「弁護士の無料相談の注意点は何?」
「弁護士の無料相談って、本当に役に立つのだろうか?」
ご自身では解決できないトラブルにみまわれて弁護士の無料相談を利用したいと思っても、このようなことが気になっている方も多いのではないでしょうか。
弁護士というと、相談するだけでお金がかかるというイメージがあるかもしれません。しかし最近は無料相談も積極的に行われています。
無料相談は気軽に利用できるのがメリットですが、有効に活用するためには良い弁護士を選ぶことが大切です。また、事前にある程度の準備をしておかなければ、無料相談の時間はあっという間に過ぎてしまうこともあります。そもそも、どこに行けば弁護士の無料相談を受けられるのかがわからないという方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、
- 弁護士の無料相談の申込先
- 安心して無料相談できる弁護士の選び方
- 弁護士の無料相談を利用する際の注意点
などについて解説していきます。
無料相談を受け付けている弁護士の事務所はたくさんありますので、複数の事務所で無料相談を利用してみると良いでしょう。その際に、この記事が皆様の手助けとなれば幸いです。
目次
1、弁護士の無料相談を利用できる主な相談窓口
まずは、どこに行けば弁護士の無料相談を利用できるのかについてご説明します。
(1)各自治体に設置されている相談窓口
市区町村の役所には、住民からの様々な相談を受け付ける窓口が設置されています。その相談システムの一環として、ほとんどの役所では定期的に弁護士による無料相談を行っています。住民サービスの一環ですので、軽い悩みでも気楽に相談できるのが特徴です。
予約制としている自治体が多いので、利用する際は事前にお住まいの市区町村の役所に問い合わせてみましょう。
(2)法テラス(条件あり)
法テラスは、正式名称を「日本司法支援センター」といい、資力が十分でない方でも弁護士や司法書士などの専門家による法的サービスが受けられるように支援する団体です。支援の一環として、弁護士による無料相談も受け付けています。
ただし、無料相談を利用するには収入や保有資産が一定の基準以下であることなどの条件を満たしている必要があります。
利用条件や利用方法の詳細については、以下の記事をご参照ください。
(3)各地の弁護士会
各地の弁護士会でも、定期的に無料相談を受け付けています。
こちらは法テラスと異なり、収入や保有資産を問わず無条件で弁護士の無料相談を利用できるのが一般的です。
お近くの弁護士会は、下記の日本弁護士連合会のページで確認できます。
(4)各法律事務所
最近は個別の法律事務所でも、無料相談を受け付けるところが増えてきています。
(1)~(3)の相談窓口とは異なり、個別の法律事務所であれば、ご自身で利用したい事務所を選ぶことができます。
したがって、実のある相談をするためには各法律事務所へ直接無料相談を申し込むのが最もおすすめです。
以下、主に各法律事務所で弁護士の無料相談を受ける場合を想定して解説していきます。
2、法律事務所では様々な方法で弁護士の無料相談を利用できる
前項の(1)~(3)の窓口で弁護士の無料相談を利用するには、まずそれぞれの機関に電話連絡をして予約をとり、指定された日時・場所で面談による相談をすることになります。
それに対して、各法律事務所を利用する場合には、以下のように様々な方法で無料相談を利用することが可能です。
ただし、あらゆる法律事務所で以下にご紹介する方法のすべてを導入しているわけではありません。実際に無料相談を申し込まれる際は、申込先の事務所にてご確認ください。
(1)メール・質問投稿
手軽に相談したいという場合に使われる方が多いのがメールや質問投稿での相談です。
メール相談を受け付けている法律事務所のウェブサイトで、「お問い合わせフォーム」などの専用フォームに必要事項と相談内容を入力して送信すると、弁護士から返信をもらえます。
文字のみによるやりとりなので、書き方、受け取り方による誤解なども生じ得ますが、簡単な内容であれば最低限の回答は得られます。
(2)LINE
LINEによる無料相談を行っている事務所もあります。
こちらもメール同様、手軽さを重視した相談方法です。
利用法はやはり、法律事務所のウェブサイト上からLINEの送信先を見つけてメッセージを送り、返信してもらうかたちになります。
受け付けている事務所はまだ少ないですが、気になる事務所で受け付けている場合は利用してみると良いでしょう。
(3)電話
電話で問合せができる法律事務所も増えてきています。
今すぐに相談したい方にはうってつけの方法でしょう。
たとえばベリーベスト法律事務所でも、各分野において電話での法律相談予約を受け付けています。
※分野によっては、来所いただいての有料相談となります。詳しくは、お電話でお問い合わせください
相談したい分野 | フリーダイヤル |
交通事故 | 0120-49-5225 |
離婚 | 0120-666-694 |
B型肝炎訴訟 | 0120-70-7000 |
刑事、少年事件 | 0120-666-694 |
債務整理、過払い金返還請求 | 0120-170-316 |
残業代請求、解雇トラブル、労働相談 | 0120-666-694 |
労災 | 0120-49-5225 |
遺産相続、民事信託、任意売却 | 0120-666-694 |
ネット誹謗中傷 | 0120-666-694 |
債権回収、顧問弁護士 | 0120-666-694 |
知的財産 | 0120-764-016 |
国際弁護サービス | 0120-666-694 |
民事再生、倒産処理 | 0120-170-316 |
税務訴訟 | 0120-332-990 |
就業規則作成、労務管理 | 0120-332-991 |
相談時間は、平日 9:30 – 21:00、土日祝 9:30 – 18:00です
(4)対面
じっくり相談したい、正確な回答が欲しい場合は、やはり対面の相談が良いでしょう。
電話やメール、LINEはあくまで参考程度な回答である場合が多いからです。
対面相談でも無料相談を実施している法律事務所は現在増えています。
3、安心して無料相談できる法律事務所(弁護士)を選ぶポイント
無料相談を依頼する際は、いったいどの法律事務所を選べばよいのかわからないということもあるでしょう。
そんなときは、以下の点に注意するとよいです。
(1)自分の相談内容や分野を得意としているか
ご存知のない方も多いかもしれませんが、弁護士にはそれぞれ得意分野があります。
刑事事件を得意とするのか、親族関係(相続など)を得意とするのか、離婚を得意とするのか、破産を得意とするのか、はたまた企業法務を得意とするのかなどです。
仮に知識がオールマイティだとしても、限られた人生の時間の中では経験もオールマイティとまではなかなかいかないでしょう。
ご自身の相談したい内容を得意としているかどうかは、非常に重要なポイントです。
『相談してから全く知識がなかったことに気づいた』などは絶対に避けたいところです。
事前にホームページを確認し、その内容やコンテンツなどをしっかりと見た上で、自分の相談したいことを得意としているのか、判断するようにしましょう。
(2)実績はあるか
過去の実績を載せている法律事務所もたくさんありますから、その実績を見て、これまでどのような成果を挙げてきたのかを確認するようにしましょう。
過去に豊富な実績や大きな実績があれば、安心して相談することができます。
(3)地域的に都合は良いか
弁護士を選ぶときには、基本的に自分の居住地域に近い方が便利です。
来所での相談が必要になった場合など、遠方の事務所であると手間がかかってしまう場合もあるためです。
ただし、事件がかかっている裁判所が遠方の場合には、裁判所に最寄りの弁護士事務所を選んだ方が費用的に安くなるケースもあります。
また、たとえば交通事故やB型肝炎などは、基本的には電話や書類のやり取りで進めることが出来るため、必ずしも居住地に近い弁護士に依頼する必要はないでしょう。
相談も、最近は来所が必須ではなく、電話やZOOM等にて対応できる事務所も増えています。
ですので、事件の性質に応じて、地元の法律事務所にするか、実績のある法律事務所にするかなどを検討するといいでしょう。
このように、弁護士選びにおいては地理的な要素も意外に重要です。
(4)相性はいいか
弁護士を選ぶときには、相性も重視すべきです。
弁護士に依頼する内容は人生に関わる重大事が多いので、フィーリングが合い信頼できる人でないと、どんどんストレスが溜まってくるからです。
どんなに実績が高くても、感じが悪い人であったり、自分とは感覚が違うと感じた場合は、依頼しない方が良いでしょう。
(5)わかりやすく説明してくれるか
弁護士を選ぶ際には、説明がわかりやすいかどうかも重要なポイントです。
どんなに弁護士の知識や経験が豊富であっても、説明内容が理解できなければ相談した意味がありません。わかりやすく説明してもらえなければ、問題を解決するために適切な方法を選択することも難しくなります。
説明がわかりにくい弁護士への依頼も、避けた方が無難といえます。
(6)じっくり話を聞いてくれるか
相談者や依頼者のことをよく考えている弁護士なら、じっくりと話を聞いてくれるものです。
あなたの話を頻繁に途中で遮ったり、自分の話をする時間ばかりが長い弁護士への依頼も考えものです。
ただ、紛争についての事情であったとしても、問題を解決するために必要なことと、問題解決とは直接的には関係ないことがあります。
そのため、ある程度は弁護士のリードに従って、問題解決に必要な事情に絞ってきちんと話すことは大切です。
それでも、弁護士にあまり話を聞いてもらえず、あなたに不快感が残るようであれば、その弁護士とは相性が合っていない可能性が高いです。
4、弁護士の無料相談を利用する際に注意すべきこと
せっかく弁護士の無料相談を利用するなら、最大限、有効に活用したいところでしょう。
そのためには、以下のポイントに注意しましょう。
(1)相談内容を簡単にまとめておく
『無料だからとりあえず相談に行こう』でも問題はありません。
しかし、事前に相談内容を簡単にでもまとめておくことで相談時間を有効に活かせるようになります。
相談内容によっては、無料の時間内に目的が果たせることもあるでしょう。
無料相談とはいえ、時間は有限です。
多くの場合、無料なのは初回相談の30分や1時間のみに限られているので、事前準備なしに相談するとあっという間にタイムオーバーとなってしまいかねません。
また、緊張によって、伝えるべきことを忘れてしまう可能性もあり得ます。伝えるべきことを伝えるために、ご自身が今どのような状況に置かれているのかについて、簡単にメモしておくとよいでしょう。
(2)メモをとる、相談内容を録音する準備をする
相談したいことを効率よく伝えたら、次に弁護士が話すことをあなたがしっかりと受け取ることが大切です。
相談時間内には、弁護士のアドバイスをメモに取ったり録音したりすべきです。その場で聞いただけだと、すぐに忘れてしまったり理解が不正確になってしまったりするからです。
相談の際にはメモ用紙やICレコーダーなどを準備していきましょう。
(3)なるべく証拠を集めておく
相談の際には、あなたの主張に関連する証拠をなるべく多く弁護士に見せることが望ましいです。話だけよりも証拠がある方が弁護士も状況を把握しやすいですし、証拠の内容や証明力に応じて問題解決の方法も検討しやすくなります。
ただ、「証拠がなければ無料も相談も利用できない」とは考えないでください。証拠が十分にそろっていなくても、早めに弁護士に相談するのも大切なことです。証拠の集め方や、どのようなものが証拠になるのかについても、無料相談でアドバイスしてもらえます。
無料相談の際には、「これは相談内容に関係ありそうだ」と思うものをできる範囲でかまいませんので多く集めて、持参しましょう。
(4)絶対に嘘はつかない
自分が有利になるようにと、嘘をつくようなことがないようにしましょう。その場では嘘をつけたとしても、その後に嘘が発覚する可能性は非常に高いです。
もし依頼した後で嘘が発覚した場合、弁護士に辞任されてしまう可能性があります。
自分にとって好ましくない状況や、不利になる事柄があったとしても、それに対して嘘をつかず、誠実に答えることが大切です。
正確な事実を弁護士に伝えなければ、適切に問題を解決することはできません。
不利な事実も有利な事実も受け止めた上でどう対応するかは、弁護士が考えてくれるはずです。
5、弁護士の無料相談についてよくある疑問
弁護士の無料相談については、以上のお話の他にも様々な疑問をお持ちの方が多いと思います。
そこで、ここでは弁護士に無料相談をするとき、一般の方が抱えることの多い懸念や心配事について回答していきます。
(1)どこまでが無料?
弁護士への無料相談ではどこまでできるのかというと、その言葉どおり、『相談まで』です。
その後の問題解決への依頼については有料となります。
なお、無料で相談できる時間は「初回の30分のみ」としている事務所が多いです。
ただし、事務所によってはそれ以上に無料の相談時間を設けているところもあります。
また、「借金問題」「交通事故」「残業代請求」というように特定の分野に限っては何度でも、何時間でも無料で相談を受け付けている事務所も多くあります。
したがって、無料で相談できる時間については、事前に申込先の事務所に確認しましょう。
(2)有料相談よりも表面的なアドバイスになるのではないか?
まず、「有料相談より適当に対応されるのでは?」と考える方もいらっしゃるでしょう。
しかし、ネット検索によって見つけた場合は特に、そのような対応はしません。なぜなら弁護士は、「無料相談できちんと対応して相談者の信頼を得られたら、事件を依頼してもらえるかもしれない」と期待しているからです。
適当な対応をしたら依頼してもらえないことは明らかですから、そのようなことはしません。
適当に無料相談に応じれば、無料相談に割く時間が逆に完全に無駄になり、弁護士にとっても不利益です。
なお、自治体の無料相談窓口などでは、次々に相談者が詰めかけることもあり、ときに弁護士が表面的な対応で終わってしまうこともあるかもしれません。
(3)実は費用がかかるのでは?
「無料相談とは言っても実際には費用がかかるのではないか?」と心配される方もおられます。
しかし、「無料相談」といって受け付けている以上は、費用を請求されることはまずありません。
請求されるとすれば、無料の時間を使い果たしてタイムオーバーした場合が考えられます。その場合も、弁護士の方から「これ以上は有料となります」と注意してくれるはずです。
意に反して費用を請求されることはまずありませんので、安心してご相談ください。
(4)依頼を強要されるのでは?
「無料相談を受けたら適当なことを言われて依頼を強要されるかもしれない」と思う方もおられます。
しかし、弁護士はそのようなことはしません。
弁護士は良い見通しも悪い見通しも、正直に伝えなければならないとなっています。
ですので、適当に良い見通しだけ伝えられて依頼に誘導されるということはないでしょう。
ただ、弁護士があなたのことを考えて、「早めに依頼された方がいいですよ」と勧めてくることはあります。その場合は、依頼を検討してみるといいでしょう。
6、良い弁護士を見つけるための最も重要なポイント
困った問題の解決を依頼するなら、先ほどもご説明したように実績が豊富で、かつ、あなたと相性の合う法律事務所を選ぶことがとても大切です。無料相談を受け付けている事務所はたくさんあるので、積極的に利用してみると良いでしょう。
ベリーベスト法律事務所でも、無料相談を承っております。
当事務所は国内に67箇所の拠点を置き、370名以上の弁護士が在籍していますので(※)、全国どちらにお住まいの方のご相談にも迅速に対応いたします。
また、分野別に構成された専門チームの弁護士が対応しますので、質の高いリーガルサービスの提供が可能です。
無料相談を利用される際は、ぜひ候補の一つに入れていただければと思います。
※2023年6月現在
まとめ
無料相談は気軽にご利用なさってかまいませんが、法律事務所(弁護士)を適切に選び、できる範囲で事前準備もしておかなければ、多くの時間や労力を失ってしまうおそれがあります。
この記事を参考になさって、無料相談を有効に活用し、問題解決に向けての一歩を踏み出しましょう。