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労働審判の費用に関して相談・請求する際に知っておきたい4つのこと

労働審判 費用

労働審判をして請求したいけど、費用はどのくらいかかるのだろう?

労働審判の場合、対象となる事件は限られてしまいますが、期日が原則3回以内という迅速に解決できるというメリットがあることが、近年の利用件数の増大につながっています。

今回は、労働審判の費用について説明していきます。

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1、労働審判をした場合にかかる費用は?

まずは、労働審判を弁護士に依頼せずに個人で申し立てた場合にかかる費用について説明します。

労働審判を申立てるにあたっては、大きく分けて、印紙代と郵券代が必要になります。

(1)印紙代

労働審判を申立てるには、申立書に収入印紙を貼る必要があります。その印紙の額は、請求する金額や紛争の種類によって異なります。

①残業代の請求等相手方に対して金銭を請求する場合(残業代の請求をする場合等)

この場合は、請求する金額によって印紙代が変わります。例えば、100万円を請求する場合には5000円の印紙代が、200万円を請求する場合には7500円の印紙代がそれぞれかかります。ちなみに、労働審判の申立てにかかる印紙代は、通常の訴え提起の場合の半額になっています。

なお、印紙代がいくらかかるのかについて詳しくは以下のような手数料早見表がありますので、こちらをご参照下さい。

手数料早見表

※より高額については手数料早見表をご参照下さい。

②解雇の無効を争う場合等、争いの性質上金銭に換算することが極めて困難な場合

この場合は、請求金額は160万円とみなされますので、その金額に相当する印紙代がかかります。そして請求金額が160万円の場合の印紙代は6500円となります。

(2)郵券代  2000円程度

印紙代の他に、郵券代もかかります。郵券とは郵便切手のことです。郵券は、相手方に必要書類を送付する際に使います。

ただし、郵券代については、裁判所ごとに取扱いが異なりますが、おおよそ2000円ほどです(※)。具体的な金額は労働審判を申立てる管轄裁判所に確認してみて下さい。

※例えば静岡地裁で労働審判を申立てた場合の郵券代は1900円(80円×20枚、20円×10枚、10円×10枚)です(詳しくはこちらをご参照下さい。)。

なお、当事者ご本人が労働審判を申立てる場合は、以上の費用だけで足りますが、弁護士を代理人にたてる場合は、これに加えて弁護士費用がかかります。これについては,次の項目で説明します。

2、労働審判を弁護士に相談する際にかかる弁護士費用の種類と相場について

次に労働審判を弁護士に依頼した場合の費用について説明していきます。

弁護士費用の種類と相場は以下の通りとなります。

(1)相談料

弁護士に法律相談をするには弁護士費用がかかります。

相談料の相場としては、30分5000円(税抜)です。

(2)着手金

着手金とは、依頼を受けた事件に着手するために必要になる費用です。

相手方に金銭の支払いを請求する労働審判の場合の着手金は、請求する金額が大きくなれば、その分高くなるのが通常です。請求額の約10%(消費税別)が相場となります。

これに対して、相手方に金銭の支払いを請求する労働審判ではない場合の着手金は、15万円から20万円(消費税別)が相場となります。

もっとも、最近では、労働問題を専門に扱う弁護士の中には、一部の労働問題について、着手金を頂かない弁護士もいるようです。

(3)報酬金

報酬金は、会社から金銭を回収できた時点で発生するものです。

相手方に金銭の支払いを請求する労働審判の場合の報酬金の相場は、回収できた残業代の20%から30%(消費税別)です。

相手方に金銭の支払いを請求する労働審判ではない場合の報酬金は、給与の2ヶ月分程度が相場となります。

(4)実費

実費が着手金に含まれている事務所もあるようですが、基本的には上記の費用以外に実費がかかります。

例えば、「1、自分で労働審判をした場合にかかる費用は?」労働審判を申立てるのに必要な収入印紙代や裁判所までの交通費、さらにはコピー代などがあります。

3、弁護士に依頼した方がいい?労働審判を弁護士に依頼するメリット

ここでは、労働審判を申立てる、または申立てられた労働審判に対応する際に、弁護士に依頼した場合のメリットについてお話しします。結論から申上げますと、紛争の性質及び労働審判手続の高度な専門性並びにデメリットの少なさからして、弁護士に依頼することをお勧めします。

(1)事前準備の必要性

労働審判は、紛争の実情に即した迅速、適正かつ実効的な解決を図ることを目的にしていますので、第1回期日までに争点を明確にしておく必要があります。

申立書に「予想される争点及び当該争点に関連する重要な事実」並びに「予想される争点ごとの証拠」を記載することが求められている(労働審判規則9条)ことからもお分かりになると思います。

そのためには、労働審判を申立てる前に、相手方と話し合いを行い、何が争点なのか、その争点について重要な事実は何なのか、その争点を解決するために必要になる証拠は何なのかを見極め、自分が立証責任を負う事実については、予め証拠を収集しておく必要があります。これは、高度な専門的知識が必要であることから、当事者ご本人がすべてを行うのは大変であり、主張すべき点を主張できないなどのミスも起こりやすくなります。この点では、労働問題を専門に扱う弁護士に、労働審判前の交渉の段階から依頼しておけば、必然的に「予想される争点及び当該争点に関連する重要な事実」並びに「予想される争点ごとの証拠」が明らかになり、収集の必要がある証拠については、事前に収集しておくこともできます。

よって、迅速さが要求される労働審判の性質からして、労働問題を専門に扱う弁護士に依頼された方が良いでしょう。

(2)労働審判期日における対応

特殊な職業に就いておられる方以外、裁判所での手続を利用したことなど全くないのが通常ですから、それだけでも労働審判期日では緊張することになるでしょう。

そのような緊張感の中で、労働審判委員会から直接質問を受け、それについて的確に回答することはなかなか難しいものです。しかも、労働審判委員会から質問は専門性の高いものであり、その質問の意図を明確に理解すること自体が難しいといえるでしょう。

労働問題を専門に扱っている弁護士に依頼された場合、交渉結果から明らかになった争点の解説、当該事案において予想される労働審判委員会からの質問及びそれに対する回答を、事前の打ち合わせで周到に準備することが可能です。また、労働審判期日においても、当事者の方が答えに窮した場合は助け舟を出すことも可能ですし、労働審判委員会からの質問をその場で開設することも可能です。

よって、安心して労働審判期日に臨むためにも、労働問題を専門に扱う弁護士に依頼された方が良いでしょう。

4、労働審判の弁護士費用をおさえる方法

労働審判を個人で申し立てるのは色々と面倒だから弁護士に依頼したいけど、弁護士に依頼した場合には弁護士費用がかかるからどうしよう…そのようなお悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで最後に労働審判を弁護士に依頼してもできるだけ弁護士費用をおさえる方法について説明したいと思います。

(1)まずは無料相談を利用する

前述したように、弁護士に法律相談をしようとする場合には相談料がかかってしまうのが通常ですが、法律事務所によっては初回相談に限って相談料をとらない事務所もあるようです。費用をおさえるためにはまずは無料相談の法律事務所に相談するとよいでしょう。もっとも、相談内容によっては有料のケースもあります。ご自身の相談内容が無料の範囲であるのか、事前の確認が必要です。

初回相談が無料だとしても、時間は限られていますので、相談時間を有意義に使う必要があります。
そのためには、聞きたいことを相談に行く日前までに事前に紙に書くなどして準備しておくようにしましょう。何も準備せずに法律事務所に行ってしまうと、雑談などで時間を取られてしまったりして、本当に聞きたいことが聞けないまま終わってしまうこともあったりします。

(2)自分でできることは自分でやる

労働審判の場合、裁判官以外に審判員がいますが、個人が申立て場合にはこの審判員が適宜サポートしてくれますので、個人で申立てて自ら手続きを進めることも可能です。

全ての手続きをご自身で行うのは難しいとお考えの場合には、例えば、申立書の作成や送付は自分でやってみることで費用をおさえることができます。

労働審判の費用まとめ

今回は労働審判を申立てる費用について説明してきましたが、いかがだったでしょうか。

労働審判をご自身で申し立てるにせよ、弁護士に依頼するにせよ、今回の話が労働審判の申立費用について知りたい方のご参考になれば幸いです。

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