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仮釈放のプロセスと要件~家族のサポートが鍵

仮釈放とは

「仮釈放」について正確な知識を持っている人は少ないかもしれません。

しかし、刑務所に収容されている家族や友人たちは、刑期の早期終了を切望していることでしょう。

そこで、この記事では以下のポイントに焦点を当て、わかりやすく説明します。 仮釈放の要件は何か? 仮釈放が許可されるまでのプロセスはどのようなものか? 仮釈放が取り消される条件は何か?

最後に、刑務所にいる家族ができる支援方法についても紹介します。この記事が皆さんのお役に立てれば幸いです。

刑務所の生活について知りたい方は、以下の関連記事をご覧ください。

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1、仮釈放について

仮釈放について

まず、この項では仮釈放の概要について説明いたします。

(1)仮釈放とは刑期満了前に釈放する制度

仮釈放とは、収容期間が満了する前に、刑事施設などに収容された者に条件を付けて、行政庁(地方更生保護委員会)の決定によって、仮に釈放することをいいます。
仮釈放には、

  1. 懲役又は禁錮受刑者の仮釈放(刑法28条)
  2. 拘留又は労役場留置受刑者の仮出場(刑法30条)
  3. 少年院収容者の仮退院(少年院法135条)
  4. 婦人補導院収容者の仮退院(売春防止法25条1項)

という4つが含まれますが、本記事では①の仮釈放について解説しています。

(2)仮釈放は本人の社会復帰を手助けするための目的

仮釈放が許された者は、仮釈放の期間中は保護観察が付けられることになります(更生保護法40条)。
保護観察とは、保護観察官又は保護司による指導監督・指導援護のもとで一般遵守事項(更生保護法50条1項)や特別遵守事項(更生保護法50条2項)を守りつつ社会内で更生をはかることをいいます。

具体的には、保護観察官は仮釈放中の者を保護観察所に呼び出したり、本人の住居を訪ねたりして、本人及びその家族と会い、生活実態を把握したりして本人の改善更生をはかるために助言や指導を行います。
保護観察官は、良好措置(保護観察を終了させる措置等)や不良措置(仮釈放の者を刑事施設に収容するための措置等)を行うことができます。

また、保護司は、法務大臣によって委嘱された保護観察対象者の改善更生を助ける地域のボランティアで、保護観察官を手助けする存在です。

上記のとおり、仮釈放は、刑事施設に収容されていた方が社会復帰を図ることができるように、保護観察官及び保護司の指導・監督の下に社会での生活をさせることで、本人が将来的に1人でも社会で過ごしていくことができるように手助けするための制度です。

(3)仮釈放の期間

仮釈放は、基本的には、刑期が満了する日までということになります。
無期刑の場合には、刑期満了の日がありませんので、仮釈放がなされたとしても一生保護観察に付されるということになります。

結局、無期刑を言い渡された者は、恩赦がなされない限り、生涯にわたり国の監督下に置かれることになります。

(4)仮釈放期間中は保護観察に付され、遵守事項を遵守すべし

上記1(2)でも既に触れましたが、仮釈放されると、必ず保護観察に付されます。
保護観察に付されると、保護観察所から指定される「遵守事項」を守って生活しなければなりません。

「遵守事項」は「一般遵守事項」と「特別遵守事項」の2種類あります。
一般遵守事項は保護観察に付された全ての方が遵守しなければならない事項、特別遵守事項は保護観察に付された個々人の事情を踏まえた上で、改善更生のために特に必要と認められる場合に付される事項です。

①一般遵守事項(更生保護法50条1項)

1号 再び犯罪をすることがないよう、又は非行をなくすよう健全な生活態度を保持すること。

2号 次に掲げる事項を守り、保護観察官及び保護司による指導監督を誠実に受けること。
 イ 保護観察官又は保護司の呼出し又は訪問を受けたときは、これに応じ、面接を受けること。
 ロ 保護観察官又は保護司から、労働又は通学の状況、収入又は支出の状況、家庭環境、交友関係その他の生活の実態を示す事実であって指導監督を行うため把握すべきものを明らかにするよう求められたときは、これに応じ、その事実を申告し、又はこれに関する資料を提示すること。

3号 保護観察に付されたときは、速やかに、住居を定め、その地を管轄する保護観察所の長にその届出をすること(第三十九条第三項(第四十二条において準用する場合を含む。次号において同じ。)又は第七十八条の二第一項の規定により住居を特定された場合及び次条第二項第五号の規定により宿泊すべき特定の場所を定められた場合を除く。)。

4号 前号の届出に係る住居(第三十九条第三項又は第七十八条の二第一項の規定により住居を特定された場合には当該住居、次号の転居の許可を受けた場合には当該許可に係る住居)に居住すること(次条第二項第五号の規定により宿泊すべき特定の場所を定められた場合を除く。)。

5号 転居又は七日以上の旅行をするときは、あらかじめ、保護観察所の長の許可を受けること。

②特別遵守事項(更生保護法50条2項)

特別遵守事項については、次に掲げる事項について、保護観察対象者の改善更生のために特に必要と認められる範囲内において、具体的に定める、とされています。

1号 犯罪性のある者との交際、いかがわしい場所への出入り、遊興による浪費、過度の飲酒その他の犯罪又は非行に結び付くおそれのある特定の行動をしてはならないこと。

2号 労働に従事すること、通学することその他の再び犯罪をすることがなく又は非行のない健全な生活態度を保持するために必要と認められる特定の行動を実行し、又は継続すること。

3号 七日未満の旅行、離職、身分関係の異動その他の指導監督を行うため事前に把握しておくことが特に重要と認められる生活上又は身分上の特定の事項について、緊急の場合を除き、あらかじめ、保護観察官又は保護司に申告すること。

4号 医学、心理学、教育学、社会学その他の専門的知識に基づく特定の犯罪的傾向を改善するための体系化された手順による処遇として法務大臣が定めるものを受けること。

5号 法務大臣が指定する施設、保護観察対象者を監護すべき者の居宅その他の改善更生のために適当と認められる特定の場所であって、宿泊の用に供されるものに一定の期間宿泊して指導監督を受けること。

6号 善良な社会の一員としての意識の涵かん養及び規範意識の向上に資する地域社会の利益の増進に寄与する社会的活動を一定の時間行うこと。

7号 その他指導監督を行うため特に必要な事項

(5)仮釈放期間を無事経過したら正式に社会復帰

遵守事項を守るなどして無事、仮釈放期間を経過することができれば刑の執行は終わります(有期刑の場合)。
そして、「仮」ではなく「正式」に刑務所から釈放され、社会内生活がスタートします。

2、仮釈放の要件(条件)

仮釈放の要件(条件)

では、どんな場合に仮釈放となるのか、仮釈放の要件についてご説明します。
仮釈放の要件は刑法28条に規定されています。
それによると、

  • 懲役又は禁錮に処せられたこと
  • 改悛の状が認められること
  • 有期刑についてはその刑期の3分の1を、無期刑については10年を経過したこと

が要件とされています。

(1)改悛の状が認められること

「改悛の状」があるのかないのかを判断するにあたって、社会内処遇規則第28条がその判断基準を定めています。

具体的には、「(仮釈放を許す処分は、)悔悟の情及び改善更生の意欲があり、再び犯罪をするおそれがなく、かつ、保護観察に付することが改善更生のために相当であると認めるときにするものとする。ただし、社会の感情がこれを是認すると認められないときは、この限りでない。」と定められています。
そして、通達は、

  • 「悔悟の情」
  • 「改善更生の意欲」
  • 「再び犯罪をするおそれ」
  • 「保護観察に付することが改善更生のために相当」
  • 「社会の感情」

については、それぞれ、次のような事項を考慮して判断すべきとしています。

①「悔悟の情」

「悔悟の情」については、本人の発言や文章のみで判断しないこととされています。

②改善更生の意欲

「改善更生の意欲」については、

  • 被害者等に対する慰謝の措置の有無やその内容
  • その措置の計画や準備の有無
  • 刑事施設における処遇への取組の状況
  • 反則行為等の有無や内容
  • その他の刑事施設での生活態度
  • 釈放後の生活の計画の有 無や内容

などから判断することとされています。

③再び犯罪をするおそれ

「再び犯罪をするおそれ」は、

  • 性格や年齢
  • 犯罪の罪質や動機
  • 態様
  • 社会に与えた影響
  • 釈放後の生活環境

などから判断することとされています。

④保護観察に付することが改善更生のために相当

「保護観察に付することが改善更生のために相当」については、悔悟の情及び改善更生の意欲があり、再び犯罪をするおそれがないと認められる者について、総合的かつ最終的に相当であるかどうかを判断することとされています。

⑤社会の感情

そして、「社会の感情」については、被害者等の感情、収容期間、検察官等から表明されている意見などから、判断することとされています。

(2)有期刑については3分の1を経過したこと、無期刑については10年を経過したこと

たとえば、懲役3年の実刑判決を言い渡された者の場合、収容から2年を経過した時点でこの要件を満たすということになります。

しかし、要件を満たすというだけであって仮釈放の手続きには時間がかかりますから、実際に仮釈放されるのはもっとその後となります。

平成30年度版犯罪白書によると、平成29年度中、定期刑で仮釈放された者の数は1万2,965人で、そのうち刑期の90%以上を刑務所で過ごした者は「35.3%」でした。その他、90%未満が「45.5%」、80%未満が「17.9%」、70%未満が「1.3%」でした。

なお、同白書によると、平成29年度中、無期刑で仮釈放を許可された者は9人で、そのうち35年以内の刑の執行を受けた(刑務所で過ごした)者は7人、35年を越えた者が2人ということでした。

3、仮釈放許可までの流れ

仮釈放許可までの流れ

次に、仮釈放を許可されるまでの流れについてご説明いたします。

(1)保護観察官、保護司による生活環境の調査、調整

刑務所に収容されると、社会復帰に向けた本人の生活環境の調査、調整が行われます。
本人はもちろん、家族やその他の引受人、関係者との面接などを通じて、家族の状況、家庭環境、近隣状況、収容される前の生活状況・交友関係、釈放後の就職・生計の見込みなどにつき調査を受け、社会復帰後の生活環境の調整のための参考とされます
調査の結果は、刑務所内での処遇にも生かされます。

(2)刑務所の長から地方更生保護委員会への申出

刑事施設の長は、有期刑については3分の1、無期刑については10年が経過し、かつ、「悔悟の情」「改善更生の意欲」「再び犯罪をするおそれ」「保護観察に付することが改善更生のために相当」「社会の感情」についてそれぞれを考慮し、本人を仮釈放し、保護観察に付することが本人の改善更生のために相当と認めるときは、仮釈放の許可権限などを有している地方更生保護委員会に対し、仮釈放を許可すべき旨の申出をします(更生保護法34条)。

(3)地方更生保護委員会による調査、審理

地方更生保護委員会は一般的に3人の委員から構成される合議体によって調査、審理が進められます
刑事施設の長からの申出を受けた地方更生保護委員会は、その委員をして本人と面接させたり、収容先である刑務所へ必要な事項を照会したり、保護観察所に対して社会復帰後の生活環境の調整を依頼するなどして、仮釈放を許可するか否か判断するための情報を集めます。

(4)地方更生保護員会による仮釈放の許否決定

こうして集まった情報をもとに、地方更生保護委員会は本人に対し仮釈放を許可するか否かの判断をします
仮釈放を許可する場合は、同時に仮釈放をする日や帰住先も指定されます。

4、仮釈放は取り消されることがある

仮釈放は取り消されることがある

仮釈放は許可されたとしても取り消されることがあります。
どんな場合でしょうか?

(1)取り消される場合

どんな場合に仮釈放が取り消されるかについては刑法29条1項に規定されています。

刑法29条1項

1号 仮釈放中に更に罪を犯し、罰金以上の刑に処せられたとき。

2号 仮釈放前に犯した他の罪について罰金以上の刑に処せられたとき。

3号 仮釈放前に他の罪について罰金以上の刑に処せられた者に対し、その刑の執行をすべきとき。

4号 仮釈放中に遵守すべき事項を遵守しなかったとき。

典型的なケースとしては、1号、あるいは4号に該当する場合でしょう。
4号の「遵守すべき事項」とは上記「1」(4)でご紹介した「一般遵守事項」と「特別遵守事項」をいいます。
仮釈放を取り消すか否かも地方更生保護委員会が判断します。

(2)取り消されたらどうなる?

仮釈放されたといっても刑の執行は継続していますから、仮釈放が取り消された場合は、再び刑事施設に収容されます。
仮釈放が取り消された場合、仮釈放期間中の日数は刑期に算入されません(刑法29条3項)。

たとえば、懲役3年で刑務所に収容されていた者が、2年6ヶ月を経過して仮釈放されたとします。
仮釈放の期間は刑期満了の日までなので残り6ヶ月を経過すれば釈放となりますが、仮に、仮釈放の期間中に遵守事項を遵守せず、仮釈放から2ヶ月を経て仮釈放が取り消された場合には、そこからさらに6ヶ月間刑事施設に収容されることになります。

5、仮釈放に向けて家族としてできること

仮釈放に向けて家族としてできること

最後に、仮釈放に向けて家族としてできることをご紹介いたします。

(1)受け入れの意思があるかどうか明確に伝える

保護観察所の調査の中で、家族に対し、仮釈放後に本人を受け入れる意思があるかどうか聴かれることがあるかと思います。

そこで、まず、本人を受け入れる意思があることを明確に伝えましょう
受け入れる意思がない場合には、家族以外の身元引受人を探すなどしなければならず、回答を先延ばしにしていると、仮釈放される時期が遅れ、本人にとって不利益となります。

以下では受け入れる意思がある場合に家族ができることの例を挙げます。

(2)本人と定期的に面会する

本人の円滑な社会復帰を実現するためには、定期的に本人と面会して緊密にコミュニケーションを取っておくことをお勧めいたします。

(3)調査に協力する、生活環境を整えるなど

保護観察所や刑事施設と連携を図りながら、本人を受け入れるために本人の改善更生にとって最適な生活環境を整えましょう

(4)仮釈放後もしっかり監督する

仮釈放されたとしても、国の監督下にあることを忘れてはりません。
上記で既に述べたとおり、仮釈放は取り消されることもあります。

また、保護観察官及び保護司の指導・監督下に置かれていますから、遵守事項や指導されたことは必ず守らせましょう

まとめ

以上、仮釈放についてご理解いただけましたでしょうか?
仮釈放は、本人の社会復帰を手助けするための制度です。
こうした趣旨を考慮して、本人にとって何が一番最適な選択肢なのかお考えいただければと思います。

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