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遺留分を認められていない兄弟が相続財産を獲得する2つの方法

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亡くなった者の兄弟には遺留分がないと聞いたけれど本当か、自分は死者と兄弟の関係にあるけど相続財産をもらえないか知りたい

もしかしたらあなたは今そのような状況ではないでしょうか。一つ事例を紹介させて下さい

早くに両親を亡くした兄弟がいました。兄弟二人、力を合わせて商売を行い、財産を作りました。先日、その兄が亡くなりました。兄には、妻がいますが、子供はいません。

遺族は、兄の妻と弟だけです。弟は、当然、兄の遺産を兄の妻と共に相続するはずだと思っていました。ところが、葬儀のあと、兄の妻は、兄が書いたという遺言書を差し出しました。

そこには、全財産を妻に相続させると記載されていました。しかし、兄と二人で財産を築いたのは弟です。弟は、遺産をもらうことはできないのでしょうか?

相続にあたっては、遺産のうち一定割合を法定相続人に残さなければならない遺留分制度が定められています。弟は法定相続人です。ところが、法定相続人の中でも、兄弟姉妹だけは、遺留分が認められていません。何故でしょうか?他に、弟が遺産をもらう方法はないのでしょうか?」

今回はこのような事例において、兄弟が相続財産を獲得する方法を解説していきます。ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説する内容なのできっとご参考頂けることでしょう。

遺留分に関してお悩みの方のご参考になれば幸いです。

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1、そもそも遺留分とは

まずはそもそも遺留分とは何かについて説明していきます。

(1)遺留分とは

遺留分とは、被相続人(故人)の意思に関わらず、法定相続人に残さなければならない遺産の割合です。

被相続人が、その財産を生前贈与したり、遺言によって特定の者に遺贈をしていた場合でも、それが遺留分を侵害していれば、侵害された限度で、その生前贈与や遺贈を受けた者から遺産を取り戻すことができます(民法第1028条)。

(2)遺留分制度の3つの目的とは

遺留分制度の目的(趣旨)は、3つに分けることができます。

ひとつは、歴史的な出発点です。

一族が生きてゆくために不可欠な土地や家畜などの生産手段を、一族内で承継するに際し、争いが起こらないように、相続人間の公平を図るという目的です。これは大家族主義の時代に重視された点と言えます。

次に、残された遺族の生活保障のために一定限度の遺産を確保するという目的です。

個人主義、核家族化された近現代において重視されます。

最後に、配偶者の貢献の保護です。被相続人が遺産を形成するにあたっては、配偶者の貢献があることが通常です。

そこで、そもそも遺産の中には、配偶者の財産と評価するべきもの(これを潜在的持分と言います)があると認め、相続にあたり、この潜在的持分の精算をはかることもひとつの目的とされます。これは、現代において重要視される目的です。

2、死者の兄弟には遺留分はない

(1)兄弟姉妹は遺留分を保証されない

遺留分は、法定相続人のうち、 兄妹姉妹を除く、配偶者、 子供(その代襲相続人である孫なども含みます)、直系尊属にのみ認められています。兄妹姉妹は、法定相続人ではありますが、遺留分は保証されていないのです(1028条1項)。

法定相続人と遺留分の有無

               法定相続人

 

 

配偶者

                   遺留分権利者

 

 

血族相続人

 

第1順位  子

第2順位  直系尊属

第3順位  兄弟姉妹

遺留分なし

 

(2)法定相続とは

ここで法定相続人について、若干説明をしておきます。民法は、被相続人の遺言による自由な財産処分を認めると共に、遺言を残さなかった場合の相続について法定相続人という制度を定めました。

法定相続人には、二つの類型があります。第1類型は配偶者です。配偶者は、常に相続人となります(890条)。第2類型は血族相続人(887条、889条)です。

血族とは、血縁で繋がった関係です(ただし養子縁組による養親子関係も法定血族としてここに含まれます)。血族相続人には、順位があり、例えば第1順位の相続人がいれば、第2順位以降のものは相続することはできません。

第1順位の相続人がいない場合は第2順位の直系尊属が相続することになり第3順位の兄妹姉妹は相続できません。

3、兄弟に遺留分がない理由は

遺留分の目的(趣旨)は次の3つでした。

  • 相続人間の公平を図ること
  • 遺族の生活保障
  • 配偶者の潜在的な持分の精算

兄弟姉妹は、そもそも血族相続人の中でも第三順位、すなわち最終順位の相続人に過ぎません。配偶者が、常に相続人となるのと比較すると、兄弟姉妹は、血族相続人の子(さらには孫あるいは曾孫など直系卑属も含めて)が存在せず、さらに、父母、祖父母などの直系尊属も存在しない場合であって、初めて法定相続人となります。

このように、兄弟姉妹は、相続という観点からすると被相続人からは、立場的に遠い存在です。 したがって、相続の公平を図るという要請自体が弱いと言えます。

次に、通常、兄弟姉妹は、被相続人とは独立して生活基盤を築いており、遺族の生活保障という要請も少ないはずです。さらに、配偶者のような潜在的持分の清算という要請も、通常はありません。したがって、兄弟姉妹には、遺留分制度の3つの目的のいずれもが、妥当しないものとされ、遺留分が認められていません。

もちろん、兄妹姉妹の中には、配偶者よりも被相続人の財産形成に貢献した者がいる場合もあります。遺留分を一切認めないことは、そのような貢献を全く否定する結果になります。しかし、遺留分を認めることは、反面、被相続人の意志に基づく自由な財産処分を法律で制限することです。権利を制限する以上、その制限範囲は明確な基準を設けざるを得ません。

このような観点から、個別具体的な事情を考慮することなく、兄妹姉妹については、一律に遺留分はないものとされたのです。

4、兄弟が相続財産を獲得するためには遺言の無効を主張する必要がある

それでは配偶者に全財産を相続させるという遺言があった場合、被相続人の兄弟は、どうしても遺産を相続することはできないのでしょうか 。

民法には、被相続人の財産の維持又は増加に貢献をした者がいる場合は、相続分の算定にあたって、その貢献を考慮する寄与分(904条の2)という制度があります。

しかし、この寄与分が認められるには、相続人であることが前提です。したがって、配偶者に全財産を相続させるという遺言があり、兄弟が相続人となれない以上、寄与分の主張もできません。

そこで、兄弟が相続をするには、遺言書の効力を否定するしかありません。遺言書の効力が否定される場合には、大きく分けて二つの種類があります。

一つは、形式面に問題がある場合です。もう一つは、遺言を残した者の判断能力に問題があった場合です。

(1)遺言の形式面に問題がある場合

遺言書が、自筆証書遺言の場合に形式面に問題が存在するケースが多くなります。自筆証書遺言とは、遺言者が、遺言書の全文、日付及び氏名を自書し、これに押印することによって成立する遺言です(民法968条1項)。自筆証書遺言の文章は、自筆で記載したものであれば、日本語である必要はありません。

しかしワープロ、タイプライター、テープレコーダーの録音など、自分の筆記によるものでない場合は、無効です。また、作成年月日のない遺言、押印のない遺言、氏名の記載のない遺言など、要求される記載事項が欠けていれば、無効となります。

また、一見、形式が整っていても、実は、遺言書が偽造であった場合は、本人によるものではないのですから、当然に無効です。

(2)遺言者の遺言能力に問題がある場合

民法は、「遺言者は、遺言をするときにおいて、その能力を有しなければならない。」と規定しています(第963条)。遺言に必要な能力とは、遺言の内容事項を理解し、判断する能力です。この遺言能力は、満15歳以上の者に認められます(第961条)。

裁判で問題となる多くの例は、遺言による不利益を受ける共同相続人が、遺言者の高齢や認知症などを理由として、遺言時には判断能力を喪失していたから遺言書が無効であると主張し、争われる例です。

①  家事調停申立

遺言書の効力に関する争いは、調停前置主義がとられています(家事事件手続法第257条1項)。
調停前置主義とは、いきなり訴訟を起こす前に、裁判所での話し合いである調停を申し立てなくてはならないとされる制度です。

遺言のような家庭内の問題は、まず話し合いでの解決を探るほうが適切だからです。そこで、遺言書の効力を争う場合は、まず家庭裁判所の家事調停の申し立てをします。

家事調停で話し合いがまとまらなかったときは、地方裁判所に対する遺言無効確認訴訟を提起することになります。もっとも、調停申立を行わずに、いきなり遺言無効確認訴訟を提起しても、却下されるわけではありません。家庭裁判所の調停に回されるだけです。

但し、裁判所が、家事調停に回すことが相当でないと判断した場合には、そのまま訴訟が行われます(同法257条2項但書)。例えば、提訴前に当事者間で十分な協議が行われてきたが、話し合いが決裂してしまったケースのように、もはや調停での協議の繰り返しが無意味と判断される場合などです。もしも、このような事情があり、調停手続を経ずに、訴訟手続を進行させてほしい場合は、そのような事情を説明する上申書を添付して提訴すると良いでしょう。

②遺言無効確認訴訟

遺言無効確認訴訟においては、遺言をした当時の判断能力の有無が争点となります。

判断能力の有無を認定する証拠は、例えば、遺言者が認知症の治療のために通院していた場合には、通院の記録、治療や投薬の記録を記載したカルテ、看護介護を受けていた場合にはその看護記録、介護記録が重要な証拠となります。

また身近にいる人による証言も証拠となります。本人が日頃、自分の判断に基づいて、通常の日常生活を送ることができていたかどうか、金銭の管理や買い物など、人の手を借りずに行うことができたかどうか、電話や来客の応対は問題がなかったかなどが吟味されます。

本人の手紙やメールのやりとりや日記などが証拠となる場合もあります。ただ、例えば、訴訟の相手方が、妻のように被相続人の同居の家族である場合は、遺言能力に問題があった旨を明らかにする証拠を集めることに困難が伴うことが考えられます。

日常生活を共にし、事情をよく知るのは家族ですし、通院していた医療機関などと信頼関係を築いているのも家族ですから、遺言の効力を問題とする側に対し、非協力的な場合も珍しくはありません。

そのような事態が予想される場合には、弁護士に相談し、裁判所を通じて証拠を確保する証拠保全手続(民事訴訟法234条)等の利用を検討する必要があります。なお遺言者の遺言能力が問題となり、遺言書が無効とされるケースは、必ずしも自筆証書遺言だけではありません。

公証役場の公証人によって、遺言者の判断能力が確認されているはずの公正証書遺言においても、後の遺言無効確認訴訟において、遺言能力が否定され、公正証書遺言が無効とされている裁判例は珍しくありません(東京高判平成25年8月28日判タ1419号173頁など)。ですから、遺言能力に疑義がある場合は、仮に公正証書遺言であっても、諦める必要はありません。

③遺言が無効となったときの相続関係

遺言が無効となったときには、原則である法定相続分に従った相続が行われます。妻と弟が共同相続人となり、法定相続分は、妻が4分の3、弟が4分の1です。

遺言書が、妻による詐欺、強迫によって書かされたものであったり、妻が遺言書を偽造したり、その内容を変造したりしていた場合は、その妻は、「相続欠格」となり相続権を失います。これは、相続欠格制度といいます。

相続に関し、不正な利益を得ようとして不正な行為をしたものは、法律上当然に、その相続人資格を剥奪するのです(民法891条)。妻が、相続欠格となった場合は、相続人は血族相続人である弟一人となり、全遺産を弟が相続することになります。

まとめ

今回は兄弟の遺留分について説明してきましたがいかがでしたか?兄弟がどんなに相続人の財産形成に貢献していたとしても兄弟には遺留分がありません。果たして、それで良いのか、制度の内容については議論の余地があるかと思いますが、制度が定まっている以上、これは仕方ありません。

他方で、遺言の効力を争うことは、 病院などの協力が十分に得られるかという観点等から難しい側面もありますが、遺言が無効とされる裁判は、決して珍しいケースではないのです。とはいえ、法律に詳しくない方が裁判で争うことも難しいことでしょう。少しでも納得できない事情があるならば、専門家である弁護士に相談されることをお勧めいたします。 

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