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ライプニッツ係数とは?逸失利益を計算する手順と計算例

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交通事故に遭った場合、事故に遭わなかったら本来得られたであろう利益を「逸失利益」として、加害者に損害賠償請求できるケースがあります。

逸失利益は、実務では一定の方法によって計算されています。その計算の際に使われるのが「ライプニッツ係数」です。

今回は、

  • ライプニッツ係数とは?
  • ライプニッツ係数で逸失利益を計算する方法
  • 2017年6月2日公布の民法改正がライプニッツ係数に与える影響

についてご説明いたします。

ライプニッツ係数とは何かを押さえた上で、逸失利益を計算する方法を知っておきましょう。

ご参考になれば幸いです。

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1、交通事故の逸失利益とは?

まず、ライプニッツ係数の中身に入る前に、ライプニッツ係数が使われる場面である交通事故における損害賠償の1つ、「逸失利益」とは何かをご説明します。

(1)逸失利益とは?

交通事故の被害者となり、損害を被った場合には、加害者に対して損害賠償金を請求することができます。

交通事故の損害賠償金には、ケガの治療費や慰謝料がありますが、被害者が死亡した場合や後遺障害が認定された場合には、「逸失利益」も請求できます。

逸失利益とは、交通事故に遭わなかったら本来得られたであろう利益のことです。交通事故で死亡した場合には、当然ですがそれ以降収入が得られなくなります。

また、後遺障害が残れば、それまでどおり働くことができず、通常は収入が減少してしまうことになります。

このように、交通事故に遭ったせいで収入が減少した分についても、「損害」として加害者側に請求することができます。

なお、交通事故に遭ったことにより仕事を休まざるを得なくなり、その分得られなかった給与相当額も広義では逸失利益です。

ただ、実務では、これは「休業損害」として別の計算方法となります。

逸失利益なのか休業損害なのか、この分かれ目は「症状固定」(これ以上治療してもこれ以上の改善はないと医師が判断すること)であることが一般的です。

つまり、症状固定“前”の損害は「休業損害」、症状固定“後”の損害が「逸失利益」として計算することになります。

(2)月給30万円の30歳であるAさんが後遺症で以後働けなくなった場合の逸失利益は?

例えば65歳まで働いたと仮定すると、Aさんは35年間の給与がもらえなくなってしまいます。

逸失利益は、1年ごとの基礎収入をもとに計算しますから、本来は1年ごとに受け取るべきものです。

しかし、損害賠償金は一時払いが原則となっており、将来発生する分も、今受け取ることになります。

ここで、将来発生するお金を今受け取る場合には、今の価値に直すという作業が必要になります。

Aさんの場合、35年間月30万円がもらえないのですから、単純に計算すれば、

30万円 × 12ヶ月 × 35年間 = 1億2,600万円

以上の計算から、1億2,600万円の逸失利益がもらえると言えそうです。

しかし、上記のように、前倒しで一括で1億2,600万円受け取るなら、将来1億2,600万円受け取ったのと同じになるように、利息を差し引きして調整する必要があるのです。

この途中発生する利息を差し引く作業を「中間利息控除」といいます。

2、ライプニッツ係数とは?

逸失利益の中間利息控除では、民法に定められている年5%の法定利率により、毎年発生する利息を差し引いていく計算をします。

このような利息の計算は複雑になりますから、実務では係数を使って行います

中間利息控除の計算では、「年金現価係数」という係数を使うことになります。

利息の付き方には単利と複利の2種類があり、どちらを選ぶかで係数も異なることになります。

単利計算を行う年金現価係数は「ホフマン係数(新ホフマン係数)」、複利計算を行う年金現価係数は「ライプニッツ係数」と呼ばれています。

(1)交通事故ではライプニッツ係数を使う

損害賠償金の中間利息控除を行う場合、ホフマン係数を使って単利計算した方が、被害者が受け取れる損害賠償金額は大きくなります。

しかし、現在の交通事故実務では、ライプニッツ係数を使って複利計算を行うのが一般的な対応となっています。

ちなみに、ライプニッツというのはドイツの数学者の名前ですが、ライプニッツ係数という呼び方は世界的にみて一般的なものではありません。

日本でも損害賠償金の計算の際にはライプニッツ係数という言い方をしますが、通常は年金現価係数と呼びます。

(2)ライプニッツ係数の計算式

利率5%のときのライプニッツ係数を計算するときの計算式は、次のようになります。

1年の場合 1÷1.05≒0.952

2年の場合 {1÷1.05}+{1÷(1.05×1.05)}≒1.859

3年の場合 {1÷1.05}+{1÷(1.05×1.05)}+{1÷(1.05×1.05×1.05)}≒2.723 ……

上記の計算結果を表にすると、次のようになります。

年数ライプニッツ係数
10.952
21.859
32.723
43.546
54.329
65.076
75.786
86.463
97.108
107.722

(3)逸失利益の計算以外でのライプニッツ係数の使われ方

ライプニッツ係数(年金現価係数)は、交通事故の逸失利益の計算の他、将来受け取りたい年金額から、必要な元本を算出するために使われることもあります。

たとえば、これから10年間、毎年100万円の年金を受け取りたい場合、運用利率を5%とすると、

1,000,000×7.722(利率5%、10年のライプニッツ係数)=7,722,000

となり、現時点では772万2000円を用意しておけばよいということになります。

3、ライプニッツ係数で逸失利益を計算する方法

ライプニッツ係数を使って逸失利益は計算されますが、後遺障害の場合の逸失利益の計算方法と、死亡した場合の逸失利益の計算方法は少し変わってきます。

以下、ご説明します。

(1)後遺障害の逸失利益の計算方法

①後遺障害の逸失利益の計算式

交通事故で後遺障害が残った場合には、労働能力を失うことになり、逸失利益が発生します。

逸失利益の計算をするときには、労働能力喪失率という数値を使い、次のような計算式で計算します。  

逸失利益=基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数

②基礎収入とは?

基礎収入は、原則として事故当時の年収になります。

会社員の場合には、事故の前年度の源泉徴収票で確認できる年収額で、自営業者や個人事業主の場合には前年度の申告所得額から算出された額になります。

なお、収入のない専業主婦や学生なども、逸失利益がないわけではありません。

専業主婦や学生は、賃金センサス(厚生労働省の統計結果)の平均賃金を使って基礎収入を算出することになります。

③労働能力喪失率とは?

逸失利益の算定の際に使われる労働能力喪失率とは、後遺障害によって働けなくなった度合いのことです。

後遺障害として認定されるときには、障害の程度に応じて等級が定められますが、労働能力喪失率も等級によって異なります。

各等級における労働能力喪失率は、次の労働能力喪失率表(自賠責保険支払基準別表Ⅰ)に従うのが一般的になっています。

等級労働能力喪失率
(別表第1)
第1級100/100
第2級100/100
(別表第2)
第1級100/100
第2級100/100
第3級100/100
第4級92/100
第5級79/100
第6級67/100
第7級56/100
第8級45/100
第9級35/100
第10級27/100
第11級20/100
第12級14/100
第13級9/100
第14級5/100

④労働能力喪失期間とは?

労働能力喪失期間とは、症状固定時から67歳までの期間とするのが原則となります。

ただし、被害者が学生などでまだ就労していなかった場合には、18歳もしくは大学卒業時から67歳までの期間とするのが一般的です。

また、55歳以上の人の場合には、67歳までの期間ではなく、平均余命年数の2分の1とすることがあります。

このように、労働能力喪失期間は、被害者の年齢で決まってきます。

そのため、「労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数」は、交通事故の被害者の年齢ごとに、ライプニッツ係数表(自賠責保険支払基準別表Ⅱ-1「就労可能年数とライプニッツ係数」)にまとめられています。

逸失利益を算定するときには、症状固定時の年齢をもとにライプニッツ係数表でライプニッツ係数を確認し、計算します。

別表Ⅱ-1「就労可能年数とライプニッツ係数」(国土交通省) 

(2)死亡事故の逸失利益の計算方法

①死亡事故の逸失利益の計算式

死亡事故の場合にも、逸失利益の計算の際の基本的な考え方は後遺障害と同じです。

死亡事故の場合には、労働能力喪失率は100%として計算します。

また、死亡事故の場合には、将来の収入を失う反面、将来かかったであろう生活費がかからなくなりますから、生活費の分は控除する扱いをします。

そのため、死亡事故の逸失利益の計算式は、次のようになります。  

逸失利益=基礎収入×(1-生活費控除率)×就労可能年数に対応するライプニッツ係数

②生活費控除率とは?

生活費控除率については、裁判所の基準を反映している「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」(いわゆる「赤い本」)によると、次のようになります。

【被害者が一家の支柱である場合】 被扶養者1名…40% 被扶養者2名以上…30%

【被害者が一家の支柱でない場合】 男子…50% 女子…30%

4、逸失利益の具体的な計算例

後遺障害の逸失利益の計算方法と死亡した場合の逸失利益の計算方法がわかったところで、実際に具体例でどのような計算になるのかみてみましょう。

(1)後遺障害の逸失利益の計算例

例)事故当時の年収700万円の40歳男性が後遺障害等級11級に認定されたケース

基礎収入700万円に、後遺障害11級の労働能力喪失率20%(20/100)、労働能力喪失期間(67歳までの年数=27年)に対応するライプニッツ係数14.643で計算

逸失利益=基礎収入×労働能力喪失率×ライプニッツ係数 =7,000,000×0.2×14.643 =20,500,200

つまり、このケースにおける逸失利益は2,050万200円となります。

(2)死亡事故の逸失利益の計算例

例)事故当時の年収800万円、52歳の会社員が、妻子を残して亡くなったケース

基礎収入800万円、生活費控除率30%、労働能力喪失期間(67歳までの年数=15年)に対応するライプニッツ係数10.380で計算

逸失利益=基礎収入×(1-生活費控除率)×ライプニッツ係数

           =8,000,000×(1-0.3)×10.380       

           =58,128,000

つまり、このケースにおける逸失利益は5,812万8,000円となります。

5、民法改正でライプニッツ係数も変わる?

2017(平成29)年5月26日、国会で民法改正案が可決され、同年6月2日公布されました。

改正民法の施行は、2020年4月1日に予定されています

今回の民法改正では、債権関係の規定について120年ぶりに大きな見直しが行われました。

その中で、交通事故の損害賠償に大きく影響してくるのは、法定利率が5%から3%に引き下げられたことです。

(1)法定利率引き下げで損害賠償金額が増加

交通事故の損害賠償請求において、逸失利益を算定する際には、法定利率によって中間利息控除を行うことが判例上明らかになっています。

これにより、現状では民法上の法定利率である5%に対応するライプニッツ係数を用いて逸失利益の計算が行われています。

しかし、超低金利時代と言われる現代、年5%での運用は現実には不可能であり、現実とのかい離が問題視されていました。

民法改正により法定利率が3%に引き下げられると、交通事故の損害賠償実務がより現実に即したものになります。

中間利息控除で差し引かれる利息が少なくなれば、被害者が受け取ることができる損害賠償金額は増えることになり、より充実した補償につながります。

(2)法定利率3%での逸失利益計算例

たとえば、労働能力喪失期間が10年の場合のライプニッツ係数は、現行の5%では7.722ですが、3%になると8.530となります。

基礎収入を600万円、労働能力喪失率67%(後遺障害6級)とすると、法定利率の差による逸失利益の違いは、

5%の場合 逸失利益=600万円×0.67×7.722=31,042,440円

3%の場合 逸失利益=600万円×0.67×8.530=34,290,600円

となります。

(3)法定利率引き下げのデメリット

民法改正により法定利率が引き下げられると、被害者から加害者に対して請求できる逸失利益は増えますから、被害者にとってはより充実した補償が受けられるというメリットがあります。

しかし、損害賠償金額が増えるとなると、保険会社の負担が増えることになるため、自動車保険料の引き上げが行われる可能性があります。

交通事故に遭った場合の安心感が大きくなる一方で、保険料負担の増加を懸念する声もあります。

まとめ

交通事故で後遺障害が残った場合や、死亡した場合には、加害者に対して逸失利益についての損害賠償金も請求することができます。

逸失利益を算定するときには、ライプニッツ係数表でライプニッツ係数としていくつを当てはめればよいかを確認して、計算しましょう。

交通事故の損害賠償金額の算定は複雑です。

十分な補償を受けるためには、弁護士に相談して適切な損害賠償金額を算定してもらうのがおすすめです。

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