に該当しますので、扶養義務はあります(民法第753条)。
つまり、収入の多い方が少ない方の生活の面倒を見る必要があります。

ただし、同居していても夫婦それぞれが別会計で独立して生計を立てている場合は、パートナーを健康保険や介護保険、公的年金などの扶養から外すことができます。

とはいえ、仮面夫婦の多くは生活費の分担はきちんと行っているものです。
パートナーの収入で生計を維持している場合は扶養に入れてもらう権利があります。

それにもかかわらず突然扶養から外された場合は、健康保険組合や年金事務所に相談しましょう。

7、仮面夫婦をしばらく継続する場合のコツ

仮面夫婦をしばらく継続する場合のコツ

仮面夫婦にも、仮面夫婦なりの円満な生活というものがあります。
ここでは、円満な仮面夫婦生活を継続するためのコツをご紹介します。

(1)相手に関心がないのが片方の場合

自分は仮面夫婦としての関係を望んでいるけれど、パートナーは通常の夫婦関係を望んでいるという場合は、ある程度は相手の気持ちにも配慮しなければ円満に暮らすことは難しくなります。

  • 週に○回は一緒に食事をする
  • 寝室は一緒にする
  • おはよう、おやすみなどの挨拶だけはきちんとする

というように、無理のない範囲で夫婦間の交流についてルールを決めておくようにしましょう。

(2)夫婦ともに相手に関心がない場合

互いに関心がないが、暗黙に仮面夫婦の合意がある場合でも、気持ちに温度差があったり、思い描いている「仮面夫婦像」が異なることは多いものです。

そのため、人前でどのような夫婦を演じるのかについて話し合い、ルール化しておくことが大切です。

  • 子供の前では喧嘩をしない
  • お互いの両親の前では相手を立てる
  • 学校行事には一緒に参加し、節度を持った振る舞いをする

等々、お互いにとっての理想像をすり合わせながら決めていくとよいでしょう。

8、仮面夫婦を修復するには?

仮面夫婦を修復するには?

何となく仮面夫婦となったけれど、できれば夫婦関係を修復したいと考えている方もいることでしょう。

ここでは、仮面夫婦を修復するためのポイントについて解説します。

(1)修復するきっかけ

修復するきっかけには、3パターンあります。

  • 第三者的からの影響(友人が取り持ってくれる等)
  • 相手の気持ちが動く
  • 自分から動く

まず、夫婦はある意味とても閉鎖的な関係なので、第三者による影響を夢見るのは合理的ではありません。

相手の気持ちが動いてくれれば、それが一番ですが、コントロールが不可能なのでやはり合理的とはいえません。

夫婦関係を修復したいと思うのなら、まずは自ら動くことが大切です。
自ら動くことで、相手の気持ちを動かすことは可能です。最も大切なことは、相手を思いやることです。大切に思う気持ちを惜しみなく表しましょう。

以下で、具体的に実行可能なきっかけをいくつか挙げてみますので、参考になさってください。

①少しずつ会話を増やす

仮面夫婦の特徴は相手に対する関心や理解の不足といえます。
相手への関心を呼び起こし、相手を理解するには、やはり相手と話をすることがどうしても必要です。

ただ、それまで会話のなかった相手といきなり突っ込んだ話をするのも現実には難しいことですから、まずは少しずつ会話の機会を増やしていく努力をすべきです。
今まで一言で済ませていたことを二言、三言にして行くような地道な努力をしてみましょう。

②旅行、レジャー

普段と違うことを一緒にしてみることもひとつのきっかけになります。

一緒に旅行に出てみたり、普段しないレジャーをしてみることによって、形式的でないやり取りをするきっかけが得られます。
互いに家庭内とは気分が変わりますので、話をするいいきっかけになりますし、ひょっとしたら家庭の雰囲気が大きく変わるかもしれません。

③カウンセリング

専門家の助けを借りて夫婦間の関係を修復することは有効な手段です。

2人でカウンセリングを受けることで、それまで気付かなかった相手の気持ちに気付くことができ、信頼関係・愛情を取り戻すことができるかもしれません。

④セックス

仮面夫婦状態の夫婦間でいきなりセックスを求めても相手が簡単に応ずるものではありません。
これまで述べてきたような努力を重ねて相手との信頼関係を築いた上で、あせらずに時間を掛けてセックスについても話し合ってみましょう。

(2)修復不可能なケース

前項に挙げたような努力は、いずれも相手が聞く耳を持ってくれた場合にできることです。
そもそも相手がまったく話を聞いてくれないような状態の場合には、努力は無になるでしょう。

ただ、本当に相手がこちらの話を聞く気がないのかの判断はあせらずに慎重に判断する必要があります。長期間掛けてこじれた人間関係を修復するにはある程度の時間を掛けた説得が必要です。じっくりと丁寧に話を進めて行くことが重要です。
自分の話を聞かないからといってすぐにあきらめて拙速な判断をしないように注意しましょう。

9、仮面夫婦中に浮気・不倫をした、されたら?

仮面夫婦中に浮気・不倫をした、されたら?

仮面夫婦は互いに愛情を失っていることが普通です。そのため、パートナー以外の人に愛情を抱くということも十分に起こり得ます。ただ、法律上は夫婦のままですから、浮気・不倫は法的に問題となる可能性があります。

結論として、配偶者がいるにもかかわらず他の異性と肉体関係を持った場合は、原則として不貞行為に該当します。浮気・不倫をされた側は、パートナーとその相手に対して慰謝料を請求することが可能です。

ただし、法律上の夫婦であっても実質的に夫婦関係が破綻している場合は、破綻後に他の異性と関係を持っても不貞行為には当たらず、慰謝料請求権は発生しません。
夫婦関係が破綻しているといえるかどうかはケースバイケースであり、仮面夫婦だからといって必ずしも破綻が認められるとは限りません。その意味では、仮面夫婦の一方当事者が離婚しないまま他の異性と付き合うのはリスクのあることです。

婚姻関係の破綻について詳しくは、こちらの記事でご確認ください。

10、仮面夫婦がつらい、疲れた、限界を感じた場合はどうする?

仮面夫婦がつらい、疲れた、限界を感じた場合はどうする?

同居している人と会話もない状態で暮らしていくことは大変な精神的負担を伴うことです。
長期間続けば、いつかは限界が来ることが予想されます。

そのような場合には、無理をしないことが大事です。無理をして精神を病んでは元も子もありません。

精神的につらいと感じたら、

  • 心療内科・精神科、カウンセリングなど専門家への受診・相談
  • 親族・知人・友人などへの相談
  • 自分の精神状態を明かした上で相手に話してみる
  • 一時的に別居する

などの方法を取ってみましょう。

解決方法を見つけられないにしても誰かに事情を話すだけで精神的な発散になりますし、状況によっては精神的負担を除くため、一旦別居してみることも考えるべきです。

11、仮面夫婦が離婚するには?

仮面夫婦が離婚するには?

仮面夫婦を継続することにメリットを感じなくなり、離婚したいと思ったときには、以下のポイントに注意することが必要です。

(1)相手が応じない場合の離婚事由

仮面夫婦が離婚する際、両者が合意すればすぐにでも離婚は可能です。
しかし、相手が応じない場合には、法定離婚事由がなければ離婚できません。

法定離婚事由とは、パートナーの同意がなくても裁判で強制的に離婚が認められる事情として民法に定められたもののことです。仮面夫婦の場合、民法第7701項5号の「婚姻を継続しがたい重大な事由」が認められるかが問題となります。

セックスレスが長期間続いている場合、自分から誘いかけたにもかかわらず拒絶された事実があれば、離婚が認められる可能性があります。その他の場合には、婚姻関係が破綻していたことを示すエピソードを集め、愛情ではないなんらかの理由で離婚に応じない相手の言い分を論破していくことが必要となります。

(2)仮面夫婦の離婚における慰謝料

パートナーの拒絶によってセックスレスが始まった場合のように、相手が離婚原因を作ったといえる場合には慰謝料を請求できいます。ただ、仮面夫婦の場合はどちらが悪いともいえないことが多いので、慰謝料請求は認められないことが多いのが実情です。

そもそも慰謝料とは、精神的苦痛に対する損害賠償金です。明確な離婚原因がない場合は、まず何が辛かったのかをピックアップしてみましょう。その苦痛が法的に慰謝料の対象となるかどうかは別問題ですが、客観的に一方的に損害を加えられたと判断される場合は、慰謝料が認められる可能性があります。

(3)仮面夫婦の離婚における財産分与

夫婦が離婚する際には、離婚原因にかかわらず、原則として夫婦共有財産の2分の1を分与する必要があります。愛情がないにもかかわらず扶養をしてきたとしても、そのような事情は財産分与を拒否できる理由にはなりません。

ただし、結婚前から所有していた財産や、結婚後でも贈与や相続によって取得した財産などは「固有財産」であり、財産分与の対象にはなりません。

また、夫婦の一方の特別な努力や才能などで財産を築いたような場合には、財産分与の割合が2分の1とはならないことがあります。これらの問題について詳しくは、こちらの記事をご参照ください。

(4)仮面夫婦の離婚における親権・養育費

仮面夫婦の離婚においても、子供がいる場合は通常の離婚の場合と同様に親権と養育費を取り決める必要があります。親権については、「母性優先の原則」や「現状維持の原則」により母親が獲得するケースが多いのが実情です。

ただし、親権者をどちらにするかは、あくまでも子供の利益を第一に考えて決めるべきものです。場合によっては、父親が親権を獲得できることもあります。

夫婦の意見が対立してまとまらない場合は離婚調停を申し立てて、家庭裁判所で親権についても話し合いましょう。調停でも合意できない場合は、離婚裁判で裁判所に決めてもらうことになります。

親権を獲得できなかった場合も子供との縁は切れませんので、養育費を支払っていく必要があります。
養育費の金額は、基本的には裁判所が公表している養育費算定表を参照しつつ、両親の話し合いで決めます。いったん取り決めた後でも、お互いの収入の変化や、再婚・出産などの事情の変更に応じて、増額や減額を請求できる場合があります。

12、仮面夫婦のドラマ

仮面夫婦のドラマ

仮面夫婦をテーマとしてドラマもあります。機会があれば、次のドラマを再放送やDVDなどでご覧になると、仮面夫婦の実情が具体的に理解できるかもしれません。

(1)アイムホーム

木村拓哉さん主演の2015年のテレビ朝日系列のドラマです。
お話はハッピーエンドで終わりますが、記憶をなくした木村さんが自分たちが仮面夫婦だったのではと疑いながら自分の過去を解き明かしていく印象的な内容でした。

(2)仮面(韓国ドラマ)

チェ・ジフン主演の韓国ドラマです。財閥一家を舞台にした陰謀うずまくサスペンスといういかにも韓流ドラマらしい内容でしたが、これも主役2人が仮面夫婦の関係というものでした。

仮面夫婦のQ&A

Q1.仮面夫婦とは?

仮面夫婦とは、対外的には夫婦として振る舞っているけれども、実際には二人の間に愛情や親密なやり取りがないような夫婦のことをいうのが一般的です。

戸籍上は夫婦であり、親族、友人や近所の人たちに対しても普通の夫婦として振る舞っているため、本人たち以外の人は仲の良い夫婦と思っています。
しかし、2人の間には夫婦としての実態も愛情もないという状態のカップルのことを仮面夫婦といいます。

Q2.仮面夫婦のチェックポイント

  1. 相手に愛情を感じない
  2. そもそも互いに関心がない
  3. 会話がない
  4. 会話するとしても子どもの話題がほとんど
  5. 休日は別々に過ごすことが多い
  6. セックスレス
  7. 対外的には仲のいい夫婦を装う
  8. 子どもの行事などには夫婦そろって参加する
  9. 生活費や家事などの分担は滞りなく行っている
  10. 他に気になる異性がいる

Q3.仮面夫婦になるきっかけは?

  1. 相手の浮気
  2. セックスレス
  3. 生活スタイルの違い
  4. 価値観の違い
  5. そもそも結婚当初から相手に関心がない
  6. 結婚後の老化

まとめ

仮面夫婦は決して珍しい夫婦関係ではありません。最初は仲の良い夫婦であっても、いつ仮面夫婦になっても不思議ではないといっても過言ではありません。

仮面夫婦として過ごすことは必ずしも悪いことではありませんが、精神的に負担がかかることもありますし、離婚問題に発展するおそれもあります。逆に、離婚したいと思ってもパートナーの反対に遭って思いどおりにいかないかもしれません。

離婚したい方も、仮面夫婦から修復したい方も、夫婦関係で困ったときは弁護士に相談してみるのもよいでしょう。状況に応じて、最善の解決方法をアドバイスしてもらえるはずです。

パートナーや子供をはじめとする家族にとっての幸せにも配慮しながら、ご自身にとってベストな夫婦関係を目指していきましょう。

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