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不正競争防止法とは|事例・罰則などの基本知識をわかりやすく解説

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「自社で販売している商品によく似た商品が出回っている」

これは、「不当競争防止法」違反である可能性があります。

不当競争防止法という言葉は知っているが、実際はどんな法律かわかっていない」

という人も多いのではないでしょうか?

今回は、

  • 不正競争防止法の定義
  • 具体的な事例
  • 違反した場合の罰則

など、基本知識をわかりやすく解説していきます。

ご参考になれば幸いです。

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1、不正競争防止法とは

不正競争防止法とは

不正競争防止法とは、その名の通り、事業者間の不正な競争を防止するための法律です。

事業者は、自社の商品を消費者に選んでもらうため、常に他社との競争です。

競争といえば、運動会の徒競走でもそうですが、相手の足を引っ掛けたり、フライングした上で1位になることは許されません。

競争は、「公正」でなければならないわけです。

そこで、不正競争防止法では、事業者間の公正な競争を確保するために事業者間の公正な競争を阻害する一定の不正行為を禁止することを定めています。

一定の不正行為として禁止されている行為は、多岐にわたります。

以下、わかりやすく説明していきます。

2、不正競争防止法の定義・具体的な禁止事項

不正競争防止法の定義・具体的な禁止事項

不正競争防止法で定義されている具体的な禁止事項は、次のとおりです

(1)周知表示に対する混同惹起行為

これは、わかりやすくいえば、「バッタもん(ニセ商品)を使う」ということです。

例えば、かに道楽というカニのレストランチェーン店があります。

このお店の象徴は、店舗上部に飾られている大きな動くカニの看板でしょう。

あの看板に似た看板を、全く関係ないお店が看板として使用していたらどうなるでしょうか? 

お客さんの大半は、そのお店をかに道楽と誤解して入店することでしょう。

このように、お客さんの誤解を利用した競争は公正ではないとして、不正競争防止法で禁止されているというわけです。

なお、本物の方は商標登録等の知的財産登録がなされている必要はありません

(2)著名表示冒用行為

これは、(1)の「周知表示に対する混同惹起行為」とほぼ同じです。

違う点は2点。

1点目は、「周知表示に対する混同惹起行為」の「周知性」は、地方などで知られている程度で足りることに対し、この「著名表示冒用行為」は、著名でなければならないということです。

「著名」とは、周知より強い概念となります。

つまり、「周知表示」が知られている地域が一定で構わないのに対し、「著名表示」は全国的に知られている必要があるわけです。

2点目は、「周知表示に対する混同惹起行為」は他人の商品や営業とお客さんが混同(誤解)していることを要件としますが、「著名表示冒用行為」はそれを要件とはしません(もちろん、誤解がある状態でも問題ありません)。

例えば、「ディズニー」の名称で風俗店を経営する場合などです。

ディズニーによる営業であると、お客さんが誤解しなくてもかまいません。

「ディズニー」に化体された信用にただ乗りし、店の印象をよくしようとしている、という事実のみで違法です。

こちらも、(1)同様、本物の方は商標登録等の知的財産登録がなされている必要はありません

(3)商品形態模倣行為

他人の商品を、そっくりそのまま模造(デッド・コピー)した商品を販売等する行為です。

たとえば、Apple社のiPhoneにデザインが酷似したスマートフォンを販売することは、商品形態模倣行為に該当します。

不正競争防止法に基づいて模倣者を訴える場合、本物は意匠権を取得しておく必要はありませんが、この規定での保護は期間制限があります

そのため、重要なデザインについては意匠権を取得しておくことが実務上は必須です。

(4)営業秘密不正取得・利用行為等

他人の顧客情報や技術、ノウハウなど営業秘密を盗んだり、盗んだ営業秘密を使用・開示する行為です。

不正競争防止法では、営業秘密を次のように定義しています。

秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないものをいう。

企業が保有する情報のうち、秘密管理性、有用性、非公知性の3つの要件を満たすものが営業秘密に該当します。

(5)不正にドメインを使用する行為

不正に利益を得る目的または他人に損害を与える目的で、他人の商品やサービスの名称と同じか、類似のドメイン名を使用する権利を取得・保有、あるいはドメイン名を使用する行為です。

たとえば、”disney.net”というドメイン名を取得すること、取得したドメインでアダルトグッズのネットショップを作成することなどが該当します。

(6)品質等誤認惹起行為

商品やサービスの品質・内容等について、消費者に誤認を生じさせるような表示を行う行為です。

また、商品の原産地を誤認させるような表示も規制の対象となっています。

たとえば、東京都の製麺所に発注して製造させた手延べ麺に、富山県の「氷見うどん」と表示するような行為は、原産地を誤認させる表示であると判断されるため品質等誤認惹起行為にあたります。

(7)技術的制限手段に対する不正競争行為

技術的制限手段とは、信号方式や暗号方式により、影像・音の視聴、プログラムの実行、それらの記録(コピー)を制限する手段を指します。

具体的には、CDDVDなどのコピープロテクションが挙げられます。

つまり、CDDVDが簡単にコピーできないようになっている、その仕組みです。

また、テレビ放送でも、BS(放送衛星)のWOWOWCS(通信衛星)のスカイパーフェクTVなど、契約をしないと受信できない放送(スクランブル放送)があり、これも技術的制限手段の一つです。

これら技術的制限手段がとられているものにつき、ただ見しようと、それら制限を無効化する機器やプログラムを開発し、それを誰かに提供すると、不正競争行為に該当します

(8)信用毀損行為

信用毀損行為とは、「人の社会における財産上の信用を害すること」を指します。

たとえば、競争関係にある会社が製造する商品について、虚偽の事実を告知したり流布したりして、商品および製造元の会社の信用を大きく損なうような行為が該当します。

(9)代理人等の商標無断使用行為

パリ条約の同盟国、世界貿易機関の加盟国において、商標に関する権利を有する者の代理人または代表者が正当な理由なしに、外国において権利を有する者の承諾を得ないで、勝手に商品等に当該商標を使用する行為を指します。

たとえば、外国の国旗や紋章等の不正使用、国際機関の標章の不正使用、外国公務員への贈賄が代理人等の商標無断使用行為に該当します。

(10)輸入もできない

(1)から(4)及び(7)については、関税定率法により輸入禁則品に指定されています

そのため、これらを国内で製造するのみならず、海外で製造されたものを輸入することもできません。

3、他の法律との関係 ― 知的財産法との関係など

他の法律との関係 ― 知的財産法との関係など

不正競争防止法で禁止されている各種行為を見て、お気づきになった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

特許法、商標法や意匠法等、知的財産を保護する法律と、保護対象が同じである行為もあります。

そのため、不正競争防止法違反になる訴訟は、知的財産訴訟の約4分の1を占めるに至っています。

また、不公正な取引を禁止する独占禁止法とも重なる点があります。

信用毀損行為については、刑法の名誉毀損罪、信用棄損罪、業務妨害罪とかぶるケースがあることにもお気づきかと思います。

このように、各法律で重なり合う点も多く、わかりづらいと感じられるケースも多いかもしれません。

ご不明な点がありましたら、お気軽に弁護士までお問い合わせください。

4、不正競争に該当しないケースとは

不正競争に該当しないケースとは以下に挙げるようなケースは、不正競争に該当しないとされています。

(1)普通名称・慣用商標の使用

普通名称とは、特定の商品やサービスを指す名称ではなく一般的に使われている名称のことで、商標登録を受けることができません。

たとえば、スマートフォンの略称「スマホ」は、一般的に使われている名称ですので普通名称に該当します。

また、慣用商標とは、もともとは他人の商品・サービスと区別するための商標であったものが、同業者間で普通に使用されるようになり、自己の商品・サービスと他人のものと区別できなくなった商標を指します。

映画やコンサートなどのチケットの予約・発券を行う「プレイガイド」は、慣用商標の一例です。

(2)自己氏名の使用

不正を目的としていない自己の氏名の使用は、不正競争行為に当たりません。

たとえば、「わたなべ皮ふ科」という診療所がある町内に、新たに「わたなべ皮フ科・形成外科」というクリニックが開業した場合を考えてみましょう。

「わたなべ」という表記と診療科目は同一ですが、診療所の名称には開設者の姓を冠することが一般的で、なおかつ「皮ふ科」と「皮フ科・形成外科」で区別ができるため、不正の目的があるとの判断はできません。

(3)先使用

他人の商品・サービスの表示が社会に広く認知される前から、その商品・サービス等の表示と同一あるいは類似の表示を使用する行為については、不正競争行為にあたりません。

(4)形態模倣商品の善意取得者

他人の商品の形態を模倣した商品を提供された善意取得者が、その商品を、他のだれかに譲渡等を行うことは、不正競争行為とみなされません。

善意取得者とは、他人の商品の形態を模倣した商品であることを知らず、かつ、知らないことにつき、重大な過失がない者を指します。

(5)営業秘密に関する例外

企業が保有する情報のうち、秘密管理性、有用性、非公知性の3つの要件を満たすものが営業秘密でした。

ただし、不正開示行為ではない、あるいは不正開示行為が介在しない取引によって取得した営業秘密を取得した権原の範囲内において使用または開示する行為は不正競争行為に該当しません。

5、2018年5月23日より改正法律案が成立

2018年5月23日より改正法律案が成立

2018年5月23日、改正不正競争防止法が成立しました。

情報革新が進む昨今、データの重要性が高まっている状況を背景にした改正です。

改正の内容として、特に注目すべきは次の2つです。

(1)限定提供データの不正取得等の禁止

むやみに流通されたくないことについては、知的財産法か不正競争防止法で、その流通に制限がかけられています。

しかし、知的財産でもなく、秘密でもないが流通されることを避けたいものもあるのです。

例えば、商品毎の売上データ

このデータは、複数の企業間で提供・共有して新たな事業の創出につなげたり、サービスや製品の付加価値を高めるためのデータです。

このようなデータは創造性がないため、知的財産でもなく、複数者間での共有が前提とされ、秘密でもありません。

このようなデータを「限定提供データ」とし、今回、不正競争防止法でその不正取得等が禁止されました。

限定提供データの不正取得等に対しては、差止と損害賠償請求が可能です。

限定提供データの要件は、次の3つです。

  • 技術的管理性…特定の者に、限定して提供するため、ID・パスワード・専用回線・データ暗号化等により管理されている
  • 限定的な外部提供性…データ提供者が、外部の者からの求めに応じて、特定の者に対し、選択的に提供することを予定している
  • 有用性…データに商業的価値が認められる

(2)技術的制限手段の保護の強化

「2」(7)の通り、コピー制限されているコンテンツの「技術的制限手段の効果を無効化する」行為は禁止されています。

改正前、その保護対象のコンテンツが、影像、音、プログラムの3つに限られていました

そこで今回、そのコンテンツに「情報」が追加されたのです。

また、禁止される効果を妨げる行為は「効果を妨げる装置・プログラムの譲渡、提供等」のみであったのに対し、今回「効果を妨げるサービスの提供」も追加されています。

たとえば、機器の制御や不具合の解析などのために用いられる暗号化データを無効化する「ツールの提供行為」などです。

参考:経済産業省 不正競争防止法平成30年改正の概要(限定提供データ、技術的制限手段等)

6、不正競争防止法に違反した場合の罰則

不正競争防止法に違反した場合の罰則

不正競争防止法に違反した場合、どのような罰則があるのでしょうか。

ポイントを整理してみましょう。

(1)不正行為に対する刑事罰

不正競争防止法違反となる不正行為によっては刑事事件になる可能性もあり、刑事罰が科されることもあります。

営業秘密侵害で、10年以下の懲役または2、000万円以下の罰金(またはこれの併科)、それ以外の不正の利益を得る目的で不正競争を行った場合は、5年以下の懲役または500万円以下の罰金(またはこれの併科)が科されます。

(2)不正行為に対する民事上の措置

営業秘密の不正取得・使用・開示行為に対しては、次のような民事上の措置をとることもあります。

①法第3条 差止請求権

不正競争によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある者は、その営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。

さらに、侵害の行為を組成した物の廃棄、侵害の行為に供した設備の除却その他の侵害の停止または予防に必要な行為を請求することもできます。

②法第4条 損害賠償請求

故意又は過失により不正競争を行って他人の営業上の利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責めに任ずる。ただし、第十五条の規定により同条に規定する権利が消滅した後にその営業秘密を使用する行為によって生じた損害については、この限りでない。

不正競争防止法による損害賠償の請求は、民法に基づく損害賠償請求と違い、被害者が過度な負担を負わない制度になっています。

たとえば、民法では、損害額を被害者が証明しなければなりませんが、不正競争防止法では、損害額は一定の方法で推定される、などです。

③法第14条 信用回復措置請求

故意又は過失により不正競争を行って他人の営業上の信用を害した者に対しては、裁判所は、その営業上の信用を害された者の請求により、損害の賠償に代え、又は損害の賠償とともに、その者の営業上の信用を回復するのに必要な措置を命ずることができる。

7、事例

事例

実際に起こった不正競争防止法違反の事例をご紹介します。

(1)フタバ産業元専務の不正競争防止法違反事件

2007年12月ごろ、トヨタ自動車系の自動車マフラー大手「フタバ産業」の中国広東省にある工場が、同国の税関から違法行為を指摘された際、便宜を図ってもらう目的で、地元政府幹部に、日本円にして数十万円相当の現金や女性用バッグなどを渡した疑い。

不正競争防止法に規定された外国公務員贈賄罪の疑いで逮捕された。

(2)キャセイ食品の冷凍野菜偽装事件

冷凍野菜製造販売会社の「キャセイ食品」が、同社長崎工場で、国産(九州産)と表示して販売した野菜冷凍食品に中国・アメリカ産の野菜冷凍食品が混入していたことが判明。

同社は、虚偽表示の不正競争防止法違反の罪で執行猶予付きの有罪判決を受けた。

(3)「iMac」不正競争仮処分事件

株式会社ソーテックが製造するパソコンの形態が、アップルコンピュータ株式会社の製造するパソコン「iMac」の形態と類似

アップルコンピュータ株式会社は、株式会社ソーテックに対し、同社製品との混同のおそれがある旨を主張、商品の製造、販売等の差止めを求める申立てをした事案。

8、未然に防ぐためにできること

未然に防ぐためにできること

不正競争防止法の違反行為、とりわけ営業秘密への不正アクセスを未然に防ぐためには、日頃から営業秘密等の重要なファイルにアクセスする人物を制限し、そのアクセス履歴をログとして取っておくことが重要です。

万が一、不正アクセス等で営業秘密が盗まれた場合も、アクセス履歴から犯人を割り出すことができます

さらに、告訴する場合は、営業秘密等の重要なファイルのログイン履歴、サーバールームへの入退室のログ、サーバーへのアクセスログ、操作ログ等が重要な証拠となります。

そもそも、不正行為を働けるような環境にしないために、社内のパソコンを社外に持ち出さないこと、社外のUSBを使用しないこと、セキュリティー対策ソフトを最新の状態にしておくことなど、ハッキング対策を十分に行いましょう。

9、もし被害に逢ったら

もし被害に逢ったら

厳しい競争を戦い抜く企業・事業者は、不正な競争に対し、法をもって対応しなければなりません。

不正競争防止法は、不正競争の被害に立ち向かう強力な武器となる法律です。

しかし、昨今のきわめて高度化した不正競争行為に対抗しうる弁護士の数は決して多くはありません。

不正競争防止法の違反行為の被害に遭ったら、確実な告訴の受理のため、捜査機関とスムーズに連携ができる弁護士へご相談されることをおすすめします。

まとめ

企業のグローバル化、IT化が加速的に進むなかで、不正競争は、事業規模にかかわらず、すべての企業が直面する問題と言っても過言ではありません。

不正競争防止法は、企業間の公正な競争を確保することを目的とした法律ですが、見方を変えれば、事業活動に欠かせない秘密情報、引いては社員やその家族の財産を不正行為から守る法律です。

昨今のめまぐるしい社会の変化に応じて、不正競争防止法も改正を繰り返しています。

自社が不正競争防止法に違反していないか、あるいは抵触する可能性が高い業務はないか、さらには不正競争の被害を未然に防止する手立てはできているか、改めて確認しましょう

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