
過払い金を請求したいけど、かかる費用によっては行動するか迷いますよね。
そこで今回は、過払い金請求にかかる手数料の相場をご紹介します。
平成19年頃以前に消費者金融やクレジットカードのキャッシングで取引をされていた方は「過払い金請求」できる可能性があります。
もっとも、過払い金請求をするときには、一定の手数料(費用)がかかってしまいます。
高額になると、過払い金請求を止めておこうと考える方もおられるでしょう。
今回は、
- 過払い金請求の手数料(費用)の相場
- 過払い金請求の手数料(費用)をできるだけ安くする方法
などについて、ベリーベスト法律事務所の過払い金専門チームの弁護士が解説します。ご参考になれば幸いです。
過払い金に関してはこちらの記事をご覧ください。
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目次
1、過払い金請求にかかる手数料は?
過払い金請求をするときには、具体的にどのような「手数料」がかかるものでしょうか?
過払い金請求の手数料は、自分で手続きする場合と弁護士に依頼する場合とで異なります。
以下で、それぞれのケースにおける手数料の種類を紹介します。
(1)自分で回収する場合
自分で過払い金請求をする場合には、費用はほとんどかかりません。
借入先に対して郵便を送る費用(切手など)くらいです。
ただし、裁判をするときには費用がかかります。
過払い金請求をするとき、業者がスムーズに支払いに応じないことがあり、その場合には裁判を起こさなければならないのです。
その場合には、裁判所に支払う「印紙代」や「郵便切手」がかかります。
(2)弁護士に回収してもらう場合
弁護士に過払い金を回収してもらう場合には、弁護士費用がかかります。
弁護士費用には、以下の4種類があります。
- 法律相談料
- 着手金
- 過払い報酬金
- 基本報酬金
① 法律相談料
法律相談料は、弁護士に過払い金請求について相談したときにかかる費用です。
弁護士に過払い金請求を依頼するときには、いきなり手続きを依頼することができず、前提としてまずは相談を受ける必要があります。
その際、費用が発生します。
②着手金
着手金は、弁護士に過払い金請求を依頼するときに発生する費用です。
通常は、当初に一括払いする必要があります。
③成功報酬金(過払い報酬金)
過払い報酬金は、過払い金が返ってきたときに、返還を受けた金額に応じてかかる弁護士費用です。
「回収できた過払い金の〇〇%」という形になるため、回収金額が大きくなるほど過払い報酬金も上がります。
④解決報酬金(基本報酬金)
基本報酬金は、過払い金が返ってきて問題を解決できたときに固定でかかる費用です。
借入先の業者1社についていくら、という単位で計算されます。
2、自分で過払い金を回収する場合にかかる費用の相場
次に、自分で過払い金請求をするときにかかる費用の相場をご紹介します。
(1)裁判しない場合は数千円程度
裁判にならない場合かかる費用は、郵便切手代や電話代くらいなので、あまり費用はかかりません。
数千円もあれば十分です。
ただし、たとえば取引履歴開示請求書や過払い金請求書などの郵便に「内容証明郵便」を使うと、多少金額が上がります。
内容証明郵便の金額は、1,200~1,500円くらいです(枚数によって金額が変わります)。
(2)裁判をする場合
自分で請求する場合でも、裁判を起こすと、「印紙代」と「郵便切手代」、「資格証明書の発行手数料」がかかります。
印紙代は、請求する金額によって異なります。金額的には以下の通りです。
請求金額(万円) | 印紙代(円) |
10 | 1,000 |
20 | 2,000 |
30 | 3,000 |
40 | 4,000 |
50 | 5,000 |
60 | 6,000 |
70 | 7,000 |
80 | 8,000 |
90 | 9,000 |
100 | 10,000 |
120 | 11,000 |
140 | 12,000 |
160 | 13,000 |
180 | 14,000 |
200 | 15,000 |
220 | 16,000 |
240 | 17,000 |
260 | 18,000 |
280 | 19,000 |
300 | 20,000 |
郵便切手代は、相手業者1社の場合に6,000~7,000円程度です。
各地の裁判所によって郵便切手の金額と内訳が異なるので、提訴の際に裁判所に確認しましょう。
資格証明書は、訴える相手(被告)が法人の場合に必要です。
つまり、法人の「全部事項証明書」を法務局で取得する必要があります。
費用として、収入印紙が600円分必要となります。
他にかかる費用は、裁判所への往復の交通費くらいです。
3、弁護士に依頼した場合にかかる費用の相場
次に、弁護士に過払い金請求を依頼するとどのくらいの費用がかかるのか、見てみましょう。
(1)法律相談料
法律相談料の相場は、だいたい30分5,000円程度です。
ただし、法律事務所によっては法律相談料を無料としていることがあります。
ベリーベスト法律事務所でも、法律相談料は無料とさせていただいています。
(2)着手金
過払い金請求の着手金の相場は、業者1社について2~4万円程度です。
たとえば着手金が4万円の事務所の場合、3社に対する過払い金請求を依頼すると12万円の着手金が発生します。
ただ、着手金についても無料としている法律事務所があります。
ベリーベスト法律事務所でも、過払い金請求の着手金(初期費用)は無料とさせて頂いております。
つまり、ベリーベスト法律事務所の場合、法律相談料も着手金も無料ですので、ご依頼当初に費用が発生することは一切ありません。
手元にお金がなくても、過払い金請求を依頼することが可能です。
(3)成功報酬金(過払い報酬金)
過払い報酬金の相場は、交渉で解決できたケースと裁判が必要になったケースで異なることが一般的です。
交渉で解決できた場合の方が、手間がかからないので、報酬金は低くなります。
相場として、交渉で解決ができたら回収できた過払い金の20%程度、訴訟が必要になった場合には回収できた過払い金の25%程度となります。
たとえば、100万円の過払い金を回収できたとき、交渉であれば20万円が過払い報酬金となり、依頼者の手元には80万円が戻ります。
裁判であれば25万円が過払い報酬金となり、依頼者の手元には75万円が戻るということです。
(4)解決報酬金(基本報酬金)
基本報酬金の相場は、だいたい業者1社について4万円程度です。
(5)事務手数料について
弁護士に過払い金請求を依頼するとき「事務手数料」がかかるケースがあります。
これは、いわゆる実費のことです。
実費とは、弁護士に依頼せず、自分で手続きしたときにもかかる訴訟の印紙代や郵券、資格証明書の取得費用などです。
弁護士に依頼すると、こうした手数料は弁護士が支払うので、当初に弁護士にまとめて預けることになります。
事務手数料は自分で手続きしても必要ですから、これを支払っても、依頼者の負担が増えるわけではありません。
4、専門家に依頼する費用を抑える方法
以上のように、過払い金請求を弁護士に依頼するとどうしても費用がかかるのですが、なるべくなら費用を抑えたいものです。
以下では、専門家に依頼する費用をできるだけ抑える方法をご紹介します。
(1)初期費用無料の事務所を選ぶ
まずは、初期費用無料の弁護士を選ぶ方法です。
つまり、法律相談料と着手金が無料の弁護士を選任するのです。
法律相談料と着手金が無料になると、他に発生するのは「過払い報酬金」「基本報酬金」だけになるので、初期費用ありの事務所より費用が安くなる可能性が高まります。
ただし、着手金が無料でも、その分報酬金が高くなっては意味がありません。
初期費用が安く、なおかつ各種の報酬金も相場かそれ以下の弁護士を選ぶと、効果的に費用を抑えることができます。
(2)過払い報酬金のパーセンテージが低い事務所を選ぶ
過払い金請求の費用の中で高額になりやすいのは、過払い報酬金です。
そこで、過払い報酬金のパーセンテージが低い事務所を選ぶと、費用を抑えやすいです。
たとえば、過払い金請求の相場が20~25%とすると、20%未満の事務所の方が、最終的に弁護士に支払う費用が安くなります。
ただし、過払い報酬金のパーセンテージが低くても、債務整理が不得意な事務所に依頼すると、そもそも返ってくる過払い金の金額が小さくなってしまう可能性があります。
そうすると、結局は依頼者の手元に戻ってくる金額が小さくなってしまうかもしれません。
過払い金請求を依頼する事務所を選ぶときには、その事務所が「過払い金請求を得意としているかどうか」に対しても注目する必要があると言えます。
(3)見積もりをとって、全体として費用が安くなる事務所を選ぶ
過払い金請求の費用は、着手金、過払い報酬金、基本報酬金の組み合わせとなっています。
これらのうち、どれかが安くても、他の費目が高ければ、結局は安くならない可能性があります。
そこで、費用を抑えたいのであれば、全体として費用が安くなる事務所を選ぶ必要があります。
そのためには、相談を受けた当初に見積書を出してもらい、全体としてどのくらいの費用がかかるのか、概算を提示してもらいましょう。
そうして、費用総額が安いと感じられたなら、依頼すると良いです。
5、過払い金請求を弁護士に依頼するメリット
最後に、過払い金請求を弁護士に依頼するメリットをご紹介します。
(1)回収できる金額が高くなる
弁護士に依頼すると、回収できる過払い金の金額が高くなることが多いです。
過払い金請求をするときには、相手業者との交渉が必要となりますが、消費者本人が交渉をすると、業者は返還する過払い金を大きく減額してくるためです。
中には、30%やそれ以下まで減額してくることもありますし、50%の減額であれば通常一般の範囲内です。
弁護士が交渉をするときには、多くの業者において、7~8割以上の過払い金回収を目指すことができます。
(2)手間が省ける
過払い金請求をするときには、多大な手間がかかるものです。
まずは取引履歴を開示させて、それを利息制限法に引き直し計算し、過払い金請求書を作成して相手に送付し、交渉をしなければなりません。
日頃仕事などで忙しくしている方には大きな負担となります。
弁護士に対応を依頼すると、依頼者はほとんど何もしなくても良いので、とても楽です。
待っているだけで過払い金が返ってきます。
(3)決裂しても訴訟によって回収できる
過払い金請求をするときには、業者と和解ができず、決裂してしまうこともあります。
そのようなとき、消費者が1人で対応していると、スムーズに訴訟を起こすことができず、いたずらに時間が過ぎてしまうことも多いですし、過払い金請求を諦めてしまうこともあります。
中には苦労して本人訴訟を進める方もいますが、いばらの道です。
弁護士に依頼していたら、交渉決裂後、速やかに訴訟を起こして過払い金を回収することができます。
まとめ
今回は、過払い金請求をするときの手数料について、解説しました。
過払い金請求をするときには、弁護士に依頼するとメリットが大きくなります。
例え弁護士費用がかかっても、その分大きく過払い金を回収できるので、経済的にも弁護士に依頼した方が得になることが多いものです。
ベリーベスト法律事務所の費用体系はリーズナブルに設定しておりますので、よろしければ一度、ご相談ください。