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営業職は残業が多くなりがち!残業代の請求方法とできない場合を解説

営業職は残業が多い!残業代も出ないと誤解していませんか?

業種を問わず、営業職残業時間が長いといわれます。しかも大して残業代も出ないと思っている方もいるかもしれません。

しかし、営業職でも残業代を請求することは可能です。

そこで、本記事では、

  • 営業職の残業時間が多いのはなぜ?
  • 営業職の残業時間が多いのは違法?
  • 営業職における残業代が請求可能なケース
  • 残業代を請求する手順と方法について
  • 営業職で残業代を請求する場合の弁護士への相談方法について

について解説していきます。

残業代についてお困りの方のご参考になれば幸いです。

残業代がもらえない…とお悩みの方は以下の関連記事もご覧ください。

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1、営業職は残業時間が多いのはなぜか?

営業職は残業時間が多くなる傾向があると思われるのはなぜでしょうか?

まずはその理由から考察してみます。

(1)取引先に合わせて動く

営業は、会社の利益を上げるために、取引先に対し、自社で提供するサービスや製造している商品等の購入を促して、契約を取り付ける仕事です。したがって、営業職は、取引先に合わせて営業活動を行う必要があります。

企業を相手に営業活動を行う場合は、大体午前9時から午後5時までの間に営業をかけていくことが多いでしょう。また、個人の消費者を相手に営業活動を行う場合は、個人の活動に合わせた営業活動を行っていくことになります。

つまり、営業職は、自社の定時時刻に縛られず、取引先の都合の良い時間帯に合わせて営業活動をしていく場合が多いといえます。

企業への営業活動をする場合には、自社の勤務時間については取引先企業も勤務時間である可能性が高いので、その時間は全力で営業をかけていくことになります。そうすると、営業活動以外の準備等は、勤務時間外で行う必要も出てくることもあると思われます。したがって、残業時間が増える傾向にあるといえます。

以上のように、営業職は、取引先の時間に合わせて営業活動を行う必要があります。このことが、結果として営業職の残業時間を多くしてしまう原因のひとつと考えられます。

(2)マルチタスクである

営業職の従業員は、営業活動だけを行っておけばよいわけではありません。

会社に営業事務がない場合には、営業職の従業員自身が日程の調整や資料の作成等の事務作業をこなさなければなりません。

同時にさまざまな業務をこなさなければならないマルチタスクの点も営業職の業務量が増える要因であり、業務時間が長期化する原因となりえます。

(3)ノルマがあるから

営業職には厳しいノルマが課されていることが多いです。日々ノルマを達成できるかどうかのプレッシャーと戦っている業種といっても過言ではないでしょう。

会社によっては非常に高いノルマが設定されており、歩合制で売り上げが給料に反映されるようになっている場合もあります。ノルマ達成のために残業をしている営業職の方も多いかもしれません。

2、営業職の残業時間が多いことによる法的問題

残業があまりにも多いことは、昨今は法律上の問題があるのでは?と思うところでしょう。

本項では、残業が多いことについての法的問題について解説していきます。

(1)36協定が必要

法律上、使用者は、労働者に、休憩時間を除き、1日については8時間、1週間については40時間を超えて労働させてはならないとされています(労働基準法(以下「労基法」といいます。)第32条)。この1日8時間、週40時間という労基法上定められた最低労働条件としての労働時間を「法定労働時間」といいます。また、休日に関しても労基法は、1週1日の休日ないし4週を通じ4日以上の休日の付与を要求しています(労基法第35条)。この最低労働条件としての休日を「法定休日」といいます。

使用者が法定労働時間を超えて労働者を労働させる場合や法定休日に労働させる場合には、当該事業場の過半数労働組合(それがない場合は過半数代表者)との間で、時間外・休日労働について書面による労使協定(三六協定、労基法第36条)を締結し、これを行政官庁に届け出なければなりません。

三六協定には、労働時間を延長し、又は休日に労働させることができることとされる労働者の範囲や時間外労働の上限などを決めなければなりません。

(2)残業上限規定がある

これまで三六協定で定める時間外労働については、厚生労働大臣の告示(労働基準法第36条第1項の協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基準、以下「限度基準告示」といいます。)によって上限基準が決められていました。そして、臨時的に限度時間を超えて時間外労働を行わなければならない特別の事情が予想される場合には、特別条項付きの三六協定を締結すれば、限度時間を超える時間まで時間外労働をさせることが可能でした。

これまでの限度基準告示による上限は、罰則による強制力がなく、特別条項を設けるだけで上限なく時間外労働を行わせることが可能であったという問題点がありました。

そこで、法改正により、告示にとどまっていた時間外労働の条件が法律に規定されることになりました。この法改正により、罰則付きの上限規制が規定され、さらに、臨時的な特別な事情がある場合にも上回ることのできない上限が設けられました(労基法第36条第5項、第6項)。このような法改正は残業の多い営業職の働き方を改善するのに資するものだと思われます。

具体的には、法律上、時間外労働の上限は原則として月45時間、年360時間となり(労基法第36条第3項、4項)、臨時的な特別な事情がなければこれを超えることはできなくなります。

「臨時的な特別な事情」があって労使が合意する場合(特別条項)でも、以下の上限規制を守らなければなりません。

  • 時間外労働が年720時間以内であること
  • 時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満であること
  • 時間外労働と休日労働の合計が、「2か月平均」、「3か月平均」、「4か月平均」、「5か月平均」、「6か月平均」がすべて1か月あたり80時間以内であること
  • 時間外労働が月45時間を超えることができるのは年6か月が限度であること

さらに、上記に違反した場合には、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金という罰則が科されるおそれがあります(労基法第119条第1号)。

そして、「特別条項」があろうがなかろうが、1年を通して常に時間外労働と休日労働の合計は、月100時間未満、2~6か月平均80時間以内にしなければなりません。

例えば、時間外労働が45時間以内に収まって特別条項にならない場合であっても、時間外労働=44時間、休日労働=56時間のように合計が月100時間以上になると法律違反ですので注意してください。

(3)残業代が出ない場合

時間外労働をした部分については、残業代を支払わなければなりません。この残業代は、労働基準法上、「割増賃金」とよばれています。

会社には割増賃金を支払う義務がありますので、これが支払われていない場合には違法です。

基本的に残業代は以下のような計算式で計算することができます。

労働者1時間あたりの賃金(円)×残業時間(時間)×割増率(%)

割増率は、基本的には、以下のようになっています。

  • 法定労働時間を超えた場合 割増率25%
  • 深夜労働(午後10時から午前5時までに労働した場合) 割増率25%
  • 休日労働(法定休日に労働した場合) 割増率35%

ただし、営業職の場合には給与の支払形態が特殊な場合があります。営業職における残業代請求の可否について、次で説明していきます。

3、営業職における残業代の請求の検討

営業職であっても、もちろん残業代を請求できる場合があります。

しかし、会社から「営業職には営業手当がでているから」とか、「営業職は歩合制だから」、あるいは「外回りや自宅作業の場合には残業にならないから」などと説明された場合には、そういうものだと納得して残業代を請求できないと誤解している方もいらっしゃるかもしれません。

(1)営業手当が支給されていると残業代はもらえない?

「営業手当」が支給されている場合には、残業代を支払う必要はないのでしょうか。

会社側は、営業手当は固定残業代であるなど、定額の時間外手当を基本給や他の手当と明確に区分けした独立の手当として支払っているとの主張をすることがあります。

このような固定残業代を支給することが、直ちに法律に違反しているとはいえません。法律で支払う義務のある割増賃金以上の金額を支給している場合には、営業職の従業員には有利ですので、問題が顕在化することはないと思います。

しかし、営業手当が実質的に時間外労働の対価としての性格を有していない場合や、支給されている定額(固定額)が労基法所定の額を下回るときに、その差額部分について残業代が別途支給されていない場合には問題になります。
営業手当が支給されているからといって、それが残業代の一部であるという趣旨で支給されているといえるかどうかを精査する必要があります。例えば、営業職は、外回りが多いということで、必要な備品や事務用品を外出先でも調達できるように営業手当を支給していたり、事務職に比べて顧客の前に出る機会が多いのでスーツを新調したり、靴の購入に充てられるように営業手当が支給されていると考えることもできます。

そのような場合には、時間外労働の対価として「営業手当」が支給されているとはいえません。

手当等が定額の残業代であるとの主張が成り立つためには、

① 当該手当が実質的に時間外労働の対価としての性格を有していること

② 定額残業代として労基法所定の額が支払われているか否かを判定することができるよう、その約定(合意)の中に明確な指標が存在していること

③ 当該定額(固定額)が労基法所定の額を下回るときは、その差額を当該賃金の支払時期に清算するという合意が存在するか、あるいは少なくとも、そうした取扱いが確立していること

という要件が必要不可欠であると判断した裁判例があり、参考になります。

(2)インセンティブが支払われている営業職は残業代がもらえない?

歩合給(インセンティブ)が支払われているという理由で、残業代を支払わなくてもよいのでしょうか。

結論からいうと、インセンティブ報酬と時間外労働に対する割増賃金の支払は無関係です。したがって、残業代を支払わない理由にはなりません。

歩合給・インセンティブ報酬とは、労働者があげた成果に対して支払われる対価であり、残業代が労働時間に対する報酬である点で両者は異なる性質の金銭です。したがって、たとえインセンティブ報酬が支払われている場合であっても、時間外労働が発生した場合には割増率による残業代が支払われなければなりません。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                

会社側の主張としては、インセンティブ報酬の中に残業代が含まれているというものが考えられますが、このような主張が認められるためには、契約書や就業規則等によって、時間外手当として支払われている金額が明示されているか、時間外手当として支払われる額が容易に算定可能でなければなりません。

(3)「事業場外みなし労働時間制」に該当するため残業代がもらえない?

外回りなどの外出の多い営業職の従業員は、労働時間の管理が難しいため「事業場外みなし労働時間制」が適用されるケースがあります(労基法第38条の2)。

「事業場外みなし労働時間制」の適用が認められると、実際の労働時間は問題にならず、みなし時間だけ労働したとみなされることになります。

「事業場外みなし労働時間制」は、労働者が労働時間の全部または一部について事業場外で業務に従事する場合に適用することができますが、これは、従業員に対し、上司などから労働時間を十分に把握できるほどには具体的な指揮監督を及ぼしえない場合に適用することができます。

事業場外のみなし労働時間制が適用できるかどうかは客観的に判断されますので、以下にあげるような例では適用が認められないと考えられます。

例えば、外回りの業務に管理職にあたるような上司が当該従業員に同行する場合や、携帯電話などによって会社の指示を受けられる状態で社外業務を行う場合、先方の企業や顧客への訪問先や会社に戻る時間などの社外での業務の内容について会社から具体的な指示がありそれに従っている場合等です。

4、営業職の方が残業代を請求する手順

それでは、あなたが会社に対して未払の残業代を支払ってもらうように請求しようと思った場合にはどのような準備が必要なのでしょうか。

以下、請求するまでの準備と請求手順をみていきましょう。

(1)証拠集め

まずは証拠集めが重要です。ある時間残業をした事実や未払の残業代が発生している事実は残業代を請求する従業員の側で証明する必要があります。

労働時間を証明するための資料として、以下のものが考えられます。

  • タイムカード
  • 日報
  • 雇用契約書や賃金規程・就業規則
  • メールの送受信記録やパソコンの利用記録
  • 家族への帰宅時のLINE連絡
  • 公共交通機関の利用記録 など

残業代を請求するためには、労働した時間の証明が最も重要です。役に立つ資料は1日単位で収集しておきましょう。

そして、残業代の請求には時効があります。

未払い残業の消滅時効は、令和2年3月31日までに発生したものについては「2年」、令和2年4月1日以降に発生したものについては、現時点では「3年」となりますので注意が必要です。

(2)会社と話合い

そして、会社に対して算出した未払残業代を請求していくことになります。最初は会社と話合いで解決できるように進めます。

単なる不支給のミスであるならば、会社が素直に支払に応じて解決する場合もあります。

他方で、会社が残業代の支払を認めずに拒否したり、いつまでも対応しなかったりする場合には、いつまでも残業代の支払を受けられません。したがって、次の手段を検討します。

(3)話合いでまとまらない場合は労働審判・訴訟

話合いでまとまらない場合には、裁判所を利用した手続を検討します。

労働審判は、裁判所を利用した手続の一種で、通常の裁判(訴訟)に比べて迅速な解決が期待できます。

労働審判は、裁判官1名と労働審判員2名の合計3名の労働審判委員会が双方の主張を聞いて話合いでの解決を目指します。

そして、基本的に最大3回の話合いで結論を出すことになります。

双方が合意に達しなかった場合には、通常の裁判(訴訟)に移行することになります。

5、営業職で残業代を請求する場合は弁護士へ相談すると早い!

営業職で残業代を請求する場合には、労働問題に精通した弁護士に相談することをおすすめします。

まず、ご自身のケースで未払い残業代が請求できるかどうかがわからない方もいると思います。

さらに、弁護士が当初から代理人に就くことで、会社としても無用の抵抗をしなくなる可能性が高まりますので、早期解決ができる可能性も高くなります。

仮に当事者による交渉では話合いがまとまらず、裁判所を利用した手続に移行した場合であっても、弁護士に依頼していれば会社に対する適切な反論が期待できます。

まとめ

今回は営業職の残業問題について解説しました。

ここまでの説明を読んでご自身のケースで違法な残業が行われているのではないか、未払い残業代が発生しているのではないかというお悩みが解決しない場合には、一度弁護士に相談してみることをおすすめします。

※この記事は公開日時点の法律を元に執筆しています。

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