交際中、彼氏との将来を真剣に考えていると、思いがけない事実が明るみに出ることがあります。
例えば、結婚を前提にしていた彼氏が巨額の借金を抱えていることが判明する場合です。このような状況に直面した場合、どのように行動すべきでしょうか?結婚を望んでいても、借金の存在によって悩みが生じることは理解できます。まず、なぜ彼氏が借金を抱えているのか、返済計画は立てられているのかを確認することが大切です。
この記事では、彼氏との将来を考える上での関係の進め方、別れる決断を下す際のポイント、借金に関する確認事項、そして債務整理の種類と弁護士への相談のメリットと費用相場について詳しく解説します。
この情報が、彼氏の借金に悩む方々の支えとなれば幸いです。
目次
1、彼氏の借金判明〜まずやるべきことと考えるべきこと
彼氏が多額の借金を抱えていることを知ったとき、まずその事実に驚いてしまうでしょう。
当然のことながら、金額が大きければ大きいほどショックも大きいはずです。
しかし、一旦事実を認識して受け止めたら、借金の存在や金額の多さは一旦おいて、自分が取るべき道を冷静に考えるようにしましょう。
(1)理由を突き止める
まず、彼氏がなぜ借金をつくってしまったのか、理由を突き止めることが大切です。
家庭の事情などやむを得ない理由があれば交際を継続するのもありですが、ギャンブルなど私利私欲の事情であれば別れを考えるのもひとつの手でしょう。
(2)返済の見通しを確認する
また、今後返済の見通しは立っているのかを見極めることも重要です。
絶対に避けたいのは「情に流されて、借金についてきちんと向かい合っていない彼氏とずるずる付き合い続ける」ということです。
(3)自分(未来の配偶者)にどう影響するのかを考える
母性本能が強く、情にもろい女性は、「私がそばにいてあげなきゃ」という気持ちが強く、甘やかしてしまうことがあります。
そうなると彼氏も調子に乗って借金を繰り返したり、彼女に返済を手伝わせたりする可能性も考えられます。
万が一連帯保証人などになってしまったら、あなた自身が大変な苦労を強いられます。
また、結婚後子供ができたとき、金銭の問題は想像以上の問題に発展します。
少子化で一人っ子となると、余裕を持って子育てをする家庭も出てきます。
その場合、子供にお金をかける(多くの習い事をさせるなどの教育費、贅沢な家族旅行などを楽しむなど)家庭も多くなり、旦那さんの稼ぎが自分にとっても重要に感じるケースもあるのです。
夫への愛情より子供優先になる家庭も多く、他の家庭との比較することで夫を余計に大切に思えなくなる、という顛末もよくあることです。
独身時代は特に、自由に生きる彼をたくましく感じ、魅力も感じることでしょう。
しかし、上記のようなストーリーが描かれやすいことを事前に知っておくことも大切です。
彼氏の口からきちんと借金の説明を聞いた上で、冷静に判断し、あなた自身がどう感じ、どうしていきたいのかを客観的に考えるようにしましょう。
2、結婚したいけれど今後が不安…別れるかの判断ポイント
彼氏の借金が発覚しても、それでも別れたくない、結婚したいと考えている女性もいるでしょう。
その一方で、今後の未来が不安、別れた方がいいのでは…という気持ちもきっとあるはずです。
そんなときには
- 彼氏が借金に対してどう考えているのか
- 彼氏はどんな状況に置かれているのか
を冷静に判断して、自分は別れた方がいいのか、交際を継続した方がいいのかを判断するようにしましょう。
(1) 完済までの手立てがあるのか
彼氏の借金が発覚した場合、まず確認しなければならないのが借金を返済する当てがあるのかどうかといことです。
きちんと当てがあれば交際を継続するのもいいかもしれませんが、彼氏自身が「どうにかなる」または「どうにもならない状況だ」と言っているようであれば、別れを視野に入れた方がいいのかもしれません。
借金返済の当てがない、または返済を真剣に考えていない彼氏であれば、今後も借金を重ねて、彼女にもお金の無心をするようになるというのもよくある話です。
また、返済の当てがない人ほどギャンブルなどで一発逆転など無謀な考えを持っている人が多く、かえって借金を増やしてしまうおそれがあります。
そうなってから後悔しても遅いので、借金返済への考えをしっかり聞いた上で今後の交際を考えるようにしましょう。
(2) 毎月滞りなく返済しているのか
そもそもあなたの彼氏は現時点できちんと毎月の返済を行っているのでしょうか。
まじめに返済を行っているのであれば前向きにも考えられますが、「急がなくても大丈夫」「少しくらい返済が遅れても大丈夫」と気楽に考えているようであれば、大いに問題があります。
借金に対しての危機管理が薄いと、今ある借金の利子が膨らむだけではなく、感覚がマヒして今後さらに新しい借金をつくってくる可能性も考えられます。
そのようになると、あなた自身の不満やストレスはたまっていくばかりです。
もしも彼氏に借金したことに対する反省の意識がなければ、早めにお別れした方がいいかもしれません。
(3) 生活費の管理もしっかりできているのか
借金もさることながら、食費や光熱費、家賃など生きていく上で必要な生活費の管理はしっかりできている彼氏なのかどうかを判断する必要があります。
自分の収入に見合わない派手な生活をしていないのか、確認しておきましょう。
買い物の仕方や持ち物などでなんとなくお金に関する価値観がわかるはずです。
もし、借金があるにも関わらず浪費癖が抜けないようだったり、光熱費などの支払いが滞納していたりするようであれば、別れを考えるのもありでしょう。
(4) 借金をした理由がギャンブなどの私欲によるものではない
借金をしたそもそもの理由は、別れるか交際を続けるかどうかを判断する重要なポイントです。
ケース別にみていきましょう。
① 車のローンや奨学金による借金
生活に必要な車のローンや奨学金による借金は、多くの人が借り入れしているものなのでさほど危険視する必要はありません。
よほど収入が低い人でなければ返済できないということもないでしょう。
懸念するとすれば、
- 車好きの彼氏が何回も乗り換えてそのたびにローンを増やしていないかということ
- ローンにしても奨学金にしても滞納しがちで彼氏に返済義務の意識が薄いこと
の2つです。
このような場合は、一度交際の継続を考えた方がいいでしょう。
② 事業資金や投資によってつくった借金
開業した際や、事業を行う際につくった借金が返せてなかったり、株やFX取り引きで返済できていなかったりする場合には、交際継続には相当の覚悟が必要です。
一般的に事業や投資でつくった借金は高額にのぼることが多く、返済するにも長い期間を要します。
一緒に返済するくらいの覚悟を持てますか?
③ ギャンブルでつくった借金
パチンコ、競馬、競艇、競輪などのギャンブルでつくった借金の場合、別れを選択することをおすすめします。
一度ギャンブルに溺れると、依存症になってしまうことが多く、仮に借金返済できたとしてもまた新しくつくってくる可能性があるためです。
「次は一発逆転するから」という言葉を決して真に受けずに冷静に考えましょう。
別れたくないと情を訴えられたとしても、一旦冷却期間を置くことをおすすめします。
自分の借金癖とあなた、どちらが大切なのか。
彼に真剣に考えてもらいたい大切な状況です。
(5) 借金問題について正直に打ち明けているか
彼氏が借金問題に関してあなたに実際のところの話をしているのかは、今後の交際を考える上で非常に重要な要素です。
借金の金額をごまかしていたり、「返済の当てがある」、または「借金なんてない」と嘘をついていたりすると彼氏への信頼度はゼロになってしまいます。
信頼関係がゼロになると交際を続けていても苦しく、また彼氏も嘘をつきながら借金を繰り返す恐れがあるでしょう。
借金問題を正直に打ち明けてくれれば、まだあなたに対する誠意が見られて前向きに考えられるのかもしれません。
3、借金持ちの彼氏と一緒にいることを選んだら
彼氏に借金があることが判明しても、どうしても別れたくない!という人もいるでしょう。
心から愛せる人と一緒になる決意をすることは決して悪いことではありません。
しかし、借金問題をなあなあにしておくことだけはやめましょう。
ここでは彼氏とこれからも一緒にいることを決めた人のために、最低限確認しておきたい事項や心構えを紹介します。
(1) 借金額はいくらなのか、何社借りているのか確認する
借金があることがわかったら、まず、借金総額はいくらか、なぜ借りたのか、どこで何社くらいから借りているのかを把握しましょう。
例え彼氏と言えども、配偶者ではない人に借金のことを聞くのはためらわれるかもしれませんが、毅然とした態度で聞くことが大切です。
借金の金額や理由によっては、あなたの気持ちが変わることもあるかもしれません。
この際に感情的になってしまったり、反対に彼氏の感情を逆なでしてしまったりするとうまくいきません。
内心では動揺しても、その場では冷静に対応するようにしましょう。
(2) 返済状況などの情報共有をしっかり行う
返済方法と計画、現在の返済状況などの情報共有をきちんと行うことも大切です。
ここでも「自分が聞いたところで…」と思う女性もいますが、情報共有を行うことで彼氏側にも返済しなければという意識が芽生えることもあるので、悪いことでは決してありません。
(3) 金銭的な援助はしない|連帯保証人になるのもNG
法的にいえば借金とはあくまで「個人」のものであり、恋人関係はもちろん夫婦関係になったとしても、配偶者の借金を背負う義務はありません。
しかし、もしも彼氏が借金の常連である場合、金融機関の「ブラックリスト」に載ってしまう恐れがあります。
こうなると、将来的に住宅購入を検討してもローンが組めないということもあるでしょう。
そうならないためにも、彼氏を決して甘やかしてはいけません。
金銭的な援助は一切行わないようにしましょう。
連帯保証人になるのは絶対にNGです。
もしも連帯保証人になってしまうと、彼氏が安心してさらに借金を繰り返す恐れがあります。
交際を継続することがあっても、一線は超えてしまわないようにしましょう。
4、借金返済が厳しいと感じた場合は弁護士への相談がベスト
どうしても彼氏の借金返済が厳しいと感じた場合、個人再生や自己破産、任意整理などで借金の整理を行う方がいいのかもしれません。
ただし、この3つはそれぞれ専門的な知識が必要だったり、さまざまな手続きが必要だったりして、個人で行うのは難しいものです。そのため、法律の専門家である弁護士に一度相談してみるのがベストといえるでしょう。
個人再生、自己破産、任意整理の違いは以下の通りです。
(1) 個人再生
個人再生とは民事再生手続きの中でも、個人を対象にした手続きのことで、マイホームなどの財産を手放すことなく、借金の金額や所有している財産に応じて借金を減らしてもらい、減った借金を原則として3年間で返済していきます。
小規模個人再生と給与所得者再生の2種類がありますが、いずれも地方裁判所に申立てを行い、債権の届け出、異議申立て、再生計画案の手続き、そして書面決議、認可決定と続きます。
申立てから認可決定まではおおよそ3カ月から半年程度かかるので、かなりの長丁場となるでしょう。
(2) 自己破産
自己破産とは借金返済の目途が立たなくなった人が、裁判所に申立てを行って財産を清算する手続きを行うことです。
裁判所から免責許可決定が得られれば、借金をゼロにし、返済する義務を免れることができます。
破産手続きは弁護士を代理人として全ての手続を任せられるので、かなり楽といえるでしょう。
また、事前に財産状況を把握して本当に自己破産すべきなのか、過払い金はなかったかどうかまで調査してくれます。
(3) 任意整理
任意整理とは裁判所を通さずに借金を減額したり、利息をカットしたりした上で、貸金業者と和解する手続きのことです。
債務整理とよく一緒にされがちですが、任意整理は債務整理のひとつとして考えられていて、自己破産や個人再生も債務整理に分類されます。
任意整理は、弁護士や司法書士などの専門家が貸金業者と話し合って、利息や元本を減らしてもらいます。
その後、当初の借金の額より少ない金額で毎月返済していくのが一般的な流れです。
交渉テクニックが必要なため、弁護士など専門家への依頼が事実上必須となるのが他の債務整理との違いといえます。
そんな任意整理は、裁判所を通す必要がなく、借金の原本が減る可能性もある、職業制限や資格制限がないなどさまざまなメリットがあります。
5、弁護士に相談するときのメリットと費用
ここでは弁護士に相談しようと考えている人のために、依頼するメリットと費用の相場を紹介します。
(1)彼氏に弁護士への相談を促すメリット
彼氏の借金問題を弁護士に相談することでさまざまなメリットが得られます。
例えば、現在彼氏が置かれた状況に合わせて問題解決方法の提案を期待できます。
過払い金がなかったかどうかを確認して、借金の金額自体を減らせるのかもしれません。
また、自己破産にしても任意整理にしても債務整理にはさまざまな手続きや書類の作成を求められますが、弁護士に依頼すれば彼氏に代わって対応してくれるので、手を煩わせることもありません。
弁護士費用の支払いが心配になるかもしれませんが、着手金が無料だったり、弁護士費用の分割払いをOKにしていたりする事務所もあるので、相談してみる価値はあるでしょう。
借金をきれいに整理すれば、人生のやり直しに踏み切ることができます。
(2)弁護士費用相場
弁護士の費用は主に着手金と成功報酬の2つに分かれます。
相談料を心配する人もいますが、現在、相談料は無料にしている事務所も少なくありません。
過払い金返還請求と任意整理、自己破産のおおよその費用は以下の表の通りです。確認してみてください。
着手金 | 成功報酬 | |
過払い金返還請求 | 1社あたり0~4万円 | 20~30% |
任意整理 | 1社あたり4万円~ | 10~20% |
自己破産 | 20~40万円 | なし |
5、「借金は完済・債務整理したら解決ではない」ことを心得よう
借金を完済し、債務整理ができたら一安心しそうですが、根本的な解決はもっと先にあることを意識しましょう。
例えそのときの彼氏の借金を返済できたとしても、彼氏の金銭感覚が直らなかったり、借金癖がおさまらなかったりするとまた同じことを繰り返す恐れがあります。
こうなると、何のためにあなたが苦労したのかわからなくなります。
今後彼氏と結婚し、生涯を共にするつもりであれば、お金の管理を誰がどのように行うのかはっきりさせておくようにしましょう。
家計管理が得意な方がお金の管理が行い、今後は二度と借金をしないという気持ちでいなければいけません。
もし彼氏が、あなたのうるさい言葉に冷たい態度をとるようであれば、関係を継続することは難しいかもしれません。
うるさい言葉は愛の証であることも伝わらないのであれば、今後の長い人生を共にすることは困難でしょう。
まとめ
彼氏が借金をきちんと返済できるのか、そして今後はしないような生活を心掛けられるのか、最終的にはふたりの関係が肝になってきます。
彼氏と冷静に話し合って今後の方向性を考えるようにしましょう。
どうしても借金問題が片付かない、なるべく早く解決して結婚に向けた話をしたいと考えている人は、弁護士事務所に相談してみてはいかがでしょうか。
現在彼氏が置かれた状況を把握しながら、最適な手段を紹介してくれるでしょう。
法律のプロである専門家がついてくれれば、あなた自身もきっと安心できるはずです。