「妻の浮気が発覚し離婚した場合、その後はどんな人生になるんだろう?」妻の浮気が発覚して離婚を考えているものの、その後の人生を不安に感じている男性は少なくありません。
- 「子どもの親権は?」
- 「養育費は払う?」
- 「慰謝料は請求すべき?」
- 「妻なしで寂しさは感じない?」
等、様々な思いを感じることでしょう。
確かに妻に浮気されたことは許しがたいことではありますが、安易に離婚を決断すると後悔してしまうおそれもあります。
そこで今回は、
- 妻の浮気で離婚した夫がその後、悲惨な末路を迎えるケース
- 妻の浮気で離婚したら子どもの親権はどうなる?
- 妻の浮気で離婚するか迷ったときの考え方
等について解説します。本記事が、妻に浮気されて離婚を検討しているものの不安を感じている方にお役に立てば幸いです。
浮気・不倫された際の対応全般について知りたい方は以下の記事をご参照ください。
目次
1、妻の浮気が発覚して離婚!その後に夫はどう思うのか、ネット上の意見は?
妻の浮気が発覚して離婚する場合、その後、夫はどう感じているのでしょうか?感じ方は人それぞれではありますが、すでに離婚している夫がどのように感じているかをあらかじめ知っておくことはとても大切です。以下、ネット上の意見を踏まえ、離婚した後の夫がどのように感じているかをみていきましょう。
(1)後悔するケース
妻の浮気が発覚して離婚したものの、後悔しているケースをみていきましょう。
- 子どもの親権を妻が獲得することになった
- 子どもになかなか会えなくなった
- 妻が浮気したのに自分が子どもの養育費を払っている
- 財産分与で妻に相当な額の財産を渡すことになった
- 浮気相手から受け取った慰謝料よりも財産分与の額の方が圧倒的に大きい
- 自分に家事の能力がなく仕事のパフォーマンスが落ちた
- 離婚したことで会社からの目が冷たくなった
- 浮気したこと自体は確実なのに証拠がなく、慰謝料を請求できなかった
- 離婚した後も、妻のことを愛している自分に気づいた
- 妻以上の女性には今後も出会えないだろうと感じている
- 妻が出て行ったことでものすごい寂しさを感じている
妻の浮気が許せないと感じていても、本当に離婚してよいのかどうかについては、冷静に考えてみる必要があるでしょう。
(2)仕方ないと諦めるケース
妻の浮気により離婚したものの、仕方ないと割り切り前を向いて歩み始める人もいます。
- 妻の浮気は許せないものの、子どものことは大切に育ててくれている
- 妻とこれ以上一緒に暮らすことはできないと感じている
- 妻が出ていくことを認める代わりに、財産分与は請求しないと言われた
- 浮気相手に慰謝料を請求しないなら財産分与もいらないと言われた
- 子どもの親権を夫に渡す代わりに離婚を認めて欲しいと言われた
- 子どもは明らかに自分よりも妻になついている
できれば離婚したくはなかったが、妻が浮気をした以上はやむを得ないと割り切っている人もいれば、離婚は辛かったけれど時間の経過により諦める境地に至ったという人もいるようです。
(3)満足するケース
浮気した妻と離婚することで、むしろ満足している人も少なくありません。
- 妻と離婚したことで、自分も新しい女性と再婚できた
- 離婚して別々に暮らすようになったからこそ、妻のことを許すことができた
- 子どもの親権を自分が獲得できた
- 子どもの親権は妻に渡ったが、子どもとも定期的に会うことができている
離婚すべき、離婚した方がよい、というケースもたしかにあります。ただ、離婚して後悔しないかどうかを事前にしっかりと考えることは大切です。
2、妻の浮気で離婚した夫がその後、悲惨な末路を迎えるケース
妻の浮気で離婚した夫が幸せに生きていくケースもあれば、離婚したことがきっかけでその後悲惨な末路を迎えるケースもあります。
妻の浮気が発覚したときはつい感情的になり勢いにまかせて離婚話を持ちかけたくなる人もいるとは思いますが、その後悲惨な末路を迎えないためには離婚を慎重に検討する必要があります。以下、離婚した夫が悲惨な末路を迎えるケースを具体的にみていきましょう。
(1)子どもと会えなくなる
子どもがいる人は、子どもと会えなくなる可能性を現実的なものとして考えておかなければなりません。
「妻が浮気したのだから悪いのは妻であり、なんで自分が子どもと会えなくなるのかわからない」と感じる人は少なくありませんが、たとえ妻が浮気しても子どもの親権は妻が取得する可能性が高いのが実情です。
面会の取り決めをした場合は定期的に会えることが多いですが、中には面会の取り決めをしても妻が子どもと会わせないという対応をとる可能性がゼロとは言えません。
離婚を決意するということは、最悪の場合、子どもと会えなくなる可能性があることを頭に入れておきましょう。
(2)養育費の負担が重い
「妻が浮気したのに自分が子どもの養育費を払うなんてありえない!」と憤慨したくなる気持ちはわかりますが、妻が浮気したことと子どもの養育費を払うことは別の問題として考えられています。
たとえ妻が浮気したとしても、子どもを育てていくのは親の義務であり、離婚後は養育費をいう形で子どもの成長をサポートしていく必要があるのです。
養育費の金額は夫婦の収入や子どもの年齢・子どもの人数によって異なりますが、決して安い金額ではありません。今までのように子どもと会えなくなることに加え養育費を支払う負担が重くのしかかると、精神的にも経済的にも大きな負担となります。
(3)家事ができず生活に支障が出る
妻と結婚生活を送っていた頃は当たり前のように妻が家事をやっていた家庭の場合、離婚して初めて家事ができないことに気づく男性が少なくありません。
日々の食事作りはもちろん、掃除、洗濯、片付け等、生きていく上でこなさなければならない家事やいくつもあります。
万が一、夫が子どもを引き取った場合、子どもの食事作りを始めとした家事全般を子どもの分までこなさなければなりません。
浮気した妻のことは許せなくても、離婚して初めて妻のありがたみを感じる人は意外と多いものです。
(4)女性不信に陥る
妻に裏切られたことによる心の傷が大きく、その後どの女性のことを信じられなくなってしまう男性もいます。
自分のことを愛してくれて結婚生活を送っていたはずなのに、その妻が自分のことを裏切って他の男性と浮気していた事実をなかなか受け入れられず、女性不信に陥る男性は珍しくありません。
(5)うつ病などを発症する
中には妻の浮気があまりにもショックで、女性不信に陥るだけでなく、うつ病などを発症する男性もいます。妻が浮気したという現実を受け入れられなかったり、離婚した後の寂しさに耐えられなかったりして、精神状態に支障をきたすのです。
3、妻の浮気で離婚したら子どもの親権はどうなる?
子どもがいる場合、妻の浮気により離婚したいものの、子どもの親権がどうなるのかが気になる人がほとんどでしょう。
浮気したのは妻であり妻側に責任があるのですから、子どもの親権は当然に夫が獲得することができるのでしょうか?以下、妻が浮気した場合の子どもの親権について解説します。
(1)親権の判断基準
日本では、離婚後の子どもの親権は単独親権の制度が採用されており、離婚する際は必ず、夫婦のどちらが子どもの親権を有するのかを決めなければなりません。
親権について、まずは夫婦の話し合いで決めていきますが、お互いが親権を主張し話し合いがまとまらないこともあるでしょう。その場合は離婚調停や離婚訴訟で子どもの親権を決めていきます。
その場合の判断基準としては、様々な事情が総合的に考慮されますが、特に「継続性の原則」と「母性優先の原則」が重要視されています。
継続性の原則とは、今まで監護をしていた者が、離婚後も引き続き監護をする方が望ましいと考えられる原則のことです。
また、乳幼児期は特に、母親優先の基準が適用され、授乳等の関係から母性優先の原則が採用されやすい傾向にあります。
その他、子供の意思も加味しながら総合的に親権に帰属先を判断していきます。
(2)一般的には妻が圧倒的に有利
現状、多くのケースでは母親が親権を有することが圧倒的に多いです。裁判で争っても、多くのケースでは母親が親権を有することが結論づけられます。
その大きな理由は、母性優先の原則にあります。基本的には母親が子どもを育て子どもに愛情を注いでいく家庭が多いため、母性を有する母親が親権を有することになるケースが多いです。
また、監護継続性の原則も親権の検討の際に重視されます。
通常の家庭では父親が外で仕事をし、母親が子どもの面倒を見ることが多いため、継続的に子どもを監護しているのは母親であると判断されやすいです。
そのため、一般的には母親である妻が親権については圧倒的に有利になります。
親権を獲得できなかった場合、子どもと会うためには面会交流権という制度がありますが、月に1回会えれば良い方であり、通常は子どもとたまにしか会うことができません。
また、面会交流を妻が拒否すれば、事実上子どもと会えなくなってしまう可能性もあります。なぜなら、現在の法制度では、親権を有する親が面会交流を拒否した際に、面会交流を強制することは認められていないからです。
「月に1回の面会交流」を離婚協議書等で取り決めていたとしても、この取り決めだけでは面会交流を強制することはできないため、離婚する際はこの点も慎重に検討する必要があります。
4、妻の浮気で離婚した場合も養育費の支払いは必要?
それでは、妻の浮気で離婚して親権をやむを得ず手放した場合、養育費を支払う必要はあるのでしょうか?「妻が浮気さえしなければ離婚せず子どもとも離れずに済んだわけだから、責任は妻にある!自分には養育費を支払う必要はない!」と感情的に考えてしまう人がいますが、妻の浮気と養育費の支払いについては分けて考える必要があります。
以下、養育費の支払いの要否と養育費の相場について確認していきましょう。
(1)親である以上は支払い義務がある
離婚の理由がどんな内容であろうと、離婚後も非親権者である親が子どもの親であることに変わりはありません。
親権がなくなった瞬間に子どもとの親子関係がなくなるわけではなく、離婚して親権がなくなっても親子関係は続くのです。
親である以上、子どもを養育していくにあたって養育費の支払い義務が生じます。
(2)養育費の相場
子どもがいる夫婦が離婚した場合、通常は「養育費算定表」に基づいて養育費の金額を決めます。
夫婦それぞれの年収、子どもの年齢、子どもの人数等によって養育費の相場は変わりますので、養育費算定表でご自身のケースにおける養育費の相場を確認しておきましょう。
養育費の相場は、子どもの人数・年齢、夫婦の収入等により変わってきます。
たとえば、専業主婦の妻が年収500万円の夫と離婚し、14歳以下の子どもが1人いるケースでは、養育費の相場は6〜8万円になります。同じ年収のケースで14歳以下の子供が2人いれば8〜10万円になります。
養育費については、以下の記事もご参照ください。
5、妻の浮気で離婚した場合の財産分与はどうなる?
「妻が浮気したのは妻の責任なのだから、妻に財産を半分持っていかれるのは許せない!」妻に浮気された夫がこのように感じるのも無理はありません。
確かに、妻が浮気しなければ離婚をする必要もなかったわけですから、財産分与により妻に財産を渡すのは感情的には受け入れがたいですよね。
しかしながら、妻が浮気したことと財産分与は別の問題であり、妻が浮気をしていても財産分与は原則通り2分の1が必要になるのが一般的です。
そのため、結婚後に形成された財産については、その2分の1を妻に分与しなければなりません。
ただし、妻が浮気している場合、妻に対して慰謝料を請求するケースがあります。この慰謝料分を財産分与と相殺して財産分与から慰謝料を差し引くという交渉は可能です。
6、妻の浮気で離婚したら慰謝料は請求できる?
妻の浮気で離婚した場合、妻に対して慰謝料を請求することは可能です。慰謝料は100万円〜300万円が相場となっています。
ただし、実際には慰謝料を請求しないケースが少なくありません。
妻に収入がない場合は経済的に慰謝料の支払いをすることが困難ですし、無理に慰謝料を支払わせることで子どもの養育に悪影響が生じる可能性もあるためです。
7、妻の浮気で離婚するか迷ったときの考え方
以上のように、たとえ妻が浮気したとしても、妻と離婚することで夫側は大きな不利益を被る可能性が高いです。感情的には「妻を許さない!」と怒りが湧いてきたとしても、今後の人生を冷静に考えると離婚しない方が得策であるケースもあります。
妻の浮気で離婚するか迷ったときは一度冷静になり、以下のポイントを考えてみてください。
(1)妻を許すことはできないか
確かに妻が浮気したことはとても辛いことではありますが、人間は誰しも間違いを犯す可能性があります。
結婚生活に何らかの不満があったり、妻にも溜め込んでいた事情があったりしたのかもしれません。妻のことを許すことはできないか、一度振り返ってみましょう。
どうしても離婚しか選択肢がないという場合は別ですが、自分の中に「離婚したくない」という感情が少しでも残っている場合は、妻のことを許すことはできないかじっくり考えてみましょう。
(2)妻の意向はどうか
結婚生活を続けるにしても離婚するにしても、夫婦の一方のみで決められることではありません。
夫側が結婚生活を続けたいと思っていても、妻の気持ちが夫から離れていたり、妻が浮気相手との再婚を考えていたりする可能性もあります。
自分の気持ちだけではなく、妻の意向も確認しましょう。
(3)離婚条件はどうなるか
離婚するとしても、離婚条件については真剣に考えなければなりません。
実際のところ、浮気した妻と離婚して後悔することが多いのは親権や養育費の点です。
自分が親権を有することは難しい、養育費が高額になる等の場合は、離婚して本当に後悔しないかどうかをじっくり考える必要があります。
以上のことを熟慮した結果、どうしても妻を許せない、妻も離婚の意思が堅い、離婚しても後悔はない、と判断した場合は離婚もやむを得ないといえるでしょう。
(4)別居という選択肢もあり
離婚するかどうか迷ってしまう、あるいは離婚に踏み切れない事情がある、といった場合には、別居をするという選択肢もあります。
別居している間はお互いに顔を合わせなくて済むため、その間に冷静な判断ができることもあるでしょう。
家庭内別居や仮面夫婦というと、不自然な気がするかもしれませんが、世の中には実はこのような形で夫婦という形式を継続している人がいます。
夫婦間での気持ちは冷めていても、体裁としては離婚をせずに夫婦という形を保つことができます。そのため、周囲から白い目で見られたり悪い噂が立ったりすることも基本的にはないでしょう。
また、子供からしても、両親と一緒に暮らすことができる点は大きなメリットになります。
家庭内別居や仮面夫婦を選択する場合、子供が成人した後に離婚を選択する人もいれば、家庭内別居等をしている間にお互いの良さを思い出し夫婦としての関係を修復する人もいます。
家庭内別居や仮面夫婦を考える人は、夫婦間でのルールや子どもへの影響について以下の記事をご参照ください。
まとめ
妻の浮気で離婚することになった場合、妻に裏切られたショックや結婚生活への後悔等、様々な気持ちが押し寄せてくるでしょう。つい感情的になり離婚話を切り出したくなるかもしれませんが、離婚はそう簡単なことではありません。
子どもと会えなくなるリスクや多額の財産分与、養育費などを支払うリスクもありますので、離婚後に後悔することのないよう、離婚を検討している人は一度弁護士にご相談ください。
弁護士にご相談いただくことで、離婚後の後悔を減らすことができますし、仮に離婚の話を進めることになっても、妻と顔を合わせずに弁護士が離婚の話し合いを代行してくれます。