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吉本興業問題にみる「契約書」の必要性|吉本興業は独禁法・下請法違反の可能性あり?

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吉本 契約書

2019年6月に、吉本興業所属タレントの多くが闇営業を行っていたことに端を発し、吉本興業が所属タレントと「契約書」を交わしていないという事実が発覚しました。

問題発覚後、事態を重くみた吉本興業では、タレントとの契約に関して新しい取り決めを行っています。

今回は、

  • 吉本興業問題にみる「契約書」の必要性

に関して解説していきたいと思います。

契約書を交わさずに、口頭での信頼関係でビジネスをしている方は、まだまだ多いと思います。

この記事が、ご自身のビジネスにおいて、本当に契約書は不要かどうか、今一度ご確認されるための一助となれば幸いです。

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1、 吉本興業とタレントとの間に契約書がなかった理由

吉本興業とタレントとの間に契約書がなかった理由

今回の件で、吉本興業が所属タレントと契約書を交わしていないという事実が発覚しました。

なぜ、吉本興業は、タレントと契約を交わしていなかったのでしょうか

(1)「契約書」の作成は必須ではない

日本の民法では、契約は、申込と承諾の意思表示が合致することによって成立する、という「諾成契約」を基本としています。

意思表示の合致は口頭でも確認できますので、契約の成立要件として、書面にする必要はありません

このように、契約の成立において、「契約書」の作成は必須の要素とされていないことから、吉本興業がタレントと口頭で契約を行っても、法的には何ら問題はありません。

(2)タレントは「個人事業主」

タレントは、基本的に「個人事業主」です

つまり、雇用関係にある「従業員」ではありません。

吉本興業とタレントの関係がもし雇用関係であれば、法律上、雇用側には労働条件通知書の作成義務があり、一般的には、通知書と同時に雇用契約書を締結することがほとんどですので、契約書がないということはなかったかもしれません。

しかし、企業対「個人事業主」の関係の場合、契約書を作成するかどうかは、基本的には当事者の話し合いで決めるということになります。

(3)タレントからしても都合がよい

テレビ番組などでの発言を聞くと、報酬の取り分を数字で知らない方がいいというタレントも、少なからず存在しているようです。

メディアで多くの人に夢を与える芸能という仕事柄、「ノリ」や「空気感」、文字にしない「間柄」といったものを重視する方も多いと思われ、一般的なビジネススタイルとは若干異なる考えもあるかもしれません。

その他、吉本興業側にとっての都合などがささやかれていましたが、その真偽は不明です。

2、 契約書がないことの問題点とは

契約書がないことの問題点とは

次に、契約書が存在しないことによって、どのような問題点が生じるのかを考えていきたいと思います。

(1)契約書の意味

そもそも、契約書はなぜ必要なのでしょうか?

それは、権利義務を明確化することができるためです。

典型的なのは、金銭の支払義務になります。

(2)契約書がないとどうなる?

では、契約書がないということは、どういった事態を引き起こすリスクがあるのでしょう。

契約書がないということは、権利義務が明確でない状態であるということです。

そうなると、事実上の当事者の力関係によって、権利がもみ消され、義務を履行しないということが起こりうることになります。

義務を履行しない場合、「債務不履行」といって、債権者(義務を請求できる側)は、債務者(義務を履行する側)に対し、債務の履行請求をすることができます。

つまり、義務が履行されない場合には、裁判を起こして権利を実現することができるということです。

しかし、現実的には、裁判所がトラブルがある当事者間の権利義務を判断するにあたり、「証拠」が必要です。

「この人にはこういう義務があります」と主張したところで、債務者がとぼけてしまえば、裁判所はどちらの言い分が正しいのかわからないわけです。

このときの有力な証拠となってくるのが「契約書」です。

このように、契約書は、権利の請求=義務の履行が力関係によってもみ消されないようにするために、大変重要なものなのです。

(3)独禁法の「優越的地位の濫用」に該当する可能性

独占禁止法に規定される「優越的地位の濫用」とは、取引上の地位が上である当事者が、他方の当事者に対し、その地位を利用して正常な商慣習に照らし不当に不利益を与える行為をいいます。

吉本興業とタレントとの関係は、地位の上下があることは言うまでもありません。

そのため、吉本興業が「不利益を与える行為」をしていたとなれば、「優越的地位の濫用」に当たり得るわけですが、契約書を作らないことが該当するかは、さらに考察が必要です。

ここで、闇営業が盛んということから、「報酬が少ない」ということが連想され、実際にそのようにSNSで発信していたタレントも多くいました。

契約書があろうがあるまいが、社会通念上不相当となるような少ない報酬で働かせていたのであれば、まさに優越的地位の濫用であり、契約書を作成しないことが報酬について取り決めをしないための手段と捉えられるとすれば、契約書を作成していないこと自体も独禁法違反の懸念がある、ということになってきます。

なお、タレントと所属事務所間における所属事務所の対応について、公正取引委員会は、次のような関係が独禁法上の問題となりうるとしているようです。

  • 事務所の移籍や独立をしない方向へもっていく
  • 契約の更新について、一方的に決めてしまう
  • 報酬が不正当

(4)タレントの立場を「下請」と考えると、下請法違反にも?

タレントの立場を「下請」と考えると、下請法違反に該当することはあるのでしょうか

以下、みていきましょう。

①下請とは

下請法

参考:下請代金支払遅延等防止法 第2条

下請に関する定義は、下請代金支払遅延等防止法の第2条で規定されています。

上記に照らして考えたところ、吉本に所属している多くのタレントは「下請事業者」に該当すると考えられます。

②下請法3条

下請法3条

参考:下請代金支払遅延等防止法 第3条

下請代金支払遅延等防止法(下請法)の第3条では、「親事業者は、下請事業者に対し製造委託等をした場合は、直ちに、公正取引委員会規則で定めるところにより下請事業者の給付の内容、下請代金の額、支払期日及び支払方法その他の事項を記載した書面を下請事業者に交付しなければならない。」と規定されています。

ですから、この条文によれば、吉本興業が「親事業者」であれば、下請事業者に当たるタレントに、書面で契約内容を交付しなければいけない、つまり契約書が必要ということになります。

≪書面に記載しなければいけない事項≫

  • 親事業者と下請事業者の名称
  • 製造委託、修理委託、情報成果物作成委託又は役務提供委託をした日付
  • 下請事業者の給付の具体的な内容
  • 下請事業者の給付を受領する期日(納期)
  • 下請事業者の給付を受領する場所(納品場所)
  • 下請事業者の給付の内容について検査をする場合、検査を完了する期日
  • 下請代金の金額
  • 下請代金の支払期日(支払日)
  • 手形を交付する場合は、手形の金額と手形の満期
  • 一括決済方式で支払う場合、金融機関名、貸付け又は支払可能額、親事業者が下請代金債権相当額又は下請代金債務相当額を金融機関へ支払う期日
  • 電子記録債権で支払う場合、電子記録債権の額と電子記録債権の満期日
  • 原材料等を有償支給する場合、品名、数量、対価、引渡しの期日、決済期日、決済方法

③吉本興業が下請法3条に抵触しない理由

下請法の説明

参考:下請代金支払遅延等防止法 第2条

最後に、吉本興業は下請法でいうところの「親事業者」に当たるのかをみていきましょう。

下請法では、2条で下請法が適用になる「親事業者」に関して、上記のように規定しています。

つまり、親事業者は、資本金の額が1000万円を超える法人であることが必要です。

しかし、吉本興業の資本金は1000万円なのです。

資本金が1000万円を超えていないため下請法の親事業者に該当しない、ということになります。

ですから、吉本興業が書面による契約をタレントと行わなくても下請法違反になることはなかったのです。

4、win-winの関係を

win-winの関係を

雇用であろうと、雇用ではなく形式的には対等関係であろうと、ビジネスで大切なのはwin-winの関係です。

win-winの関係の根本には、「相手との信頼関係」がありますが、その信頼関係を文書として担保しているものが契約書です。

ですから、吉本興業のように、現在は下請事業者と契約書は締結していないといったケースでも、今後は契約書を締結すべきであると考えます。

吉本興業の問題は、その根は「上下関係」に端を発する問題です。

吉本興業問題の場合は「企業」が関係してくるので複雑に見えますが、要は、親と子、教師と生徒、上司と部下、カースト化された仲間内、時には対等であるべきなのに上下関係が生じてしまっている夫婦や男女など、上下関係がある個人間の問題と同じなのだと思います。

つまり、関係性において「上」に立つ人(立っていると思っている人)は、そのハラスメントの状況には気がつかない、ということです。

少なくともこの日本において、「下」であり続けることを良しと思う人は、おそらくいないと言っていいでしょう。

いつか上に行くことを思い、またはフラットになることを願い、生きているのです。

そのような相手に対し、「上」であることを利用して相手型を蔑むような行為をしていては、決してwin-winに近いビジネスを行うことはできません。

成功するビジネスは、win-winの関係にこそ存在します。

そして、win-winの関係を構築する上で、契約書の存在(契約書作成段階における対等なコミュニケーション)は不可欠であるといえます

5、同様の問題を抱えている場合は弁護士へ相談を

同様の問題を抱えている場合は弁護士へ相談を

吉本興業のように、契約でお悩みを抱えている経営者の方は、一人で悩まずに、まずは専門家である弁護士に相談しましょう。

(1)違法性の判断

弁護士は法律のプロですから、どのようなケースが違法であり、どのようなケースなら合法であるかといった、難しい判断も可能です。

(2)違法性のない契約案をご提示

契約書のひな型は、一旦作成してしまえば、法改正などといった、何らかの事情が生じない限り、繰り返し活用することができます。

今からでも遅くはありません。

弁護士に相談し、違法性のない契約書を作っていきましょう。

法律のプロだからできる、あなたの企業に不利益のない契約案をご提示します

まとめ

今回は、吉本興業問題にみる「契約書」の必要性や吉本興業問題の抱えていた法的な問題点に関して、解説してきました。

吉本興業は、問題の発生から1月足らずという短期間で、書面によらない契約に関しての解決案を提示してきたことからわかるように、現代社会において、契約書が重要なビジネスのアイテムであることがわかります。

現在、下請事業者などと契約書を交わしていない経営者の方は、これを機に契約書の締結を検討してみてはいかがでしょうか。

法律のプロである弁護士が、全力でサポートさせていただきます。

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