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定款に記載する変態設立事項とは?その内容から注意点まで、わかりやすく解説!

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変態設立事項

「変態設立事項」(へんたいせつりつじこう)とは、定款に記載する項目の1つで、簡単にいうと、「会社設立前に発起人が行う会社財産に関係する行為」をいいます。

発起人は、会社を設立する前に、会社で使う物を購入したりします。

設立前なので、何をいくらで買うのかは発起人の自由に決められてしまいます。

例えば、100万円程度の土地を1000万円で買う、ということもできてしまうのです。

会社は出資者を募って設立されますが、設立前にこのような無駄遣いをされたのでは、出資者はたまったものではありません。

このようなことから、会社設立前に財産基盤に影響を与える行為をする場合は、その行為をしても会社財産は大丈夫です、安心してください、と公言する役割として、定款に記載することになっています。

本稿では「変態設立事項」について、

  • 変態設立事項とは何か
  • 変態設立事項4つの項目
  • 変態設立事項を定款に記載する際の注意点

を解説します。

なお、会社設立の際に作成する定款を「原始定款」といいます。

後から定款の記載事項の削除・訂正・変更は自由にできますが、そうすると、あらためて定款の認証が必要となるため、原始定款は慎重に作成しなければなりません。

会社設立に向けて定款を作成されている方は、スムースに会社を設立するためにも、ぜひ本稿を参考になさってください。

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1、定款記載事項の変態設立事項とは?

定款記載事項の変態設立事項とは?

変態設立事項の位置付けを知るため、まず、定款記載事項全般から見ていきましょう。

(1)定款記載事項とは

定款記載事項には、大きく分けて3種類が存在します。

 ①絶対的記載事項

絶対的記載事項とは、定款への記載が必須のものです。

法律によって定款に記載すべき項目が規定されているため、記載漏れがあると定款自体が無効になってしまいします。

絶対的記載事項は、次のとおりです。

  • 目的
  • 商号
  • 本店の所在地
  • 設立に際して出資される財産の価額またはその最低額
  • 発起人の氏名または名称及び住所

また、発行可能株式総数も、会社設立の登記をするまでに必ず定款に記載しなければなりません。

 ②相対的記載事項

相対的記載事項は定款への記載は必須ではありませんが、決定したら、定款に記載しなければ、その事項について効力が認められないものです。

相対的記載事項には、次のものが該当します。

  • 現物出資
  • 財産引受
  • 発起人の報酬
  • 設立費用
  • 株式の譲渡制限に関する規定
  • 株主総会の招集通知を出す期間の短縮
  • 役員の任期の伸長
  • 株券発行の定め

例えば、現物出資で車や不動産を資本金に充てる場合、その旨を定款に記載していなければ、その現物出資は効果を持ちません。

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 ③任意的記載事項

任意的記載事項は、定款への記載がなくても無効になるわけではなく、また定款に記載しなくても、その効力が認められるものです。

定款に記載することで、会社の規則として強い拘束力を発するようになり、変更する場合は、会社法で定められた手順に沿って行う必要があります。

任意的記載事項には、事業年度や取締役の人数など、法律の範囲内であれば、定款への記載が認められています。

(2)変態設立事項は相対的記載事項

変態設立事項は、相対記載事項のうち、「現物出資」、「財産引受」、「発起人の報酬」、「設立費用」を指します

会社法第28条では、変態設立事項について、次のように規定しています。

第二十八条 株式会社を設立する場合には、次に掲げる事項は、第二十六条第一項の定款に記載し、又は記録しなければ、その効力を生じない。 一 金銭以外の財産を出資する者の氏名又は名称、当該財産及びその価額並びにその者に対して割り当てる設立時発行株式の数(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、設立時発行株式の種類及び種類ごとの数。第三十二条第一項第一号において同じ。) 二 株式会社の成立後に譲り受けることを約した財産及びその価額並びにその譲渡人の氏名又は名称 三 株式会社の成立により発起人が受ける報酬その他の特別の利益及びその発起人の氏名又は名称 四 株式会社の負担する設立に関する費用(定款の認証の手数料その他株式会社に損害を与えるおそれがないものとして法務省令で定めるものを除く。) 引用:会社法|e-Gov法令検索

2、変態設立事項は4つ

変態設立事項は4つ

変態設立事項の4つについて、それぞれ詳しく見てみましょう。

(1)現物出資

株式会社設立の際、発起人または株式引受人による会社への出資は、金銭で行うことが原則です。

しかし、この出資を「物」で行うことを、「現物出資」といいます

発起人のみ、現物出資をすることができます。 「物」には、「価値」がありますが、その価値は、金銭に比べて流動的です。

同じ「土地」でも、地方の土地と都心の土地には、その価格差があるように、何がいくらなのかは、その地域や時代によって異なるからです。

とすると、「物」での出資は、その出資額の客観性を担保することができません。

ですので、その「物」の出資で、いくらに相当する株式を割り当てるのか、慎重に検討されるべきということになります。

そのため、後述しますが、出資された財産の価額の総額が500万円を超える場合は、弁護士などから選任される「検査役」による調査が必要となります。

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(2)財産引受

財産引受とは、会社設立前に、発起人が第三者から特定の「物」を譲受ける旨の契約をいいます

会社の事業に必要な物に関する契約なので、会社設立前に契約が締結されますが、物への対価は、会社設立後に、会社から支払います。

会社設立前に契約をしている、つまり、発起人の独断で契約を締結するわけですので、いくらで、何を買うのかの決定が発起人に委ねられています。

もし、発起人が第三者に便宜を図ろうと、1万円の物を100万円で買う契約をしているとしたら、その会社は損をしてしますので、このようなことを防ぐために、財産引受はやはり慎重に行われるべき、ということになります。

そのため、こちらも現物出資と同じく、譲り受ける財産の価額の総額が500万円を超える場合は、「検査役」の調査が必要となります。

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(3)発起人の報酬・特別利益

発起人が会社設立のために労役を尽くしたことに対し、会社設立後に報酬、あるいは特別利益を支払うことです。

もし、これが莫大な報酬金額であったとしたら、会社財産に大きな影響を与えることになります。

無制限になされるとしたら、出資した株主たちはどう思うでしょうか?

その労役に対等な額であるのか、不安に思うことでしょう。

そのため、この場合も、その金額について検査役の調査を受ける必要があります。

(4)設立費用

設立費用とは、発起人が支出したオフィスの賃貸料、設立事務員の給料・交通費、水道光熱費など、設立事務のために必要な費用を指します。

定款に設立費用を記載すれば、発起人は会社設立後に会社に費用分の請求ができますが、これも例外なく検査役の調査を受ける必要があります。

3、変態設立事項は、原則、検査役の調査を受けなくてはいけない

変態設立事項は、原則、検査役の調査を受けなくてはいけない

変態設立事項を定款に記載した場合は、原則として、裁判所に対して検査役の選任の申し立てをして、調査を受ける必要があります

(1)原則―検査役の調査が必要

変態設立事項に該当する事項を決定した場合、発起人は、裁判所に検査役の選任の申し立てをして、弁護士などから選任された検査役の調査を受ける必要があります。

会社法第33条1項は、検査役について、次のように規定しています。

(定款の記載又は記録事項に関する検査役の選任)第三十三条 発起人は、定款に第二十八条各号に掲げる事項についての記載又は記録があるときは、第三十条第一項の公証人の認証の後遅滞なく、当該事項を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。引用:会社法|e-Gov法令検索

(2)例外―検査役の調査が不要なケース

会社法第33条10項では、現物出資と財産引受に関して、検査役の調査が不要なケースについて次のように規定しています。

  • 定款に記載され、または記録された価額の総額が500万円を超えない場合
  • 市場価格のある有価証券について、定款に記載され、または記録された価額が市場価格を超えない場合
  • 定款に記載され、または記録された価額が相当であることについて弁護士、公認会計士、税理士等の証明を受けている場合

参考:会社法|e-Gov法令検索

ただし、上記の例外事項に当てはまった場合でも、設立時取締役が財産の価額を調査し、調査報告書を管轄の法務局に提出する必要があります。

実務では、定款に記載され、または記録された価額の総額が500万円を超えない」という規定を使い、500万円以内での現物出資や財産引受を行うことがよく行われています

(3)調査の結果定められた事項が不当と判断されたらどうする?

検査役による調査で不当と判断された場合、変態設立事項はどのような扱いとなるのでしょうか?

① 発起設立の場合

発起設立とは、会社設立時に、会社が発行する株式の全てを発起人が引き受ける会社設立の方法です。

検査役は、調査の結果を裁判所に報告します。

そして、裁判所が不当であると判断した場合には、変態設立事項を変更する旨の決定を出します。

変態設立事項の変更に不服がある場合、発起人は、即時抗告で裁判所の決定を争うことができ、決定の確定後1週間以内に限り、自身の設立時発行株式の引受けの意思表示を取り消すこともできます。

② 募集設立の場合

募集設立とは、会社設立時に会社が発行する株式の一部を発起人が引き受け、残りの株式については株主を募集する会社設立の方法です。

発起設立との大きな違いは、株主総会の前身にあたる発起人・株式引受人による意思決定機関である「創立総会」を開く必要があることです。

募集設立の場合も、検査役による調査で、変態設立事項が不当と判断された場合の扱いは同じです。

それに加えて、募集設立の場合、検査役の調査や弁護士等による証明で定款に記載された現物出資や財産引受の価額に問題がないと判断されたときであっても、創立総会によって変態設立事項を変更することができます。

4、変態設立事項を記載しないとどうなる?

変態設立事項を記載しないとどうなる?

変態設立事項の記載が原始定款になければ、その効力を生じません

記載漏れがないよう、慎重に作成する必要があります。

5、スムースな会社設立には、弁護士への依頼を

スムースな会社設立には、弁護士への依頼を

会社設立の手続を弁護士に依頼する場合のメリットを紹介します。

(1)面倒な手続をお任せできる

会社設立には、定款の作成、株式発行事項や機関の決定、登記などの面倒な手続が必要です。

これらの手続は、膨大な時間と労力がかかるのみならず、専門的な法律の知識も必要とされます。

弁護士に依頼すれば、会社設立に伴う面倒な手続を一括して任せることができ、役所や法務局への届け出も代行してもらうことができます。

その間、組織づくりや営業活動など事業に向けて注力すべき業務にリソースを割き、スムースに会社設立を完了させることが可能です。

(2)設立無効などを回避できる

設立手続が法律に則った方法でなければ、会社設立自体が無効となってしまいます。

法律のプロである弁護士に依頼すれば、設立無効などのトラブルも回避することができます

(3)そのまま顧問契約を締結できることも

会社を運営していく上で、会社法や労基法など、法律についての相談ができる弁護士は心強いパートナーとなり得ます。

会社設立に尽力してくれた弁護士とは、そのまま顧問契約を締結することも可能です。

(4)他士業との連携のある事務所ならワンストップ!

法律事務所の中には、税理士、社労士、弁理士、司法書士、行政書士といったあらゆる専門家が所属しているところもあります。

このような場合、様々なご相談にワンストップで対応できます

例えば、決算申告のタイミングで慌てて税理士に依頼しなくても、あらかじめワンストップのサポートを受けていれば、余裕を持って対処することが可能です。

まとめ

定款に記載する変態設立事項について、意味や内容、注意点を解説しました。

会社のスタートアップでは、定款にまつわる必須事項だけでも、かなり面倒な手続が必要です。

それらすべてについて、法的な手続に関して不安のある方や、サポートを受けたい方は、弁護士に相談されることをおすすめします。

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