一般民事弁護士になりたい人が知るべき全て!年収や4つの魅力を解説

一般民事 弁護士

司法修習を終え、一般民事弁護士として働きたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、「具体的な仕事内容や年収、キャリアパス」が分からないとお困りのこともあるかと思います。
そこで今回は、

  • 一般民事弁護士の仕事内容や年収
  • キャリアパスや事務所選びのポイント
  • 一般民事弁護士のなる方法

等について、ご説明したいと思います。ご参考になれば幸いです。

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1、一般民事弁護士を知る前に|そもそも一般民事事件とは?

まず、一般民事弁護士が扱う一般民事事件にどのようなものがあるか説明していきます。

(1)離婚・交通事故・労働・借金問題の相談が割合としては多い

一般民事事件の中で割合として多いのが離婚事件や交通事故等です。その他、ベリーベスト法律事務所で扱っている主な事件は以下の通りです。

①離婚事件

離婚時に慰謝料請求したい、親権を獲得したい、財産分与請求したいという相談です。

②交通事故事件

「交通事故に遭ったが保険会社の条件提示に納得いかない」という交通事故の被害者からの相談が多いです。

③労働事件

企業に勤務する労働者からの未払い残業代や不当解雇に関する相談が多いです。パワハラやセクハラに関する相談もあります。

④借金事件

借金の返済ができなくて困っているという相談が寄せられます。グレーゾーン金利で取引していた期間が長い方からの過払い金返還請求に関する相談もあります。

その他、個人間で貸し借りしたお金を返してもらう債権回収や、遺産分割などの相続事件、B型肝炎ウイルスに感染した方が国に対して給付金を請求できるB型肝炎訴訟事件などもあります。

2、一般民事弁護士の仕事内容は?

法律事務所で一般民事事件を担当する弁護士の仕事内容としては、次のようなものがあります。

(1)法律相談

一般民事弁護士は、トラブルを抱えている人の話を聞いて、法的な解決方法をアドバイスします。法律相談後、弁護士が代理人となり法的手続きをとることを相談者が希望した場合には、事件を受任することになります。

なお、一般民事弁護士は、自治体などが住民向けに行っている無料法律相談や弁護士会が開催している無料法律相談を担当することもあります。

自治体の無料相談は受任につながるものではありませんが、社会貢献として意義をもつものになります。

(2)裁判

民事裁判では主張や反論は準備書面等の書面で行いますから、依頼者と打ち合わせをし、裁判所に提出する書面を作成します。

裁判期日には弁護士が出廷しますが、証人尋問などの場合を除き、期日は10分程度で終わることが多くなっています。

(3)裁判外での交渉

弁護士は、裁判外で相手方と交渉し、紛争を解決に導くこともあります。

たとえば、トラブルが起こっている場合には、いきなり法的手段を講じるのではなく、まずは内容証明で通知書等を送ったうえで、相手方と話し合いの機会をもつのが一般的です。

3、一般民事弁護士の魅力とやりがいは?

(1)依頼者に喜んでもらえる仕事ができる

一般民事弁護士の依頼者は、企業ではなく個人のお客様です。

紛争の渦中にいて困っている人ですから、弁護士の介入により問題が解決すると、非常に喜んでもらえます。また、喜んでいる姿を直接見ることができます。

お客様に直接感謝されることが、日々の仕事の大きなやりがいに繋がるのです。

(2)様々な案件を経験できる

一般民事弁護士が扱う事件の幅は、非常に広くなっています。人には個性がありますが、人が巻き起こすトラブルにも個性があり、全く同じ事件というのはありません。

一般民事弁護士はいろいろな案件にかかわることができますから、非常に勉強になります。

近年は外国人がかかわる一般民事事件も多いので、外資系企業法務法律事務所ほどではないものの英語を活かすチャンスもあります。

(3)高度な専門知識を活かして社会貢献ができる

弁護士というのは、専門知識を要求される仕事です。難関の司法試験を突破し、司法修習を受けた人だけができる仕事ですから、誰にでもできる仕事ではありません。

また、交通事故や医療訴訟などは、司法試験の知識だけでなく、医学的な知識も必要になります。

一般民事弁護士は、身につけたこのような専門知識を困っている人のために役立て、社会貢献することができます。

(4)独立しやすい

自分で一通りの分野の案件処理について経験してしまえば、自分で案件を獲得して報酬を得ていくことが可能となります。

つまり、企業法務法律事務所出身の弁護士と比較して独立しやすいのです。これもまた一般民事事務所に所属する弁護士の魅力といえます。

なお、案件獲得を心配される弁護士もいますが、最近では弁護士のポータルサイトに有料で登録することで比較的容易に問合せを獲得できるようです。

4、一般民事弁護士の年収は?

(1)弁護士の年収には幅がある

弁護士の年収は一般に高いといわれていますが、実際にはかなりの幅があります。

弁護士として働く場合、自分で事務所を開業、法律事務所にパートナーとして勤務、法律事務所に勤務弁護士(アソシエイト、イソ弁)として勤務、企業法務部に勤務など様々な形態があります。

勤務形態や勤務先の規模によって、弁護士の年収は大きく変わってきます。

たとえば、法律事務所のパートナーになれば、同じ事務所の勤務弁護士よりは年収は高くなります。また、勤務弁護士の場合、一般に大規模事務所ほど給料は高くなります。

さらに、弁護士も他の職業と同様、年齢や経験年数が増えるほど年収が高くなります。日本弁護士連合会の調査によれば、弁護士としての経験年数が10年以上の場合、平均年収は1500万円を超えます。

参考
https://www.agaroot.jp/shiho/column/lawyer-annual-income/

弁護士といえども、高年収を稼ぐためには、それなりの年数を要することもあるようです。

(2)弁護士の平均年収と所得

日弁連が全会員を対象に2014年に実施した「弁護士実勢調査(弁護士センサス)」によると、弁護士の年間の収入の平均は2,402万円となっており、ここから経費を差し引いた所得の平均は907万円となっています。

また、同調査では、経験5年未満の弁護士については収入の平均が796万円、所得の平均が448万円となっています。

参考
http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/jfba_info/statistics/data/white_paper/2015/4-1_jissei_2015.pdf

弁護士の年収は勤務形態、勤務先の規模、年齢、経験年数などの要素によって大きく変わりますから、上記の調査結果だけを頼りに弁護士の年収を判断することはできません。

ただ、5年未満の弁護士の場合、年収は低い傾向があるようです。

なお、参考までにベリーベスト法律事務所の報酬の実績を記載します。

(3)一般民事弁護士として高年収を稼ぐには

これから一般民事弁護士として働く場合、法律事務所の勤務弁護士として働くケースが多いと思います。法律事務所の勤務弁護士は、事務所の規模によって年収が大きく変わります。

大手の弁護士法人では、勤務弁護士でも初年度から年収1000万円以上になるケースもあります。一方、中小の法律事務所の勤務弁護士は、当初は年収500万円に届かないことも多いといわれています。

一般民事弁護士として高年収を稼ぎたいなら、事務所選びが重要になってくるのです。

5、「個人受任OKか?」も事務所選びの重要なポイント!

事務所によって、個人受任がOKな事務所とそうではない事務所があります。

個人受任がOKな事務所だと、事務所から配分された案件以外に個人的に案件を受任することができます。個人受任により事務所からの報酬以外でも収入を得ることができるようになります。

就職する事務所が個人受任OKか否かは非常に重要なポイントなのです。NGな事務所だったり、OKであるものの、個人受任の収入の一部を事務所におさめなければならない事務所があります(事務所のスタッフに協力してもらって個人受任案件も処理するため)。

面接時に個人受任がOKか確認しておきましょう。

6、一般民事弁護士に向いているのはこんな人!

人とかかわるのが好きな人(コミュニケーション能力が高い人)

たとえば、企業法務を担当する弁護士の場合、同じ企業の担当者と継続的にかかわることになります。一方、一般民事弁護士のクライアントは、1回限りのお客様がほとんどです。

仕事を通じてたくさんの人と出会えることになりますから、人とのかかわりが好きな人に向いている仕事です。

言い換えればコミュニケーション能力が高い人です。

7、一般民事弁護士のキャリアパスは?

一般民事弁護士として法律事務所に就職・転職した場合、その後のキャリアパスとしては次のような選択肢が考えられます。

(1)パートナーへの昇格を目指す

事務所に貢献することにより、アソシエイトからパートナーへ昇格できるケースがあります。パートナーになれば事務所の経営にも参加することになり、責任も大きくなりますが、収入も増えることになります。

(2)独立して自分の事務所をもつ

ある程度弁護士としての実績を積んだら、独立するという選択肢があります。独立を考えるなら、勤務弁護士として働いている間に、事務所経営についてのノウハウも学んでおくことが大切です。パートナーになった後、独立を目指す方法もあります。

(3)他の事務所に転職

一般民事弁護士として経験を積んだら、他の法律事務所へ転職することも可能です。好条件の事務所や自分の得意分野を活かせる事務所へ転職することにより、より充実した環境で働くことができます。

(4)企業に転職

法律事務所で経験を積んだ後、企業に転職し、企業内弁護士(インハウス・ロイヤー)として働くことも可能です。一般民事弁護士として幅広い案件にかかわってきた経験は、企業弁護士としても活かすことができます。

8、一般民事弁護士になる方法は?

(1)弁護士求人サイト

一般民事弁護士の求人を探すために、弁護士専門の求人サイトを利用する方法があります。弁護士の求人情報はハローワークや一般の求人サイトにはあまり掲載されていませんので、インターネットを利用するなら弁護士求人サイトを利用した方がよいでしょう。

(2)各法律事務所のサイトをチェック

次に各法律事務所のサイトをチェックするという方法もあります。

例えば「弁護士 就職」などと検索すると検索広告を出している法律事務所があるのでそれらのページを見てみて下さい。

(3)弁護士専門転職エージェント

どちらかと言うと最初の就職の段階より転職のタイミングで利用するものですが、アガルートキャリア等の弁護士専門の転職エージェントも法律事務所に入所する際の手段です。

転職エージェントに登録すれば、弁護士専門のキャリアコンサルタントが、希望に合った転職先を探してくれます。転職エージェントでは、職務経歴書等の応募書類の添削や面接対策なども含め、転職活動をトータルにサポートしてもらえます。

(4)その他

日弁連のホームページの「ひまわり求人求職ナビ」を利用すれば、法律事務所のほか、企業や官公庁などの弁護士求人も検索することができます。

また、各法律事務所のホームページにも採用情報が掲載されていることがあります。

先輩や知り合いの弁護士を通じて、弁護士を探している事務所を紹介してもらう方法もあります。

まとめ

一般民事弁護士について、イメージをつかんでいただけたでしょうか?

一般民事弁護士は、企業法務弁護士とは違い、個人のお客様を相手にすることが多くなります。お客様に直接喜んでもらえるので、やりがいを感じられる仕事です。

法律事務所で幅広いトラブルの解決にかかわりながら、人の役に立てる喜びを実感したいという方は、一般民事弁護士という選択肢を検討してみましょう。

※この記事は公開日時点の法律を元に執筆しています。

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