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有給休暇は買い取ってもらえるの?有給休暇について知っておきたいこと

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有給休暇について知っておきたいこと

有給休暇は会社に買い取ってもらえるのか

日本の企業における有給休暇の取得率は5割程度。

これは、主要先進国の中で特に低く、有給休暇の平均給付日数および平均取得日数についても同様のことがいえます。

また、平成29年度の労働者一人当たりの有給休暇平均付与日数は18.2日であるのに対し、平均取得日数は9.0日と、給付されている半数以上の有給休暇は消化されていない状況にあったことが明らかとなっています。

つまり、日本は消化されずにたまっていく有給休暇が非常に多い国であるといえます。

今回は、

  • たまってしまった有給休暇を会社に買い取ってもらうことができないのか

徹底解説していきます。

この記事が、有給休暇とは何かについて考えていただけるきっかけになれば幸いです。

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目次

1、そもそも有給休暇とは

有給休暇とは

まず、有給休暇とは何でしょうか。その法的性質からみていきましょう。

(1)正式名称

正式名称は「年次有給休暇」といいます。

(2)根拠法律

労働基準法第39条を参照。

(3)付与条件

付与条件は以下の2点です。

  • 雇入れの日から起算して6箇月間継続勤務したこと
  • 全労働日の8割以上出勤した労働者

(4)趣旨

労働者の疲労回復、健康の維持・増進、その他労働者の福祉向上を図ることとされています。

(5)有給休暇請求権の時効

有給休暇は請求することのできる日から2年間の経過により、時効という制度により、請求ができなくなってしまいます(労働基準法115条)。

たとえば労働法上では、正社員は勤務開始から全労働日の8割以上出勤していれば、勤務期間が6か月経過した時点で会社に対して年10日間の有給休暇請求権を取得します。

しかし、権利を行使せずその日から2年間が経過した場合、その有給休暇請求権は時効により消滅してしまいます。

(6)法定有給休暇

①正社員

正社員に有給休暇が与えられるための要件は、所定の休日を除く全労働日のうち、8割以上出勤することと、一定期間継続して勤務することです。

6か月間の勤務により10日間の有給休暇が与えられ、その後1年継続して勤務する毎に有給休暇が与えられ、毎年その日数が増えるという仕組みになっています。

②パート・アルバイト

パートなどの所定労働日数が少ない労働者に対しても、有給休暇は付与されます

もっとも、正社員の場合よりも少なく、週の所定労働日数などに応じて有給休暇が付与されることになります。

このように、勤務日数に応じて有給休暇を付与する制度は、比例付与と呼ばれています。

2、たまった有給休暇の買取りを会社に請求できるのか?

たまった有給休暇の買取りを会社に請求できるのか?

導入でご説明したように、日本では有給休暇を取得しきれずに余った状態でいることがわかります。

また、有給休暇で最も希望されているのは「休暇日数の増加」ではなく、「有給休暇の買取り」であるというデータも出ています

会社に有給休暇の買取りを請求した場合、会社はこれに応じる義務はあるのでしょうか。

(1)会社に有給休暇買取りの義務はない

そもそも有給休暇とは、労働者の福祉向上のために有給で休むことを認めた制度に過ぎず、これを消化しなかった場合に会社が買い取らなければならないというものではありません。

そのため、会社に有給休暇買取りの義務はありません

(2)会社からの有給休暇買取りは原則違法

買取りを積極的に認めると、会社が有給休暇を買い取り、労働者に有給休暇を取得させないという事態が生じ、せっかく法律で労働者の福祉向上を図った意味が失われてしまいます。

したがって、会社からの有給休暇の買取りは原則として違法とされています。

(3)会社からの有給休暇買取りが違法ではない場合

①法定有給休暇を超えた分について買い上げる場合

会社による有給休暇の買取りが違法とならない場合として、まず、会社が法律で定められている分を超えて付与している場合が考えられます。

つまり、上記のように法定の有給休暇は年10日間ですが、これを会社の規定により、年15日間としているような場合です。

法律で定められる分を超えて与えられた有給休暇は、会社が独自に、社員の福利厚生のために設けた制度といえます。

そのため、これを買い取ることを認めても、法定有給休暇に相当する部分の買取りでない以上は法律で労働者の福祉向上を図った意味を失わせることはありません。

つまり、会社が独自で与えた有給休暇については、その取扱いについて会社の裁量の幅が広いということです。

したがって、法定有給休暇を超えた分についての買取りは違法ではありません。

②有給休暇が時効消滅した場合

時効消滅した有給休暇は、会社に対して行使することができなくなってしまいます。

したがって、時効消滅した有給休暇の買取りを認めることは、むしろ労働者の福祉向上に役立ち、法で有給休暇を認めた意味を失わせることにもなりません。

よって、その場合、会社が有給休暇を買い取ることが認められています。

③退職時に未消化有給休暇がある場合

退職時に未消化有給休暇がある場合は、退職すると未消化有給休暇を消化することができなくなってしまうことから、特別に有給休暇を買い取ることが認められています。

3、具体的ケース

具体的ケース

以下、有給休暇の買取りを従業員から申請したり、会社側から有給休暇の買取りを要求されたりする具体的な場面です。

(1)期内で消化できなかった有給休暇の買取りを従業員から申請

前述のように従業員からの申請は問題ありませんが、会社に買い取る義務はありません

そのため、原則的に買取りは違法とされているため申請が受け入れられることは稀でしょう

先にも述べたように、有給休暇の請求権には時効がありますが、この時効までは繰り越せるとしている会社がほとんどかと思います。

期内で消化できない場合は翌期で消化するよう心がけましょう。

(2)法定有給休暇数を超えた有給休暇がある場合、超えた分を取得せずに買取りを従業員から申請

前述のように、このケースでは会社が買い取ることは違法ではありません

そのため、就業規則等で規定されていれば、買取りを受ける会社もあるでしょう。

ただし、会社に買い取る義務はなく、あくまで会社側の任意によるものであるため、法的に強制的に買い取らせることはできません。

(3)退職前に消化できなかった有給休暇の買取りを従業員から申請

(2)と同様です。

(4)消滅時効直前の消化していない有給休暇の買取りを従業員から申請

(2)と同様です。

(5)未消化有給休暇の買取りを会社側から要求

「2(3)」のケース以外において、会社から買取りを要求することは違法です。

このような要求があった場合は労働基準監督署、または弁護士にご相談ください。

4、会社が有給休暇を買い取るメリット

会社が有給休暇を買い取るメリット

上述のように、会社が有給休暇を買い取ることが違法ではないケースもあります。

その場合は買い取るよう請求しても応じてもらえる余地がありそうです。

そして、買取り請求に対して買い取るかどうかは、法律の定めはなく各会社の判断に委ねられています。

ここで、会社が有給休暇を買い取るメリットもあるとも言われています。

会社側にはどのようなメリットとなるのか、みていきましょう。

(1)退職前の未消化有休の買取りでは、社会保険料の支払いコストが削減される

労働者は退職前にたまった有給休暇を消費して退職することが可能です。

そして、有給休暇の消費中は在職扱いとなるため、その期間、会社は社会保険料の負担を継続しなければなりません。

ところが、有給休暇を買い取ってその分退職を早めることができれば、給与相当額の支払いは免れませんが、有給休暇の期間に応じて最大2か月程度社会保険料の負担を免れることができます

(2)退職前の未消化有休の買取りでは、有給休暇に入った従業員との労働トラブルのリスクがなくなる

(1)でも述べたとおり、有給休暇の消費中は在職扱いとなるため、雇用契約は継続している状態のままとなります。

したがって、労働者が退職の取消しを求めるなどのトラブルが発生するリスクがあり、他方、有給休暇を買い取り、早いうちに退職させることで、このようなトラブル発生のリスクを回避することができます。

5、買い取ってもらう場合の金額の相場は?

買い取ってもらう場合の金額の相場は?

各会社の基準によります

つまり、低いと感じられる金額で提示されても、基本的に反論することが難しいのです。

もし買取りをする可能性がある企業(就業規則等で「2(3)」のケース等で買取りをすると定められている場合)であれば、事前に買取り額の確認をしておくべきです。

例えば、このようなケースもあるようです。

退職前に有給休暇を消化しようとしましたが、上司に有給休暇の買取りを進められてこれに応じたところ、有給休暇を消費した場合に受け取ることのできる給与の半分以下の金額で買い取られてしまった。

この場合、就業規則などで事前に買取り額が定められている場合が多く、その金額をよく知らずに買取りに応じてしまったとしても、それを取り消して改めて有給休暇を取得することは難しくなってしまいます。

買取り額を決めるにあたっては、有給休暇を取得した場合と同等の価格(おおむね、月給を日割した金額)が基準となります。

具体的には、以下のような計算方法が考えられます。

  • 月給を労働日数で割った金額
  • 正社員、契約社員、等の雇用形態で一律に定める方法

6、とはいえ、買取りに応じる企業は少ない

とはいえ、買取りに応じる企業は少ない

上述のように、いくつかの場合において有給休暇の買取りが可能である場合があります。

しかし、実際には、買取りを規定で定め、もしくは買取りに応じる企業は少ないと言えます。

その理由は次のとおりです。

(1)違法性の壁

有給休暇の買取りは原則違法であるにも関わらず、それを許すことは、適法な範囲であっても違法ではないかという誤解を招きかねません。

そのため、不要な誤解を回避するために、わざわざ誤解を招きかねないような規定を定めることを避ける傾向にあると言えます。

(2)制度化の壁

有給休暇の買取りを許す場合、個々に対応することは平等性の担保に欠け、労務管理が不安定となります。

そのため、基本的には制度化する必要があります。

違法であることが原則の中、適法な範囲で一定の規定を作ることは難易度も高くなります

そのため結果的に義務のない買取りを行うことを避ける傾向にあると言えます。

7、有給休暇を取得しにくい日本人|その理由は?

有給休暇を取得しにくい日本人|その理由は?

有給休暇を買い取るにしても言い値となってしまう可能性もあり、そもそも買取りに積極的な企業が少ないとなると、やはり有給休暇は取得することでしかそのメリットを受けることができないと言えます。

それでも有給休暇を取れないその理由は何でしょうか。

(1)職場に休める空気がない

冒頭でも触れましたが、日本では消化されない有給休暇が多いとされ、その背景には、有給休暇を消化しやすい空気や環境がないことが最大の理由となっているようです。

(2)上司・同僚が有給をとらない

これは(1)にも関係しますが、特に20代の社員などは、上司や同僚が有給休暇を消化しない職場の雰囲気に影響され、自らもなかなか取得に踏み切ることができないことが多いとされています。

(3)同僚が多く働くことになる

自らが有給休暇を取得することで、人手不足のしわ寄せが同僚に向いてしまうことを考えて有給休暇を取得しにくい場合もあるようです。

また、特に(3)(4)(5)のような場合には、社員が有給休暇を利用することを前提とした業務システムを会社が構築できていないことが問題であるといえます。

(4)仕事がたまり、余計に疲れる

自己の業務を回すことができない結果、残業や休日出勤を強いられるなどして余計に疲れるといったことも理由の一つとして挙げられます。

(5)自分がいないと仕事が回らない

仕事が回らない以上、有給休暇を取得して休むことが事実上難しくなる場合もあるようです。

(6)業務対応が発生するかもしれない

窓口の対応時間である以上、突然の顧客対応などの必要に迫られることも十分に考えられ、そのような可能性がある以上、有給休暇をとって休む意味がないと考え、有給休暇を消化することが億劫になることも理由として挙げられます。

(7)取得の手続きが煩雑

申請書などに取得の理由を記載し、上司の許可が必要な場合があるなど、その煩雑さから有給休暇を取らないという選択をすることもあるようです。

(8)許可してもらえない、あるいは却下されたことがある

人員不足など、様々な理由により有給休暇の取得が許可されにくい状況であることや、以前に却下されたことがあるといったことも、有給休暇の取得を妨げる一因となっています。

(9)評価が下がる

有給休暇を取得しないという空気の職場の中でその取得をしようとすれば、他の社員や従業員より目立つ存在になり、上司や同僚の間で評価が下がることを心配して取得をしない方も多いようです。

8、2019年には有給休暇取得させることが会社の義務に

2019年には有給休暇取得させることが会社の義務に

世の中の流れも、有給休暇の適切な取得を促す方向にあります。

2018年4月6日、政府は「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案」を閣議決定し、開会中の第196回通常国会に提出し、6月29日の参院本会議にて、働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案が可決、成立しました。

施行日は2019年4月1日

この法律には、有給休暇5日の取得義務化が含まれています

この取得義務とは、会社が労働者に対して最低5日の有給休暇を取得させなければならないとするもので、これにより、労働者の福祉向上をより強化するとともに、これまでなかなか消化されてこなかった有給休暇を一部強制的に消化することが義務付けられることになります。

9、有給休暇で会社とトラブルになった場合の相談先

有給休暇で会社とトラブルになった場合の相談先

(1)厚生労働省 | 総合労働相談コーナー

厚生労働省の窓口で、あらゆる労働問題の相談が可能です。

(2)全労連 | 労働相談ホットライン

全労連の窓口で、あらゆる労働問題の相談が可能です。

また、全国に労働相談センターを設置しているので、直接相談窓口を利用することも可能です。

(3)NPO法人 労働相談センター

労働組合を作る・入ることによって労働問題の解決を図ることを進めていくNPO法人です。

(4)法テラス

法律を身近なものとするために設置された、国が運営する法律トラブルの案内所です。

収入条件などを満たすことにより、弁護士費用の立替制度も利用することができます。

(5)かいけつサポート

様々な民事紛争を、当事者双方の話合いにより柔軟な和解解決に導くことを目的とする相談窓口です。

(6)法務省 みんなの人権110番

法務省が運営し、差別や虐待、パワハラなど様々な人権問題についての相談を受け付ける相談窓口です。

(7)心の耳

法律相談というより、トラブルによる心の不調や不安に悩む人の支援に向けられた窓口です。

ストレスなどで精神的に参っているという方は、こちらの窓口を利用してみてもよいかもしれません。

10、労働問題を専門とする弁護士へもご相談ください

労働問題を専門とする弁護士へもご相談ください

「9」でご紹介した相談先のほか、相談や会社との交渉のみならず、訴訟まで幅広い対応が可能なのは弁護士に限られます。

特に労働事件は高度な専門性が求められるため、労働問題を得意とする弁護士にご依頼ください

なお、初回相談は無料としている事務所も多いため、まずはお気軽にご相談されることをお勧めいたします。

まとめ

労働問題に関する改革は様々進められているにもかかわらず、有給休暇の消化についてはまだまだ十分になされていないのが現状です。

ですが、有給休暇の取得は法律で認められている正当な権利であることも事実です。その場の空気に流され、無理を重ねて心身を壊すなどして後で後悔しないためにも、消化の準備を進めていきましょう。

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